コールセンターにおける品質管理のポイントとは?

2022年3月15日|カテゴリー「コールセンターコラム
コールセンターにおける品質管理のポイントとは?
コールセンターのマネジメントにおいて、品質管理は最重要課題の1つです。
この記事では、コールセンターにおける品質管理の方法や評価基準、重視すべきポイントをご紹介します。
品質管理がうまくいっていないのであれば、ぜひ参考にしてみてください。

コールセンターにおける品質管理

そもそも、なぜコールセンターでは品質管理を行う必要があるのでしょうか。
また、どのようなポジションの人が管理を行うべきなのでしょうか。
コールセンターにおけるKPI設定をもとに解説します。

コールセンターのKPI

KPI(重要業績評価指標)とは、組織が目指すべき目標を明確にした指標のことです。
さまざまな業界・業種で、社内外の状況に合わせたKPIが設定されています。
コールセンターも例外ではなく、下記のような指標をもとに目標が設定される傾向にあります。

・顧客満足度
・応答率(放棄呼率)
・応対件数
・平均応答速度
など

どの指標も非常に重要ではありますが、ほとんどの指標は応対品質につながるものです。
小さなポイントの積み重ねで応対品質は構成されているため、ひとつひとつの要素をないがしろにしないようにしなければなりません。

品質管理の重要性

品質管理が重要視されるのは、多面的応対品質を向上させることが非常に大切なものだからです。
もちろん日々の業務のパフォーマンスも重視されるべきですが、それだけでは成り立ちません。
パフォーマンスとクオリティの両方が揃ってこそ、顧客の満足を得られるコールセンターだといえます。
ここでいうパフォーマンスとは、日々の現場業務やオペレーションそのものの品質のことで、一方のクオリティは顧客がオペレーションを受けて抱いた感覚が元になって決まる品質です。

そして最前線で顧客対応を行うコールセンターは、「企業の顔」であるとも言い換えられます。
応対品質を管理し、パフォーマンスとクオリティを高めることは、企業のイメージを守ることにもつながります。
こうした背景から、多くのコールセンターでは品質管理が重要視されているのです。

誰が品質を管理する?

品質管理は、現場のマネジメントを担当する社員が行うことがほとんどです。
役職でいうと、SV(スーパーバイザー)やトレーナーが品質管理をすることが多いといえます。
SV(スーパーバイザー)やトレーナーは、ある程度俯瞰してセンターの状況を見ることができる立場であり、オペレーターに近い存在でもあります。
現場をマネジメントして応対品質を高めていくためにも、現場マネジメントの担当者が品質管理をすべきだといえます。

ただ、大切なのはセンター全体で品質管理に対して当事者意識を持つことです。
実際のオペレーションのマネジメントを通して品質の管理を行うのはSV(スーパーバイザー)やトレーナーですが、品質を上げていくのはセンターで働くひとりひとりです。
誰かに任せるという意識ではなく、自ら率先して品質向上のためにできることを探してみましょう。

応対品質の調査方法

コールセンターにおける品質管理のポイントとは?
ここでは、応対品質を測定する具体的な方法についてご紹介します。
一概にどの方法がベストであるということはなく、コールセンターの状況によって使い分けたり、組み合わせたりする必要があります。

通話システムの実績確認

応答率や放棄呼率などの数値が指標になるものは、使用している通話システムから確認することが多いと言えます。
システムによって確認できる項目や、データ測定の定義が異なるため、データを用いる際にはそうした部分も事前に確認しておく必要があります。

モニタリング

モニタリングとは、オペレーターの応対を録音して聞き、一定の基準に従って評価するものです。
評価基準は言葉使いやスクリプト遵守度など、多岐にわたります。
多くの場合、音声データを何度も聞き返して評価するため、管理者の負担は大きいといえます。
規模の大きいコールセンターになると、オペレーターの数も多いため、必然的に評価に時間がかかってしまいます。

