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2018年7月18日|カテゴリー「リレーブログ
皆さま、こんにちは。
竹内豊です。

ハードクレーム応対に関しご一緒に考える連載の、第2回目(後編)です。

第2回(前編)に引き続き、第1回のケーススタディとして、飲食店チェーン・JBMバーガーの本社コールセンターでの応対(架空)をご紹介いたします。

考察のポイント

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【考察のポイント3】
「信頼できる応対者」という印象を、天満太郎さんはもたらせているでしょうか。理由も含めて考えてみましょう。

【考察のポイント4】
お客様には「たとえ店舗スタッフには無理でも、本社のコールセンターなら私の話しをしっかり聞いてくれるだろう」という事前期待があります。その期待にかなう(或いは上回る)会話をもってお客様に応えることができているでしょうか。理由も含めて考えてみましょう。

考察のポイント3と4は、まとめて回答を申し上げます。皆さまもきっとお感じになっているように、残念ながら天満太郎さんはお客さまに信頼感をもたらす応対を行えていず、「本社なら」という事前期待にも応えられていません。

大きな要因は、「この訴えを本社サイドとして重く受けとめている。事務処理的に扱うつもりは全くない。あなたの話しをもっと聞かせてほしい」という姿勢をお客さまに示せていないことにあります。
その姿勢を示すためには、

◆⇒お客さまの訴えに対する本社側の認識を言葉で伝えること
◆⇒お客さまに、更に深掘りした状況確認(質問)を行うこと

が大切です。

それを踏まえた一連の会話の結果、具体的に

◆⇒早急に手立てを打つべきこと
◆⇒中長期的な課題とすべきこと

に論点を絞ったプレゼンテーションを行い、その上で、貴重な一報をくださったことへの謝辞を伝えることが、このクレーム応対を終結に導くためのストーリーとして適切と言えるでしょう。

例えば、以下のようなトークが考えられます。

「浜松町店でそのような接客が行われていたということを、大変恥ずかしいことに今日このようにお知らせいただくまで十分把握しきれておりませんで、誠に申し訳ございませんでした。本社側の責任として、まずお詫び申し上げます。申し訳ございません。」
「お知らせくださいました浜松町店の接客態度は大変問題があると、本社でも深く受けとめる次第でございます。お客さま、昨日の状況を更に詳しく伺いたいのですが、いくつか確認(質問)をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「お客さま、温度がぬるかったということでございますが、お味には、何かいつもと違う点はございましたでしょうか?」
「調理の設備と調理の仕方は、確かに全店舗共通でございます。しかし今回につきましては、お客さまが実際に『いつもとは味が違うと感じた』と言ってくださったのですから、店舗スタッフの役割としては原因を考える糸口を探すために、もっとお客さまに状況確認をすべきことがあったはずでございます。その点について全く教育がなっていなかったと、お客さまのお話しを伺いながら深く感じております(痛感しております)。申し訳ございません。」
「せっかくこういった貴重なお声をいただいている機会でございますので、もしよろしければ、他にも何かお気づきの点がございましたらお聞かせいただけますでしょうか? (浜松町店の接客はもちろん、他の店舗や、JBMバーガー全体に対することでもけっこうでございますので、お教えいただきたく思います)」
「接客に至らない点があったことは、本社側からこの後すぐ、責任を持ちまして店舗に伝えまして、指導にあたらせていただきます。また併せまして、ハンバーガーの調理を行う中での問題点も確認させていただきます。全店舗、確かに同じ設備ではございますが、店舗の造りによりましても商品の味は細かく変化いたしますし、キッチンスタッフの調理方法にも課題がないとは言い切れないと思われます」
「改善までに少しお時間を頂戴する点もあるかもしれませんが、逆に心がけ次第で今日からすぐ改善できることも多くあるなと、今のお話しを通して実感しております。早急に動いて参りたく思います。」
「お客さま、店舗では本当に不愉快な思いをなさったにもかかわらず、今後の改善に向けての貴重なご意見をお寄せくださいまして、本当にありがとうございます。」

考察のポイント3・4では付随して、基礎的応対品質でもある「正しい言葉遣い」にも問題があることも考えましょう。「状況のほう」「商品のほう」「原因のほう」のように不適切な場所で「ほう」を使っていること、「ございますが。」「思っておりますので。」「努めさせていただきますので。」のように文章の途中で止める言い方(文節止め)があること、「伺わせていただきたい」のように聞き苦しい二重敬語があることなどです。クレーム応対品質以前の、もっと基礎的スキルが問われる部分の問題点ですが、それができていないために、「あなたは本当に本社の人?」という印象(応対者・ビジネスパーソンとして頼りない印象)をもたらしてしまっています。もしもこれが責任者応対(二次応対)であったならば、「あなたは本当に責任ある立場の人?」とも思われてしまう現象です。

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火種が大きくなって大火事に発展するか、鎮火させられるかは、細かいスキルの積み重ねにかかっています。今回紹介した考察は、真っ先に取り組みたいことばかりです。皆さまの業務にもあてはめ、さらなるブラッシュアップにつなげていただければ幸いです。

応対時の言い回しについて、今回もいくつかのケースを紹介しました。私たちはプロの応対者として、「どのような言葉選びをするか」ということと共に、「どのような声音(サウンド)で言葉を発するか」についても、こだわって考えたいものです。次回(第3回)は、声の使い方をご一緒に考えましょう。
暑い毎日が続きます。どうぞご自愛ください。


竹内豊講師

竹内 豊 講師


「企業の最たる財産は“人”」「人財の成長が企業と地域社会、日本と世界を変える」をテーマに人財育成に従事。


営業、販売、サービス・接遇、クレーム応対などを広範囲に含む「顧客応対品質」の向上、お客さまと企業とがあたたかな心の繋がりを築くホスピタリティ、人は何の目的をもって労働に従事し組織に貢献するかという自己啓発分野を、自らの業務経験上から深掘りした研修は、受講者からの定評が高い。


笑いあり、白熱あり、涙ありとインパクトのある内容で、受講者の習得効果を追求。受講したその日から実践できるスキルだけでなく、成長の持続性と長期性を重視し、「意識面」「知識面」「技術面」からの多角的アプローチを大切にしている。

2018年7月18日|カテゴリー「リレーブログ
皆さま、こんにちは。
竹内豊です。

ハードクレーム応対に関しご一緒に考える連載の、第2回目(前編)です。
前回はケーススタディとして、飲食店チェーン・JBMバーガーの本社コールセンターでの応対(架空)を皆さまにご紹介しました。
「応対書き起こし」と共に、「考察のポイント」も4点お伝えしました。
「考察のポイント」に書かれている4点は、応対の問題を紐解くための鍵です。応対者(天満太郎さん)が、この4点をクリアできていさえすれば、お客さま(鈴木さま)の反応も違っていたことでしょう。

この4点は、ケーススタディで取り上げた飲食店クレームに限らず、多くの業種でのお客さま応対に通じる内容でもあります。「考察のポイント」に沿って、学習を深めていきましょう。

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【考察のポイント1】
お詫びの仕方が適切ではありません。応対者が天満太郎さんではなく、もしも皆さまなら、通話冒頭からどのようなお詫びをするでしょうか。

応対書き起こしでは、お客さまと応対者のセリフに番号を振っています。1番は応対者の名乗り(オープニングトーク)です。2番がお客さまの第一声で、その後しばらく、「なぜこの窓口に電話したのか」をお客さまがおっしゃる部分が続きます。お客さまの口調を読んでいくと・・・・・・、これは穏やかとは言えませんよね。ずいぶん切り口上です。

応対者はお客さまの第一声によく耳を澄ませ、どのような口調・声音・言葉遣いでお話しをされるかを聴いて、自分の話し方や会話の展開を考える手掛かりにしたいものです。
お互いが顔を合わせる対面のコミュニケーションでは、相手の動作・表情などを目で観る「観察力」が重要です。顔の見えないコミュニケーションである電話応対では、「察力」ではなく、「察力」が大切と言えるでしょう。

