「期待理論」とは、教育心理学者のベンジャミン・ブルームによって提唱され、
レイマン・ポーターとエドワード・ローラー3世の研究により発展したとされる有名なモチベーション理論です。
「期待理論」によると、ある行動に対するモチベーション(ここでは「行動意欲」の意味)の強さは、
「達成の期待度」と「報酬の魅力度」を掛け合わせることによって求めることができるとされています。
「達成の期待度」とは、「これならできそうだ!」という期待感のことです。
一方、「報酬の魅力度」とは、「この報酬が欲しい!」という強い思いのことです。
片方が高くても、もう片方が低ければ、モチベーションの強さにはつながりません。
例えば、「100メートルを5秒以内で走る」という行動の「達成の期待度」は極めて低いでしょう。
そのため、どれだけ「報酬の魅力度」が高くても、その行動をしようというモチベーションにはつながりません。
逆に、「100メートルを20秒以内で走る」や「毎朝6時に起きる」という行動は、
多くの方が実現可能なのではないでしょうか。
この場合、モチベーションの強さは、「報酬の魅力度」で決まります。
その行動をすると「1円もらえる」や「100円払わされる」など、魅力が高いとは言えないような報酬であれば、
多くの人にとって強いモチベーションにはつながらないでしょう。
逆に、「称賛を浴びる」「好きな芸能人に会える」「1億円もらえる」など、
魅力が高そうな報酬であれば、強いモチベーションにつながるのではないでしょうか。
◎○ 人によって異なる「期待」と「魅力」 ○◎
ここで注意しておきたいことは、「達成の期待度」も「報酬の魅力度」も、
人によってその程度は様々ということです。
特に「報酬の魅力度」は、その人の価値観によって大きく異なります。
例えば、先にあげた「称賛を浴びる」が、全ての人にとって魅力が高い報酬になるとは限りません。
人によっては、魅力が低い、もらってもうれしくない報酬であるかもしれません。
モチベーションアップにつなげるためには、
何が自分が実現できる行動か(「達成の期待度」が高いか)、
その行動によって自分は何を得たいのか(自分にとって「報酬の魅力度」はどのくらいか)を
意識しておくことが大切です。
そうすることで、行動の意味・目的が明確になり、その行動に対するモチベーションの継続・向上につながるでしょう。
研修では、上記に関連する演習・ワークなどを通じて、仕事に対するモチベーションアップにつなげていただいています。
それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第1講目を終了いたします。
◎○ 次回もお楽しみに! ○◎