コールセンタースタッフのモチベーションを高める方法とは?|低下する原因と改善策

2023年6月8日|カテゴリー「コールセンターコラム
コールセンタースタッフのモチベーションを高める方法とは?
企業と顧客をつなぐ役割を担うコールセンター。膨大な業務量やクレームへの対応などのストレス要因が生じやすいという業務性質上、オペレーターのモチベーションが上がらず、離職や顧客満足度の低下といった課題に悩むコールセンターも少なくありません。
そこで今回は、コールセンタースタッフのモチベーションを高める方法や改善策をご紹介します。

オペレーターのモチベーションが低下する原因

コールセンターにおけるオペレーターのモチベーション低下の原因はさまざまです。
ただし、ひとつひとつの低下した原因を深掘りしていけば、職場環境全体の課題を見つけて解消することも不可能ではありません。

業務上のストレス

オペレーターのモチベーション低下の要因として、最も大きいのが業務におけるストレスです。
オペレーター業務では、常に顧客とコミュニケーションをとる必要があります。
そのため、他業種に比べてストレスが多く対策を講じなければ、離職にもつながってしまう可能性があるのです。
順に、ストレス要因となる項目を挙げていきます。

オペレーターに限らず、接客をする上でストレスを抱えやすいのがクレーム対応です。
商品や対応に関する真摯な意見はまだしも、長時間にわたって理不尽な言い分や要求を連ねる顧客への対応をしなければいけない場合もあります。
オペレーターはお詫びをし、顧客の感情をなだめつつ、会話の内容を記録するなど複数のタスクを同時に行わなければならないため、強いストレスがかかることもあるでしょう。

職場によって状況は異なりますが、ノルマをこなして顧客へのアポイントを取らなければならない場合もあります。
成績が上がらなければ、業務中にかかる精神的ストレスが増え、離職につながりかねません。
ただでさえ通常業務でストレスが発生しやすい業種であるため、職場内での対応策を講じる必要があります。

新人オペレーターへの研修やサポートが不十分だと、業務で躓いてしまうことが多くなります。
業務での失敗が多くなれば、その分クレームの発生頻度も増え、オペレーターの心身のストレスにも影響が出てしまうでしょう。
離職や顧客満足度の低下にもつながるため、研修やサポート体制は、十分に整備しておきたいところです。

覚えるべき知識量が多い

オペレーター業務で必要とされる知識量が膨大であることもモチベーション低下の要因です。
顧客対応でのマナーや正しい敬語の使い方、機器やシステムの操作方法、クレームをはじめとしたトラブル発生時の対応などの知識を短期間で習得する必要があります。
他にも、自社商品の説明を求められる場合に備えて、新商品や新サービスがリリースされた際には、常に情報を更新しておかなければなりません。

顧客にとって、オペレーターは最初に接する企業側の対応者になります。
企業へのイメージを決定づける看板でもあるため、日々の業務では常に高品質な対応が求められるのです。
このように、失敗が許されず常に勉強を行わなければならないという環境が、オペレーターの心身へのストレスになっています。

思うようにスキルが身につかない

顧客対応に必要な知識や経験を積むと日々の業務を円滑に行える反面、同じ作業の繰り返しになるため、スキルが向上していないと感じるオペレーターもいます。
もちろん職場内で正社員やスーパーバイザーへのステップアップがあるものの、スキルの向上を実感する機会は多くありません。
より良い職場ややりがいを求めて、転職を考える場合もあります。

オペレーターのモチベーション低下によるリスク

コールセンタースタッフのモチベーションを高める方法とは?
オペレーターのモチベーションが低下すると、業務中の集中力や顧客満足度の低下といったリスクが生じます。
企業と顧客をつなぐというコールセンターの立場上、オペレーターのパフォーマンスの低下は、企業にとって多大なリスクとなるため、事前に把握しておきましょう。

対応品質の低下

オペレーターの業務に対するモチベーションが低下すれば、対応品質にも影響が出てしまいます。
業務中の集中力が散漫になれば、顧客対応でのミスや声量が小さくなるなど、顧客に不快な思いをさせてしまうかもしれません。
また、業務への積極性がなくなることで電話に出ること自体が億劫になり、対応件数が下がることも考えられるでしょう。

こういったオペレーター側の案内中のミスや待ち時間が増加すれば、顧客の満足度も下がり企業の売上にも影響が出てしまいます。
顧客と企業をつなぐ役割を担っているオペレーターのモチベーションは、企業の新規顧客獲得に向けて非常に重要です。