もちろん、お客さまの口調がきついからと言って、それだけでクレームと早計に判断することはできません(→口調がきつい・きつくないという判断軸だけでクレームかどうかに結びつけて考えるのは危険です)。ただ、この通話では実際にお客さまが第一声から切り口上なのですから、応対者もその温度感に合わせた口調・声音を発し、必要に応じて遅れることなくお詫びを発するべきだということに、まず気づけるといいですね。


応対者は13番で「はい、申し訳ございませんでした・・・・・・」と言っています。お詫びを述べるタイミングとしては少々遅いと言えます。10番でお客さまから投げかけられた言葉に対し、すかさず11番でお詫びを言えると良いでしょう。またその際は、

「せっかく商品をご注文くださいましたのに、ぬるかったということですね?大変失礼いたしました。」
「ご注文のお品がぬるかったということですね? 申し訳ございませんでした。」
「ハンバーガーの温度がぬるかったということですね? 申し訳ございませんでした。お詫び申し上げます。」

のように、お客さまのお話しの内容をきちんと理解したことを言葉で示しながら、お詫びを言えるとベストです。「事実フィードバック話法」→解説は後述)。
もしも、お客さまがここまでの部分でおっしゃった「ハンバーガーの温度がぬるかった」というフレーズを拾わずに、単に「申し訳ございませんでした」だけを述べるとすると、お詫びとしては不十分です。マニュアル通り誰にでも言うセリフを機械的に発している印象を与えてしまいます。そうではなく、「個に寄り添っている」という印象を、通話冒頭からもたらしたいものですね。

通話冒頭からしばらく、応対者が「はい」のみであいづちを打っていることにも注目しましょう。字で書くと「はい」という同じ言葉でも、声音にはさまざまな変化を加えられます。明るい「はい」、積極的に身を乗り出すような「はい」、心配そうな「はい」、真剣さを醸し出す「はい」などです。書き起こしだけでは声音が伝わらないのですが、もし応対者の天満さんが声音の使い分けを十分に行えていず、ワンパターンな「はい」しか言えていなかったら、真剣に向き合う姿勢ではなく事務処理的な印象をもたらしてしまいます。お客さまの訴え一語一語に真剣に耳を傾け、それに応じて応対者も感情豊かに応答するという姿勢示すために、あいづちの声にこめる表情も工夫できると良いでしょう。
そして、お客さまのお怒り口調に対して丁寧に反応しながらも、6番では、「お買い上げありがとうございます」の一言を欠かさず言えると良いですね。

考察のポイント

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【考察のポイント2】
お客さまの状況や心情を「理解すること」「理解したことを伝えること」において、天満太郎さんの応対の中で不足している点は何でしょうか。


考察のポイント2については、3つのフィードバック(「事実フィードバック話法」「感情フィードバック話法」「要約フィードバック話法」)が使えているか?という観点で考えることが、大きな手掛かりです。これらの話法は、コミュニケーションをする相手に対し「受けとめ」(傾聴の姿勢、受容・共感の姿勢)を示すために使います。「あなたの話しをしっかり聴いています」「あなたの話しの内容をよく理解しています」「あなたのお気持ちを察しています」「あなたの心情と私も共にあります」というサインを示すことにつながります。また、正確な情報収集のためにも欠かせないものです。

■3つのフィードバック

事実
フィードバック

お客さまがおっしゃった言葉の中から、起きた事実に関する部分をピックアップして、応対者の言葉として投げ返す。

感情
フィードバック

お客さまがおっしゃった言葉の中から、感情に関する部分をピックアップして、応対者の言葉として投げ返す。

要約
フィードバック

お客さまがおっしゃった言葉を適宜まとめ、「○○ということですね?」と確認する言葉を投げ返す。



考察のポイント1でも触れたように、まず「商品の温度がぬるかった」ということについて、応対者からお客さまに対する事実フィードバックが欠けています。その後も、17番「あ、さようでございましたか」、19番「そうでしたか」、41番「あ、そうでしたか」、43番「あ、そうでしたか・・・・・・」のように、あいづちだけで返している部分が続きます。あいづちだけでは不十分です。「○○ということですね?」と、お客さまの言葉を拾い上げたフィードバックができると、「あなたの話しをきちんと理解しています」という姿勢を伝えられることでしょう。
なお23番は、「あ、お客さまとしましてはハンバーガーの温度がぬるいのがご不満であったということですね?」と、要約フィードバックを用いることができている部分です(言葉遣いの粗さについては改善が求められるものの)。

お客さまの言葉の中で、感情があらわに表出している部分にも注目します。14番「がっかり」、36番「頼りない」、44番「マジでふざけんな」「マジでびっくりした」などです。こういったお客さまの心情をしっかりと理解していること、共感していることを示すために、

「がっかりされたということですね」
「頼りないと思われてしまう応対の仕方であったこと、誠に申し訳ございません」
「びっくりされるお気持ち、ごもっともでございます」
「店員がそのような答え方をしてしまったということですと、お客さまにとりましても余りにも意外で、驚かれてしまったということ、私なりに心からお察しいたします」

などの投げかけができると良いでしょう。
なお、こういった投げかけの結果、お客さまが「ほんとそうですよ!」などと、ますますお怒りを増すことも考えられます。これは応対者が示した共感に対しお客さまも同調された証拠であり、最終的に、「しっかり話しを聞いてくれた」という印象につなげるための過程にある現象です。「これ以上不用意に怒らせたくない」という理由から、お客さまの言葉をスルーしてしまうことのないようにしたいものです。

自分が理解しているからOKなのではなく、理解していることを言葉のキャッチボールの中で丁寧に示すことで、お客さまに安心感をもたらすことができます。


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考察のポイント3、4については後編で解説いたします。
ぜひご覧ください!



竹内豊講師

竹内 豊 講師


「企業の最たる財産は“人”」「人財の成長が企業と地域社会、日本と世界を変える」をテーマに人財育成に従事。


営業、販売、サービス・接遇、クレーム応対などを広範囲に含む「顧客応対品質」の向上、お客さまと企業とがあたたかな心の繋がりを築くホスピタリティ、人は何の目的をもって労働に従事し組織に貢献するかという自己啓発分野を、自らの業務経験上から深掘りした研修は、受講者からの定評が高い。


笑いあり、白熱あり、涙ありとインパクトのある内容で、受講者の習得効果を追求。受講したその日から実践できるスキルだけでなく、成長の持続性と長期性を重視し、「意識面」「知識面」「技術面」からの多角的アプローチを大切にしている。

2018年7月11日|カテゴリー「リレーブログ
皆さま、こんにちは。
竹内豊と申します。

今回から3回にわたり、「ハードクレーム」への応対ついて、皆さまとご一緒に考える場を持たせていただきます。

各社コールセンターはもちろんのこと多くの接客の現場で、

クレームはお客さまからいただくチャンスです
不満をきちんと表明してくださるお客さまはありがたいと考えましょう

と言われることがよくあります。
これは真実なので、意味を理解した上で一つひとつのクレームに感謝の心で向き合えればそれにこしたことはないのですが・・・・・・お客さま応対の最前線にいる人のホンネとしては、やっぱりクレーム応対って「大変なもの」ですよね。「嫌なもの」と感じる方も少なくないと思います。
「クレーム応対、好きです!」と言えるのは、もしかしたら変わった人かもしれません(ちなみに私はその変人の一人です!)

