さつき先生ブログのVol.25で(⇒ Vol.25はコチラ)でAHTの削減効果のシミュレーションで説明しましたが、例えば月間:10万件のコールを処理しているコールセンターがあるとすると年間で約120万件のコールを処理する事になります。 今年度のAHTの平均が10分30秒の場合、翌年の平均AHTを30秒短縮するだけで約1000万円のコスト削減効果になる計算を説明しました。(詳細はVol.25参照)
ここ数年はどこのコールセンターでも製品・サービスの多機能化、携帯電話なども料金形態の複雑化など、年々AHTは増加傾向ではないでしょうか?
更に、採用の悪化、離職の増加で新人割合が増えれば更にAHTの悪化に拍車をかけてしまいます。
このNRIの「TRAINA VOICEダイジェスト」は、まさにそんなAHTの長時間化傾向に最適なシステムでは無いでしょうか?
数年前からVoice to Textというツールで音声を文章化するシステム・ツールなどありましたが、AI技術も取り入れ・自然言語処理技術も向上し、音声認識率も向上してきていますので、かなり使えるシステムになっていると思います。
ただし、当然ながらシステムの初期投資や毎年のメンテナンス費用、最適なテキストにしていくためのナレッジの精査など運用面でも結構なコストがかかってきます。
そのため数十席規模のコールセンターには費用対効果としてはどうか?という点はありますが、200席、300席の大規模コールセンターではかなり費用対効果は出るのではないでしょうか?
NRIのこのシステムを実際に導入した某金融A社(300席)はこのシステム導入でAHTの後処理時間を50%短縮した事で、人件費換算で約1.8億円ものコスト削減を実現したそうです。
ここ数年の傾向として、運用努力だけでAHTを短縮化しているコールセンターは数少ないと思います。
先ほども説明したように製品・サービスの多機能化・高度化、顧客の高齢化、新人割合の増加などAHTの上昇要因は沢山ありますので、特に大規模コールセンターにおいてはこんなシステムの検討も有効化と思います。
是非、今後の参考にしていただければ。