職場のコミュニケーションを改善する方法5選!風通しの良い職場の特徴とは?

2025年1月24日|カテゴリー「人材育成コラム
職場のコミュニケーションの改善方法
職場のコミュニケーションが不足すると、プロジェクトの進行に影響が出る、従業員のメンタルヘルス悪化や離職に繫がるといったリスクが発生します。生産性向上やイノベーション創出には、心理的安全性の高い良好なコミュニケーション環境が欠かせません。

しかし、「職場のコミュニケーションを改善したいが何から着手すれば良いのか分からない」「なぜ自社のコミュニケーション環境が良くならないのか理由が把握できない」という方も多いでしょう。職場のコミュニケーションは時代や世論によって最適な形が異なるため、最新のコミュニケーション事情を把握することも大切です。

本記事では、コミュニケーションを改善するための具体的な手法を5つ紹介します。良好なコミュニケーションを築ける職場の特徴や、コミュニケーションが不足する理由も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

2024年最新!職場のコミュニケーションの現状

最初に、2024年最新の職場のコミュニケーション事情を紹介します。職場のコミュニケーションは、世論や時代背景によって、理想的なあり方や企業が抱えがちな課題が異なります。最新の情報を把握し、自社のコミュニケーション改善に役立てましょう。

下記の項目に沿って解説します。

●職場のコミュニケーションに問題がない企業では社員の貢献意識や愛着レベルが高い
●コミュニケーション活性化の鍵は「管理職」にあり
●コミュニケーション改善のために最も多く実施されている施策は「1on1」

職場のコミュニケーションに問題がない企業では社員の貢献意識や愛着レベルが高い

HR総研の「「社内コミュニケーション」に関するアンケート2024」によると、「社員間のコミュニケーションは業務の障害になると思うか」との項目に対し、9割近くの企業で「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と考えられています。

生産性低下やミスの発生が課題になると、業務フローの追加や社内システムの改善を実施しようと考える企業も多いでしょう。しかし、社内コミュニケーションの改善によって、費用や工数をかけずに課題解決に繋がる可能性があります。

また、コミュニケーションが良好な企業の社員ほど、会社への貢献意識や愛着レベルが高い点も注目したいポイントです。同アンケートでは、「社内コミュニケーションに課題がある」と回答した企業ほど、社員エンゲージメントが低くなっていることも判明しています。離職率の低下にも繫がるため、人材確保に苦戦している企業は、すぐにでもコミュニケーション改善に着手すると良いでしょう。

コミュニケーション活性化の鍵は「管理職」にあり

同アンケートでは、職場のコミュニケーション不全が発生する原因の第1位に、「管理職のコミュニケーション不足」が挙げられています。管理職は各部署・チームの業務進行において重要な役割を担います。管理職のコミュニケーション能力が不足すると、プロジェクトの遅延やメンバーのモチベーション低下などの課題に繫がりかねません。

第2位には「対面コミュニケーションの減少」が挙げられており、大企業を中心にリモートワークが進み、求められるコミュニケーション能力にも変化が生じていることも伺えます。

【図表3】自社における社内コミュニケーション不全の原因

コミュニケーション改善のために最も多く実施されている施策は「1on1」

同アンケートで「コミュニケーションが活性化している」と回答した企業のうち、6割が「1on1」を導入しています。1on1とは、上長と部下間で1対1で行われる個人面談を指します。人間関係の悩みやプライベートと仕事の両立、精神状態など、一歩踏み込んだ内容でも話しやすく、オンラインでもオフラインでも実施できる点がメリットです。

【図表6-3】社内コミュニケーション活性状況別 社内コミュニケーション活性化のために実施している取組み
かつての職場のコミュニケーションは、飲みニケーションや社員旅行など、大人数で実施されるものが中心でした。しかし、従業員の性別や年齢、ライフスタイルの多様化が進む現代では、大人数でのコミュニケーションが不向きな可能性も指摘されています。

風通しの良い職場のコミュニケーションの特徴4つ

職場のコミュニケーションの改善方法
風通しが良く、従業員の満足度も向上しやすいコミュニケーションには下記4つの特徴があります。順を追って解説します。

1. 心理的安全性が高い
2. 対話やフィードバックが双方向で行われている
3. 部門間の情報共有がオープンになっている
4. 適度に雑談の場がある

1. 心理的安全性が高い

心理的安全性とは、所属するチーム内で批判を恐れず意見を述べたり、気兼ねなく質問したりできる環境のことです。心理的安全性が高いチームは生産性が高いことで知られ、イノベーションも起こりやすいとされています。一方、心理的安全性が低いチームでは、メンバーの自由な発言が阻害され、業務上の問題が共有されにくくなったり、ストレス増加からメンタルヘルスが悪化したりする可能性があります。

