例年トップを占める「品質向上」を「オペレーターの採用・育成」、「スーパーバイザーの採用・育成」が初めて上回った歴史的な結果となっています。
それだけ、今のコールセンターにおける採用難が深刻であるという状況を浮き彫りにしている結果だと思います。
そして、この結果と強い相関性を感じさせるのが、「アウトソーサーとの良好な関係作り」の割合が昨年度調査から、倍増(6.1%⇒12.7%)しているというのもその裏付けデータになると思います。
今まで頑張ってきた自社採用での集客力にも限界を感じ、「人材採用の安定供給の確保のためにはアウトソーサーに頼らざるをえない」という「採用・育成の課題が上昇」と強く関連した結果だと思います。
ただし、懸念するところとしては、例年トップの課題と認識されていた「品質向上」が昨年度61%から今年度45.6%と急降下している点です。
現場では採用難に苦しみ仕方無く採用基準を落として採用、その結果、覚える量・求められるスキルも高いオペレーター業務との間にギャップが発生し、知識・スキル・文化に追いつけない新人は離職してしまう。
そして、またレベルを落として採用を繰り返す負のスパイラルに陥っているとしたら大問題です。
採用・育成にばかり力が注がれ、結果として最も重要視すべきコールセンターの品質が損なわれては本末転倒です。
ただ、現場管理者は「そんな悠長な事は言っていられない!」というほどオペレーター、SVの採用・育成に苦慮しているのは、どこのコールセンターにも共通する課題なのだと思います。
次回は、この採用難に陥っている各コールセンターがどんな取組をしているのか、その現状をコールセンター白書のデータから考察したいと思います。
リックテレコム社発刊の「コールセンター白書2017」ですが、コールセンターの現状を把握する上では非常に有益なデータが取りそろっている白書です。
コールセンターの現状を把握できるだけでは無く、他社の取組事例も参考にできます。
また地方自治体のコールセンター誘致の支援・助成制度の一覧もありますので、今後コールセンターの地方移転・設置を検討しているコールセンターにおいても、必須の1冊です。
詳しくは下記を参照して下さい。