コールセンターのSVを育成する方法とは?SVの役割と求められるスキル、育成のポイントを解説

2024年6月18日|カテゴリー「コールセンターコラム
コールセンターのSVを育成する方法とは?SVの役割と求められるスキル、育成のポイントを解説
SV(スーパーバイザー)とは、コールセンター内のオペレーターをまとめる重要なポジションです。マネジメント業務を担う欠かせない役職である一方で「SVがなかなか育たない」と悩む担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、コールセンターにおけるSVの育成方法から、SVに求められるスキルや育成時のポイントについて解説します。

SV(スーパーバイザー)とは

コールセンターのSVを育成する方法とは?SVの役割と求められるスキル、育成のポイントを解説
SVとは、コールセンター内のオペレーターをマネジメントしながら、目標数値達成を遂行する役職のことを指します。

一般的にはSVひとりにつき20人くらいまでのオペレーターを組織し、オペレーターを経てSVの資質を見込まれたものが昇進する形です。業務内容は、オペレーターのシフト管理やマニュアルの作成、クレーム対応の担当など、多岐に渡ります。多くのスキルと経験を求められる役職であるため、研修などを通して必要なスキルの習得を促すことが重要になります。

オペレーターとの違い

コールセンターのオペレーターとの違いは、マネジメント関連の業務を担当するかどうか、というところです。

クレーム対応などで顧客対応をすることはありますが、原則的な業務としてSVの業務は、オペレーターを管理するものが主になります。チームをまとめるための統率力やオペレーターを指導する模範的な言葉遣いやビジネスマナーも習得しておく必要があり、オペレーターとは求められる役割もスキルも違います。

コールセンターにおけるSVの役割

コールセンターでのSVの役割は、上述した通りオペレーターの管理と統括です。

ここではSVの役割にはどのようなものがあるのか、具体的にご紹介します。

コールセンターの業務管理

SVには、オペレーターの管理をはじめ、さまざまな業務が割り当てられています。以下のような業務全体の状況を把握しながら、オペレーターがストレスなく業務を行えるようにサポートします。

・オペレーターの応対品質の管理
・オペレーターエスカレーションの受け入れ
・コールセンター全体の業績管理と向上
・業務改善案の立案と実行
・他部署との連携

クレーム対応

コールセンターへの問い合わせのなかには、オペレーターの返答に満足できなかったり、なかなかつながらなかったりといったことから、顧客が不満を抱く場合があります。

オペレーター側の不手際や顧客が納得感を得られなければ、時にクレームへと発展します。オペレーターの対応で顧客を満足させることが困難であれば、SVがエスカレーション役として対応し、場を解決させることが求められるのです。

労働環境の課題発見・改善

コールセンターには、日々数多くの問い合わせがあり、受電するオペレーターの業務は非常に多忙です。オペレーターの離職率を下げるためにも、SVは以下のような労働環境の現状を率先して改善・実行していくことが求められます。

・低賃金
・長時間労働
・職場内の人間関係
・クレーム対応へのストレス
・習得スキル、知識の多さ

オペレーター研修

コールセンターのオペレーターには、高品質な顧客対応を行うための高度なスキルが求められます。コールセンターでは、サービスの均質化のため、顧客応対スキルを習得できる研修制度を設けているところがほとんどです。お互いの顔が見えないなかでのコミュニケーションでは、声のみで顧客の購買行動を誘導しなければならず、高品質なサービスを確保するためには以下のような研修が必須になります。

・OJT研修
・業務内容研修
・応対品質研修

SVが育ちづらい原因

コールセンターのSVを育成する方法とは?SVの役割と求められるスキル、育成のポイントを解説
コールセンターを管理する重要な役割のSVですが、「SVがすぐに辞めていってしまう」「なかなかSVが育たない」との悩みを抱えている人事担当者の方も多いはずです。

