【支出の部】
①現在の毎月の生活費×12ヶ月×②老後の生活年数(※2)+③退職後も続く特殊要因+④病気や介護費用に関する備えの費用=⑤老後資金総合計
※特殊要因とは、冠婚葬祭費や住居修繕費など一時的な支出など
【収入の部】
⑥夫婦合計の公的年金受給額(※3・4)×②老後の生活年数(※1)+⑦アルバイト代などその他収入=⑧老後収入総合計
【収支の部】
⑤老後資金総合計-⑧老後収入総合計=⑨必要貯蓄額
<例題>
【支出の部】
①毎月の生活費25万円、②老後の生活年数20年、③老後の特殊要因なし、④300万円
⇒25万円×12ヶ月×20年+300万円=⑤6,300万円
【収入の部】
⑥夫婦合計の公的年金受給額(※4)285.6万円/年、⑦なし
⇒⑥285.6万円×②20年=⑧5,712万円
【収支の部】
⑤6,300万円-⑧5,712万円=⑨588万円
この例題では、老後資金は588万円が不足するため、この金額を貯蓄しておくと多少安心が得られるかもしれません。
しかし、この簡易な老後資金の算出目安は、調査可能な過去の数値からの公的年金受給額(※4)の調査結果を抽出して基準にしており、将来公的年金の受給開始年齢引き上げや受給額減少の懸念、その他の不確定要因が山盛り中では、参考程度に過ぎません。
また、上記試算の基礎となっている寿命自体「何歳まで」は、不確定要因以外のなにものでもありません。
その他にもインフレの影響、その他のレジャー費や電化製品買い替え費用など一時的支出や冠婚葬祭などの突発的支出といった毎月の生活費以外の不確定要因は考慮していません。
そのため、条件次第で結果が大きく異なりますのであくまでも目安ですのでご注意ください。
とはいえ、老後資金を不安がるだけでは解決策は見つかりません。
現役で働いている間にできること、さらに退職後のことも視野に入れて、「我が家では」という前提で老後資金に対する蓄えを始めるとともに、年に一度程度は実績を考慮した上で将来の老後資金計画を見直していくと安心感は持続できると思います。
※1 金融庁:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」P10
※2 65歳の平均余命 男性19.83年 女性24.63年
厚生労働省:主な年齢の平均余命(令和元年簡易生命表)より
※3 公的年金の年金見込み額の試算は、下記で目安を調べることができます
日本年金機構:ねんきんネット
※4 厚労省:年金制度基礎調査 表42 夫の現役時代の経歴類型別・妻の現役時代の経歴類型別 本人及び配偶者の平均公的年金年金額(配偶者あり世帯)2017年 ともに65歳以上である配偶者あり世帯(再掲)総数