この連載ではハードクレーム応対の中でも特に、
①⇒お客さまのお怒りが非常に烈しい
激昂してしまっている
応対になかなか納得いただけず、執拗なまでにお話しを続けられてしまう
といったケースを扱います。

クレーム応対に必要なスキルの中でも特に重要なものをピックアップして取り上げ、皆さま一人ひとり、そしてセンター組織全体の応対力アップの一助となることを、大切なねらいとしています。後ろ向きになりがちなクレーム応対に、少しでも前向きに臨めるようになり、プロの応対者としての自信を深めていただけるならば、嬉しく思います。

第1回の今回はケーススタディを用意しました。ケーススタディを通し、応対のどこに問題があるのかをご一緒に考えてみましょう。



【ケーススタディ】 

☆⇒「企業情報」「設定」「応対書き起こし」を確認してください。「応対書き起こし」については、声に出して読んでみることをお勧めいたします。
☆⇒「考察のポイント」を確認し、皆さまそれぞれのお考えを整理してみてください。

●企業情報 (下記情報は全て架空です)

企業名

JBMバーガー

所在地

本社:大阪市北区東天満1503-3

業種

飲食業。ハンバーガーショップのチェーン展開を行なっている。全国に140店舗。

問合せ先

JBMバーガーお客さま相談室

TEL0120-000-001

受付時間:9001900(月~金/年末年始を除く)

 

●設定

受付日時

2018710日(火) 1100

問合せの主旨

受電経緯

先日、東京都内の店舗「浜松町店」でハンバーガーのセットを注文し、店内で食べたところ、ハンバーガーの温度が低いように感じた。過去、チェーンの他店舗でも同じメニューを注文したことが何度かあったが、このように低い温度ではなかった。店員に苦情を言ったところ、商品を交換してくれた。だが、交換後のハンバーガーもやはり温度が低い(ぬるい)ように感じた。

店員に、「なぜ2度もぬるい商品を出すのか」について苦情を言ったところ、それに対する答え方が冷淡・事務的で、非常に腹が立った。

本社に直接クレームを言いたいと思い、インターネットでお客さま相談室の電話番号を調べ、電話した。

お客さま

鈴木さま/男性

応対者

天満太郎(てんまたろう)/男性


●応対書き起こし

お客さま(鈴木さま)応対者(天満太郎)
1
お電話ありがとうございます。
JBMバーガー天満でございます。
2
すいません
3
はい
4ちょっと言いたいことがあって
電話したんですけど

5
はい
6あのさ。こないだ、お宅の店舗で
ハンバーガー頼んだんですけど、

7
はい
8それがちょっとね、
ちゃんとした温度じゃないっていうか、

9
はい
10ぬるかったんですよ
11
はい・・・
12だから「はい」じゃなくてさ!
13
はい、申し訳ございませんでした・・・・・・
14がっかりしたんですけど、はっきり言って。
15
はい、あの、本当に申し訳ございません。
商品の温度につきましてはきちんと
管理するようにいたしますので。
あの、恐れ入りますが、どちらの店舗を
ご利用でしたでしょうか?
16温度管理ちゃんとするようにっていうのは、
店舗でも言いましたよ、店員さんに!

17
あ、さようでございましたか
18そしたら、「温度チェックは毎日
決まった時間にやってて、
今日も特に問題は出てない」
って言われたんですね。

19
そうでしたか
20おかしいよね、こういうの!
21
はい、あの
22こっちはさ、自分で食べて
ぬるいって感じたから、
それをそのまま伝えてんのにさ、
「問題ありません」って言うのはね。
問題ないんじゃないんだよ!
問題あるんだよ!

23
あ、お客さまとしましては
ハンバーガーの温度がぬるいのが
ご不満であったということですね?
24そうです!こっちだって、
もしお宅の設備とか機械に
もし異常が発生してるんだったら、
言ってあげたほうが親切かなと思って、
言ったわけなんですよ。

25
申し訳ございませんでした。
本社からもですね、キッチンの状態に
異常がないかどうか至急店舗に
確認させたいと思いますので、
あの、商品がぬるかったというのは、
本日でしょうか?
26昨日です
27はい、昨日、何店を
ご利用されましたでしょうか?
28浜松町店です。
29
東京の浜松町店でお間違いなかったですか?
30そうだってば!
ていうかさ、お宅のさ、
モノの言い方っていうか聞き方っていうか、
その喋り方さ。
変だと思うんだけど、ほんとに本社の人?

31
はい、あの、こちらは本社の
お客さま相談室でございますが
32あなた、なにさんでしたっけ?名前。
33
私は天満と申します。
34天満さん。悪いんだけどさ、
そこのもっと偉い人っていうか、
上司の人出してもらえます?

35
あ、申し訳ございません。
あのー、それは、ハンバーガーの温度が
ぬるかったことがご不満だったから
ということでしょうか?
36それはもちろんそうだけど、
ちょっとこっちも、
他に喋りたいこともあるんだけど
正直言ってちょっと
天満さんだと頼りないんだけど!

37
あ、あのですね、申し訳ございません。
私がまずお話しのほう伺わせていただきたいと
思っておりますので
38じゃあそれでもいいけどさ
39はい。あの、浜松町店にはですね、
この後ですぐに連絡を取りまして、
温度の件、申し伝えますので。
昨日はせっかくお越しいただいたのに
ご不快な思いをさせてしまいまして、
申し訳ございませんでした。
40いや、あのね、不快は不快なんだけど、
ハンバーガーを作る設備に
異常があるんじゃないかと思ったのは、
他の店舗でもおんなじ商品注文したこと
何回かあるんだけど、
そん時は普通に熱かったんですよ。
持った時に、「お、熱いな」って
感じるくらいに。

41
あ、そうでしたか
42だからおかしいと思って、
昨日浜松町店の店員さんに言ったら、
逆にこう言われたんですよ。
「全店舗で同じ設備、同じ材料、
同じ調理方法で作っているので、
店舗によって温度が違うということは
考えられない」って言われたんですね。

43
あ、そうでしたか・・・・・・
44だからマジでふざけんなって話しだよね!
こっちだってわざわざこんなくだらないことで
嘘つくわけないじゃん!
現に他の店で食ったやつとは明らかに温度違っててさ
浜松町店のは冷たかったからさ、それを伝えてんのに
「考えられない」って。
マジでびっくりしたんだけど、その答え方。

45
あ、あの、確かにですね。
あのー、状況のほうは
もう一度確認しないと分からないんですけれども、
全国の店舗で全て同じ設備で、
同じ調理方法で商品のほう提供しておりまして、
店舗によってクオリティが変わるということは
基本的にないようにおりまして
46いや、だから違ってたんだって、温度が!
47
はい、あのそちらについての原因のほうはですね、
ちょっと調べてみないことには
お答えできないものですから・・・・・・。
あのー、浜松町店の店員は、
商品の交換はさせていただきましたでしょうか?
48してくれましたけど、
交換してくれたやつもやっぱりぬるかったから、
それで苦情言ったんだよ、こっちも。

49
交換はしたということですね?
50はい
51
かしこまりました。
あのー、今いただいたお話しをもとに、
商品の温度管理とですね、
それから店舗スタッフの対応にも
ご不快をもたらしてしまう点があったことは、
しっかり申し伝えまして、
今後の改善に努めさせていただきますので
52何を改善すんの?
後略


●考察のポイント

1.⇒お詫びの仕方が適切ではありません。応対者が天満太郎さんではなく、もしも皆さまなら、通話冒頭からどのようなお詫びをするでしょうか。
2.⇒お客さまの状況や心情を「理解すること」「理解したことを伝えること」において、天満太郎さん応対の中で不足している点は何でしょうか。
3.⇒「信頼できる応対者」という印象を、天満太郎さんはもたらせているでしょうか。理由も含めて考えてみましょう。
4.⇒お客様には「たとえ店舗スタッフには無理でも、本社のコールセンターなら私の話しをしっかり聞いてくれるだろう」という事前期待があります。その期待にかなう(或いは上回る)会話をもってお客様に応えることができているでしょうか。理由も含めて考えてみましょう。

次回(第2回)は、上記の考察にそって、分析を深めていきます。
ぜひお時間のある時に、このケーススタディに取り組んでみてください。

末筆ですが、大雨による被害が拡大中です。被災地の皆さまに心からお見舞い申し上げます。
どうぞ引き続き厳重な警戒を行なってくださいますようお願いいたします。

竹内豊講師

竹内 豊 講師


「企業の最たる財産は“人”」「人財の成長が企業と地域社会、日本と世界を変える」をテーマに人財育成に従事。


営業、販売、サービス・接遇、クレーム応対などを広範囲に含む「顧客応対品質」の向上、お客さまと企業とがあたたかな心の繋がりを築くホスピタリティ、人は何の目的をもって労働に従事し組織に貢献するかという自己啓発分野を、自らの業務経験上から深掘りした研修は、受講者からの定評が高い。


笑いあり、白熱あり、涙ありとインパクトのある内容で、受講者の習得効果を追求。受講したその日から実践できるスキルだけでなく、成長の持続性と長期性を重視し、「意識面」「知識面」「技術面」からの多角的アプローチを大切にしている。

