「熱き思いを伝えて歩くパッション伝道師」こと藤木健と申します。
今日は、「きく」という心理状態について考えてみましょう。
人と会話をしているとき、聞き手に回っているときには、段階が3つあると言われています。
おおまかに、「聞いていない」「聞き流している」「聞きつつ考えている」の三段階に分かれます。
第一段階「聞いていない」
質問に対して、「はい」「そうですか」などのあいづちはうっているものの、別の物事に意識が向いている状態です。
別のことを考えているのかもしれません。
お客様応対の場では、後から「言った/言わない」のトラブルに一番発展しやすい状態ともいえるでしょう。
第二段階「聞き流している」
とりあえず、聞いている状態のことです。
いきなり話を中断して、今言ったことを覚えているかと尋ねられたら、直前のことには答えられるでしょう。
しかし、この段階においても、聞いたことを理解しようとする意識はありません。
理解をしていないことは、記憶に留まらず、話が終わると同時に、内容に関する記憶はきえてしまいます。
問いかけには反応するが、肝心の話の内容への興味は全くないということです。
そのため、この段階でも、「言った/言わない」のトラブルに発展する可能性は、十二分にあるのです。
第三段階「聞きつつ考える」
こちらが言ったことを理解し、考えているという状態です。
話の内容をきちんと理解している、若しくは理解しようと努めている状態です。
話が、どんな内容なのかを判断し、他の物事と比較し、原因を分析し、結果を推測し、時にはなんらかの決断をしようとしています。
話している2人以上が、全員この第三段階に達して会話をすることを、意見交換している状態と呼びます。
逆に、この状態に達していないのであれば、単なるおしゃべりなのでしょう。
そう、人の話を聞いているときに、その内容について思考することがなければ、話は記憶されることはないのです。
では、「聞きつつ考える」という心理状態になってもらうには、どうしたらよいのでしょうか?
答えは、「質問」です。
どれほど理路整然と明確に、かつ適切に説明し、「聞いていてください」とお願いしたとしても、お客様に聞く意識がなければ、お客様の頭は働いてくれません。