コールセンターのマネジメントとは?必要なスキルとマネジメントの流れを紹介!

2024年9月20日|カテゴリー「コールセンターコラム
コールセンターのマネジメントとは?
顧客の窓口となり企業の業績向上に欠かせないのが、コールセンターです。どのコールセンターにおいても顧客満足度の向上や目標数値の達成したいものですが、円滑なコールセンターの運営には、優れたマネジメント能力が必要になります。しかし「コールセンターのマネジメントって何をすればいいの?」「具体的に何を誰に頼めばいいかわからない」といった管理者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、コールセンターのマネジメントについて、マネジメントするにあたって必要になるスキルや流れを解説します。

コールセンターのマネジメントとは

コールセンターのマネジメントとは?
コールセンターマネジメントとは、コールセンターの業績や職場環境の改善のため、現状や将来について考え環境を整備する方法のことを指します。

顧客の窓口となるコールセンターの業務の効率化は、顧客満足度や企業の業績アップにも大きく影響するため、コールセンターマネジメントの持つ重要性は企業にとって非常に重要なものといえます。

コールセンターマネジメントを行う役職

一般的にコールセンターにおけるマネジメントを行うのは、「センター長」「マネージャー」「スーパーバイザー」の3つの役職です。役職は異なるのでそれぞれの業務やコールセンターにおける立場は変わりますが、いずれもオペレーターの上に立ち、戦略や問題解決を立案することを求められます。

コールセンターマネジメントの重要性

事業の変化とビジネスの多様化が急速に進む現代の日本では、顧客対応を行うコールセンターの役割や業務もより一層複雑化してきています。最近では、顧客対応でのITツール導入の波も続いており、コールセンターにおけるオペレーターも新たにITスキルを習得する必要性が増し、より専門性の高い業務内容になっているといえます。

不特定多数の顧客を抱える企業では、実際に顧客対応を請け負うコールセンターにおける顧客満足度が企業の信用度にも直結しているため、企業としてコールセンターの効率化は急務です。クライアントからの満足度の向上を目指し、競合他社に勝利するためには、従来のコールセンターマネジメントを見直し、問題点を改善、解決していく必要があります。

階層別コールセンターの役割

コールセンターのマネジメントとは?
コールセンターでは、全体を統括するセンター長、その次にマネージャー、スーパーバイザーの順に管理職が存在します。ここからはコールセンターでマネジメントを行う3つの役職について、それぞれの役割についてご紹介します。

センター長

センター長は、コールセンター全体を統括し管理する最高責任者になります。コールセンターの運営からオペレーターの人事に至るまで、コールセンターにおける業績責任も有しています。会社の掲げる方針と全体目標の数値を浸透させるとともに、コールセンター部門の品質の向上に務めるのも重要な役割です。部下であるマネージャーやスーパーバイザーの意見を聞きつつ、会社上層部との関係も構築する中間管理職のような存在といえます。

マネージャー

オペレーション部門の責任者の役割を担うのがマネージャーです。マネージャーは、センター長の指示をもとにオペレーター育成を行います。マネージャーは、顧客対応を行うオペレーターをはじめとする現場を指揮します。そのため、PDCAサイクルを上手に回しながらオペレータの業務の効率化と改善を繰り返し、コールセンター全体の業務が問題なく稼働しているのかを確認することが求められます。

SV(スーパーバイザー)

スーパーバイザーは、SVとも表され、コールセンターで現場に立ちオペレーターと上司であるマネージャーとセンター長との架け橋の役割を担います。コールセンターにもよりますが、業務内容は多岐に渡ります。オペレーターの勤怠管理や教育、管理など現場でオペレーターをサポートする業務が主です。担当するチームのオペレーターを管理しながら職場内で起きうる問題を未然に防ぐとともに、もし問題が発生した場合にはマネージャーに連絡し、早期解決を目指すという役割もあります。

マネージャーのマネジメント業務

コールセンターのマネジメントとは?
コールセンターにおけるマネージャーの業務について解説していきます。実際に担当する業務は以下の6つです。

・業務状況の把握
・従業員の管理
・収支計画
・クライアント打ち合わせ
・SV管理
・エスカレーション対応

業務状況の把握

コールセンターのマネージャーは、職場内に指示を出す立場であるため現在進捗している業務の状況を把握しておく必要があります。部下から提出された資料やデータなどをもとに、さまざまな業務の情報を精査します。どのくらい入電があったか、応答率はどうか、など現場の状況を的確に理解した上で、適切な指示を出していくことが円滑なコールセンター運営につながるのです。

従業員の管理

顧客対応を行うオペレーターや、現場の従業員をまとめるSVなど、コールセンター内で働く従業員の管理をマネージャーは担います。ひとりひとりの力量や性格などを考慮して、人材配置をするほか、人材の評価や勤怠管理、研修などの人材育成の立案を担当することもあります。

