vol.17【できるSVを育てる 第3回:要員管理の3つのMを考える】 By浮島由美子

2018年8月22日|カテゴリー「リレーブログ ,リレーブログアーカイブ
こんにちは。
Y’sラーニング株式会社の浮島です。
全4回にわたり、「できるSVを育てる」をテーマにお伝えいたします。
SVを育成される方のみならずSV自身のスキルアップの一助にもなればいいなと思ってご案内しますので、よろしくお願いいたします。

第三回は「要員管理の3つのMを考える」です。


コンタクトセンターの管理業務
コンタクトセンターの組織において、SVは運営、運用の要です。
SVの役割、業務は多岐にわたります。
しかし、センターによって役割の定義も担当するメンバーの数も違うため、一概に規定することはできません。
共通しているのは「管理業務」であるとことです。
それでは、SVは何を管理すればよいのでしょうか。

管理は「人」と「モノ」と言われます。
実際には【図1】のような業務が中心でしょう。もちろん、図中の業務名は一例です。
なりたてのSVは、管理者一年生です。一般的には、管理業務のイロハは「モノの管理から身に着けていく」とスムーズです。
しかし、コンタクトセンターは「人」で成り立つ業務です。のんきなことは言っていられません。要員管理業務はSVの重要なミッションです。
要員管理業務とは、主として「導入管理」=新人の立ち上げ、「スキル管理」=メンバーのスキル維持や向上、評価と「マインド管理」を指します。新人教育やスキルアップ教育は標準化しやすくマニュアルなども整備しやすい業務です。
しかし、定量的な観察、評価がしづらく「何から手を付けていいのかわからない」となりがちな「マインド管理」にSVは一番悩まされることになります。
このマインド管理をもう少し詳しく紐解いてみましょう。



3つのMとは?
マインド管理では3つのMが重要です。【図1赤字部分】
03:図4
・motivation:モチベーション
・morals:モラル
・mental health:メンタルヘルス

この3つが適切に管理されている職場は活性化されます。ポジティブな雰囲気のもとに人材が育成され、メンバーは自己肯定感が高く楽しく仕事ができます。離職率は低く、生産性は高くなります。公平なルールのもと、人間関係も円滑です。
そんな職場、目指したいですね。


モチベーションの正体
従業員の能力というのは、20~90%はモチベーションに左右されるそうです。ずいぶん幅がありますね。これが「モチベーション」の特性です。個別に影響力が違うということです。
人的資源を有効に活用するためには、従業員の持てる能力が存分に発揮される状況をつくることや、可能性のある能力を開発することが大切です。
個を活かすことにより組織は活性化する。
この考え方のもとに「モチベーション理論」はいろいろと発表されています。

代表的な理論はマズローの欲求五段階説学説です。【図2】
03:図5_マズロー

人間の欲求には五段階のレベルがあるというこの階段状の図をよく見かけます。
マズローのこの説は、一つが済んだら次、という階段状のステップを考えるのではなく、どの欲求が起こりやすいかを確率的に示したものだそうです。
ただし、生理的欲求はある程度満たされるまで、最強の力を持つそうです。
シフト環境設計や食事時間の規則的な提供など「生理的欲求」をきちんと満たす施策はやる気に大きく影響するということです。

「モチベーション」はそれぞれの個性です。昇給や昇進を本人が期待していたなら、昇給や昇進が誘因になって「やる気」になります。
一方では、上司の期待や扱い方により、業績や能力発揮度合いが大きく異なる人もいます。
多くの場合、部下は自分に対する上司の期待に沿って行動します。部下を信頼し、部下に高い業績を期待できる優秀なマネージャーが部下の成長を助けます。この考え方を期待理論と呼びます。

「興味ある業務」に「やりがいを感じ」、「適切な目標に自信を持って臨み」、「結果に満足する」というストーリーができれば、「つまらない、やる気がおきない」という不協和音は聞かれないはずです。
モチベーションが平均的に高い、組織として活力がある状態をどのように構築するのか、どのように確認すればよいかを考察する必要があるのです。



知識と実践が必要な「モラル」と「メンタルヘルス」
「モラル」を保つということの守備範囲は次々と広がっています。
例えば、セキュリティ一つとっても、単にフロアの入退室ルールを作ってカードを渡せば大丈夫ということはありません。
「違反をしない」という意識だけではなく、「何が違反なのか」という基本的な知識も必要です。
「知らずに著作権侵害をしてしまった」などというニュースをよく見かけます。
知っていて侵害する罪は重いですが、知らずに行ってしまったことでも結果としては同じことが起きてしまいます。
「モラル」管理では「悪意を持たない」ことも大切ですが、「うっかりしない、させない」ことも大切です。

知識が重要なのは、実は「メンタルヘルス」も同様です。
あなたは、「ストレス」に対する正しい知識に自信がありますか。正しい知識なしに正しい判断をすることはできません。
ストレスに対する正しい知識を持って、各人の個性の理解した上で日頃から目配りすることが必要です。
ストレスの感じ方は「モチベーション」同様、人により大きく違います。この点を理解して臨むことが必須事項なのです。
なにより、自分自身のメンタルが正しく健康に保たれている必要があります。
ストレスに疲弊し「いっぱいいっぱい」の自分では、人の健康を気遣う余裕は生まれませんね。

「モラル」「メンタルヘルス」ともに、まずは正しい知識をつけ、自分自身が良い見本になることからはじめてください。

※今後の予定
第四回 SVの働き方改革



01:プロフィール

浮島 由美子 講師


研修講師、教育コンサルタント

2005年5月Y’sラーニング株式会社設立

コミュニケーションおよびマネジメント研修を中心に活動中。


埼玉県立浦和第一女子高校、私立学習院女子短期大学卒。

業務アプリケーションサポート業務、ネットワークOSのサポート業務を経てコールセンター、ヘルプデスクの構築、運営に携わる。

2000年より、品質管理および人材育成を担当。品質管理、採用、要員教育、教育コース開発、顧客満足度調査の結果分析を行う。スキルの標準化、可視化に取り組む。

 

・著書:「自分の考えがうまく伝わる要約の技術」(KADOKAWA)

・CSAJ(コンピュータソフトウェア協会)人材委員会所属

・東京農工大学 國學院大學 プレゼンテーション講師