vol.25 :コールセンターの生産性で重要な指標 AHTとは!

2017年9月13日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは さつき先生です。
コールセンターの生産性として重要視されているのが、1件あたりの処理時間ではないでしょうか?

AHT(Average Handling Time) : 1件あたりの平均処理時間

会話している時間(ATT: Average Talk Time)と後処理時間(ACW:After Call Work)を足した時間。
コールセンターの生産性で重要な指標 AHTとは

業界関係者は皆、「AHT」と略して使いますが、まだまだAHTという言葉が定着していないコールセンターも沢山あります。
単なる呼び方かと思いますが、全世界共通のコールセンター用語ですので、海外のセンターに行っても通じる言葉として、「1件あたりの処理時間=AHT」は現場で定着させてもらいたいです。

ある専門書に書かれていた言葉ですが、「コールセンターは秒の世界」と言われます。
10秒、30秒のAHTを削減するだけでどれだけの生産性向上に繋がるのか計り知れません。
コールセンターの生産性で重要な指標 AHTとは
例えば月間:10万件のコールを処理しているコールセンターがあるとすると年間で約120万件のコールを処理する事になります。
今年度のAHTの平均が10分30秒の場合、翌年の平均AHTを30秒短縮するだけで36,000,000秒=10,000時間の生産性向上に繋がる計算になります。
オペレーターの時給:1000円と考えれば、1000円X10,000時間=1000万円のコスト削減効果になる計算です。
たった30秒ですが、大規模センターになると平均AHTの30秒という短縮が年間コストにすると1000万に匹敵する効果をもたらす事になります。
逆に言うと、平均AHTが30秒増加すれば、現場のコストは1000万増加する=経費増になるリスクがある事になります。
実際には、最近の傾向として30秒どころか、1分、2分と平均AHTが年々増加傾向にあるコールセンターが沢山見受けられます。
パソコン、スマートフォン、家電製品のテクニカルサポートや一般相談を受付けるコールセンターなどは年々製品が多機能化されたり、スマートフォンは料金形態が複雑化しており、お客様も製品の進化や料金形態の複雑化に追いつけず、結果として会話時間が年々増加傾向にあるとも聞きます。
オペレーターの離職率の悪化・採用難も昨今叫ばれており、ベテランオペレーターが離職した後に新人オペレーターが配属される事によっても、AHTが増加する要因になりますので、なかなか効果的な打ち手を出せずに苦慮しているコールセンターが多いと思います。

AHTの増加に歯止めをかけるべく、「AHTを削減しろ!短縮しろ!」と朝礼などで檄を飛ばすコールセンターも数多くありますが、闇雲に短縮しろ!だけでは、簡単に削減されないのも当然です。

では、どんな手法を使ってAHTの削減に成功したコールセンターがあるのか?
AIの導入もその打ち手の一つとして検討されていると思いますが、どこのセンターでも簡単に導入するにはまだ導入コストが高い、導入までのプロセスに時間がかかる、ハードルが高い事は以前のブログでも紹介しました。Vol.4参照

次回は、その事例検証をしたいと思います。
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