コールセンターの応対品質向上につながるフィードバックの方法とは?|注意点もご紹介

2023年9月21日|カテゴリー「コールセンターコラム
コールセンターの応対品質向上につながるフィードバックの方法とは?
日々、多くの顧客応対を行うコールセンターにおいて、フィードバックの実施は応対品質の向上などの面で非常に重要な役割を担っています。

しかし、教育係が業務に追われていたり、フィードバックの正しいやり方が分からなかったりと、フィードバックに関して課題を抱えているコールセンターも多いのが実状です。
今回は、コールセンターにおけるフィードバックについて、正しい実施方法や実施する上での注意点を解説していきます。

コールセンターにおけるフィードバックとは

コールセンターにおけるフィードバックは、オペレーターの応対品質に大きく影響するため非常に重要です。顧客からの問い合わせへの応対品質が悪ければ、商品の売上や会社の信用度が低下してしまう可能性があります。

スムーズな電話応対で顧客満足度を向上させるためにも、フィードバックを実施してオペレーターの応対品質向上を目指しましょう。

コールセンターでフィードバックをする目的

フィードバックの実施は、オペレーターの応対品質を向上させることが目的となります。こうした目的を更に細分化し、多くのコールセンターではオペレーターが普段行っている電話応対について、特に以下3項目を確認することが多いです。

・スクリプト手順に沿って対応しているか
・トークスキルの確認
・顧客ニーズへの対応

スクリプトとは、電話応対における想定されうる顧客とのやり取りについてまとめられた、いわば台本のようなものです。

顧客からの質問に対しての対応をまとめたスクリプトがあれば、経験の浅い新人オペレーターでもスムーズに電話応対が可能になります。
また、問いに対する答えをスクリプトで定めておくことで、オペレーターの応対品質を均一化することにもつながります。オペレーターによって、顧客に対する回答に差が生まれてしまわないよう、スクリプトから逸れていないことを確認します。

コールセンターに問い合わせる顧客にとって、電話応対を担当するオペレーターの印象はそのまま会社の印象に直結します。そのため、フィードバックを行うことで、敬語などの正しい言葉遣いや相槌のタイミングなど、電話応対の基本となるトークスキルを向上させるねらいもあります。

顧客は商品やサービスに対する疑問や要望、不満を解消するためにコールセンターに電話をします。
オペレーターは、対応している顧客の問い合わせ目的は何か、何を求めているかなど、潜在ニーズまで聞き出した上で対応しなければなりません。自社商品に対する知識に加え、相手の意見を引き出すためのトークスキルも身につけておく必要があるでしょう。

フィードバックで抱えがちな課題

コールセンターの応対品質向上につながるフィードバックの方法とは?
フィードバックはオペレーターの応対品質向上につながるため、定期的に実施することが望ましいです。
しかし、実施にあたっては課題が多いことも事実です。以下がコールセンターが抱える課題になります。

・人的余裕がない
・効果的なフィードバック方法が分からない
・評価水準が曖昧になっている

以下で、それぞれの項目について解説していきます。

人的余裕がない

業務量の多さから、フィードバックを行う人員や時間を確保できないコールセンターは多いといえます。

コールセンターでフィードバックを実施する場合は、オペレーターの教育係を担当するのはSV(スーパーバイザー)か管理職になります。SVは、担当チームのオペレーターの勤怠やシフトの管理、研修などの育成を担っています。そのため、業務量の負担が大きければ、時間をかけて個々のオペレーターに対してフィードバックを実施することは困難になってしまうのです。

また、SVが担当するオペレーターの数は会社によって違いがあるものの、コールセンターの規模が大きくなれば、フィードバックの対象となるオペレーターの数は増加します。そのため、一般的には大企業になるほど、フィードバックを含むオペレーター教育は難しくなると言われています。

効果的なフィードバック方法が分からない

フィードバックを実施する上で、社内で運用方法や手順を確立しておく必要があります。

フィードバックの仕方が確立されていない場合、オペレーターの応対品質は教育係であるSVや管理職によって変わってしまうでしょう。教育係の負担を軽減するためにも、コールセンター内でフィードバックを行う手順を確立し、統一しておきましょう。

