コールセンターのモニタリングとは?重要なポイントや方法もご紹介

2025年2月26日|カテゴリー「コールセンターコラム
コールセンターのモニタリングとは?
コールセンターにおける重要な業務には、電話での応対だけではなく、オペレーターを育成するために実施される「モニタリング」というものがあります。近年は、サービス向上を目的としたモニタリングの実施を徹底している企業が増えてきました。今回は、モニタリングとはそもそもどういったものなのか、またどのようなステップを踏んで行うのか、より効果的に行う方法と合わせてご紹介します。

コールセンターのモニタリングとは

コールセンターのモニタリングとは?
コールセンターの主な仕事は、かかってきた電話を受けたり、こちらから電話をかけたりすることで構成されています。あまり知られていませんが、こういったサービスの品質を管理する「モニタリング」という業務があります。コールセンターのサービス品質の要となるモニタリング業務は、どのように行われるのかここで詳しく解説していきます。

オペレーターの品質管理の手法

コールセンターの業務は大きく「インバウンド」と「アウトバウンド」に分けることができます。インバウンドは、お客様からコールセンター宛てにかかってきた電話に応対するものです。具体的には、問い合わせ・申し込み・クレーム等の内容の応対が行われることが多いといえます。インバウンドの対応を行う際には、お客様からの要望や意見を的確に把握し、臨機応変に対応していける経験と知識が必要になります。

一方、アウトバウンドはコールセンターからお客様に電話をかける業務です。具体的には商品・サービスを提供する営業電話の多くがこの形態にあたります。コールセンターで準備をした上で応対を始められるのが特徴です。ここでは、一度繋がった電話相手に対し、どう対応していくのか事前にをシミュレーションをしておくことが重要になります。

そして、こうしたオペレーター業務が行われている現場で、応対品質を管理する業務がモニタリングです。具体的には、お客様に対して適切な対応ができているか、ロールプレイングや応対のヒアリングを通して測り、フィードバックをしていきます。この分析業務によってオペレーターのサービス品質管理や、今後の教育方針の立案をします。

モニタリングの手法

コールセンターのモニタリング業務は、2つのパターンで行われることが多いといえます。1つ目は、オペレーターがお客様と電話をしている時、リアルタイムで通話内容を聞く方法です。この方法では、通話と合わせて本人の作業の様子を見ることができますが、緊張してしまっていつも通りのパフォーマンスを発揮できないオペレーターがいるのも事実です。

2つ目は、通話音声を後から聞く方法です。多くのコールセンターでは、通話音声を録音しており、いつでも応対を振り返ることができるようになっています。録音はトラブル防止の観点でも用いられますが、オペレーター教育にも有用です。

いずれのモニタリング方法でも、現状を基にビジネスマナーや接客の態度・言葉遣い等を分析しひとりひとりの課題を明確にしていきます。その課題をオペレーターにフィードバックをし、克服に向けたトレーニングをするというのが、モニタリング業務の基本的な流れになります。

モニタリングを行う目的

コールセンターのモニタリングとは?
ここまでモニタリング業務の内容をご紹介してきましたが、そもそもコールセンターがなぜモニタリングを行う必要があるのか解説していきます。もしモニタリングを行わずに業務を遂行してしまうと、業務品質の低下に気づけずに顧客満足度を低下させてしまうことにもつながります。そうした事態に陥らないようにするためにも、モニタリングを行う目的について頭に入れておきましょう。

応対品質の向上

1つ目は、「応対品質管理の向上」です。コールセンター業務を自分自身で行っていると、オペレーションの品質や自分自身のマナーを客観的に確認するのは難しいですよね。そこでモニタリングを導入すれば、俯瞰してオペレーションを見直すことができ、またフィードバックにて新たな課題を発見可能です。そしてそこで見つけた課題を元に新たな目標を立て、PDCAサイクルを回しながら品質の向上を目指すことができます。また、そうした取り組みをコールセンター全体で行うことで、ひとつの企業として品質の高いサービスを安定的に供給できるようになるでしょう。

オペレーターのモチベーション管理

モニタリングを行うことで、オペレーター本人は自分の良い点に気づけたり、今後の目標が明確になって前向きに業務に取り組めたりするようになります。また、実際にお客様との応対をサンプルとして課題の発見ができるため、フィードバック以降の実務に活かしやすいのも特徴です。
モニタリングをすると聞くと緊張してしまう人も少なくありませんが、丁寧にひとりひとりと向き合い、オペレーターの内面から変えることができる貴重な機会だといえるでしょう。