職場のコミュニケーションを改善する際には、立場や職歴を問わず、忌憚なく発言・提案ができる風土作りが大切です。

2. 対話やフィードバックが双方向で行われている

風通しの良い職場は、コミュニケーションが一方向で行われていない点も特徴です。一方向のコミュニケーションとは、経営層から従業員へ、管理職から部下へといった上意下達のコミュニケーションのみが実施されていることを指します。

上意下達のコミュニケーションは、経営理念の浸透や緊急時の陣頭指揮などの場面で有効に働きます。しかし、常日頃から一方向のコミュニケーションのみが行われていると、組織風土を硬直化させてしまう可能性があります。

部下から上司へ、後輩から先輩へ、従業員から経営者層へのフィードバックが可能な体制や風土を構築し、双方向のコミュニケーションがとれる職場環境を目指しましょう。

3. 部門間の情報共有がオープンになっている

コミュニケーションが取りやすい企業では、部門間での情報共有もスムーズです。HR総研の「「社内コミュニケーション」に関するアンケート2024」によると、社内コミュニケーションに課題がある関係間の項目では、企業規模を問わず「部門間」が第1位となっています。

【図表2-1】企業規模別 社内コミュニケーションに課題がある関係間
部門間のコミュニケーションに課題があると、連携や課題共有がうまくできなくなります。プロジェクトの進行に影響し、最終的に顧客満足度にも影響する恐れがあるため、部門間の対立は早急に改善すべき課題といえます。部門間のコミュニケーション不全を解決するためには、定期的なミーティングや社内イベントの開催も効果的ですが、誰でも簡単に情報にアクセスできるよう、情報管理システムを導入するのもおすすめです。

4. 適度に雑談の場がある

風通しの良い職場には、適度に雑談ができる場が設けられています。カフェスペースを設置したり、雑談休憩の時間を設けたりすることで、気負わずにコミュニケーションが取れるようになります。

リモートワークは雑談のしにくさが課題になりがちです。出社勤務からリモートワークに切り替えると、「雑談がなくてリフレッシュできない」「ちょっとした質問や相談ができない」などの悩みを抱える従業員が多くなります。ミーティングツールを使用しての朝礼やランチ会など、オンライン上でコミュニケーションが取れる場を定期的に設けると良いでしょう。

職場のコミュニケーション不足が発生する理由3選

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職場のコミュニケーション不足が発生するのには理由があります。下記3つの理由について、順を追って解説します。

1. コロナ禍を経て対面交流が減少したため
2. 仕事が忙しく精神的な余裕がないため
3. 成果以外は期待されていないと捉えているため

1. コロナ禍を経て対面交流が減少したため

コロナ禍を経てリモートワークが進み、コミュニケーションの機会が大幅に減ったと感じている方も多いでしょう。リモートワークでは、ちょっとした相談をするだけでも会議やミーティングの予定を組まなければならず、コミュニケーションのハードルが上がりがちです。

出社している場合でも、コロナ禍の距離感を保ったコミュニケーションスタイルが定着してしまった職場も少なくありません。懇親会のようなコミュニケーションの場が減少し、仕事以外の話をする機会が少ない職場も多くあります。

2. 仕事が忙しく精神的な余裕がないため

仕事が忙しいと職場のコミュニケーションにまで意識が回らなくなります。「雑談をするくらいなら仕事を進めよう」と考えるのはごく自然なことです。

職場全体の仕事量は変わらない一方、人手不足や残業規制で1人あたりの負荷が増加している職場も多いでしょう。コミュニケーションを心地よく取れるような精神的余裕がないと、職場のコミュニケーションは不足してしまいます。

3. 成果以外は期待されていないと捉えているため

そもそも従業員が、「会社や上長からコミュニケーションを期待されている」と認識していないケースもあります。売上目標のように分かりやすく数値化できないコミュニケーションは、会社側も成果として求めにくくなりがちです。

過剰な飲みニケ―ションや休日返上の接待など、従来のコミュニケーションスタイルへの忌避感から、「成果さえ出していればコミュニケーションは必要ない」と考える従業員も増えています。コミュニケーションも大切な業務の一環であるとして、意識改革を図っていく必要があります。