特にモニタリングフィードバックでは、どのようなポイントを重視するのか、指標となる数値は何に設定するのか、といった確認項目の設定から、改善策や目標の設定なども設定する必要があります。こうした要素について、組織として段階的に基準を設けておけば、教育方針がばらつくことを防ぐことができます。

評価基準が曖昧になっている

フィードバックをする際には、オペレーターの対応に関する評価基準を明確にしなければなりません。

特にオペレーターの電話応対業務は、分かりやすい数値を設定することが困難です。そのため、フィードバックでスキルを確認するにあたり、話し方や商品の説明方法、会話の雰囲気を評価基準とする必要があります。

ただし、これらの基準は評価をする教育係の主観が入りがちな項目なので、より明確で揺るがない評価基準を設定しなければなりません。目標として数値が設定できる項目を交えつつ、できる限りオペレーターを客観的に評価できるような評価やフィードバックを行いましょう。

フィードバックを行うメリット

コールセンターの応対品質向上につながるフィードバックの方法とは?
コールセンター内でフィードバックを実施するメリットは多いです。オペレーターの応対品質の向上はもちろんのこと、他のメリットもコールセンターにとって重要な意味を持ちます。以下の3つがフィードバックを実施することによる主なメリットです。

・応対品質の向上
・オペレーターのモチベーション維持・向上につながる
・公平な人事評価の実施

それぞれのポイントについて順にご説明します。

応対品質の向上

一つ目のメリットは、オペレーターの「応対品質の向上」です。

フィードバックを行うにあたり、オペレーターには電話応対の録音を聞いたり、リアルタイムでモニタリングを実施した結果を伝えたりします。フィードバック時に自身の電話応対時の様子を確認することで、オペレーター自身で明確な課題の発見をすることができるでしょう。同時にSVをはじめとした先輩からの指摘や改善案をもらえるのも、フィードバックの良い点です。

SVや管理職側としても、モニタリングやフィードバックを通じて実際の現場での応対品質を知ることができます。オペレーター個人の対応課題だけでなく、スクリプトやコールセンター運用そのものの問題点にも気付き、持続的な対応方法のアップデートも可能になるでしょう。こうした改善プロセスの結果、オペレーターの質の向上が実現すれば、自ずと顧客満足度も高まります。

オペレーターのモチベーション維持・向上につながる

二つ目のメリットは、「オペレーターのモチベーション維持・向上につながる」ことです。

フィードバックでは、普段の業務では気付かないオペレーターの課題や長所など、現時点でのスキルを認識することができます。自身の課題が明確になれば、電話応対を行う上での目標や注意点を意識しやすくなるでしょう。目標を定めて業務に取り組むことで、仕事に対する意識改革を実現し、日々の業務に対する集中力やモチベーションの維持・向上を図れます。

電話応対をただの繰り返し業務だと捉えて漫然と日々の仕事に当たるよりも、何か自分の成長できるような目標があった方が、オペレーターとしてもコールセンター全体としても良い効果をもたらすのは間違いありません。

ただ、フィードバックを実施したからといって、無条件にオペレーターのモチベーションが向上するわけではありません。教育をする側は、モチベーションが向上するようフィードバック方法を工夫する必要があります。

特にオペレーターにモニタリングの結果や改善策を伝える際には、ただ一方的に意見をぶつけるのではなく、オペレーターと意見交換をしながら課題の抽出・改善策の考案をするようにしましょう。


公平な人事評価の実施

三つ目のメリットは、「公平な人事評価の実施」です。

モニタリング評価を人事評価に組み込むことで、業績が良いオペレーターを公平に評価することができるようになります。

オペレーター評価を行う際は、コールセンター内で評価基準を合わせることが大切です。いくら評価項目を考案したところで、実際に評価するSVそれぞれの想定する基準にばらつきがあれば、公平な評価・フィードバックにはなりません。

また、自身の業務に対する評価が、人によって異なるとオペレーター側は改善すべき点が分かりにくくなってしまいます。ましてやモニタリングの結果が人事評価につながるのであれば、オペレーターがSVや上司への不満・不公平感といった感情を抱く原因にもなります。最悪の場合は離職に至る可能性もあるため、フィードバックを実施する際は、なぜその評価をするに至ったのか、全てのSVが明確に説明できるようにする必要があります。