問題の発見

モニタリング業務では、リアルタイムで音声を聞いたり録音を聞いたりするので、実際の対応に基づいた課題を見つけることができます。また、ひとりひとりオペレーションの課題となるポイントは違うことが多いため、音声を実際に聞いて個々人に最適な改善策を導くことができます。

モニタリングにおいて重要なこと

コールセンターのモニタリングとは?
ここからは、モニタリングを行うにあたって、どういったポイントを押さえておくべきか解説していきます。せっかくモニタリング業務を行うならば、良い結果を出したいですよね。今回は、モニタリングを始めるとついやってしまいがちなことを元に、2つのポイントをご紹介します。

定期的に継続して行うこと

モニタリングは単発で行うのではなく、継続的に行っていく必要があります。実際、一度のモニタリングでは、丁寧なフィードバックをしたとしても組織を大きく変えるのは難しいのが現状です。そのため、最低でも三ヶ月に一回はモニタリングを行うことが推奨されます。PDCAサイクルを早く回し、改善を重ねていくことで応対品質を高く維持することができます。コールセンターは日々イレギュラーな対応が連続します。だからこそ短期間で振り返りを行い課題克服を促すことで、柔軟な対応ができるようにしていかなければならないのです。

公平に評価をすること

もう一つは評価基準を明確にしておくことです。コールセンターでの応対においては絶対的な正解は存在しないため、主観でフィードバックをしてしまうことが多いといえます。そのような状況では、毎回評価担当者が変わるたびに異なる指摘やアドバイスを受け、オペレーターは何をどう改善するべきかわからなくなってしまうでしょう。だからこそ、明確な評価基準を設け、誰が評価をしても同じようなアドバイスや指摘事項を伝えられるような仕組み作りも大切ですね。

モニタリングの準備と実施方法

コールセンターのモニタリングとは?
続いて、モニタリングを実際に行う際に必要なものや、具体的な実施方法について解説していきます。モニタリングを行うにあたって必要なステップ3つは全て重要なステップです。モニタリングを実施する予定がある方は、ぜひ頭に入れておいてください。

①チェックシートを作成する

公平に評価をすることができるように、チェックシートを使って実際にどういったところを評価したら良いか明記してモニタリングを行う人に共有します。
チェックシートを作る際のポイントは2点です。1点目は、「マナー」「話法」等カテゴリーに分けてまとめておくことです。カテゴリーごとにチェック項目をまとめておくことによって、モニタリングをする際にどのような点に着目するべきか、体系的に確認することができます。

2つ目は、お客様の反応にも気を配っておくことです。電話応対の後に、お客様にインタビューをすることはできません。対応について意見を寄せるお客様も、ほんの一部です。そのため、モニタリングの際にはお客様にどのような印象を与えたのか測るため、反応にも気をつけましょう。

②モニタリングを実施する

チェック項目を確認できたら、モニタリングを開始します。
オペレーターの横で実際の会話を聞いたり、録音した音声を聞きながらチェック表にある項目を評価したりしていきます。オペレーターにはあまりモニタリングを行っていることを意識させ過ぎないようにしましょう。緊張してしまっていつも通りの対応ができないことがあります。
そうした観点からのおすすめは、応対時の音声を録音して後で聞き返す方法です。オペレーターにはモニタリングをしていることを悟らせず、普段通りの対応状況を知ることができます。

③フィードバックを行う

実際のオペレーションをモニタリングして、チェックシートの基準に照らしてフィードバックをしていきます。チェック項目の点数だけ伝えても意味はありません。きちんとその結果を基に話し合い、現状を改善する方向に持っていくことが何より重要です。フィードバックの際、録音したオペレーター自身の音声等を聞いてもらうことで、オペレーター個人でも客観的に評価をすることができます。

④問題点の改善を図る

モニタリングの実施によって発見された課題を克服するための具体的な改善策を考えます。そして、次回のモニタリングまでに改善を行い、より高いサービス品質を提供できるようにします。スピーディーにPDCAサイクルを回し続けることによって、高品質な電話対応を維持できるのです。

モニタリングでチェックすべき評価項目とは

コールセンターのモニタリングとは?
モニタリングを行う際にはチェックシートを作ることを強くおすすめします。ここでは、チェックシートには具体的にどういった項目を入れるべきなのかご紹介します。コールセンター業務における根幹になる大事なものばかりなので、そういった視点で参考にしてみてください。

