コールセンターにおける応対品質で顧客満足度を上げるポイント

2021年12月27日|カテゴリー「コールセンターコラム
コールセンター応対品質
商品やサービスを提供する際、もはやなくてはならないのは顧客のサポートです。
そのため、業種を問わず多くの企業がコールセンターを設置し、顧客対応を行っています。
今回はコールセンターにおいてどのように顧客満足度を上げるのかという点に焦点を当て、いくつか大切なポイントをご紹介します。

顧客満足度とは

まずは顧客満足度とはどのようなものなのか、簡潔にご説明します。
コールセンターの質を測る上で非常に大切な指標になるのでぜひ覚えておいてください。
また、ここでは顧客満足度(CS)と顧客体験(CX)の違いについても解説します。

顧客が得られた総合的な満足感を測る指標

顧客満足度とは、その字面の通り顧客がコールセンターの対応に対してどれくらい満足しているか測る指標のことです。
短くまとめてCS(Customer Satisfaction)と言われることも多いです。
実際に顧客目線でコールセンターに電話をした時のことを思い出していただけると分かりやすいですが、商品やサービスそのものよりもコールセンターの対応で企業の印象が決まることも少なくありません。
そして最前線で顧客の声を受け止めて悩みを解決する役割だからこそ、顧客がどれくらい対応に満足しているかは正確に知っておく必要があります。

顧客満足度の測り方

ではもう少し踏み込んでみましょう。

顧客の「満足」は目に見えないもので、人によって度合いや重要視することも異なります。
そのため本当の意味での顧客満足度を測るのは非常に難しいのですが、下記のような方法を使うことで実際の満足度に近い測定結果を得ることができます。

●お客様アンケートをとる
●オペレーター自身に自己評価してもらう
●管理者からフィードバックを行う

コールセンターでの対応が終わり、電話を切ると同時にアンケートメールが送られてくるという経験をしたことがある人は多いと思いますが、このように顧客による対応へのフィードバックは非常に重要視されています。
またそのようなシステムがない企業でも、電話の内容や対応を管理者がモニタリングし、カリブレーション(標準合わせ)形式で評価することで顧客満足度を測っていることがあります。

CSとCXの違い

さて、先ほど顧客満足度を「CS」と表現することも多いと説明しましたが、CSという単語に付随して連想されがちな用語に「CX(Customer Experience)」というものがあります。
これは顧客と企業のかかわりを示す指標である「顧客体験」のことですが、CSと混同されることが多いものです。

簡単に違いを説明します。
CXは商品やサービス購入に関わる一連の購入体験に関する指標なのに対し、CSは主にコールセンターでの対応に対する満足度を測る指標です。
CXの中にCSが含まれるというイメージで良いと思います。

近年ではNPSという指標が使われることも

近年は顧客満足度の他にもNPS(Net Promoter Score)という指標を使うことも多くなってきています。顧客が周囲の人たちに商品やサービスをどれくらい勧めるか示すのがNPSです。
今回は顧客満足度を高めるためのポイントをご紹介しますが、重要な指標のひとつであるのは間違いないため、コールセンター運営に携わるのであれば頭に入れておくと良いでしょう。

顧客満足度が高いコールセンターの特徴

コールセンター応対品質
さて、ここから本題に入っていきましょう。
まずは顧客満足度が高いコールセンターの特徴をご紹介します。
普段コールセンターの運営について考えている方も、一度顧客視点でこれらの特徴を想像してみてください。きっと納得していただけるはずです。

対応までがスムーズ

顧客満足度が高いコールセンターでは、待ち時間が短かったり、たらい回しにされず一人のオペレーターがそのまま対応してくれたりします。
つまり「スムーズさ」に秀でていることが顧客満足度の向上につながっているのです。
また、担当者が変わらない場合にも保留が長いとネガティブに捉えられることが多いため、顧客満足度が高いコールセンターでの保留時間は短い傾向にあります。

言葉遣いが丁寧

とても基本的な部分ですが、言葉遣いが丁寧でなおかつ正しく敬語が使えているかどうかは非常に大切なポイントです。
相手の様子や要件に合った温度感で話しつつ、言葉遣いが一貫して丁寧なコールセンターは高い顧客満足度を獲得しやすいといえます。
また、謝罪をすべき場面ではしっかりと謝罪をすることができるかどうかも重要です。
電話をしている時点で既に不快感を抱いている顧客に対して粗雑な対応をしてしまうと、トラブルになってしまうこともあります。

分かりやすく的確な対応ができる

先ほどの「スムーズな対応」にもつながる部分ですが、オペレーターの説明が簡潔で回りくどくなく、聞かれたことに対する答えが安定しているのも顧客満足度が高いコールセンターの特徴です。
顧客サイドからすれば電話をすることそのものを目的としているのではなく、なにか解決したい悩みがあるから電話していることがほとんどです。
そのため問題解決のための対応が的確であればあるほど、満足度は高くなる傾向にあります。

ニーズをくみ取った対応ができる

基本的には顧客からしてほしいことを伝え、それに対してオペレーターが対応する形になることが多いですが、電話で「してほしい対応」を伝えられた時にはその先のニーズまで考慮する必要があります。

