◎○ そもそも『2つのシップ』とは? ○◎
チームリーダーとしての『2つのシップ』とはなんでしょうか。
1つはすぐに思いつきます。もちろん「リーダーシップ」です。
「リーダーシップ」の定義は本当に様々なものがありますので、一言で言い表すのはたいへん難しいのですが、
ここでは「チームの先頭に立ち、牽引していくこと」と定義しておくことにします。
それでは、もう1つの「シップ」とはなんでしょうか。
◎○ チームリーダーとしての「フォロワーシップ」 ○◎
もう1つのシップとは、「フォロワーシップ」です。
「リーダーシップ」に比べると、あまりなじみのない言葉かもしれません。
「フォロワーシップ」とはその名が表す通り、
メンバーがフォロワーとしてチームリーダーを補佐(フォロー)していくことです。
チームリーダーの指示を待ったり、指示通りのことしかしないのではなく、
自発的に意見を述べたり、時にはチームリーダーの間違いを訂正しながら、
チームやチームリーダーを支えていくことと説明することができます。
そうすると当然、このような疑問が沸くのではないでしょうか。
『「フォロワーシップ」はメンバーには必要かもしれないけど、チームリーダーには必要ないのでは?』
その疑問にお答えしてまいります。
◎○ なぜ「フォロワーシップ」がチームリーダーに必要か ○◎
チームリーダーがリーダシップにばかり頼ってチームマネジメントを行うと、
メンバーの「フォロワーシップ」の醸成を図れなくなってしまいます。
「チームのリーダーがリーダーシップを発揮できている状態」とは、
チームリーダー自らが模範となる行動を示しながら、メンバーに指示・命令を行い、行動を促進している状態です。
もちろん、チームを目標達成に導くためには大切な行為です。
しかし、あまりにリーダシップ一辺倒になってしまうと、メンバーを「チームリーダーに言われないとできない」、
「チームリーダーに言われたことだけしかしない」という、いわゆる”指示待ち人間”にしてしまう恐れがあります。
本来養われるべき自発性や主体性が養われず、”ただ受け身なメンバー”になってしまうということです。
◎○ 「リーダーシップ」だけではみんなが苦しむ? ○◎
また、必ずしもチームリーダー自身が全ての仕事に熟知しているわけではありません。
仕事内容によってはメンバーの方がその仕事に熟知しており、その人をリーダーとして先頭に立たせた方が
成果創出につながるということも、決して少なくはないでしょう。
その場合、チームリーダーは無理やり先頭に立つのではなく、
そのメンバーやチームのフォロワーとなり支えていくのが望ましいといえます。
チームリーダーは「チームを引っ張っていかなければ!」という使命感から、
どのような仕事でも先頭に立って指示・命令をしようとしてしまいがちです。
しかし、本来立つべきでない人が先頭に立ってしまうと結果的にチームやメンバー、
そしてチームリーダー自身が苦しむことになってしまいます。
そのような状況では、チームリーダーがあえてメンバーやチームの下に立つことで、
結果的にメンバーの目標達成行動の促進や、目標達成につながることもあるのです。
◎○ フォロワーシップを体現する ○◎
「フォロワーシップ」と似た考えとして、「サーバント・リーダーシップ」というものがあります。
「サーバント・リーダーシップ」は、従来の「支配型リーダーシップ」と対をなす考え方で、
「メンバーに奉仕して支えるリーダーシップ」と訳すことができます。
「フォロワーシップ」と細部は違っていても、考え方自体はほぼ同じといっていいでしょう。
「フォロワーシップ」にしても「サーバント・リーダーシップ」にしても、
チームリーダーが実際にその行動を実践し、体現することによってはじめて、
メンバーにもその意識が育まれます。
研修では、リーダーシップのあり方や、フォロワーシップの体現の仕方などについて、
ケースステディなども交えながら、ご自身の考えをまとめていただいています。
それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第3講目を終了いたします。
◎○ 次回もお楽しみに! ○◎