2018年6月27日|カテゴリー「リレーブログ
こんにちは、唐澤理恵と申します。
今回は「クレーム応対」の最終回です。
よろしくお願い致します。

第4回 テーマ:不当な要求に対する応対

クレームはお客様の要求を伴うものですが、時として「不当な要求」もあります。
そこで最終回は、「不当な要求」に対する応対を考えたいと思います。

お客様の行き過ぎた要求は法律に触れる場合もあり、関連する法律を認識したうえで応対をすることも1つのポイントです。

不当な要求

①「ここで土下座しろ」
ニュースなどでも時々取り上げられるケースですね。脅迫や暴行により、常識の範疇を超えて義務のないことを行わせることは、「強要罪」(刑法第223条)に該当する可能性があります。

きちんと対応したにも関わらず不当に土下座などを強要された場合は、「土下座に応じることできません」と、丁寧に毅然とお断りを入れます。それでも要求が続く場合は、「このような要求は強要罪にあたると判断致します。これ以上無理をおっしゃる場合はしかるべき対応を取らせていただきます」と、毅然とした姿勢を貫きましょう。

②「ネットに書き込むぞ」
名誉毀損になるような内容を、相手の名誉を傷つける事を目的として公表することを告知する行為は「脅迫罪」(刑法第222条)にあたる場合があります。

「変なことをネットに書かれたら困る・・・だから言われた通りにしておこう」では、相手の思う壺です。「ネットの書き込みはお客様のご判断にお任せするしかございません。しかし、書き込まれた内容によりましては、私どもも相応の対応をとらせていただくことになりますので、ひと言申し上げておきます」と、冷静に対応しましょう。

③わめく等、中身の無い電話の繰り返し
激高して一方的にわめき散らすなどの中身のない電話は、「お話ができる状態でないと判断しますので、電話を切らせていただきます」と告げたうえで、電話を切ります。

その後も繰り返し電話が入り業務に支障が出る場合は、「威力業務妨害罪」(刑法第234条)が成立する可能性があります。記録に残して、警察に相談することも可能です。

①~③のいずれも、実際に罪状が適用されるかは、前後の状況や司法の判断によります。が、訴えを出した場合は相手側が自身の要求の正当性を立証する必要があるので、理不尽なクレームに、法律に基づいて対応することは効果的です。

このように、悪意を伴った「不当な要求」には毅然と対応することがポイントですが、一方で、日々の応対がお客様に悪意を抱かせてしまっていないかを振り返ることも大切です。

日本苦情白書のアンケートに、「何回嫌な思いをしたら苦情を申し立てますか」との問いに、最も多かった回答は「3回嫌な思いをしたら」(43.6%)だったというデータがあります。つまり、お客様は、クレームを申し立てる前にも嫌な思いをされている可能性があり、過去からの積み重ねが過剰な要求を引き起こしているのかもしれないのです。

「クレーム応対」について4回にわたってお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
皆さんの日々の業務に少しでもお役に立てば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

唐澤 理恵 講師
唐澤 理恵 講師


大手証券会社に入社後、窓口営業~資産コンサルタント~コールセンター立ち上げを経てSVと研修トレーナーを経験。その後研修トレーナーリーダーとして同社内で次々とセンターの拠点拡大に携わり、人材育成、品質管理、ツール作成などの仕組み構築、運営を行う。平成20年より独立講師としてコールセンター系のコンサルティング&人材育成をメインに活動を開始する。長年の経験とコーチング技法を用いた現場目線の指導で好評を博している。

《主な研修実績》
「大手電気通信事業会社」「銀行」「証券会社」「損害保険会社」「化粧品会社」「情報通信コンサルティング会社」 「自治体向け教育法人」等、他多数
2018年6月20日|カテゴリー「リレーブログ
こんにちは、唐澤理恵と申します。
今回は「クレーム応対」の3回目です。
よろしくお願い致します。

第3回 テーマ:クレーム応対のポイント

前回、「クレーム」には「心理的な要求」と「物理的・内容的な要求」があり、両方の要求を満たす応対が必要とお伝えしました。

今回は、2つの要求を満たす「クレーム応対のポイント」について考えてみましょう。

まずは、「心理的な要求を満たす」ポイントです。

【傾聴・共感】
クレームを申し出たお客様は、「自分の話を聴いて欲しい」と思っています。
時にはお客様の勘違いや誤解もあるかもしれませんが、まずは途中で遮ったりせず、お客様の気持ちを受けとめながら言い分を聴くことが大切です。
謝罪

【謝罪】
クレームは、企業がお客様の期待に沿えなかった結果です。期待に沿えなかったことに対しては、謝罪が必要です。謝罪には、「全面謝罪」「部分謝罪」があります。

「全面謝罪」とは、企業側の落ち度が明らかな時に「大変申し訳ございませんでした」と全面的にお詫びをすることです。

一方、「部分謝罪」とは、お客様が不快に感じたことなどについて限定的に謝罪する方法です。

例えば、飲食店でお客様から「この肉、変な味がする」とお申し出があったとしましょう。
このような時、応対者は、「原因を調べないうちに安易に謝るわけにはいかない」と考え、謝罪を避けます。
が、お客様が味に不安を感じたとことは期待外れの結果であり、謝罪が無いことでお客様の不満は増長します。

すぐに全面謝罪がしにくい場合でも、「ご心配をお掛けして申し訳ございません」などと、お客様の心情に対してお詫びすることが必要です。
これが「部分謝罪」です。

次に、「物理的・内容的な要求を満たす」ポイントです。

【質問・確認】
クレームにはお客様の要求が伴いますが、お客様が「要求」や、クレームを申し立てるに至った「経緯」などを明確に言葉にされないことも多々あります。
このような場合、お客様が「どのような要望・要求を持たれているか」、「いつ、何があったのか」などを、応対者が「質問」し、正しく把握します。

【説明・提案】
お客様の「要求」がわかったら、企業側は、その要求についてどのように解決・改善していくかを伝える必要があります。内容によってはすぐに解決、改善できないこともありますが、このような場合は、「調べて連絡する」、「今後に向けた取り組み姿勢を伝える」ことも説明・提案にあたります。

以上が、「心理的な要求」と「物理的・内容的な要求」に応える応対のポイントです。
クレーム時のお客様が、「どのような気持ちで」「何を求めているのか」を考えることが、応対のポイントの実践につながると思います。

唐澤 理恵 講師
唐澤 理恵 講師


大手証券会社に入社後、窓口営業~資産コンサルタント~コールセンター立ち上げを経てSVと研修トレーナーを経験。その後研修トレーナーリーダーとして同社内で次々とセンターの拠点拡大に携わり、人材育成、品質管理、ツール作成などの仕組み構築、運営を行う。平成20年より独立講師としてコールセンター系のコンサルティング&人材育成をメインに活動を開始する。長年の経験とコーチング技法を用いた現場目線の指導で好評を博している。

《主な研修実績》
「大手電気通信事業会社」「銀行」「証券会社」「損害保険会社」「化粧品会社」「情報通信コンサルティング会社」 「自治体向け教育法人」等、他多数
2018年6月13日|カテゴリー「リレーブログ
こんにちは、唐澤理恵と申します。
今回は「クレーム応対」の2回目です。
よろしくお願い致します。

第2回 テーマ:「クレームで解決させなければいけないもの」

前回、クレームは「お客様が期待外れの結果についてこうして欲しいと要求を伝えている状況である」とお伝えしました。
(詳しくは第1回「クレームとは何か」をご覧ください)

今回は、「クレームで解決させなければいけないもの」について考えてみましょう。

そもそも、クレーム時、お客様はどのような要求を抱いているのでしょうか?
事例をもとに考えてみましょう。
クレームで解決させなければいけないもの

お客様 「昨日買ったシャツなんだけど、帰って開けてみたらここがほつれていたの。新しいものと交換してもらえる?」

応対①
店員 「かしこまりました。新しいものをご用意致します。お求めいただいた際のレシートはお持ちですか?」

皆さんがお客様だったら、①の応対で満足ですか?
たいてい、次の様な意見があがります。

「確認不足だったことや、手間を掛けさせたことに対してきちんと謝って欲しい」

その通りですよね。
では、次のような応対だったらいかがでしょうか?