収支計画

コールセンターにおける収支計画もマネージャーの担当業務です。業務上で発生する費用の試算や支出の管理、コールセンターの組織全体における利益割合など、オペレーターやSVは関わることのない経済的な業務も行います。

クライアント打ち合わせ

マネージャーは、コールセンター内の業務だけではなく、クライアントとの打ち合わせといった対外的な業務も担当します。クライアントや提携先企業、社内の上役などと打ち合わせを行います。コールセンターの円滑な運営や業務効率の向上に向け、新ツールの導入や人材育成・採用など、その時の状況に合わせた施策を実施するのもマネージャーの役割です。

SV管理

部下であるSVの管理もマネージャーの業務の一つです。SVはオペレーターの直接的な管理を担う重要なポジションです。SVが目標を達成できていなければ、コールセンター全体の運営や生産性にも大きく影響します。マネージャーは、SVがしっかりと目標達成に向けて進めているか、何か課題を抱えていないかなど、目標を設定するだけではなくサポートすることまでが業務となります。

エスカレーション対応

コールセンターに寄せられる問い合わせのうち、オペレーターやSVにとって対応の難しいものをマネージャーが担当します。SVにとっても難易度が高く、マネージャーに回ってくる問い合わせを解決するためには、高いスキルが求められます。

SV(スーパーバイザー)のマネジメント業務

コールセンターのマネジメントとは?
実際に、コールセンターにおけるSVのマネジメント業務とは、一体どんなことをするのでしょうか。業務内容は多岐に渡りますが、本章では以下の5つを解説していきます。それぞれ見ていきましょう。

・オペレーター育成
・オペレーター管理
・モニタリング指導
・コールセンター内の業務改善・提案・実施
・クレーム対応

オペレーター育成

まず、コールセンターの要であるオペレーターの人材育成です。SVの育成担当は、チームリーダーとオペレーターの2つの役職になります。コールセンターによっては、オペレーターの社内研修プログラムがすでに用意されているところも多く、研修に即しながらオペレーターを育成していくことになります。オペレーターの普段の仕事ぶりや職場内での状況を見ながら、都度研修内容の改善策を提案していくことも重要な役割です。

オペレーター管理

オペレーターを管理するのもオペレーターの上司であるSVの重要な業務です。具体的には、シフト作成をはじめとした勤怠管理や顧客応対の品質管理、ストレス状況などメンタルヘルス管理などが担当する業務となります。

モニタリング指導

コールセンターの最も重要な業務は顧客対応です。数多くのオペレーターが顧客対応を行う中で、サービスの品質を均一に保ち、顧客満足度の向上に努めることがSVには求められます。
オペレーターの顧客対応サービスへのフィードバックとして、行われるのが「モニタリング」です。モニタリングとは、オペレーターの対応をひとりひとり記録しておき、SVやチームリーダーがチェックして評価と改善点を伝えます。言葉遣いや話すスピード、返答内容など、顧客対応サービスの細部に至るまでを確認し、指導します。
オペレーター個人の能力には、人間である以上どうしても差が生じますが、マニュアルなどの用意しておき、なるべく均質化できるような環境整備がコールセンター全体として必要です。

コールセンター内の業務改善・提案・実施

コールセンター全体の運営を円滑化させることもSVの役割の一つです。毎日数多くの問い合わせのあるコールセンターでは、連絡がなかなかつながらなかったり、満足な返答がなかったり、といった不満を抱く顧客も中には存在します。そのような不満を少しでも改善し、効率化することで顧客満足度を向上させていくことが、SVには求められます。現状の問題点や課題を洗い出し、改善策があればマネージャーに提案します。改善策が出されれば、すぐにマネージャーやオペレーターに伝え、実現に向けて行動することもSVの業務です。

クレーム対応

コールセンターへの問い合わせの中には、クレームのような二次対応が必要なケースもあります。オペレーターの返答では納得してもらえない場合は、SVが顧客対応を行うことになります。SVは、オペレーターよりも応対スキルが優れている人材ですから、クレームのような難しい対応を担当することも業務の一つなのです。

マネージャーに必要な能力

コールセンターのマネジメントとは?
コールセンターのマネージャーには、顧客対応を行うオペレーターとは異なり、マネジメント業務に関する能力が求められます。マネージャーに必要な能力は以下のとおりです。

・判断力
・状況把握力
・課題発見力
・数値管理力

状況判断力

コールセンターに日々くる膨大な問い合わせを迅速に捌くため、マネージャーには臨機応変に対応できる状況判断力が求められます。クレームをはじめとした難易度の高い顧客に対応する適切な指示を的確に部下に出さなければなりません。

状況把握力

現在進んでいる業務がどんな状況なのか、指示を出す立場にあるマネージャーには、状況を把握する能力が必要です。現状のコールセンターを鑑みて、どうすれば円滑な運営ができるのか、今ある状況を主観ではなく俯瞰的に見ることが期待されています。

