◎○ 「クレーム」とは ○◎
みなさまはお仕事で「クレーム」を受けたとき、どのように応対していますか?
「クレーム」という言葉から、プラスのイメージを持つことはあまり多くないと思います。
「クレーム」は通常、提供したサービスや商品などに問題があった時に発生し、
「クレーム」をおっしゃる方はお怒りや不満を持っていることがほとんどです。
時には、とても対応できない要求をしてくる方もいらっしゃいます。
そのため、「できれば応対したくないな・・・」と感じられる方が多いと思います。
しかし、「クレーム」は「企業に対するメッセージ」「企業に対する期待のあらわれ」とも言われています。
例えあまり気が進まなかったとしても、しっかり応対しなければ、クレームがさらに大きくなり、
企業のイメージを損ねたり、お客様を失ってしまうことになりかねません。
そこで今回は、上手にクレーム応対を行っていくための考え方の一つである、
クレームの整理方法についてご紹介したいと思います。
◎○ クレームを4象限で整理 ○◎
クレームを「クレームの内容」と「要求の種別」で、マトリクスを使って分類します。
A:「クレームの内容」が妥当であり、かつ「要求」は対応可能なものである
B:「クレームの内容」に間違いがあるが、「要求」は対応可能なものである
C:「クレームの内容」は妥当であるが、「要求」は無理難題(対応不可能)である
D:「クレームの内容」に間違いがあり、かつ「要求」は無理難題(対応不可能)である
上記4つを簡単に説明してまいります。
◎○ 「要求の種別」が対応可能なグループ(A・B) ○◎
A:「クレームの内容」が妥当であり、かつ「要求」は対応可能なものである
クレームをおっしゃる方の言い分は適切です。
そのため、最後まで誠実な対応を行い、クロージングに結び付けていくことが大切です。
このクレームが大きくなっている場合、クレームの内容そのものよりも、
クレームを受けた時の初期対応の仕方等に問題がある可能性があります。
もし他の人が初期対応を行い、クレームを大きくさせてしまった場合は、そちらの改善を行うことも必要です。
B:「クレームの内容」に間違いがあるが、「要求」は対応可能なものである
クレームをおっしゃるお客様が認識違いをしていたり、誤った事実認識をしているパターンです。
その間違い・誤認識が正しいものになることで、要求自体が取り下げられることもあります。
ただし、間違いを正すことだけに気をとられると、相手の気持ちを損ね、違うクレームを発生させかねません。
まずは相手の言い分をしっかり受け止めてから、どの部分が間違っているのかを丁寧に説明し、理解を得ましょう。
◎○ 「要求の種別」が無理難題(対応不可能)なグループ(C・D) ○◎
C:「クレームの内容」は妥当であるが、「要求」は無理難題(対応不可能)である
Aと同様、クレームをおっしゃる方の言い分は適切なため、無理難題でも対応してしまおうとしがちです。
しかし、対応ができないのに無理な約束をしてしまうことは、新たなクレームを引き起こす要因となります。
そのため、無理難題な要求に応えられないことを丁寧にお断りしたうえで、代替案を提示していきましょう。
また、どのラインが「対応可能」と「無理難題」の境目になるかをあらかじめ把握しておくことも大切です。
D:「クレームの内容」に間違いがあり、かつ「要求」は無理難題(対応不可能)である
Bと同様、クレームをおっしゃるお客様が認識違いをしていたり、誤った事実認識をしているパターンです。
間違いが正されれば、要求自体が取り下げられることがありますので、まずはBと同じ対応が求められます。
ただし、最初に口にした無理難題の要求を取り下げなかったり、違う無理難題の要求をしてくることもあります。
その場合はCと同様、代替案を提示して理解を得ていきます。
長時間に及ぶこともあるため、粘り強い対応が求められます。
◎○ クレーム応対の実践スキルを向上させる ○◎
クレームを整理してみることで、クレーム応対の方向性が少し見えてきたのではないでしょうか。
方向性が見えてきたら、あとはそれを実行に移すのみです。
実行に移すためには、実践的な応対スキルを高めていくことが大切です。
高めるべきスキルは、謝罪のスキル、聴くスキル、話すスキル、(対面応対時の)立ち居振る舞いなど多くあります。
管理者の方であれば、上記に加えてクレーム応対指導のスキルも高めていかなければいけません。
日頃から意識して業務に当たったり、トレーニングを行うことによって、スキルを高め、クレームの収束につなげましょう。
研修では、クレーム応対の流れや必要なスキルについて確認したあと、
4つのケースのケーススタディやロールプレイングを行い、クレーム応対実践力を高めていただいています。
それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第9講目を終了いたします。
◎○ 次回もお楽しみに! ○◎