「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<センスの正体> Author:熊谷 真美

2021年8月3日|カテゴリー「『ビジネスコミュニケーション』コラム
■前回の記事を読む

センスが良い人・センスが悪い人とは、洋服のセンスだけを指すわけではなさそうです。
場の空気が読める、人付き合いがうまい、ビジネスセンスがあるなど、その人の感じ方や世界観、さらに生き方なども含む感覚的な要素が多分に影響しているのです。

「美意識」もセンスが大きな幹になります。実は、美意識ほど結果にコミットする概念はありません。
実際、私も高リピート率やたくさんのリファーラルを頂ける、持続可能な結果を出し続けています。

ではいったい、その感覚的な差はどこで身に付くのでしょう。

センスとは:「物事の微妙な感じや味わいを悟る心の動き。」「微妙さを感じる感覚」という意味。
感受性や繊細さなどがその正体です。相手の心情の機微や感情の流れなどに関心を持つ繊細さを、言葉がけや態度にできる感情的な教養が求められる時代です。

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<センスの正体>

センスの正体

1)センスは先天的?後天的?

2)感受性の放棄

3)感受性のバランス感覚


1)センスは先天的?後天的?

遺伝子が体質や体調などの身体的健康状態に影響するのは40歳ぐらいまでと言われています。
それ以降の健康状態は自己管理次第ということですね。

では感覚的なものはどうでしょう?
生まれつき体調を崩しやすいなどの特性が、全く感受性に影響しないわけではありませんが、例えば社会性や人間関係などで培われる後天的な感受性は、生まれ育った環境に影響されることが多いようです。
生まれた地域や長く住んだ土地や環境・家族構成・受けた教育・幼い頃からの友人関係などが、個人の「感じ方」に大いに影響を与えています。

そもそも、自分が発する言葉もアクションも、接した物事や相手の言動や態度行動について「どう感じたか?」によって表現やアクションが決まります。
センス(感受性)「どのように感じるか?」が、発言や行動のおおもとの動機付けになっています。

いま自分が相手や物事に対して「どのような感情を持っているか?」と、冷静に俯瞰できる客観性が大切ですね。

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<センスの正体>

2)感受性の放棄

弊社では顧客の9割が大手企業の社員の方々です。
日々の行動責任を数値で管理しながら結果にコミットする毎日に、セルフコントロール術に長けているプロフェッショナルが多いのですが、時に感情の鈍化を引き起こしている印象を受けます。
私はメンターとしての役割も担い、特に女性のリーダーの生態(失礼!)に着目していると、いま非常に気になる問題点が浮き彫りになっています。

それは、個人的な心情を表現することに戸惑う女性リーダーが以前よりかなり増えていることです。
感情を押し殺す習慣はもちろん、例えば目の前の上司が、どのような感じ方を求めているのか?周囲の空気を探ることを優先して自分の感受性を後回しにしてきた結果、個人の意見がまとまらない、または、どのように表現すればいいのか即答できない方が多く、ユーモアや楽しそうな様子は微塵もありません。

メンターはコーチと違い、メンターがメンティーに対してある程度のプライベートなどの自己開示をしながら良い関係性を築き、上下関係を越えて考え方や価値観の違いを認め合うことで、同調圧力を防ぎ働き難さを回避して、離職率を防ぐ狙いも併せ持ちます。

メンタリングのトレーニング中にこんなことがありました。
「最近プライベートで印象的だったトピックスは?」と、とてもシンプルなワークを行ったところ「自分のプライベートを話したことがないので、とても難しかったです。」と回答した女性リーダーがおりました。
勤務中はリーダーとしての役割を真摯に果たそうと生真面目な面が伝わりました。
しかし、そのような自分の言葉を持たないリーダーが発揮するリーダーシップでは、部下の仕事のやりがいや熱意ある職業観は育ちません。
結果にコミットするあまり個人の感受性を放棄してしまったリーダーの硬化した感受性では、仕事はうまく行きません。
リーダー個人としての職業観や仕事へのこだわり、熱意、失敗してもカッコ悪くても這い上がる姿を見せることができるリーダーに、部下は心が動かないわけがありません。