丁寧な言葉遣い

1つ目は、第一印象を形づくるにあたって非常に重要な言葉遣いです。特に敬語は、普段使う機会が少なければ正しい表現がわからなくなってしまうこともあるでしょう。また、普段話している時の癖が抜けず、ビジネスシーンにおいて御法度になるような表現を使ってしまうことも多くあります。

そういった言葉遣いの多くは、自分自身では正しい表現だと思って使っているケースが多いです。フィードバックの場で実際の音声を流しながら解説を行うことで、正しい言葉遣いを身につけられるようトレーニングしていきましょう。

顧客ニーズの把握

2つ目は、電話をかけてきたお客様が望んでいる対応は何かを明確にし、質問・ご要望に答えられているかをチェックします。もし顧客ニーズの把握を誤ってしまうと、クレームに繋がったり満足度低下を招いてしまったりしてしまいます。そのため、お客様がなぜ電話してきたか、そしてどんな対応が最適なのか、会話の中で見抜く力を養っておく必要があります。

的確な回答ができているか

3つ目は、お客様の悩みに寄り添い、最短経路で解決できる方法を伝えられているか確認します。
対応に慣れていないオペレーターでありがちなのは、案内をしているうちに元々の質問を忘れてしまい、お客様を混乱させてしまうケースです。まずはお客様の声に耳を傾けられているか、そして問いに対して簡潔に案内ができているかを見ておくようにしましょう。

顧客の課題解決ができたか

4つ目は、応対を通して電話をかけてきたお客様の課題や悩みが解決できたかをチェックします。お客様が求めていた対応が出来ていたかどうかは、顧客満足度に大きな影響を及ぼします。必ずしもお客様が求めているものを把握できるとは限りませんが、応対の中で求められていたことに応えることができていたかどうかは確認しておきましょう。

基本的なマナー

言葉遣いや話し方など、基本的なビジネスマナーを身につけることができているかどうか確認します。新人オペレーターはもちろん、コールセンター歴が長いオペレーターについてもしっかりチェックするようにしましょう。慣れてくると気が抜ける上に、言い回しや対応方法の癖がついてしまうこともあります。失礼のないような対応ができているか、実際の音声を聞きながらチェック項目を埋めていきます。

モニタリングを行う上での課題と解決策

コールセンターのモニタリングとは?
モニタリングの重要性には気づいているものの、実際の施策につなげることができていない企業も多くあります。そこでここでは、モニタリングにおける企業の課題をご紹介します。また、その課題を解決するにはどうしたら良いのか、合わせて解決策も解説していきます。

指導時間の確保が難しい

1つ目は時間の確保が難しいという点です。実際、コールセンターの現場では人手不足が問題になっており、特にリーダーやトレーナーが多くの業務を抱えてしまっています。モニタリングをするには、その他業務の時間を削って直接もしくは対面でオペレーションを確認しなければなりません。毎月全員分を評価し、フィードバック面談までしていたら、それだけで業務が回らなくなってしまいます。

そうした「モニタリングを行いたいけれど時間確保が難しい」という場合には、モニタリングを代行で行ってくれるサービスを使って外注をしてしまうのも1つの方法です。外部にモニタリングを委託すると、チェックリストを作成する手間も省くことができ、プロの指導によって高いサービス水準を維持することもできます。

評価基準が明確にできていない

コールセンターのモニタリングにおいて、評価基準を作るのはなかなか難しいですよね。電話応対に関する内容なので、絶対的な正解は存在しません。それゆえ、評価をする際に評価者の主観的な部分が入ってしまい、なかなか品質向上につながらないケースもあるかと思います。

コールセンター運営コンサルティングを行っているところでは、明確な基準を作るサポートをしてもらえる場合もありますので、依頼するのもおすすめです。JBMコンサルタントでも、コールセンター運営やモニタリングの実施支援を行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

モニタリングには明確な評価基準と定期的な確認が必要

コールセンターにおいてモニタリングは必要不可欠な業務です。ただ、しっかりとモニタリングを行おうとすると、ひとりひとりのオペレーションの確認を行い、面談をする必要があります。そのため、かなりの時間的コストがかかることは避けられません。手が回らない時には、モニタリングの一部、または全てを外注することもできます。

セゾンパーソナルプラスでは、モニタリングの実施だけでなく、モニタリングや応対品質向上に関するお悩み事、ご質問に対して、ご相談に乗らせていただいたり情報提供をさせていただくことも可能です。お気軽にお問合せくださいませ。


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