たとえば、通販会社のコールセンターに顧客から「注文商品の納期が知りたい」という電話が入ったとします。
その際には納期を調べて回答するだけでなく、「その先」まで考慮することが大切です。
その顧客にとってはできるだけ早く商品が必要であり、注文商品の納期が長いのであれば別の商品でも良いから入手したいと考えているかもしれません。
顧客が最終的にどのような問題を解決しようとして電話をかけているかまで考え、それに合った提案までできるコールセンターの顧客満足度は、必然的に高くなるといえます。

顧客満足度を向上させるためのポイント

コールセンター応対品質
上記で紹介した「顧客満足度が高いコールセンターの特徴」を踏まえ、ここでは顧客満足度を高めるための具体的なポイントを3つ挙げます。
業種や顧客の特性、コールセンターで課題となっていること等さまざまな要因によって、各コールセンターですべき対策はさまざまです。あくまで一例として参考にしてみてください。

応答率を向上させる

まずは「電話をしたらすぐにつながるコールセンター」だと認識されることが非常に大切です。
そのために顧客からの問い合わせ数に対するオペレーターの数を最適化したり、オペレーターの対応時間や後処理時間、離席時間を短くしたりしてより多くの電話に出られるようにしましょう。
電話をかけてきた人の中でオペレーターにつながるまでに電話を切ってしまった人の割合を調べ、それを指標にすることで応答率を測ることができます。

親身な対応を心がける

実際に電話の応対をする際には、常に顧客目線に立つように心がけましょう。
特に電話対応に慣れてくると、オペレーターの都合で話を進めてしまいがちです。
そんな時こそ顧客の声に耳を傾け、顧客に寄り添うことができているかセルフチェックする必要があります。
事務的な対応に徹しすぎてしまうと、「ちゃんと話を聞いてもらえていない」と思ってしまうこともありえます。

多面的な評価基準を設ける

オペレーターを評価する際には、複数の尺度を使って評価を行うようにしましょう。
コールセンターではよく生産性を基準にしてオペレーターの評価が行われていますが、それだけでは応対品質を測るには不十分だといえます。
対応の丁寧さや自己評価、アンケートの結果など多面的にオペレーターとその対応を評価するようにしてみてください。
また評価後に本人へのフィードバックを行い、これからどのような部分を改善すればより良い応対ができるようになるのか伝えられるとさらに良いでしょう。

適切な人員配置・業務配分を行う

「適材適所」とはよく言いますが、それはコールセンターでも例外ではありません。
受電が得意なオペレーターやチャットでのコミュニケーションに秀でているオペレーターなど、コールセンターにはさまざまなタイプのオペレーターがいるはずです。
本人の意向や評価の結果を加味し、最適な場所への人員配置を行うことで生産性が向上し、結果的に顧客満足度の向上につなげることができます。

また同じ業務を行っているオペレーター同士で業務量の偏りが生じないよう、管理者目線で業務をうまく分配する必要があります。
電話に関していえば、電話の本数を最適化するCTIシステム(パソコンと電話機、FAX等を連携させるシステム)もあるため、積極的に使うと良いでしょう。

充実したトークスクリプトやマニュアルの作成

オペレーター目線で見ると、顧客からイレギュラーなことを言われると対応に困ってしまいます。
その際の自信のなさや不安は顧客にも伝わってしまうものですし、対応そのものもスムーズさに欠いたものになってしまいます。
できるだけイレギュラーな部分をなくし自信を持って対応できるよう、充実したトークスクリプトやマニュアル、よくある質問を扱ったFAQなどを整備しましょう。

また、それでもイレギュラーな対応が発生してしまうこと自体は防げないので、イレギュラーな問い合わせを受け付けた際の対応方法を決めておくと良いでしょう。
多くは一度電話を切って対応を確認する流れになるかとは思いますが、それだけでもスムーズに対応できるようにしているのとしていないのでは大違いです。

適切なオペレーター教育を行う

電話をかけるのも、電話を取るのも人間です。
そのため受電をするにあたって適切なオペレーター教育を行う必要があります。
入社したてのオペレーターからベテランオペレーターまで、個人のレベルに合わせた教育を行いましょう。
定期的に教育を行うことで、業務に慣れたオペレーターであっても一定の応対品質を保つことができます。
またさらに顧客満足度を高めるため、現状よりもさらに成長することを念頭に置いた教育をすることも大切です。

技術的な要素にも気を配る

電話の音質や顧客情報との連携など、機材やシステムに関する要素も顧客満足度に影響します。
顧客としては「当たり前」の部分ではありますが、それゆえその部分が欠けているとマイナス評価につながりやすいので要注意です。
特に過去の問い合わせの参照に時間がかからないよう、自社の状況に合ったCTIシステムを導入する必要があります。

複数のポイントを見直して顧客満足度の向上を

コールセンター応対品質
顧客満足度を構成する要素は一つではありません。
たくさんの小さな要因が集まり、互いに作用し合って顧客満足度に反映されています。
そのため、顧客満足度を高めるためにはひとつひとつの改善をコツコツと積み重ねる必要があります。

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