コールセンターの応対品質を向上させるための「良いマニュアル」とは?作成時のポイントも合わせてご紹介

2023年1月12日|カテゴリー「コールセンターコラム
コールセンターの応対品質を向上させるための「良いマニュアル」とは?
コールセンターの業務や体制を見直したいと思った時に、まず最初に考えるのはマニュアルの作成・見直しとなる方も多いはずです。
コールセンターのマニュアル作成において大切なことやより良いマニュアルを作成するにはどのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
今回は、日々多くの電話対応を行っているコールセンターで要になってくるマニュアルの作成意義や、より良いマニュアルを作るためのポイントを解説していきます。

マニュアル作成はなぜ大切なのか

マニュアルとは、仕事を行う上で全従業員が一定水準以上の質を保てるように業務内容をまとめたものです。
手順書のように業務工程が書いてあるだけではなくて役割ごとの目指す姿や注意する点、過去の経験からのノウハウが書かれています。
なぜ単なる手順書ではなくマニュアルが必要なのか詳しく見ていきましょう。

新人が頻繁に参照する「教科書」の役割があるため

入社して業務を初めて行う新入社員は、特にマニュアルを見ながら業務を遂行していきます。
新人教育を行う場合研修を併せて行なっていくことが多いですが、その際マニュアルがない状態で1から指導を行なっていると、かなり時間や人件費等のコストがかかってしまいます。

また、コールセンター1つとっても”インバウンド業務”か”アウトバウンド業務”かによってアプローチが変わってきます。
異動や退職に伴い別の方がそのポジションに就いた時、マニュアルがあるとスムーズに引き継ぐことができます。
そういった点から会社全体としても教科書が1冊できるので効率的に業務を行うことができ、無駄を省くことにつなげられる点からマニュアル作成が大切だといえるでしょう。

既存業務の振り返りに使われるため

マニュアルは先ほど述べたように新しく仕事を覚えるためだけではなく、振り返りにも使うことができます。
長期にわたって業務をこなしていく中で、社員全員がマニュアルに書かれている基本的な部分を忘れずにいるためにも、定期的に確認ができる教科書的な役割がある点において重要といえるでしょう。
 
また、何かミスが起こった際に原因がどこにあったのかが明確にしやすく、かつそのミスをマニュアルの改訂にあわせて事例や今後の対策案等を追加をしていくことで、会社全体で二度と同じ過ちを繰り返さず顧客の信頼獲得にもつながります。

応対品質を高いレベルで安定させることにもつながるため

人それぞれ仕事のやり方や、レベル感はバラバラです。
マニュアルはこういった個人間のばらつきを抑えるのにも効率的です。
自己流のやり方で全員が仕事を行うよりも品質が安定し、ミスが起こりにくくなります。
また、属人化といって「この業務は〇〇さんがいないとできない」といった問題をなくすことができ、スムーズにどの業務も一定水準で遂行することができます。
そういった点からコールセンターのように常にどんな問題が起こるかわからない環境では、マニュアルがなければ対応遅延や間違った回答をしてしまうことで、顧客不満足につながってしまうことも考えられるでしょう。

「良いマニュアル」の条件とは?

コールセンターの応対品質を向上させるための「良いマニュアル」とは?
続いて良いマニュアルがどんなポイントを掴んでいるものなのかをご紹介します。
ここまで紹介したマニュアルのメリットを存分に活かせるようなマニュアルがどういったものなのかを具体的にしています。

新人からベテランまで使える内容

マニュアルは新人からベテランまでが理解できる内容にする必要があります。
マニュアルは読む方の理解度レベルに合わせて作成をしていきます。
もし仮にベテラン層に合わせて大事な部分だけをピックアップして簡略化して作っても、専門用語が多すぎてしまったり内容を端折りすぎてしまうと、新人の方は一通り読んでも内容を理解することはできません。
つまり、理解が追いつかないとせっかく作ったマニュアルをうまく使えていないことになり、十分なメリットを受けることが出来なくなってしまいます。

必要な箇所をすぐに確認できる

マニュアルは常に1ページ目から読んでいくこともありますが、多くはわからないことや不安な点をサクッと確認することに使われています。
つまり、必要な箇所をすぐに見つけることができなければマニュアルとして成立しません。
特にコールセンターは通話中に顧客からの様々なイレギュラーな依頼に応えていく場面が多くあるため、どこにどんな内容が書いているのかはすぐに見てわかるような形式にしておく必要があるといえるでしょう。
 
マニュアル作成前に、全体的にどのような流れで書いていくのかを決め、目次やこのページにはどんなことが書いてあるのかを、一目で何が書いてあるのか分かるようにすることが大切になってきます。
また、内容もシンプルでマニュアルを読む社員がすぐに分かるような形式にすることも重要です。

業務を体系的に理解できる

マニュアルを見ながら対応していく中で、社員が今自分の行っている作業が全体の中でどの位置にあり、その後どうなっていくのかまでを体系的に理解できるようにしておく必要があります。
もし、理解せずに顧客対応をしてしまうとその後の顧客側にとってより良いご案内ができなくなってしまいます。
 
また、受電がメインとなるコールセンターのように、毎回同じ人が特定の顧客を担当しない場合には、次に受けたオペレーターがどこまで話をしているのかが分からなくなってしまい、顧客にとっても無駄な時間が生まれてしまう可能性があります。
業務を体系的に理解できるようにしておくことで、フロー全体の図の中で「この場合はこうする」といった道筋が明確になり視覚的にもわかりやすくなるので、ミスを減らすことにもつなげられます。