ここからはなぜSVが育たないのか、育ちづらい原因について解説していきます。

出世欲の低下

オペレーターの中には、そもそもSVに昇格したくないと考えている人も多くいます。SVに出世したくない一番の理由は、責任が重く収入も少ししか上がらないから、です。前述してきたように、SVには顧客対応だけでなく、管理や統括といったマネジメント業務の遂行も求められます。コールセンター全体の運営に大きく影響を与える仕事であるが故に、自分にはプレッシャーが大きすぎるとオペレーターは感じてしまうのです。

求められるスキルの不足

オペレーターからSVに昇進しても、新たに求められるスキルが不足していることに直面し、自信を失ってしまうことも少なくありません。特に、チームをまとめる統率力やマネジメント力は、オペレーターの時に発揮する場面が少ないものです。オペレーターとしては優秀でも、SVとしての自分の力不足を痛感して自信を失ってしまい、離職してしまうケースもあります。

役割に対する不安感

晴れてSVになったとしても具体的に自分が何をしていけばいいのかわからず、漠然とした不安を抱き昇進したくないと考えている場合もあります。コールセンター内でSVを育成する体制が整えられていなければ、オペレーターと同様、SVが不足してしまいがちな状況に陥ります。資質がある人材を優れたSVに育てられるような研修や職場環境を整えておくことが大切です。

SVに求められるスキル

コールセンターのSVを育成する方法とは?SVの役割と求められるスキル、育成のポイントを解説
SVには、マネジメント業務をはじめ、一通りの業務スキルが求められます。ここからはSVに求められるスキルをご紹介します。SVに求められるのは、以下の4つのスキルです。それぞれ見ていきましょう。

・広い視野・行動力
・問題解決力
・マネジメント力
・応対力

広い視野・行動力

SVには、コールセンター全体の業務を把握し、適切に行動することが期待されます。自分自身の業務だけではなく、業務や目標数値の達成に苦戦しているオペレーターがいれば、話を聞き指示を出す必要があります。他部署との連携をとりながら、オペレーターの管理を行うマルチタスクな能力が大切です。

問題解決力

時にはクレーム対応も担当するSVには、オペレーター以上の問題解決力が必要になります。クレーム対応では、オペレーターから状況をヒアリングし、顧客と向き合いながら丁寧に問題を解決していく能力が求められるのです。

マネジメント力

オペレーターにとってSVは、顧客応対の頼れる存在であり、チームのリーダーでもあります。SVがオペレーターにとって信頼に値しない人物だと判断された場合、離職や顧客満足度の低下にもつながりかねません。SVには顧客対応のサポートだけでなく、オペレーターそれぞれのマネジメントを行えるスキルと経験が求められます。

応対力

SVは、オペレーターのサービス品質の確認も行うため、優れた応対力が必須です。オペレーターを評価する際には、モニタリングをもとにフィードバックするため、反発なく客観的な指摘ができるスキルがなければSVは務まりません。顧客対応業務が少なくなっても、日々応対力を磨くことのできるように、研修などで研鑽に努めなければなりません。

主なSV研修の種類

では、SVのスキルを高める研修にはどのようなものがあるのでしょうか。

本章では、SVに求められるスキルを習得できるSV研修をご紹介します。

SV業務への理解を深める

まずは、SVの基本である業務内容の理解や役割を自覚するための研修です。SVに昇格してまだ間もない人やSV研修を未受講の人が対象となります。研修のなかでは、SVに必要なスキルの向上やオペレーター時代には経験しなかった部下の育成と指導力の向上を図ります。コールセンター全体として高品質な応対とはどんなものか、という目線を揃えることも重要な点です。具体的には「コールセンター スキルアップ研修」や「コールセンター 部下育成・指導力強化研修」などが該当します。

PDCAサイクルの回し方

PDCAサイクルの回し方もSVに必須のスキルの一つです。

最初にPDCAサイクルの基本である、目標・実行・評価・改善というサイクルを知識として理解し、コールセンターでのKPIについても学びます。

あわせて重要になるのが、組織としての評価基準を明確に理解することです。従来はただ評価される側だった立場から部下を評価する側になるわけですから、客観的かつ、明確な指標をもとにフィードバックを行えなければいけません。「KPI設定・課題解決研修」や「モニタリング・フィードバック研修」といった研修を通して、組織全体やオペレーター個人のどちらに対してもPDCAサイクルを回し、課題を解決できるよう研修でスキルを身につけていきます。

