みなさまの中にも「アサーション」に関する書籍を読んだり、
研修やセミナーを受けたりされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ところでこの「アサーション」とは、いったいどういうものなのでしょうか。
「アサーション」は1950年代、公民権運動が盛んに行われていたアメリカで、
心理療法の一環として開発されたものです。
「人は誰しも、主張を自由に表明しうる権利を有している」
という人権尊重の考え方がその基礎にあるとされています。
アサーション(assertion)の日本語訳も「主張」です。
しかし、当時のアメリカと違い、人権尊重がいわば「当たり前」である現代は、
ただ言いたいことを「主張」することだけが許されるわけではありません。
自分の言いたいことを自由に「主張」した結果、他人の心に傷をつけ、
場合によってはその人権を犯してしまいかねない場合があるからです。
「相手の立場を十分に尊重しながら、自分の感情や意見をその場にあった表現方法で素直に伝えること」が
現代における「アサーション」の正しい理解といえるでしょう。
私たちは、この「アサーション」の考え方に基づく「アサーティブコミュニケーション」のトレーニングを
さまざまな研修で取り入れています。
今回は、その「アサーティブコミュニケーション」について、もう少し見ていくことにします。