第8回 「一括or年金?」~退職金の受け取り方法~ 後編 Author:石村 衛

退職金の受け取り方法
退職金」についてネットなどで情報を収集してみると「税金面での優劣に関する記述」が多いように感じます。

そこで、一時金のみ支給の企業と併用の企業があるという退職給付金制度自体のそもそも論と、税金面を含めた退職後の生活について「どう役立てるのか?」という、2つの視点が重要だと認識しました。

今回は2回に分けて前編で退職給付を年金で受取る場合の税負担について」後編で「一時金or年金?退職給付の受け取り方法は?」についてご紹介いたします。
シニア社員の退職後の『生活不安解消のヒントにしていただければ幸いです。

~前回の記事を読む~

一時金or年金?退職給付の受け取り方法は?

・退職給付を一時金で受け取ったほうが良いのか?
・年金で受け取ったほうが良いのか?
・退職一時金と年金を分割して受け取ったほうが有利か?

選択可能な企業にお勤めであれば、「どちらが有利か?」悩ましく思案をされるでしょう。

ネット情報などでは、
「税金面では、一時金の控除を利用したほうが有利?」
「手取り総額は年金の方が多くなる場合がある?」
「受取り方法が選べる場合には、どちらか一方に決めつけず、分割受取が有利?」

など様々な見解が掲載されており、税金という側面のみに着目した内容が多い印象です。

中には「退職金は一時金で受取り、受取った資金は運用すれば収益期待が高まる!」といった業者の思惑が色濃く反映されている論調も皆無ではありません。

『一時金』のメリット・デメリット

退職金の受け取り方法_メリットデメリット
・まとまった金額が手元にあると安心感が高まる
・手元資金があれば急な出費等に対応できる
・一時金受取りは、勤続年数が長いほど税負担は軽減される
・退職所得控除の範囲内であれば、税負担は生じない
・一時金で受取っても、利息等は期待できず増え難い
・使い過ぎ注意
・退職金として受取った残高が減少し続けると「不安感」が増しやすい

『年金』受取のメリット・デメリット

退職金の受け取り方法_メリットデメリット
・定期的に安定して入金され、家計が安定しやすい
・年金給付利率次第で預金より手取り金額が増える可能性がある
・終身年金が選択できる場合には、「経済的長生きリスク」を緩和できる可能性がある
・毎年の収入に計上されるため、健康保険料・介護保険料の負担が増える可能性がある
・急な出費などに対応し難い
・住宅ローン等、借入れの一括返済原資には難しい
・リフォームや子どもの大学入学金等のまとまった支払の予定があると対応し難い

『一時金』or『年金』を決める前に確認・検討すること

・退職給付は生活費として組み入れる「必要があるか?否か?」の検討
・生活水準を低下?・維持?・向上?「どうしたいのか」、「どうなるのか?」を検討
・生活費として「組み入れる金額」を検討
・退職慰労のために旅行・レジャーにどのくらい「使いたいのか」を検討

・「使い過ぎ」、「いつの間にか使ってしまう?」という不安に対する解消策の検討
・「手元資金が乏しい」という不安に対する解消策の検討

・「年金受取りまたは一時金・年金の併用の可否」を確認
・年金受取りの場合は、年金の給付利率を確認
給付利率の利率に応じた「受取見込み総額」を試算


・一時金で受取りの場合は、「計画的な取り崩しの可否?」を検討
・一時金と年金の併用が可能な場合、「受取り方法の比率・金額」を検討
・有期年金場合、「受取期間終了後の収支見込」を検討
・終身年金は年金額+公的年金と老後支出の収支を確認

・「何歳まで働くのか?否か」を検討
・公的年金を繰り下げると老齢年金が0.7%~最大42%割増(※5)されることを念頭に「公的年金の受取開始年齢」の検討

・勤め先の退職給付制度を確認
・退職給付を「一時金」または「年金」または「併用」の各々で受取る場合の税負担の違いによる手取り額が変わる可能性を検討

まとめ

退職金の受け取り方法
大企業・中堅企業を中心とした退職金と年金制度の併用する企業にお勤めの場合は、退職金を「一括受取」または「年金受取」または「一時金・年金を分割して受取」を退職者が選択して受け取れます。
また、お勤め先の企業が支払う退職金に加えて、確定拠出年金等の企業年金が支払われる場合には、一時金と年金受取の選択が可能になります。

選択できるからこそ迷いが生じてしまいますが、その受取方法に関して「何が良いのか?」は、画一的な回答は存在しません。

まずは、お勤め先の退職給付制度の確認に始まり、退職後の生活設計をお金が必要となる期間・時期と金額使いたいお金の金額と時期備えるお金の金額を分けて考え、それに合った受取方法を検討すると良いと思います。

※5-1 日本年金機構:老齢基礎年金の繰り下げ受給
※5-2 日本年金機構:老齢厚生年金の繰り下げ受給

シルバー社員のセカンドライフ応援研修

65b63736d3fde3c2f51e5255e5436794-e1607389818921
シルバー社員のセカンドライフの応援を目的とします。シルバー社員のマネープラン(得する知識)、キャリアデザインがセットされた研修です。
オンライン研修でありながら講義形式だけでなく、ワークを取り入れた参加型研修となっております。



JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


※お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください
トップへ戻る