応対②
店員 「こちらの確認不足でございます。申し訳ございません。せっかくお求めいただいたのにご面倒をお掛けする結果になってしまいました。改めてお詫び申し上げます」

②の応対はいかがでしょうか?
こちらのケースについては、次のような意見があがります。

「謝ってくれるのはいいんだけど、交換してもらえるのかの返事が欲しい」

こちらの意見もごもっともですよね。

クレームでは、2つの要求があると言われています。

「物理的・内容的な要求」・・・商品の交換、修理、返金、納得感のある説明、修正、改善
「心理的な要求」・・・謝って欲しい、聞いて欲しい、わかって欲しい

先程の例で整理してみましょう。

「ワイシャツを交換して欲しい」というのは物理的な要求、「帰って開けた時のがっかり感をわかって欲しい」、「不要な手間が掛かったことを謝って欲しい」というのは心理的要求です。
応対①、応対②のいずれかだけでは満足に至らなかったのは、お客様の2つの要求が満たされていなかったからなのです。

つまり、クレームでは、この2つの要求の両方を満たす応対ができてこそ、真にお客様に満足いただける応対になるのです。

では、「物理的・内容的な要求」「心理的な要求」の両方を満たし、お客様にご満足いただく応対を実践するには、どのような点に気をつけたら良いのでしょうか?

次回は、2つの要求を満たす応対について考えたいと思います。

唐澤 理恵 講師
唐澤 理恵 講師


大手証券会社に入社後、窓口営業~資産コンサルタント~コールセンター立ち上げを経てSVと研修トレーナーを経験。その後研修トレーナーリーダーとして同社内で次々とセンターの拠点拡大に携わり、人材育成、品質管理、ツール作成などの仕組み構築、運営を行う。平成20年より独立講師としてコールセンター系のコンサルティング&人材育成をメインに活動を開始する。長年の経験とコーチング技法を用いた現場目線の指導で好評を博している。

《主な研修実績》
「大手電気通信事業会社」「銀行」「証券会社」「損害保険会社」「化粧品会社」「情報通信コンサルティング会社」 「自治体向け教育法人」等、他多数
2018年6月6日|カテゴリー「リレーブログ
こんにちは、唐澤理恵と申します。
今回から4回にわたって皆さんと「クレーム応対」について考えていきたいと思います。
よろしくお願い致します。

今回のテーマ:「クレームとは何か?」

早速ですが、皆さんに質問です。

ケース①
お客様 「すいません、昨日買ったシャツなんですけど、帰って開けてみたらここがほつれているんです。新しいものと交換してもらえますか?」

ケース①はクレームですか?

ケース②
お客様 「何なのこれ!昨日買ったシャツ、帰って開けてみたらほつれてるじゃない!ほらここ見てよ。こんなものをお客様に出して恥ずかしくないの?すぐに新しいものと交換しなさい!」

ケース②はクレームですか?

研修でこの質問をすると、①を「クレーム」と言う人はあまりいません。
一方、②については、ほとんどの人が「クレームである」と言います。

なぜでしょう?
日本では、「クレーマー」「モンスタークレーマー」といった表現があるためでしょうか・・・応対者にとって「怒られる」「追い詰められる」といった負のイメージがあるものを「クレーム」と判断しがちです。

本来「クレーム」とは、商品やサービスに対し、言って当然の改善要求、契約上の権利請求を指し、英語では次のように区別されています。

・complain :不満、愚痴
・claim :当然の要求、権利の主張

日本では、以下の3つを総称して「苦情」「クレーム」と言っていることが多いように思います。

①不満・愚痴
②改善等を求めるもの
③不当要求や嫌がらせ

さて、先程の例に戻って考えてみましょう。
①も②も、お客様は「買ったばかりのシャツがほつれていたから交換して欲しい」と当然の主張をしています。
ということは、①も②も「クレーム」ですね。

このように「クレーム」とは、お客様が企業側に「期待外れだったからこうして欲しい」と要求を伝えている状況です。お客様が企業側に高い期待や関心を寄せてくださっている証でもあり、お客様の「怒り」の温度で判断するものでは無いのです。

そして、「クレーム」が企業への関心の表れであるからこそ、お客様の要求に応え、満足いただける応対が重要になってきます。

「ジョングッドマンの法則」では、『苦情を申し出たお客様が、その際の解決に満足された場合、商品やサービスの再利用率は、不満を持ちながら苦情を申し立てなかったお客様の再利用率よりも高い』という統計が出ています。

ジョングッドマンの法則

「クレーム」は、お客様の要求を伴っています。
皆さんはお客様の要求に応える応対ができているでしょうか?
次回からは、お客様の要求に応えるクレーム応対について考えていきたいと思います。

唐澤 理恵 講師
唐澤 理恵 講師


大手証券会社に入社後、窓口営業~資産コンサルタント~コールセンター立ち上げを経てSVと研修トレーナーを経験。その後研修トレーナーリーダーとして同社内で次々とセンターの拠点拡大に携わり、人材育成、品質管理、ツール作成などの仕組み構築、運営を行う。平成20年より独立講師としてコールセンター系のコンサルティング&人材育成をメインに活動を開始する。長年の経験とコーチング技法を用いた現場目線の指導で好評を博している。

《主な研修実績》
「大手電気通信事業会社」「銀行」「証券会社」「損害保険会社」「化粧品会社」「情報通信コンサルティング会社」 「自治体向け教育法人」等、他多数
2018年5月30日|カテゴリー「リレーブログ
みなさま、こんにちは。「アウトバウンド業務の極意」3回目は、モニタリングについて取り上げます。


どの程度モニタリングができていますか?
みなさまのセンターでは、モニタリングはどの程度の頻度で実施をされていますか?
そして、モニタリングの目的をどこに置いているでしょうか。

モニタリングには大きく2種類あります。
・音声モニタリング:録音音声によるチェック。主にQA(Quality Assurance)が品質管理を目的にセンター独自の指標で評価を行うことが一般的。
・リアルモニタリング:通話中の音声をその場で直接チェック。成果向上を目的に、主にオペレーション現場のLD(リーダー)やSV(スーパーバイザー)が実施。お客様への説明を通話中に修正したり、対応終了後にすぐにフィードバックを行う。

コールセンターであれば、多くは応対品質の観点から定期的なモニタリングを実施されていると思います。
しかし、成果向上のための「攻め」のモニタリングを習慣化できているセンターは意外と少ないようです。

私が支援させていただいたセールスセンターでは、SVのルーチン業務としてモニタリングを位置づけることができていませんでした。(SVはクライアント対応やシフト管理など確かに業務過多で、“キャパオーバー”になりがちなのは痛いほどわかるのですが・・・)そのため各SVに成果改善上の問題点を聞くと全員がバラバラな回答をするという状況でした。

しかし、たった1時間リアルモニタリングしただけで、コミュニケーターさんの共通課題としてオープニングトーク段階での拒否に対する応酬と、話を聞いてくださるお客様に対するクロージングトークに共通のつまづきがあることを掴むことができました。

たとえ1週間の中の1時間だけでも、ひとりひとりのSVが定期的にモニタリングすることで現場課題を掴むことができれば、チームにとり価値がある工数になるのではないでしょうか。

モニタリングで掴むべきこと

モニタリングで掴むべきこと
攻めのモニタリングにおいて、狙いは3つあります。

ひとつは、戦略の有効性の確認です。
第2回のブログで触れましたが、アウトバウンドではスクリプト上にトーク戦略を反映させ、コミュニケーターさん全員にその戦略を浸透させます。その戦略が実際に効果があるかどうかを検証するためにモニタリングは欠かせません。
また業務に慣れてきたコミュニケーターさんは、スクリプトを無視して我流に走ってしまうことがあります。その「我流」で成果が上がっている場合は問題はないものの、コンプライアンス上の問題があったり成果につながっていない場合には修正を指示・指導する必要があります。

ふたつめは、戦略立案のヒントを得ることです。
ハイパフォーマーは、経験から言い回しなど細かな工夫を重ねて成果に繋げています。そのハイパフォーマーの音声をモニタリングすることで、チーム内にナレッジとして展開できるものを拾いスクリプトに反映させるのです。上手な人を真似る、は成果改善の基本です。