チームマネジメント学習

SVにとって特に求められるのが、マネジメントスキルです。

業務内容としても、顧客対応が主だったオペレーターとは異なり、部下やコールセンター全体の管理・運営に関わるようになります。「コールセンター マネジメント研修」や「モニタリング・フィードバック研修」などの研修を通じて、フィードバックとコーチングを学び、効果的な指導方法を習得できればよりオペレーターとの信頼関係も構築しやすくなるはずです。

リスクマネジメント学習

コールセンター全体の管理者であるSVには、リスクマネジメントの知識も必要です。

業務の中で起こりうる問題に対して、あらかじめ対策を考えておくことはリスクの軽減につながります。「コールセンター マネジメント研修」や「コールセンター スキルアップ研修」を通じて、どんな状況になるとリスクが高まってしまうのか、注意しておくべきことを事前に理解しておくことで円滑なコールセンター運営が可能になります。

SV研修を成功させる4つのポイント

SV研修を成功させるためのポイントをご紹介します。ポイントは以下の4つです。

・業務と役割の定義を明確化
・適正人材の選出
・育成環境の整備
・SV研修を外部の会社に委託する

業務と役割の定義を明確化

会社全体として、SVの業務と役割の定義を明確に定めておきましょう。

どの役職がどこまでを担当するのかを決めておかなければ、責任の所在がわからず、SVも業務量が増えストレスから離職してしまう恐れもあります。SVの業務範囲や権限を明確にしておき、働きやすい職場環境を作ることが重要です。

適正人材の選出

SVとなり得る人材を選ぶ場合、資質のある適正人材を選出することが大切です。SVとして習得していることが望ましい資質は以下のような項目があります。

・リーダーシップ
・自主性
・ロジカルシンキング
・会社への帰属意識
・判断能力

上記はSVの資質といえるものの一部ではありますが、人材を選定する際には経験やスキルとともに人間的な要素も見た上で慎重に選びましょう。

育成環境の整備

SVの育成は、短期的な研修だけでは十分な成果を得ることはできません。

企業として継続的なSVの育成を実行できる職場環境の整備が、SVの人材不足の解決とともに、業績の向上にもつながっていきます。SV研修をはじめ、具体的なキャリアプランや給与体系、仕事の相談をしやすい職場の雰囲気などを考慮しておくことが重要です。

SV研修を外部の会社に委託する

社内でSV研修を実施するノウハウや担当者に該当する人材が不足している場合は、研修を外部の会社に委託することも一つの手段です。蓄積されたノウハウや計画なく社内でSV研修を実施しても、指導がうまくいかず期待した成果を得られない可能性があります。「SV研修をやったことがない」「SV研修をやりたいものの、ノウハウも人手も足りない」という場合は、外部会社への委託を検討するようにしましょう。

セゾンパーソナルプラスでは、SV向けの研修カリキュラムを多数ご用意しています。チームマネジメントや指導力、管理職に必要なスキルなど、コールセンターの状況に合わせて研修をお選びいただけます。ご興味ありましたら、ぜひ一度お問合せください。

SVを育成して業績アップを目指そう

今回は、コールセンターにおけるSVの育成方法から、SVに求められるスキルや育成時のポイントについて解説しました。

SVは、オペレーターをまとめ、コールセンター全体のマネジメントを行う重要な役割です。顧客対応に直接影響するコールセンターでは、まとめ役であるSVの存在が、顧客満足度や業績数値に大きく影響します。SV研修をはじめとした育成環境を整え、企業の業績アップを実現しましょう。

セゾンパーソナルプラスでは、豊富なコールセンターの運用実績から、SV向け研修プログラムを多数ご用意しています。研修はもちろん、教育体制整備のご支援まで承っておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。


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