離職率の上昇

業務へのモチベーションが下がれば、顧客対応中の集中力低下はもちろん、「仕事に行きたくない」と感じるようになってしまいます。
オペレーターの中で、業務に対する後ろ向きな感情が生まれてしまうと、退職や他の職場への転職を考えるようになるのも時間の問題でしょう。
また、モチベーションが上がらない状態で業務を行えば、普段しないようなミスも増えてしまいます。
失敗が立て込めば顧客からのクレーム対応をする機会が増え、業務におけるストレスが発生する負の連鎖に陥ってしまうことも考えられるため、離職率を低下させるためにも、オペレーターのモチベーションを向上させる工夫が必要です。

新人採用のコストが増加

退職者が出るとオペレーターの穴を埋めるため、コールセンターは新たに人員を補充する必要があります。
コールセンターの顧客対応件数の減少は顧客満足度の低下を招くため、企業としてはオペレーターの退職者が出れば迅速に対応しなければならないのです。
しかし、企業にとって採用活動にかかる時間やコストは決して小さいものではありません。

例えば、オペレーター1人を新しく採用するにしても、求人広告や人材紹介会社との連携による費用、人事担当の人件費などの採用コストがかかることになります。
また、新人オペレーター採用後もコストがかからないわけではありません。
新人研修やサポートなど、一人前のオペレーターにするための育成コストも発生します。
オペレーターのモチベーションの低下による離職率の増加は、こうした新人採用コストにもかなり影響があるため、対策を講じておかなければなりません。

コールセンタースタッフのモチベーションを向上させる方法

コールセンタースタッフのモチベーションを高める方法とは?
ここからは、コールセンタースタッフのモチベーションを向上させる方法をご紹介します。
モチベーションは、対策を講じてからすぐに改善できるものではありません。
長期的な目線で計画をたて、日々の業務の中で施策を行っていきましょう。

明確な評価基準制度を定める

業務に対する評価基準制度を設けることで、オペレーターの挙げた成果や努力を評価できるよう環境を整えましょう。
自分の日々の仕事ぶりが適正に評価されるようになれば、オペレーターも目指すべき目標が明確になり、モチベーションの向上につながります。

評価基準を設定する際には、各項目の数値化を徹底することが重要です。
例えば、評価基準を顧客対応件数や応対時間といった表面的なものだけにしてしまうと、評価に対する不満を抱きかねません。
評価基準を設ける際は、顧客満足度や成約率、売上高といった数値化できる指標で、総合的に評価ができるような項目作りを心がけましょう。

また、顧客への説明の丁寧さやお客様とのコミュニケーションのスムーズさなどの項目を5段階で評価すれば、オペレーターのスキルレベルも可視化できるようになります。
評価基準を定めてオペレーターに周知すれば、目指すべき指標が見つかり、モチベーションも高まるでしょう。

定期的にフィードバックを実施する

定期的にフィードバックを実施することで、自身の業務における課題が見つかり、モチベーションの維持が容易になります。
この際、評価基準を設けるだけでなく、評価に対するフィードバックの体制も同時に整えておくことが重要です。
週に一度、それが難しければ月に一度など、定期的なフィードバックの実施を心がけましょう。
いつフィードバックが行われるかが明確になっていれば、オペレーターは各時期を一区切りとして自身の課題や改善策に向き合いながら業務に向き合うことが可能です。
逆に、不定期での開催になると、アドバイスを得られる機会が必然的に減ることになり、オペレーターの向上意欲を削ぐことにもなります。

また社内体制として、評価制度と併せてフィードバックの実施までを一連の流れとして認識しておくことが大切です。
実際にフィードバックを実施する際は、「進歩した点」「維持すべき点」「改善点」の3つにわけて伝えましょう。
ダメ出しだけでは、モチベーションが下がる可能性もあるため、各項目を均等に伝え、オペレーターが今後とるべき行動について明示する必要があります。

職場内でのコミュニケーションを増やす

職場内でのコミュニケーションは、オペレーターのモチベーションの維持には欠かせません。
スタッフ同士が気軽に話せるような職場環境があれば、特に新人オペレーターが抱えがちな仕事の悩みや不満にも対処しやすくなります。
オペレーター同士でコミュニケーションが取りやすいような関係構築のため、新人でも気軽に話せるような飲み会や勉強会といった絆を深める機会を提供することが重要です。

また、新人のオペレーターには、経験豊富な先輩オペレーターとペアになって仕事をしてもらい、サポート体制を整えておきましょう。
先輩は新人オペレーターに対し、業務に関する教育だけでなく企業の方向性やビジョンに関する内容も併せて伝えましょう。
組織としての方向性を理解することができれば、自分がしなければいけないことや求められている役割がわかり、モチベーションの維持・向上にもつながります。