ミステリーコール

モニタリングの派生として、ミステリーコールという手法があります。
これは評価を行う管理者が一般の顧客を装って電話をかけるもので、評価したい事項をピンポイントで確認できるのが利点です。
モニタリング調査では何本もの電話を確認し、確認したいフローについての電話がないか探すこともありますが、ミステリーコールではその必要はありません。
再現する問い合わせ内容を的確に選定できれば、効率的な評価ができるでしょう。

診断サービスの活用

ここまででご紹介した2つの方法は、コールセンター内部で行うものでしたが、評価を外部委託するのも有用な手段だといえます。
オペレーター数が多く評価が追いついていない場合はもちろん、第三者からの公平な評価を得たい場合にも活用できます。

応対品質の評価基準

コールセンターにおける品質管理のポイントとは?
実際の応対から応対品質を測る際、どのような基準を用いて評価を行うべきなのでしょうか。
さまざまな観点から、評価基準として用いることができるものをご紹介します。

応答率

応答率とは、顧客からの着信に対してどれくらい応答できたかを測るもので、割合で算出されます。
着信数に対して人員が不足している場合や、1件1件の処理スピードが追いついていない場合には応答率が低下する可能性があります。
コールセンター全体の運用面に関わる事項でもあるので、改善する際にはセンターで起きている問題を俯瞰的に捉える必要があります。
一定時間内につながった通話の割合を測る「サービスレベル」という指標が用いられることもあります。

放棄呼率

放棄呼率(ほうきこりつ)は、オペレーターにつながる前に切れてしまった電話が、全体のどれくらいの割合にのぼるのかを測る指標です。
あふれ呼(あふれこ)とも言い、多くは応答までの待ち時間が長いために電話が切られてしまいます。
応答率と表裏一体であるため、コールセンターは応答率を上げ、放棄呼率を下げるという方向性で状況の改善を行っていかなければなりません。

平均応答速度(ASA)

電話をかけ、オペレーターが応答するまでの平均時間のことを「平均応答速度(ASA)」といいます。
基本的には短ければ短いほど、ストレスを生じさせる可能性が低いため良いとされます。
どうしても通話でしか解決できない問題について問い合わせを行う際には、顧客はオペレーターにつながるまで待ち続けるでしょう。
放棄呼にならなかった場合でも、通話がつながった時点でかなりのストレスを与えてしまっているかもしれません。
平均応答速度があまりにも長い場合には、コールセンターの運用そのものを見直す必要があるといえます。

一次解決率

一次解決率とは、1本の電話で応対が完結した割合を示す指標です。
折り返しをしたり、担当者に取り次いで改めて連絡をさせたりすると、一次解決率は低下します。
もちろん、その電話で解決したいからといって曖昧な対応をしてはいけません。
しかし、顧客視点で見るとスムーズに一次解決できるとストレスがかからないものです。

コミュニケーション能力

やはり最前線で顧客との会話対応を行う仕事なので、コミュニケーションスキルは必須だといえます。
マニュアルに沿った対応は完璧でも、コミュニケーションがぎこちなければ顧客は「自分に寄り添ってくれていない……」と感じる可能性もあります。
相手の話に耳を傾けているか、顧客に寄り添った会話の進め方ができているかを確認しましょう。

ビジネスマナー

いくらコミュニケーション能力に秀でていても、ビジネスマナーを身につけていなければ、失礼にあたってしまうことがあります。
会話がぎこちなくなってしまうのであれば重視しすぎる必要はありませんが、オペレーターには必要最低限のビジネスマナーを身につけてもらわなければなりません。

応対品質を測る上で重視すべきポイント

ールセンターにおける品質管理のポイントとは?
続いて実際に品質管理を行う前提で品質の計測を行う際、管理者が重視すべきポイントをご紹介します。
漠然とデータだけを測定するのではなく、その先を見据えて測定を行いましょう。

すべてのオペレーターに対して定期的にモニタリングを行うこと

オペレーターに対する評価は常に公平でなければなりません。
それは正確なデータをとるためでもあり、オペレーターの中に不当な評価を受ける人がいないようにするためでもあります。
オペレーターのスキル向上やコールセンターを取り巻く変化を踏まえ、定期的にモニタリングを行いましょう。
手が回らない場合には外部サービスを活用するのも手です。