最後に、育成です。
これはモニタリングされるコミュニケーターさん個々人の課題把握はもちろんのこと、モニタリングするSV側の育成にも役立ちます。SVそれぞれがモニタリングを行い、所感を共有していくことで課題認識を揃えることが可能です。「聞けば課題を掴める」耳を育てていくことにモニタリングは大きな効果を期待できます。

アウトバウンドは、インバウンドと違い自分たちが話をリードしやすいという特性があります。だからこそ、目的に合わせた戦略立案が重要であり、戦略の確実な実行のためにモニタリングを最大限活用していただくことを期待します。

堀口 園生 講師
堀口 園生(ほりぐち そのお)講師


明治大学商学部卒業後、大手金融会社にて女性営業部隊に所属し大手地方銀行の新規開拓に従事。

結婚、出産後を経て大手コールセンターにて10年間勤務。
アウトバウンドセールスを専門とし、保険・美容品・PC・人材サービスなど有形無形問わずに電話だけでセールス成果を上げることに貢献。
マネージャー兼トレーナーとしてセールスチームに特化した教育プログラムを構築し、電話経験ゼロの社員を全国トップの100名規模のセールス集団に育て上げた。

またプロコーチとしての傾聴・フィードバックスキルを活かした社員育成が評価を受けている。

企業でのセールスチームマネジメント経験から、「現場の課題解決」「成果」にこだわった指導を得意とする。現場での再現性を持たせるため、対話と体験学習を多く取り入れ、受講者自らに気づきを起こして当事者意識を持たせる研修運営に特長を持つ。
『受講者主役』をモットーに、ロールプレイングやディスカッションから見える一人ひとりの個性に合わせた個別フィードバックにより現場の行動促進を促している。
2018年5月23日|カテゴリー「リレーブログ
みなさま、こんにちは。「アウトバウンド業務の極意」2回目は、コミュニケーターさんのトークの武器となるマニュアルについて考えましょう。

トークマニュアルって、何を用意していますか?
アウトバウンドセンターの改善支援をさせていただく際、一番先に確認するのが「トークマニュアル」です。トークマニュアルを見れば、そのセンターが成果を出せるかどうかがわかる、と言い切れるほど、トークマニュアルの精度は成果に大きな影響を与えます。しかし残念ながら、意外とトークマニュアルを「戦略」と捉えて準備できているセンターが少ないのが実情です。

本来、アウトバウンド業務は、明確な架電目的(架電することで何を得るのか)、成果目標が明確に定められています。コミュニケーターさんがお客様をリードしながら目的達成に向け話を展開することが求められるため、「勝ちパターン」と「障壁を超える準備」を整えておくことが成否のカギを握ります。

アウトバウンドにおける「三種の神器」
アウトバウンド業務において、必ず準備しておきたいトークマニュアルが3つあります。

三種の神器

トークスクリプト
トークスクリプトが存在しない、というセンターはほとんどないでしょう。しかし、実際にコミュニケーターさんが「使える」スクリプトに仕上がっていないケースが多いのも実情です。もし、業務開始時に作ったきり、更新をしていない場合は要注意です。
トークスクリプトは、戦略を反映させた「勝ちパターン」の指南書です。お客様との対話をモニタリングし、お客様のよくある反応に対応した表現に微調整をかけることでコミュニケーターさんのトーク品質が担保されます。
例えば、名乗りから架電目的を伝えるまでの「オープニングトーク」。お客様から「忙しいからまたにして!」とすぐに切られてしまうコミュニケーターさんと、よく話を聞いてもらえるコミュニケーターさんのトークの差を検証した際に「お時間1・2分だけ宜しいでしょうか」との言い方をしてお客様の不安感を解消できているケースがあります。このような小さな「勝ちパターン」をコミュニケーターさん任せにするのではなく、スクリプトに反映させチーム全体に浸透させることが重要です。

②FAQ(クレーム対応を含む)
業務上のFAQも、単なる商品マニュアルを預けている場合は改善チャンスがありそうです。
商品・サービスに関する知識の中でも、お客様から頻繁に質問される項目については「わかりやすい答え方」をトーク化してチーム全体に展開することをお勧めします。お客様はコミュニケーターさんよりもサービス知識はなく、更に電話の特性として耳でしか情報を得られません。シンプルでわかりやすい回答をしなければ不信感を抱かれ、コミュニケーターさんの話を聞こうとの気持ちが削がれ、満足度も低下します。お客様の関心事にスパッとわかりやすく答えることで、有利なトーク展開ができるよう整備しましょう。

➂切り返しトーク集(リバトル集)
獲得系の業務の場合は特に重要になるのが、応酬話法(リバトル)です。
スクリプトでトークの本筋を決めていても、途中でお客様からネガティブな発言が出てくることで話が脱線し、話の主導権を握れなくなることは多々あります。その際に、一言の切り返しトークで対応し話を本筋に戻すことが重要ですが、この切り返し方もコミュニケーターさんに「任せっきり」になっているセンターが多いようです。お客様の感情を害さない言い方、納得しやすい言い方をチームで検証し、トーク化してマニュアルに落とし込むことで、拒否につまずき話が展開できないコミュニケーターさんを救うことができます。

トークマニュアルは都度更新を!
トークは生もので、顧客属性や市場の変化で効果も変わります。またちょっとした接続しや言い回しで効果を上げることも可能です。
一度作ったらおしまい、ではなく、是非定期的にモニタリングし、成果を上げているパフォーマーのトークを標準化することで、チーム全体のトーク品質を底上げしていくことをお勧めします。

トークマニュアルはチームとしての戦略を形にしたものです。
是非、ご自身のセンターのトークマニュアルが「勝てる」武器となっているかどうか、チェックしてみてくださいね。


堀口 園生 講師
堀口 園生(ほりぐち そのお)講師


明治大学商学部卒業後、大手金融会社にて女性営業部隊に所属し大手地方銀行の新規開拓に従事。

結婚、出産後を経て大手コールセンターにて10年間勤務。
アウトバウンドセールスを専門とし、保険・美容品・PC・人材サービスなど有形無形問わずに電話だけでセールス成果を上げることに貢献。
マネージャー兼トレーナーとしてセールスチームに特化した教育プログラムを構築し、電話経験ゼロの社員を全国トップの100名規模のセールス集団に育て上げた。

またプロコーチとしての傾聴・フィードバックスキルを活かした社員育成が評価を受けている。

企業でのセールスチームマネジメント経験から、「現場の課題解決」「成果」にこだわった指導を得意とする。現場での再現性を持たせるため、対話と体験学習を多く取り入れ、受講者自らに気づきを起こして当事者意識を持たせる研修運営に特長を持つ。
『受講者主役』をモットーに、ロールプレイングやディスカッションから見える一人ひとりの個性に合わせた個別フィードバックにより現場の行動促進を促している。
2018年5月16日|カテゴリー「リレーブログ
みなさん、こんにちは。
今回から3回に渡り、成功しているアウトバウンド業務に共通する『勝ちポイント』について、ご紹介いたします。

アウトバウンドとインバウンドって何が違うの?
コール業務は、大きく分けると営業系と非営業系があります。アウトバウンドの場合、以下のような業務内容が主なものです。

・営業系(新規契約獲得、リピート促進、アポイント獲得、新店オープンPRなど)
・非営業系(アンケート調査、督促、書類不備などの確認、来店などの御礼フォロー など)

それぞれの業務内容により、求められる戦略やスキルは異なりますが、ひとつ共通していることがあります。
それは「お客様は電話を待っているわけではない」ということです。

インバウンドの場合、お客様は何かしらの目的があり、ご自身の意思で架けてきてくれるため、話を全く聞いてもらえないということはありません。
しかし、アウトバウンドはお客様の意思に関係なく、突然お客様の時間に割り込むアプローチになります。当然、架けた瞬間冷たく断られ、電話を切られてしまうことも少なくありません。