社内における表彰を実施する

社内における表彰制度で、スタッフが努力しただけ報われるような環境作りも、モチベーションの向上に有効な手立てです。
人間は誰しも承認欲求を持っているため、自分の頑張りや成果が認められれば、単純に嬉しくなるのと同時に職場への愛着も湧きやすくなります。
「月間最多対応件数のオペレーター」や「顧客満足度が最も高かったオペレーター」といったように評価項目ごとに表彰すれば、受賞者にとっても成功体験となり仕事へのやりがいも感じやすくなるでしょう。

また、営業ノルマが課せられているコールセンターであれば、成績に応じてインセンティブを提供するというオペレーターのモチベーションアップ方法もあります。
表彰制度の良いところは、受賞者だけでなく表彰されなかったオペレーターも「次回こそは」と業務へ励んでくれるようになることです。
オペレーター間での良い相乗効果によって、活気のある職場環境を構築することができます。

スキル研修やフォローアップ研修を導入する

オペレーターのスキルを育成するためのスキル研修やフォローアップ研修の導入は、モチベーションの向上を促すことができます。
研修を通して新しい知識やスキルを蓄積することで、成長への意欲を刺激できるためです。
新人研修から始まり、年間を通じて研修体系を確立することでオペレーターの応対品質の安定につながります。
研修が必要なのは、新人オペレーターだけではありません。
新人オペレーターの教育係となるスーパーバイザーや管理職など、階層ごとに研修を用意しておきましょう。

オペレーターを育成する研修や教育方法の実施に不安がある場合は、コンサルタント会社に委託するというのも一つの手です。
セゾンパーソナルプラスでは新人オペレーターから管理職まで、各階層ごとに実施すべき研修を豊富に取り揃えております。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

モチベーションを適切に管理する方法

コールセンタースタッフのモチベーションを高める方法とは?
次に、先述した改善策を実行する中で、モチベーションを適切に管理する方法についてもご紹介します。
モチベーションは人間の感情の波でもあるため、短期間ですぐに向上させることは困難です。
だからこそ、管理者側は長期的な目線を持って改善策を実行していく必要があります。

スタッフの満足度調査を実施する

働いているオペレーターに対して職場の満足度調査を実施することで、業務におけるモチベーションを把握することができます。
オペレーターの業務へのモチベーションを数値化、記録することで、組織の課題も見つけることが可能です。
コールセンター内の課題や現状が分かれば、オペレーターのモチベーションの低下への対策も講じやすくなります。
実際に実施する時は、匿名のアンケート形式で行い、現状への不満や職場内の人間関係、離職への考えなどの項目を設けてオペレーターの意見を集めます。
アンケート結果から退職や転職希望者が多かった場合は、個別の面談で意見を聞くようにしましょう。

モチベーションカーブを把握しておく

「モチベーションカーブ」とは、モチベーションの動きをグラフで表したものです。
ひとりひとりに感情がある以上、仕事に限らずモチベーションや気持ちに波が生じます。
ただし、そうした気持ちの波には一定の周期が見られることがわかっています。
つまり、事前にオペレーターのモチベーションカーブの動きを把握しておけば、ある程度の気持ちの波の予想をつけることが可能となるのです。
例えば、研修後1週間ごろから徐々にモチベーションが低下したり、また別のオペレーターは季節によってモチベーションの高低がある程度傾向があったりといった具合です。
オペレーターによってモチベーションカーブは異なるため、普段からコミュニケーションをとってオペレーターの状態を把握しておきましょう。

モチベーション対策をPDCAサイクルで継続する

ビジネスシーンにおける業務改善が必要な場面でよく使われる「PDCAサイクル」は、コールセンターにも有効です。
業務改善だけではなく、スタッフのモチベーション向上施策にも使用することができます。
PDCAサイクルとは一般的に、P(Plan)=計画、D(Do)=行動、C(Check)=評価、A(Action)=改善を意味し、このサイクルを繰り返すことが重要です。

例えば、オペレーターのモチベーション向上施策を実施する場合、「P」でオペレーターの意欲向上のための計画をします。
「D」で実際にスキル向上のための研修を実施し、「C」で研修でどれくらいオペレーターのモチベーションが向上したのかを調査、「A」で更なる改善点を見つける、といった形です。
PDCAサイクルを活用することで、オペレーターのモチベーションの維持・向上ができ、オペレーターの定着率の改善も期待することができます。

スタッフのモチベーションを管理して顧客満足度向上を目指そう

今回は、コールセンタースタッフのモチベーションを高める方法についてご紹介しました。
オペレーターのモチベーション低下には、コールセンターの職場環境での課題を反映しています。
組織体制を整えるのと同時に、スタッフ間でのコミュニケーションや声かけといった人間関係の構築も図り、オペレーターが気持ち良く働ける環境づくりを心がけていきましょう。
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