私が尊敬する「人たらし」と言わしめ、最強チームで結果を出し続けた上司の着任時の挨拶を覚えています。
「僕はこの部署での経験がありません。皆さん、私に色々なことを教えて下さい!私を皆さんの仕事がしやすいように大いに使ってください!」と、20歳も下の部下に向かって目線を併せそう言えるフランクさに、新鮮なやる気が湧き上がりました。
年月が経っても、コミュニケーションセンスも人としての魅力も豊かだと感じます。
今ではハラスメント問題も根深いですが、「美味しいお鮨が食べたいね。」と同僚と話していると、「おう!穴子が美味しい鮨屋を知ってるぞ。」と、グルメ情報にも精通し公私共に頼りになる上司でした。
仕事とプライベートのメリハリや、自分時間こそ感情を抑えずに遊びやスポーツなど豊かな経験をすることで感受性のバランスを取りたいものです。

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<センスの正体>

3)感受性のバランス感覚

例えば、怒りや悲しみなどの湧き上がる感情を制御したりコントロールすることはできません。しかしインターバルを置きながらでも客観的に捉えることで、感情を好転させる習慣をつけることができます。
無理に変えようとせずに「いづれ感情は変わるものだ」と冷静に捉えて時間の経過を味方につける。
ネガティブな感情に支配されている時は、出来るだけ思考より行動を優先して気分の切り替えを行いましょう。

モーションはエモーションを変える。行動することで思考や感情は変化します。私も辛い時こそ外出する、人に会うことで自分の感受性を護る努力をしています。
自分の感情の揺らぎを上手く扱えるのは、自分だけだということを忘れずに、喜びも痛みも、感受性という生まれてきた意味や醍醐味を十分に感じる豊かさが人生だと納得しながら、この社会の荒波を乗り越えて参りましょう。

「覚醒型セルフ・ブランディング」研修でスキルを磨く

職場環境改善の対人関係トレーニング「コミュニケーション・フィットネス(R)」
職場環境改善の対人関係トレーニング「コミュニケーション・フィットネス(R)」
職場や仕事関係者との対人問題が起こる前に、予防としての基礎トレーニング方法を身に付けることで、人間関係に積極性が持てるようになります。
それと同時に成長意欲も高まりお互いを育み合える関係性を築くための研修です。
ビジネスパーソンのパフォーマンスを磨く「覚醒型セルフ・ブランディング」
ますます異世代間のコミュニケーションが試されるいま、覚醒される時代に合った新たな自分づくりとなるセルフ・ブランディング研修です。
また、自分の価値を認識し、職場や仕事関係者との対人関係に自信が持てる基礎トレーニング方法を身に付けることで、新しい役職への着任や転職などのターニングポイントにも意欲的にチャレンジできます。
企業で活躍する女性を応援する!「印象革命ベストポジションメーキャップ」
自立志向の女性をビジュアル面から応援する「印象革命 ベストポジションメーキャップ」は、自分が現在のポジションをイキイキと過ごすために背中を押す、革命的な印象を変えるビジュアル研修です。

リモートでレクチャーとメイク完成図を使うレッスンを通して、コンプレックスの解消魅力的なパーツの引出し方を学びます。
セゾンパーソナルプラスでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。

ゲストプロフィール

熊谷真実講師
熊谷真美(くまがいまみ)
株式会社マリアド 代表取締役

●日本プレゼンテーション協会認定講師
●日本メンター協会公認事業者 MOP ライセンス資格
●資生堂 SABFA メーキャップ特別コース修了

資生堂販売株式会社出身 16年勤務。
百貨店でのマネージャー経験と世界的なアーティスト養成機関であるSABFA特別コースにてトップクラスの美意識を学ぶ。
退職後、俳優や実演販売士のマネジメント会社へ転職しフリーとして活動。
全国SHISEIDOサロンにて50000人の女性へのビジュアルカウンセリング実績。
専門学校にて後進の育成、BNNY銀座・イギリス大使館などでプレスリリースのメイクショーなどを担当。
同社で俳優の演技術をビジネスに応用したプログラム開発をサポートし、一部上場企業を中心に口コミで広がる人気プログラムへ育てコンサルティング部立上げに参画。
15年以上の企業研修経験の中で、企業ブランディング・セールス・インストラクション・プレゼンテーションなどの表現力に特化した研修プログラムの開発と講師経験を経て2016年独立。
株式会社マリアドを設立し、「ブランド・スタイリング・プログラム」「印象革命」「コミュニケーション・フィットネス(R)」「スパイラル・リーダーシップ(商標登録出願中)」「覚醒型セルフ・ブランディング」を展開し、新人~中間管理職・経営層・自立型女性リーダーや起業家 育成に力を注いでいる。


■研修テーマ
新入社員研修後の戦力化ビジネススキル(基礎表現力)/中堅社員のモチベーションアップ研修/教育担当者のインストラクション(教え方)研修/コンペで通る プレゼンテーション研修/女性リーダーブランディング研修


トップへ戻る