Google社の目覚ましい発展もあり、「心理的安全が高い=イノベーションが起こりやすい」と捉えている方も少なくありません。
それでは、本当に心理的安全が高ければ、イノベーションは自然と起こるものなのでしょうか?
まず、イノベーションが起こる・起こらない以前に、心理的安全がないと、情報が隠蔽されることにより、大きな失敗をするリスクが高まる可能性があります。
心理的安全のある組織では、立場やバックグラウンドに関係なく、言いたいことを言い合えるだけでなく、
●「小さな失敗はどんどんやっていい」という失敗を許容する
●違った価値観、意見を否定することなく、耳を傾ける
といった、多様性の尊重と失敗を許容する文化があります。
言いたいことを言い合えるだけではなく、言ったことを尊重すること、また、言ったことを実行して失敗してもそれが許される文化があってこそ、従業員は新たなチャレンジができ、結果としてイノベーションが生まれていると考えられます。
また、「うちの組織はイノベーションが起きない」という声がよく聞かれますが、変革ではなく改善的な小さなイノベーションは日常でも頻繁にあり、「こうやったらどうか?」と日々の仕事を工夫する行動は多くの従業員がしています。
そういった小さな工夫が積み重なった時、たとえ一つひとつは小さくても、結果として大きなイノベーションとなることを、上長は理解しておくことが必要です。
また、そういった改革・改善のアイデアや思いを、上長が拾い上げ、認めることで、「もっと頑張りたい」「もっと挑戦してみよう」という、気持ちが生まれ、結果として組織へのエンゲージメントも深まります。