◎○ 共通の目的と行動を明示する ○◎
1つ、簡単な例で説明します。
「部署内の歓送迎会の幹事であるあなたは、参加者に対して調整を行う」
この場合の「ある基準」とは何でしょうか。
先ほどの「共通の目的と行動」という言葉に合わせて考えると、
・目的:歓送迎会をなぜするか(誰を送迎するのか)
・行動:そのために何をしてもらいたいか(日時や場所、参加費等を提示するので、参加可否を表明してもらいたい)
ということになります。
この目的と行動を明示して、理想的な形である「部署内の歓送迎会の開催」へ整えていきます。
今回の例では、「部署内の歓送迎会」という、わざわざ目的や行動を丁寧に説明しなくても、
メンバーのみなさんになぜそのようなアナウンスをしたのかや、
何をしなければならないかを感覚的に分かっていただけると思います。
しかしこれが「プロジェクト」であればどうでしょうか。
この場合、「プロジェクト」が何のために発足されるものであり、(例:部署内の業務改善に取り組むためのグループとして)
そのために何をしてほしいのか(例:自主的に手をあげてプロジェクトメンバーとなり、ミーティングに参加してほしい)、
ということを明示しなければいけません。
そうしなければ、そもそもプロジェクトに対してどのように関わればよいかがメンバーに伝わらず、
部署内の業務改善プロジェクトが円滑に進まないどころか、プロジェクトの発足自体が危ういものとなってしまいます。
調整が上手くできないと、理想の形に整えることができなくなってしまうということです。
「調整力」を「根回し力」や「社内政治力」という意味だけで終わらせるのではなく、
「ある基準(=目的と行動)を明示して、理想の形(=目的の達成)に整える」
というスキルとして、日々意識しながら高めていきたいところです。
研修では、「調整力」を活用することの効果やより具体的な方法などをお伝えするとともに、
調整が必要なシーンを想定したトレーニングにより、「調整力」の強化を図っていただいています。