職場のコミュニケーションを改善できる取り組み5つ

職場のコミュニケーションの改善方法
職場のコミュニケーションを改善するために効果的な取り組みを5つ紹介します。下記の項目に沿って解説します。

1. 1on1ミーティング
2. 社内報や社内SNSの導入
3. ハイブリッドワークの推進
4. 自己理解と他者理解の推進
5. 管理職向けのコミュニケーション研修の実施

1. 1on1ミーティング

1on1とは、上司と部下の間で1対1で行う面談を指します。月1回、週1回のように定期的に実施され、15~30分程度の短い時間で行われる点が特徴です。

1on1では、仕事の進捗確認だけではなく、部下のキャリア設計やメンタルヘルスについても対話します。悩みや将来の展望を引き出さなければならないため、上司には傾聴力が求められ、対等な立場でコミュニケーションを取る必要があります。

2. 社内報や社内SNSの導入

社内の情報を共有するために、社内報や社内SNSを導入するのも効果的です。社内報や社内SNSを導入すると全社的な情報共有が促進され、他部署の状況や普段関わりのない従業員の仕事ぶりを知ることができます。経営陣からの情報発信にも効果的で、経営方針の浸透にも効果があります。

すでに社内報を取り入れているものの効果が見られない場合は、気軽に閲覧できる社内SNSもおすすめです。SNSにはコメントや「いいね」の機能があるため、部署の垣根を越えてオンライン上でのコミュニケーションが促進されます。

3. ハイブリッドワークの推進

リモートワークでコミュニケーション不足に陥っている場合、ハイブリッドワークを促進するのも効果的です。ハイブリッドワークとは、リモートワークと出社勤務を織り交ぜた勤務体系を指します。

コミュニケーションが阻害されやすいリモートワークですが、出勤時間の削減やプライベートとの両立のしやすさなど、メリットもあります。今までフルリモートだった会社が急に出社勤務に切り替えると、社員からの反発を招き、離職に繫がる可能性があります。

リモートワークと出社勤務を混ぜたハイブリッドワークは、コミュニケーションの活発化と働きやすさを同時に叶える新しい勤務形態です。社員エンゲージメントの上昇にも効果があるため、コロナ禍以降導入する企業が増えています。

4. 自己理解と他者理解の推進

コミュニケーションを改善するためには、自己理解と他者理解を深めることも大切です。

コミュニケーションにおける自己理解とは、自分自身の考え方や、対人関係の築き方、情報の伝え方などを把握することです。たとえば自分の考え方の癖を把握していれば、イライラした時や怒りの感情が沸いた際に、なぜそのように思うのかを理解し、冷静なコミュニケーションを取れるようになります。

同僚や上司・部下などの考え方や背景を知り、他者理解を深めることも大切です。相手の考え方や背景、苦手な接し方を理解していれば、無用な対立や誤解を避けられます。信頼関係が深まり、仕事もスムーズに進むでしょう。

自己理解と他者理解は、タイプ分け診断を活用したコミュニケーション研修でも深められます。より円滑なコミュニケーションを実現するために、研修を実施するのもおすすめです。

5. 管理職向けのコミュニケーション研修の実施

管理職向けには、コミュニケーション研修を実施すると良いでしょう。管理職は部下を育成しながらプロジェクトを推進しなければならないため、特有のコミュニケーションスキルが求められます。管理職になったからといって自然にコミュニケーションスキルが向上するわけではないため、研修で必要な知識やスキルを得る必要があります。

特に部下との信頼関係形成は、管理職にとって喫緊の課題です。世代の異なる若手社員や、かつての上司・先輩だった年上部下を抱えている場合、相手に合わせたコミュニケーションスタイルを確立しなければなりません。

部下との信頼関係を形成するためのポイントを学び、ロールプレイングを通じてコミュニケーションを学べる研修は、管理職にとって必須といえるでしょう。

職場のコミュニケーションを改善して生産性を高めよう!

職場のコミュニケーションは多くの企業で課題となっており、時代や従業員の特性に合わせて活性化できる施策を取り入れていく必要があります。良好なコミュニケーションが取れている職場では、従業員の心理的安全性が高まり、イノベーションも起こりやすくなります。社員エンゲージメントが高まると離職やメンタルヘルスの悪化を防止する効果も得られるでしょう。

特に管理職のコミュニケーションは、チームの生産性に大きく影響します。セゾンパーソナルプラスでは、管理職向けのコミュニケーション研修を多数ご用意しています。昇進したばかりの初級管理職から、経営目線を求められる上級管理職まで、フェーズに合わせた研修プログラムを取り揃えておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。


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