こんにちは、唐澤理恵と申します。
今回から4回にわたって皆さんと「クレーム応対」について考えていきたいと思います。
よろしくお願い致します。
今回のテーマ:「クレームとは何か?」
早速ですが、皆さんに質問です。
ケース①
お客様 「すいません、昨日買ったシャツなんですけど、帰って開けてみたらここがほつれているんです。新しいものと交換してもらえますか?」
ケース①はクレームですか?
ケース②
お客様 「何なのこれ!昨日買ったシャツ、帰って開けてみたらほつれてるじゃない!ほらここ見てよ。こんなものをお客様に出して恥ずかしくないの?すぐに新しいものと交換しなさい!」
ケース②はクレームですか?
研修でこの質問をすると、①を「クレーム」と言う人はあまりいません。
一方、②については、ほとんどの人が「クレームである」と言います。
なぜでしょう?
日本では、「クレーマー」「モンスタークレーマー」といった表現があるためでしょうか・・・応対者にとって「怒られる」「追い詰められる」といった負のイメージがあるものを「クレーム」と判断しがちです。
本来「クレーム」とは、商品やサービスに対し、言って当然の改善要求、契約上の権利請求を指し、英語では次のように区別されています。
・complain :不満、愚痴
・claim :当然の要求、権利の主張
日本では、以下の3つを総称して「苦情」「クレーム」と言っていることが多いように思います。
①不満・愚痴
②改善等を求めるもの
③不当要求や嫌がらせ
さて、先程の例に戻って考えてみましょう。
①も②も、お客様は「買ったばかりのシャツがほつれていたから交換して欲しい」と当然の主張をしています。
ということは、①も②も「クレーム」ですね。
このように「クレーム」とは、お客様が企業側に「期待外れだったからこうして欲しい」と要求を伝えている状況です。お客様が企業側に高い期待や関心を寄せてくださっている証でもあり、お客様の「怒り」の温度で判断するものでは無いのです。
そして、「クレーム」が企業への関心の表れであるからこそ、お客様の要求に応え、満足いただける応対が重要になってきます。
「ジョングッドマンの法則」では、『苦情を申し出たお客様が、その際の解決に満足された場合、商品やサービスの再利用率は、不満を持ちながら苦情を申し立てなかったお客様の再利用率よりも高い』という統計が出ています。