マネジメント研修とは?目的や実施時方法・ポイント、内容例など解説

2023年4月5日|カテゴリー「人材育成コラム
マネジメント研修とは?
こちらの記事では、マネジメント研修とは誰を対象としたどのような研修であるか、対象者に求められるスキル、研修の目的、実施方法、ポイントなどについて解説します。
マネジメント研修の必要性を感じるものの、どのように実施すればよいかわからないという場合には、ぜひ本記事を参考にしてください。

1.マネジメント研修とは?

マネジメント研修とは?
マネジメント研修とは、管理・育成スキルを身に付けるための研修です。
管理職をはじめとするリーダー的なポジションにある社員は、組織の目標に対してチームで取り組むために同じチームメンバーを管理・育成する役割にあります。

そのためにはマネジメントの知識が必須ですが、業務の中だけでマネジメントスキルを上げるのは難しいでしょう。
そこでマネジメント研修を実施することによって社内のリーダーにマネジメントスキルを習得させ、業務が円滑にできるようサポートするのです。

マネジメント研修の対象者

マネジメント研修を受講させておきたい対象者は、以下の3つの枠組みにいる社員です。

・現在管理職に就いている社員
・これから管理職に就く予定がある社員
・チームを率いてプロジェクトをゴールに導く役割の社員

対象者を知ることで、社内で誰を対象とすべきか、またなぜマネジメント研修を受けさせるべきかが分かります。

管理職とは、課長職以上で組織において部下を指揮・管理するポジションにある社員のことです。
すでに管理職に就いている社員の場合、部下をマネジメントする能力は必須ですが、個々のスキルに任せているとマネジメントスキルにもバラつきが生じます。
そこでマネジメント研修を行うことにより、管理職全体のマネジメントスキルを標準化し、さらにボトムアップすることが重要です。

これから管理職に就く予定がある社員は、入社から5年程度経っていて係長・課長といった役職にはまだ就いていない中堅社員をイメージしてみてください。
将来に備えて、研修でマネジメントとスキルを学ばせることで、実際に管理職に就いたときに任せた組織がマネジメント不全になることを回避できます。

チームを率いてプロジェクトをゴールに導く役割の社員とは、入社3~5年目程度で近い将来リーダーや管理職、経営において重要な役割を担うであろう若手社員のことです。
現在、部下はいない役職であってもプロジェクト推進やチームの運営を任されており、マネジメントスキルを身に付ける必要があります。
また、若いうちからマネジメントスキルを学習させることで、管理職に就いたときにより実力を発揮できるようになります。

マネジメント研修の対象者に求めるスキル

マネジメントの役割を担う社員にはさまざまな能力が求められます。
例えば管理職の場合、自ら目標を設定してチームを管理し、課題を解決する能力がなければなりません。
また実際に業務を指導するには専門知識やスキルも必要です。他にも部下を指導・育成するスキルや、チームの方針を決める決断力などが求められます。

これらをカバーできる研修としては、例えば部下とのコミュニケーションスキルの向上や育成、マネジメントやプロジェクト計画の力、技能訓練などが考えられます。
それぞれの社員の役割に合わせ、適切な研修を組み合わせて受講させることが重要です。

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2.マネジメント研修の目的

マネジメント研修とは?
マネジメント研修では企業・チームの生産性を向上させることが最終目的ですが、そのためには以下のようなことが重要です。

・マネジメントスキルを定着させる
・管理側の自覚を持たせる

マネジメント研修の目的を明確にすることで、中身があり効果の高い研修を実施できます。

マネジメントスキルを定着させる

研修によって実践的なマネジメントスキルを定着させることで、現場ですぐに学んだことを生かせるようになります。
マネジメント研修の対象者に求められるスキルについて、前章で説明しました。
これらが必要な理由をいくつか説明すると、例えばリーダーは部下を率いて目標を達成しなければならないので、部下とのコミュニケーション能力や指導・育成能力が必要です。また部下に教えるためには自身の専門スキルも必要でしょう。

これらのスキルを身に付け定着させることで、コミュニケーションが円滑化し、生産性の向上が期待できます。

管理側の自覚を持たせる

対象の社員のマインドを管理側として再認識させることで、パフォーマンスを発揮する効果があります。
プロジェクトの推進や組織運営を率いる立場は一般社員と違ってマネジメントを担う役割があり、誰かからの指示を待っていてはいけません。
そのため、研修を通して管理側の自覚を持たせることにより、自発的に役割を果たせるよう促す効果が期待できます。

管理職がリーダーシップを発揮してチームを指揮すれば、チーム全体のパフォーマンスも発揮され生産性が向上します。

3.マネジメント研修の実施方法

マネジメント研修とは?
マネジメント研修の実施方法としては、以下のような方法が挙げられます。

・社内研修
・社外研修
・オンライン研修

実施方法を知ることで、実際に研修を行うにあたりどんな方法をとるべきか検討できます。

社内研修

社内研修は、自社の社員もしくは外部より招いた講師による、社内で行う研修の実施方法です。
自社の社員を講師とすれば外部に支払う費用がかからず外部講師との調整も不要であることに加え、自社のケースに特化したマネジメントスキルを学ぶことができるなどのメリットがあります。
デメリットは、研修で使用する資料の用意や会場準備が必要であること、外部講師を依頼する場合には講師の依頼に手間がかかるなどが挙げられます。