モニタリングの結果は適切にフィードバックすること

モニタリングの結果、オペレーターの良い部分や改善すべき部分が見えてくるでしょう。
どちらの事柄も、本人に対して適切にフィードバックしましょう。
改善点ばかりを伝えることはモチベーションの低下につながってしまいますが、内容をオブラートに包みすぎると改善すべきポイントがうまく伝わらない可能性もあります。
オペレーターひとりひとりの性格なども踏まえ、各人にあったフィードバックの方法を考える必要があります。

評価に自己分析も取り入れること

応対品質の評価は基本的に管理者が行いますが、それだけでは見えてこない部分もあります。
一見業務上のフローに問題があるような場合でも、オペレーター本人にとっては何らかの意図がある可能性もあります。
本人へのヒアリングや応対品質の自己評価も取り入れることで、より多面的な評価ができるようになるでしょう。

KPIに沿っているか確認すること

しばしば起こりうる問題として、「目先の目標評価にばかり目がいってしまう」ということがあります。
もちろんひとつひとつの評価は大切にすべきではあるのですが、一度立ち止まって全体の目標を見つめ直すことも必要です。
目標を立てる際や効果の測定を行う際には、KPIをはじめとした大きな目標にも目を向けましょう。

管理者としてすべきこととは?

コールセンターにおいて品質の評価を行った後にすべきなのは、それを生かした施策の立案です。
ここでは評価後に行われると考えられる管理者の業務をご紹介します。
「データを取ったものの、どうつなげて良いか分からない」という際にはぜひ参考にしてみてください。

オペレーターの不明点が解消できるような仕組みづくり

対応方法が分からないことが原因で、オペレーションに遅れやミスが生じてしまっていたことが分かった場合、改善すべきポイントは大きく分けて二つあります。
一つはオペレーター本人の練度を向上させること、もう一つは不明点を解消しやすいような仕組みを作ることです。
どうしてもオペレーターの練度不足に目がいきがちですが、特に遅れやミスが複数生じている場合には仕組みがうまく機能していない可能性があります。
そうした場合には、確認しやすく理解も容易なマニュアルを作成したり、SVやトレーナーに対して質問しやすい環境を作ったりする必要があるでしょう。

社内のシステム環境の整備

オペレーションや業務フローに問題がなくても、使っているシステムと行っている業務の愛称が良くなければ、問題が生じてしまうことがあります。
簡潔で分かりやすく、なおかつ必要十分な機能を取り入れたシステムの導入を行うことは、特に上層のマネジメント担当者の仕事として重要なものです。
現場の実情を見極め、常に改善するように心がけましょう。

正確かつ多面的なデータ分析

品質評価を通して取得したデータは、コールセンターの状況を把握するために活用できます。
定量的・定性的問わず収集したデータを可視化し、すぐに参照できるようにしておけば、経年的な変化も分かります。

適切なトレーニングの指南

コールセンターの品質管理の中で最も大切なのは、品質の評価後にその結果を踏まえて現場を改善していくことです。
オペレーターがもつ課題を見出すことができたら、課題を解決するためのトレーニングを考案し、実施しましょう。
トレーニングには技術的な部分に加えてメンタル面も含まれます。
快適に応対をしてもらうために、適切なトレーニングを行いましょう。

適切な品質管理でより良いコールセンターに

コールセンターを取り巻く状況は絶えず変化し続けています。
たとえ今応対品質が高水準だからといって、そのレベルを保ち続けられるとは限りません。
常に品質管理は怠らず、実業務で生じている問題を解決しながら顧客のニーズを満たせるようにする必要があります。

当社では、コールセンターの品質管理に関するノウハウや研修プログラムを多数有しています。
応対品質の向上を含め、コールセンター運用のお手伝いをさせていただきますので、お悩みがあればぜひご相談ください。

理想的なコールセンター研修のカリキュラム

コールセンター組織向けには、下記のメニュー(一例)があります。
当社は、自社でコンタクトセンター(実践部隊・現場)を持っており、現場で積み重ねた、独自のナレッジ・ノウハウも最大限に有効活用し、育成や体制・仕組みのご支援を行っております。

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