セゾンパーソナルプラスでは、コールセンターの人事評価を含むコールセンターのコンサルティングを受け付けておりますので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問合せください。

フィードバックの実施方法

ここからは正しいフィードバックの実施方法について解説していきます。

定量的な評価が難しい業務内容だからこそ、オペレーターのスキルや評価を客観的にすることが大切です。ただ、評価する側が一方的に意見を伝えるだけでは、オペレーターに響きません。録音した録音データなどを聞いてもらって現状の認識を一致させた上で、課題や改善策、今後の目標などについてお互いすり合わせていきましょう。

録音データを聞く

まずは実際のオペレーターの顧客とのやりとりを聞いたり、リアルタイムでのモニタリングを行ったりして事前に策定した確認項目をもとにチェックをします。
チェック項目としては、下記のようなものが一般的です。

・敬語など正しい言葉遣いができているか
・顧客ニーズを聞き出しているか
・顧客が求める答えや問題を解決できたか


録音データを聞きながらフィードバックをする際には、オペレーター自身にも音声を聞いてもらい評価をつけてもらいましょう。

オペレーターは必ずしも評価担当者と同様のチェック項目を埋める必要はありません。自分の電話応対でよかった点、課題、改善策などを見つけられるよう意識して聞いてもらいます。

自分の顧客応対対応における長所・短所が分かれば、評価に納得した上で、目標評価に取り組むことができるようになるのです。また、自身の評価をした後にフィードバック内容を聞くことで、組織としてどういった点をチェックしているのか、どのような基準で評価をつけているのかを知ることができます。

評価担当者の意見を伝える

オペレーターが録音データを聞いたら、オペレーターにフィードバックを伝えます。
まずは評価担当者の意見の前に、オペレーター自身の評価を聞くようにしましょう。

オペレーター自身に、どういった考えをなぜ持ったのか、自覚している長所と短所も交えてヒアリングをします。

オペレーターの意見を聞き終えたら、オペレーター自身の自己評価を踏まえつつ、フィードバックを伝えます。
ただ悪い評価を伝えるだけでは、改善点を突きつけられ、自身に良いところはなかったと捉えられてしまいかねません。改善すべき点と同時に、よかった点や長所なども必ず伝えるよう心がけましょう。また、フィードバックで改善点を一気に複数個伝えてしまうと、逆に課題が多すぎて集中できなくなることもあります。よっぽど簡単なことでなければ、一度に伝える改善点は1〜3個ほどに絞ることをおすすめします。

今後の業務について目標を設定する

フィードバックが終わったら、今後の取り組みについて具体的に考えていきます。

フィードバックで判明したオペレーターの課題や改善点に対して、どういった取り組みを行っていくべきなのか、評価担当者とオペレーターが意見交換しながら決定していくことが大切です。これは、他人から指示されるよりも、自身で決断したことの方が目標に対する納得感を得られ、行動に移しやすくなるためです。

また、オペレーター自身が改善策について自ら考えることで、評価担当者はフィードバックで指摘した内容をちゃんと理解しているのか、課題や改善点の意図を正しく認識しているかを確認することができます。

今後の目標については、より具体的に実現可能な範囲で設定することが大切です。取り組む内容が具体的でなければ、何から取り組むべきか見失ってしまいかねません。

例えば、「お客様との会話をスムーズに進めるようにする」という目標よりも、「お客様との会話をスムーズに進めるために、相槌のバリエーションを増やし実践する」という目標の方が具体性が高く、取り組みやすいといえます。

経験の浅い新人オペレーターなどは、目標を自分で考えることが難しいかもしれません。オペレーターの習熟度や特性によって、サポートする範囲を変化させながら、今後の取り組みについて考えていきましょう。

セゾンパーソナルプラスでは、コールセンターにおけるフィードバックの実施方法を含む研修パックや、コンサルティングを受け付けております。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問合せください。

フィードバックでオペレーターの応対品質向上へ!

コールセンターの応対品質向上につながるフィードバックの方法とは?
オペレーターの応対品質を向上させるには、定期的なフィードバックの実施は必要不可欠です。
人材の育成や応対品質向上のために、会社全体で効果的なフィードバックを行えるよう、取り組みを行いましょう。セゾンパーソナルプラスでは、コールセンターに関するご相談を受け付けています。ぜひいつでもお問合せください。



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