理想はマニュアルのみで対応方法が分かる状態

先ほど3点上げさせていただいた通り、マニュアルを作成していく中で大切にしていただきたいポイントはいくつかあります。
それらを踏まえた上でベストなマニュアルは「マニュアルのみで対応方法が分かる」ものです。

マニュアルのみで業務が行えるようになった場合、すぐに初心者を即戦力に変えられたり、教育コストを減らすことや社内のミスを限りなく少なくすることができます。
そのためには、過去の失敗に対する解決策や対応方法であったり先駆者のノウハウをマニュアルの中に追加していく必要があります。
ただ膨大な文章量になってしまうと、社員は読む気が失せてしまったり、探したい場所にすぐに辿り着けなくなったりしてしまうリスクがあるので大事なところをきちんと選定していくことが大切です。

しかし、初めから完璧なマニュアルを作ることはほぼ不可能に近いです。
マニュアルは、企画し、実際に作って、一度実践をし、改善点を修正する、の繰り返しを行っていくことが重要です。
最初から完璧を目指すのではなく、時間をかけ試行錯誤しより良いものを更新していくことを心掛けましょう。

マニュアル作成時のポイント

コールセンターの応対品質を向上させるための「良いマニュアル」とは?
それではここから、マニュアルを実際に作成する際の手順とポイントをご説明します。
ポイントは大まかに分けて4つです。
それぞれ、マニュアルを見直していく際にも使える内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

マニュアルの作成はどのように行う?

コールセンターにおける基本的なマニュアル作成の手順は、簡単に分けて以下の4ステップに分かれます。

ステップ1:マニュアル作成のスケジュール・進行方法を決める
ステップ2:フォーマットを決め、内容を洗い出す
ステップ3:構成を作成する
ステップ4:マニュアルの内容部分を作る

先にマニュアルに盛り込みたい内容や構成を決めておき、その後内容を細分化することで、内容を過不足なくマニュアル内に落とし込むことができます。
こうした手順を踏まえ、以下でマニュアル作成時に気を付けておきたい4つのポイントをご紹介します。
実際にマニュアル作成を行うことを想定しながら読み進めていただくと、イメージしやすくなるでしょう。

ポイント①現場の意見を聞きながら作る

マニュアルを作成するにあたって、多くの企業が専門部門にて作成業務を行うことが多いのではないでしょうか。
実は、現場の方に意見を求めることでより良いマニュアルの作成が出来ます。
マニュアル作成の失敗で多くあるのが「現場の声を届ける仕組みがなく内容が古い」であったり「実際の現場の状況とかけ離れた内容になっており全く使われなくなってしまった」などです。
せっかく時間をかけて作っても使われなければ意味がなくなってしまうので、しっかり現場の方に意見を聞き作成していくことが重要です。
 
また、現場の意見を定期的に取り入れることで、日々の現場の業務内容の変化や作業の手順が変わっていくことをマニュアルに反映することが出来ます。
すると、サービスの品質をハイスピードで上げられるだけではなく、会社全体でもすぐに現場の変化を知ることができるので無駄を削減し、素早く変化に対応ができます。

ポイント②研修とセットで使われる想定をしておく

先ほども述べた通り、マニュアルは研修の教科書としても使われます。
OJTなどの現場で聞く研修や他のマニュアルや、コールセンターで電話をする際に使用するコールスクリプトと相違があってはいけません。
そこで食い違いが起こってしまうと、全くマニュアルとして役に立たなくなってしまうからです。
つまり、マニュアルを作成する際は現場の現状はもちろん他に使用しているマニュアル等を確認して作成していくことがポイントとなります。
 
そのため、どこか1つに変更があった場合はマニュアル自体も変更をかけていく必要があります。
コールセンターではよく、電話対応において発信の仕方や受け答え方法が載った1番サービスに直結するトークスクリプトが、マニュアルの中に記載されていますので注意が必要です。

ポイント③体系的な分かりやすさを重視して作成する

コールセンターは電話対応において、時間があまりない中で顧客の要望に応えていく必要があります。
電話をしている中でマニュアルを開いて、どこに何が書いているか分からなければ意味がなくなってしまいます。
 
そこで、体系的にわかりやすいマニュアルを作成するために、まず全体像を把握ししっかり目次を作り、それぞれのページにはどういった内容が書いてあるのか一目で分かるような構成にしていく必要があります。
また、文章で詳しく長く記載するよりも図や表、写真等を入れて作成をすることでより見やすいマニュアルになります。

ポイント④カテゴリーごとに分担するのも一つの手

多くの企業がマニュアルを作成する際、マニュアル作成担当者が全て作っている場合も多いかと思います。しかし、先ほど述べた通り、現場の声を取り入れることが重要です。そういった現場の現状をすぐに取り入れられる仕組みを作るためにも、それぞれのカテゴリーごとに分けてマニュアルを作成していくのも一つの手です。そうすることで、定期的なメンテナンス等もよりスマートにできるようになります。

コールセンターにおいてより良いマニュアルを作るためには

今回は、コールセンターにおけるマニュアルの役割やより良いマニュアルを作成していくためのポイントをご紹介しました。
実際にマニュアルを作成する際には誰が見ても分かるような内容で、きちんと現状を踏まえて作る必要があります。
また、作成した後の状況の変化にも対応して、柔軟に変更を加えていく必要があります。

セゾンパーソナルプラスではこうした部分も含め、コールセンターに関するご相談をいつでも受け付けています。ぜひいつでもお問い合わせください。


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