社内研修が向いているのは自社に特化したスキルを学ばせたいケースです。
受講の仕方は、例えば一人の講師に対して複数の受講生がいる集合研修形式などがあります。

社外研修

社外研修は、外部で実施されている研修に自社の社員を参加させる研修です。
自社にない知識・スキルを得られるほか、他社の受講生との接点ができるなどのメリットがあります。
デメリットは基本的に研修内容がパッケージ化されており、自社にとって最適な研修がない可能性があることや、時間や場所を合わせて受講しなければならないことなどです。

社外研修が向いているのは自社にないノウハウを学ぶときなどです。
受講の仕方は、例えば、講師による講義を聞く座学や受講者がいくつかのグループに分かれてワークを行う、といった形式があります。

オンライン研修

オンライン研修は、特定の研修場所に集まるのではなく受講者がそれぞれのパソコンを使いオンラインで受ける研修です。
オンライン研修であれば時間や場所を選ばず実施できるため、受講生の都合に合わせて柔軟に受講できるというメリットがあります。
デメリットとしては、個人で受講することになるのでワーク形式の研修などが行いにくいという点です。
ただしWeb会議ツールなどを用いて他の受講生とのワークも可能なので、やり方次第でデメリットの克服も可能です。

オンライン研修が向いているのはインプット型の研修で、受講の仕方の例としては一定期間内であればいつでもオンラインで受講できる形式などが挙げられます。

4.マネジメント研修を行う際のポイント

マネジメント研修とは?
マネジメント研修を行う際のポイントは、以下の通りです。

・目的・目標を明確にする
・階層を分けて研修を行う
・研修後に分析・改善を行う
・時代に合わせて内容を変化させる

マネジメント研修を行う際のポイントを知ることで、正しい方法で研修を実施できます。

目的・目標を明確にする

研修の目的・目標を明確にすることにより受講生自身が何のために研修を受講するのかが分かり、研修内容を実務におけるマネジメント業務により生かしやすくなります。
さらに、学ぶべきスキルを理解した上で受講できるため、モチベーション維持の効果があります。

具体例としては、「管理職として必要なマネジメントスキルの基礎を身に付ける」「チームの生産性を上げるために部下の育成スキルを身に付ける」といった目標設定などが挙げられます。

階層を分けて研修を行う

マネジメントと一口に言っても階層や職種によって求められるスキルが異なるため、階層などを分けて研修を行うことが重要です。
上級管理職とプロジェクトチームを率いる若手リーダーでは身に付けるべきスキルが異なります。
そのため、マネジメント業務を担う社員を一括りに受講させるよりも、階層や求めるスキルに応じて研修内容を調整するのがおすすめです。

例えば管理職にはマネジメントやプロジェクト進行などの研修を行い、中堅社員にはチームビルディングスキルを身に付けさせるといった研修を行うことが考えられます。
職種別の研修では、その職種の専門スキルに関する研修も可能です。


研修後に分析・改善を行う

マネジメント研修を実施した後には研修内容の分析・改善を行いましょう。
マネジメントに関する研修は、その後も対象者を変えて何度も繰り返し実施するものです。
自社で行う研修であれば社内でのアンケートを取るなどして受講生の声も参考にし、理解度などに合わせて内容を調整することが重要です。

また外部の研修であればレポートなどを参考にして、効果がどれだけあったのかをチェックします。
思ったほど効果が出ていない場合には、別の研修会社を選ぶという手段も検討しましょう。

時代に合わせて内容を変化させる

マネジメントスキルについても、時代に合わせて研修内容を変化させることにより、今の時代に必要なスキルを的確に身に付けることができます。

例えば変化が激しい今の時代には、PDCAサイクルよりも仕事を進めながら適宜業務を改善するOODA理論の方が注目されており、OODA理論を重点的に学ばせるという研修が考えられます。
またテレワークの普及によってマネジメントの仕方や仕事の進め方が大きく変化したため、リモートワークを前提とした研修も必要です。

5.マネジメント研修の内容・カリキュラム例

マネジメント研修の内容や、カリキュラム例を紹介します。

・マネジメントの役割理解
・プロジェクトマネジメント研修
・目標設定・管理ワーク
・部下育成研修
・職場環境整備研修

マネジメント研修は、新任の管理職やプロジェクトのマネジメント担当を対象にして、マネジメントの役割や業務内容、必要なスキルなどを学べる研修です。
より実践的な研修として、チームとしてゴールを達成に導くためのプロジェクトマネジメント研修や目標設定・管理ワークなどがあります。
より上位の管理職向けの研修には、部下育成研修や職場環境整備研修など、より影響範囲が広い職位向けのマネジメント研修の受講もおすすめです。

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6.まとめ

マネジメント研修によってマネジメントスキルが定着し、実践で役立つ知識が身に付きます。
研修方法は社内研修・社外研修・オンライン研修があるので、用途に合わせて使い分けましょう。
研修を行うポイントは、目的を明確にした上で階層ごとに研修内容を考えることです。
また時代に合わせて求められるスキルも変化するため、今・将来に合った研修になるよう常にブラッシュアップしましょう。

本記事を参考にして、ぜひ効果の高いマネジメント研修を実施してください。

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