「管理職登用」~未来志向への変革~【HRMonday Report】

2021年5月11日|カテゴリー「さまざまな分野 ,さまざまな分野 ,人事制度コラム
「管理職登用」~未来志向への変革~【HRMonday Report】
登用試験はもう不要?
管理職に求められる役割そのものが変化してきた今、制度改革という小さな枠ではなく、人材マネジメント全体の見直しの1つとして、管理職登用を再検討する企業が増えてきました。

今回は、楠田祐氏×松丘啓司氏で人事の最新トレンドをオンライントークライブでお届けする「HRMonday」※より、第17回に解説していた「管理職登用」についてご紹介いたします。

※人事向けオンライン配信「HRMonday」は現在終了しています。

管理職登用の現状

コロナで劇的に変わったビジネスを取り巻く環境。
多くの企業が、この先の見えない新たな環境を乗り越えるだけでなく、それをどうチャンスに変えて高い成果を出すのか、会社全体で改革に乗り出しています。

人事における改革についても、その変化は顕著に表れてきており、従来のように「人事における変革=人事制度の改定」という考え方ではなく、ビジネスや経営の視点を交えた、制度の改革だけにとどまらない、より抜本的な改革を検討し始める企業が増えてきました。
その中で、過去の評価と試験が主流だった「管理職登用」についても、制度を変更するという限定的なものではなく、管理職の在り方そのものを考え直す所から改革を始めている様子が伺えます。
楠田氏と松丘からは、近年大企業でもよく見られる「管理職登用」に関する変化について、以下のような点があげられました。

●そもそもとして、管理職に求める要素が変化してきた
●過去の評価ではなく、管理職としての資質も重要な要素
●登用のための試験を廃止する企業が増えてきた
●各社様々で、登用方法が多様化している
●ビジネスの形態、業界によっても改革のスピードに差がある
 

管理職からピープルマネジャーへ

今まで管理職はその名のとおり、労働基準法でいう管理監督者にあたり、経営側の立場として従業員を管理するという役割を担ってきました。
管理職に就く人材は業界や業務についてよく知っていて、「これはこうなるだろう」「だから次はこれやろう」と、先を見越しながら、部下に指示を与え、チームをまとめて、成果を出すことを求められてきました。
そのため、過去に高い成果を出した人材、チームを管理し統率できる人材が重用され、優先的に登用されてきました。

ですが、デジタルの時代となり、環境が目まぐるしく変化し、予想外のことが次々起こる現在のような環境では、今までのように「こうなるから、この手を打とう」と予測してビジネスを進めることが難しくなってきました。
管理職がメンバー一人ひとりに報告をさせ、こうしろ、ああしろと指示をしている間に、あっという間に環境は変化していきます。
それでは、必要な時に必要なアクションがとれず、ビジネスに勝つことはとうてい不可能です。

つまり、メンバーが、自分で情報を集め、分析し、考え、判断し、アクションするということを、自律的に行えるようにならない限り、成果を出すことは難しい環境になってきているのです。
そのため、管理職も、今までのような業務の進捗管理や業績を管理する能力だけではなく、メンバーが自律的に働けるように、一人ひとりを理解し、成長を支援したり、働きがいを感じて頑張ってもらえたりするように支援する、いわゆる「ピープルマネジャー」としての能力が求められるようになってきたといえるでしょう。

過去の評価から、未来志向へ

先述のように、従来のような管理職の役割を担うためには、業界や業務に知識があり、業績をあげた評価が高い人材が登用されることが一般的でした。
また管理職にならないと給与が上がらないこともあり、昇進する=「キャリア」と考えられ、管理職に就くには高い評価をもらい、試験を受けて会社に選んでもらう、というステップを踏むことが必要でした。
そのため、上長の求める行動をして評価を上げよう、管理職になれなければ定年までそこそこやっておけばいいか、といった意識が生まれ、会社の成長の弊害となっていました。

最近日本でも、管理職は希望者のみを検討の対象としたり、評価会議ではなく、どうやってその人を育てようかと考える人材開発会議に時間をかけたり、ピープルマネジメントができるマネジャーとしての資質を備えているかを重視する等、管理職登用の検討方法が多様化してきました。
 その中で共通していることは、その人材が過去に行ってきたこと、いわゆる評価や試験結果だけを見て管理職になるかどうかを判断するのではなく、「この人材をどう育てたいか」「この人にはこんな素質があるから挑戦させてみよう」といった、個々の未来の成長を踏まえた検討に変わってきていることといえます。

ピープルマネジメントのスキルがあれば、どこに行っても通用する

一方、「環境が変わってきたから、ピープルマネジメントができる管理職になりなさい」といわれても、自分自身も上意下達のマネジメントをされてきたゆえに、多くのマネジャーはピープルマネジメントが何かを理解することからスタートし、試行錯誤をしながら、そのスキルを身につけていく必要があります。 
また、若い世代が「こういうことができればマネジャーになれる」「管理職っていいな」と思うためには、仕事や1on1を通じて対話するマネジャーがロールモデルになることも求められるでしょう。 

それは、決してたやすいことではありませんが、メンバーとの対話を通じて一人ひとりを理解し、成長支援をするには何をしたらいいか、マネジャー自身も訓練を重ね成長することで、ピープルマネジメントのスキルは磨かれていきます。
特別なスキルはその職でなければ身につけることはできませんが、管理職の仕事はどこでもあります。
裏を返せば、ピープルマネジメントスキルがあれば、どこの組織へ行っても通用する人材になれるということでもあります。


グローバル企業はすでにスタートダッシュを切っています。
日本の企業はその流れに追いつき、追い越すことはできるでしょうか?
歴史があるから変えられない、うちは上意下達のカルチャーだから、は通用しない環境となってきました。 
小手先の制度改革ではなく、人材マネジメント全貌を変革する取り組みを、今すぐ始める必要があると考えられます。

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◆株式会社アジャイルHR
松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

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