この点が一番の大きな違いでありますが、苦戦しているセンターでは、この違いの意識づけがうまくできていないことが多いです。

アウトバウンド業務では、「断られたら次!」とのマインドが大切
アウトバウンド業務で成果を上げているハイパフォーマーの共通点には「切り替えの早さ」があります。
「知らない人から電話が来たら不安なものだ」とのお客様の心理を前提として理解させ、「要らないなら最初から断ってくれた方が効率的」とオペレーターが考えられるよう声がけをしていくことが重要です。

アウトバウンド業務の極意

断られることで、次のコールまで躊躇して時間がかかってしまい、弱気な声で架けてまた断られる、との負のスパイラルに入ると、オペレーターのモチベーションも下がってしまいます。
「早めに断ってくれてありがとう!さ、次の出会いを探そう!」と、明るく笑い飛ばせるマインド形成がアウトバウンド成功のカギとなります。


堀口 園生 講師
堀口 園生(ほりぐち そのお)講師


明治大学商学部卒業後、大手金融会社にて女性営業部隊に所属し大手地方銀行の新規開拓に従事。

結婚、出産後を経て大手コールセンターにて10年間勤務。
アウトバウンドセールスを専門とし、保険・美容品・PC・人材サービスなど有形無形問わずに電話だけでセールス成果を上げることに貢献。
マネージャー兼トレーナーとしてセールスチームに特化した教育プログラムを構築し、電話経験ゼロの社員を全国トップの100名規模のセールス集団に育て上げた。

またプロコーチとしての傾聴・フィードバックスキルを活かした社員育成が評価を受けている。

企業でのセールスチームマネジメント経験から、「現場の課題解決」「成果」にこだわった指導を得意とする。現場での再現性を持たせるため、対話と体験学習を多く取り入れ、受講者自らに気づきを起こして当事者意識を持たせる研修運営に特長を持つ。
『受講者主役』をモットーに、ロールプレイングやディスカッションから見える一人ひとりの個性に合わせた個別フィードバックにより現場の行動促進を促している。
2018年4月25日|カテゴリー「リレーブログ
「熱き思いを伝えて歩くパッション伝道師」こと藤木健と申します。

今日は、「きく」という心理状態について考えてみましょう。
人と会話をしているとき、聞き手に回っているときには、段階が3つあると言われています。
おおまかに、「聞いていない」「聞き流している」「聞きつつ考えている」の三段階に分かれます。


第一段階「聞いていない」
質問に対して、「はい」「そうですか」などのあいづちはうっているものの、別の物事に意識が向いている状態です。
別のことを考えているのかもしれません。
お客様応対の場では、後から「言った/言わない」のトラブルに一番発展しやすい状態ともいえるでしょう。


第二段階「聞き流している」
とりあえず、聞いている状態のことです。
いきなり話を中断して、今言ったことを覚えているかと尋ねられたら、直前のことには答えられるでしょう。
しかし、この段階においても、聞いたことを理解しようとする意識はありません。
理解をしていないことは、記憶に留まらず、話が終わると同時に、内容に関する記憶はきえてしまいます。
問いかけには反応するが、肝心の話の内容への興味は全くないということです。
そのため、この段階でも、「言った/言わない」のトラブルに発展する可能性は、十二分にあるのです。


第三段階「聞きつつ考える」
こちらが言ったことを理解し、考えているという状態です。
話の内容をきちんと理解している、若しくは理解しようと努めている状態です。
話が、どんな内容なのかを判断し、他の物事と比較し、原因を分析し、結果を推測し、時にはなんらかの決断をしようとしています。
話している2人以上が、全員この第三段階に達して会話をすることを、意見交換している状態と呼びます。
逆に、この状態に達していないのであれば、単なるおしゃべりなのでしょう。


そう、人の話を聞いているときに、その内容について思考することがなければ、話は記憶されることはないのです。
では、「聞きつつ考える」という心理状態になってもらうには、どうしたらよいのでしょうか?

答えは、「質問」です。
どれほど理路整然と明確に、かつ適切に説明し、「聞いていてください」とお願いしたとしても、お客様に聞く意識がなければ、お客様の頭は働いてくれません。

きくという心理状態の3段階

何かの注意事項を伝えたいのであれば、その注意事項が「自分にとってどれだけ意味のあるものなのか」という重要性を理解してもらい、記憶をしてもらう状態になってもらいましょう。
こちらの考えを、お客様の頭に植え付けるための質問をしていきましょう。

質問に答えるためには、受け身から能動的な姿勢になる必要があります。
聞き流すのではなく、頭を働かせて思考しなければならない状態を作りだすのです。
質問をきっかけに、こちらが言ったことについて、お客様が頭を働かせ、反応を見せてくれるようになるでしょう。

藤木健講師
クレジットカード、通信から通販、流通、損保まで数多くの業界のコールセンターを経験。
リーダー、SVの育成を得意とし、数値管理、QA(品質管理)、フィードバックの手法など個々に合わせた指導方法を考案。
2010年頃より、コールセンター分野のみならず、広く人材をテーマにした企業研修講師として活躍している。
最近では「解約率の減少」「売上アップ」「サービスレベルの向上」など、目標数値をコミットするコンサルタントとしても注目を浴びる。

その一方で電話など非対面での顧客対応における「聴くこと・訊くこと」の重要性に着目、有志とともに「きくスキル研究会」に参画。
2007年~2015年まで研究と検証を重ねる。また、「組織的クレーム対応」や「トレーニング技術」についても造詣が深い。
2018年4月18日|カテゴリー「リレーブログ
「熱き思いを伝えて歩くパッション伝道師」こと藤木健と申します。

先日は、「きくスキル8つの要素」について解説をしました。
8つの要素について話すとき、必ずと言っていいほど、される質問があります。

それは、「共感力」は要素に含まれないのですか?という質問です。

そう、きくスキルでは、あえて共感力という要素は定義していません。
誰しも、クレーム対応をはじめ、お客様と応対をするときに、お客様に共感しましょうと言われたことがあると思います。

しかし、すんなり実践できるコミュニケータもいれば、まったくできないコミュニケータもいます。
以前は、できないコミュニケータに、「共感する方法を教えなければ!」と意気込んでいた時もありました。


では、共感とは、どういう意味なのでしょうか。
辞書を調べてみると、「他人の意見や感情などに、その通りだと感じること。また、その気持ち」と説明されています。
しかし、よく考えてみてほしい。
お客様の意見すべてに、「その通りだ」と感じることができるでしょうか。

答えは「NO」です。
人の気持ちは十人十色、千差万別。
「私にはよくわからない」という場合もあるでしょう。
にもかかわらず、一律に「共感しましょう」と言われたら、プレッシャーに感じる人もいます。
人によっては、心のバランスを崩してしまうこともあるかもしれません。


つまり、共感には無理が生じるケースがあるということです。
どんなに相手の気持ちを感じ取ることができたとしても、「あなたの気持ちは、よくわかります」という言葉は危険をはらんでいます。
本当にその気持ちがわかると、言い切れるのでしょうか。

以前、共感を示したあまりに、お客様の不安をあおってしまい、逆にクレームになったというケースもあります。
また、「そんなに私の気持ちがわかるのなら、どうにかしてほしい」と、応対が困難になるケースもあります。

そう、共感は危険なのです。
一律に「共感しましょう」という指導は、どうも共感することが目的になっているのではないかと思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?

そうではなくて、コールセンター本来の目的は、お客様から「この人だったらわかってくれる」「この人だったら信頼できる」と思ってもらうことが目的ではないだろうか。
実際に、お客様の信頼を得なければ、お客様に話を聞いてもらうことも、聞き出すこともできません。

そのためには、きくスキルの各要素を使い、聞くに徹することが必要です。
もし、お客様が、“腹が立つんです”と言われたら、「今、これこれこういう理由で腹が立っているんですね」を、気持ちや感情を察知し、理解するように努めましょう。
理解を示すことによって、お客様は、話を聞いてくれる人という認識になり、以降のコミュニケーションがスムーズになるでしょう。

真の共感力

共感。
一度、深く考えてみてはいかがでしょうか?