課題発見力

状況把握力と同様に、コールセンターの運営をする上でマネージャーに求められるのが課題発見力です。どの業務のどこの部分に課題があるのか、どうやって解決すべきなのか、判明した課題に対して適切にアプローチしていきます。

数値管理力

収支計画や従業員の数値目標を設定するなど、業務の中で数値を扱うことの多いマネージャーには、数値管理力が必須です。コールセンターの目標とするKPIに対して、進捗と照らし合わせて課題解決に臨むため、数値情報から課題を発見する能力が大切になります。

SV(スーパーバイザー)に必要な能力

上述したように、SVは幅広い領域の業務を担当します。さまざまな業務を遂行する上で、以下の5つの能力が必要となります。それぞれ見ていきましょう。

・統率力
・管理能力
・指導力
・問題解決力
・コミュニケーション力

統率力

コールセンターでは、能力や年齢の違うオペレーターが働いています。数多くの部下を管理し、指示を出しながらチームのパフォーマンスを向上させることを求められるSVには、統率力が求められます。オペレーターとの信頼関係を構築するためには、言動や行動に一貫性を持たせ、ひとりひとりにあった的確なアドバイスをすることが大切です。

管理能力

SVの担当する業務の多くは、マネジメントに関連するため、管理能力も求められます。担当しているスタッフの勤怠管理や欠勤・出勤の管理、また応対サービスの目標数値管理など管理するものは多岐に渡ります。

指導力

自ら持っているスキルを伝え、周囲のスタッフを指導し育成する力もSVの重要な役割です。誰か特定のオペレーターを特別扱いすることなく、客観的な考えを持って公平に全てのスタッフと接しながら、個々の能力に応じて対応できる柔軟な指導力が必要になります。

問題解決力

コールセンター全体の業務を効率的に回していくこともSVの重要な役割です。普段から常にオペレーターをはじめとしたスタッフに気を配り、何か問題を抱えていないか、改善が必要な課題があれば早期に発見し、解決していくことが求められます。目標数値に達しなそうなオペレーターがいれば原因を見つけ指導し、業務にストレスを感じているスタッフがいれば、悩みを解決できるように話しかけるなど、問題解決に向けていち早く行動し対処するスキルが求められます。


コミュニケーション力

顧客対応やスタッフとの関係構築のため、コミュニケーション力はSVにとって必須スキルといえます。数多くのオペレータへの指示や指導、クレーム対応も担当しなければならないため、SV自身が優れた応対・コミュニケーションスキルを持っておく必要があります。

また、コールセンター内での人間関係の悪化はオペレーターが離職する原因となります。スタッフ間の関係性も良好に保ちつつ、顧客対応に関する指導もできるような関係性を目指しましょう。

コールセンターマネジメントの流れ

コールセンターのマネジメントとは?
ここからはコールセンターマネジメントの流れを解説していきます。

現状の把握

コールセンターを円滑に運営していくためには、センター内の現状を常に把握しておくことが大切です。コールセンター業務の基本業務ではありますが、特にSVは現場責任者でもあるため、問題があれば直ちに解決し業務効率を向上させることが期待されています。

目標を設定

コールセンターでは、業績の向上を図るため、目標となる数値が設定されています。対応件数や対応秒数など細かく目標を立て、毎日コールセンター全体の目標達成度をチェックすることもコールセンターマネジメントの任務です。目標を設定する際には、センター長やマネージャー、SVの3役が、しっかりと進捗を確認しつつ実行するとともに常に数値で進捗状況が把握できるような内容にすることが大切になります。

評価指標の策定

コールセンター全体の目標を設定したら、その数値をもとにオペレーターそれぞれの能力に合わせて評価指標を策定します。評価指標は、センターでの現場の状況と会社の上層部の意向を鑑みながら決めていくことが必要です。オペレーターへの声かけをはじめとした精神的なサポートとともに、オペレーターそれぞれの仕事内容を客観的に評価し、数値設定を行うことが課題発見と改善策の提案につながります。

運用体制の構築

コールセンター・オペレーターそれぞれの目標を決めたら、達成に必要な運用体制を構築していきます。運用体制が正常に行われているのかを常に確認し、人員や研修、システムといった項目に分けて検証を行い、コールセンター内における課題を改善させていくことが重要です。

PDCAサイクルの実行

現状を把握し、コールセンターの業績を向上させていくためには「PDCA」サイクルを回すことが必要不可欠です。計画・実行・評価・改善の全てのサイクルをマネジメント側のスタッフがしっかり確認することで、コールセンター全体の業務改善と業績の向上につながっていきます。

コールセンターマネジメントをできる人材を育成して、業績アップを目指そう

今回は、コールセンターのマネジメントについて、マネジメントするにあたって必要になるスキルや流れを解説しました。

コールセンターマネジメントにおける業務は多岐に渡り、管理者には高度なスキルと経験が求められます。本記事でご紹介したスキルを参考にしつつ、マネジメントできる人材を育成できる環境を整えていきましょう。

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