藤木健講師
クレジットカード、通信から通販、流通、損保まで数多くの業界のコールセンターを経験。
リーダー、SVの育成を得意とし、数値管理、QA(品質管理)、フィードバックの手法など個々に合わせた指導方法を考案。
2010年頃より、コールセンター分野のみならず、広く人材をテーマにした企業研修講師として活躍している。
最近では「解約率の減少」「売上アップ」「サービスレベルの向上」など、目標数値をコミットするコンサルタントとしても注目を浴びる。

その一方で電話など非対面での顧客対応における「聴くこと・訊くこと」の重要性に着目、有志とともに「きくスキル研究会」に参画。
2007年~2015年まで研究と検証を重ねる。また、「組織的クレーム対応」や「トレーニング技術」についても造詣が深い。
2018年4月11日|カテゴリー「リレーブログ
「熱き思いを伝えて歩くパッション伝道師」こと藤木健と申します。

2005年頃、コールセンター業界で、有志たちが集まってできた研究会がありました。
その名も「きくスキル研究会」

それまで以前は、話すスキル、わかりやすく伝えるスキルが着目されていました。
しかし、話すスキルをいくら磨いても、一問一答式になってしまい、お客様の要望を引き出せないまま終わってしまうことに、悩まされている人は多かった。
「これからは、話すスキルよりきくスキルのほうが重要である」との思いで発足したという経緯がありました。

私は、2006年頃から参加をし、解散となる2015年まで、コールセンターに必要なきくスキルについての研究を行ってきました。
研究会では、まず、コールセンターに必要な「きくスキル」は、8つの要素から成り立つと定義をしました。
その要素は、あいづち力、復唱力、語彙(ごい)力、要約力、沈黙力、質問力、音声表現力、心情察知力で構成されています。
それぞれの定義を見ていきましょう。

1.あいづち力
話を聞いていることのサインを、タイミングよく声で表現することにより、話を受け止め促進する力

2.復唱力
相手の言葉を反復することにより、お客様の用件をズレなく理解し、共有する力

3.語彙(ごい)力
豊富な言葉のバリエーションを持ち、相手のレベル、知識や状況に相応しい言葉を選ぶ力

4.要約力
相手の話の要点を端的にかつ的確にまとめる力

5.沈黙力
自分が話し出さずに、沈黙することによって、「間」をコントロールする力

6.質問力
相手の曖昧なニーズや潜在的な意識を、さまざまな問いかけによって明確化する力

7.音声表現力
発した言葉通りの心配りや感情を、誤解されることなく相手に伝える力

8.心情察知力
お客様の言葉の奥に含まれる、言葉にならない感情を聞き分ける力

8つの要素は、基盤となる主要素と、支える副要素に分けられます。
主要素は、「心情察知力」「音声表現力」「質問力」
副要素は、「あいづち力」「復唱力」「語彙力」「要約力」「沈黙力」です。
各要素の関りを、イメージにすると図のようになります。

心情察知力が樹木の幹にあたる部分になっています。
まずはお客様の考えや思いを、察知していかないことには、応対が始められないからです。

きくスキル8つの要素

いきなり実務で完璧にこなすのは難しいかもしれません。
これは「きく」という技術なので、ひとつひとつの要素を意識的にトレーニングすることで、身につけていくことができるのです。

まずは、「きく」スキルの根幹となる主要素の「心情察知力」「音声表現力」「質問力」を身につけられるようにトレーニングするのが、習得への近道になります。
どのスキルを優先してトレーニングするかは、個人によって異なってくるでしょう。
個人の素養や経験をベースとした、得意分野がとそれぞれにあるからです。
主要素のうち、少しでも自分が得意だと思うことから始めてみましょう。

例えば、人の顔色をうかがうことが自然とできる人は「心情察知力」から、いろいろ聞き出すことが好きな人は「質問力」から始めると良いでしょう。


それぞれの要素の、詳しい解説とトレーニング方法を書いていると、長文になってしまいますので、本日のブログとしてはこの辺りで。
また、折に触れて書いていきたいと思います。


もっと、早く知りたい!教えろ! という方は、拙著「聞くスキル聞き出すスキル」をご覧ください。


藤木健講師
クレジットカード、通信から通販、流通、損保まで数多くの業界のコールセンターを経験。
リーダー、SVの育成を得意とし、数値管理、QA(品質管理)、フィードバックの手法など個々に合わせた指導方法を考案。
2010年頃より、コールセンター分野のみならず、広く人材をテーマにした企業研修講師として活躍している。
最近では「解約率の減少」「売上アップ」「サービスレベルの向上」など、目標数値をコミットするコンサルタントとしても注目を浴びる。

その一方で電話など非対面での顧客対応における「聴くこと・訊くこと」の重要性に着目、有志とともに「きくスキル研究会」に参画。
2007年~2015年まで研究と検証を重ねる。また、「組織的クレーム対応」や「トレーニング技術」についても造詣が深い。
2018年4月2日|カテゴリー「リレーブログ
「熱き思いを伝えて歩くパッション伝道師」こと藤木健と申します。

4月に入り、暖かくなってきました。春ですね。
新年度、新人コミュニケータさんを採用される会社も多いのではないでしょうか。

新人を採用したら、研修!となりますが。
研修体系を考える時に、ちょっと考えて頂きたいのが、スキル面の話です。

私、本業が研修講師でございまして、管理者向けの研修で、仕事の三要素について話します。
「知識」「技術」「意識」の3要素です。

仕事の三要素
すなわち、
知識 仕事を進めるために必要な、知っておくべきこと。業務知識、一般常識
技術 トレーニングを経て身につくもの。トークスキル、タッチタイピング
意識 どんな意味を見出して、仕事をしているのか?態度、姿勢、志

という定義です。

ここで、寿司屋さんの話をします。
寿司職人に必要な知識とはなんでしょうか?
魚の種類、魚の旬、包丁の種類、コメの炊き方、etc.

といったところでしょうか。
では、知識だけがちゃんとあれば、寿司は握れるでしょうか。

無理ですよね。
寿司を握るには、握るための練習をしなければいけません。
職人さんは最初、おからとコンニャクで握るこつをつかむまで、何度でも何度でも握る練習を繰り返すそうです。
そう、技術というのは、練習、トレーニングを繰り返さなければ身につくものではありません。

そして、寿司職人の意識は何でしょうか。
「手に職があれば、くいっぱぐれがない」という人もいるでしょう。
でも、「自分の寿司を食べてもらうことで、幸せな感覚を味わってほしい」という職人さんもいそうですよね。
あるいは「寿司はもともと高級食ではない、もっとリーズナブルに食べて欲しい」という職人さんもいそうですよね。

コールセンターで当てはめてみましょう。
知識は、業務知識や業界知識です。
技術は、トークスキル、説明力や質問力、心情察知力などです。
意識は、マインド、取り組み姿勢と定義できるでしょう。

新人研修にて、知識の研修やマインド研修というのは、様々実施されています。
しかし、技術面のトレーニングを行っている企業は、コールセンターのモニタリング評価をしていると、まだまだ少ないなと感じております。

仕事に対しての意欲はある、しかし、お客様の話が聞き取れていない、もしくは、言われたことを理解していない。
そんなコミュニケータさんは、結構多い。

対して、行う指導はというと「お客様の話をもっとよく聞いて」だったりします。

違う、と叫んでしまいそうになります。
その人は、お客様の話を真剣に聞いているのですが、「もっとよく聞く」技術が習熟されていないのです。
それを、デビューしたからと、フィードバックのアドバイスだけでスキルアップをさせようとしても、難しい。
技術面は、一度の研修で身につくものではなく、練習が必要なのですね。



藤木健講師
クレジットカード、通信から通販、流通、損保まで数多くの業界のコールセンターを経験。
リーダー、SVの育成を得意とし、数値管理、QA(品質管理)、フィードバックの手法など個々に合わせた指導方法を考案。
2010年頃より、コールセンター分野のみならず、広く人材をテーマにした企業研修講師として活躍している。
最近では「解約率の減少」「売上アップ」「サービスレベルの向上」など、目標数値をコミットするコンサルタントとしても注目を浴びる。

その一方で電話など非対面での顧客対応における「聴くこと・訊くこと」の重要性に着目、有志とともに「きくスキル研究会」に参画。
2007年~2015年まで研究と検証を重ねる。また、「組織的クレーム対応」や「トレーニング技術」についても造詣が深い。
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