vol.11【不当な要求に対する応対】By唐澤 理恵

2018年6月27日|カテゴリー「リレーブログ ,リレーブログアーカイブ
こんにちは、唐澤理恵と申します。
今回は「クレーム応対」の最終回です。
よろしくお願い致します。

第4回 テーマ:不当な要求に対する応対

クレームはお客様の要求を伴うものですが、時として「不当な要求」もあります。
そこで最終回は、「不当な要求」に対する応対を考えたいと思います。

お客様の行き過ぎた要求は法律に触れる場合もあり、関連する法律を認識したうえで応対をすることも1つのポイントです。

不当な要求

①「ここで土下座しろ」
ニュースなどでも時々取り上げられるケースですね。脅迫や暴行により、常識の範疇を超えて義務のないことを行わせることは、「強要罪」(刑法第223条)に該当する可能性があります。

きちんと対応したにも関わらず不当に土下座などを強要された場合は、「土下座に応じることできません」と、丁寧に毅然とお断りを入れます。それでも要求が続く場合は、「このような要求は強要罪にあたると判断致します。これ以上無理をおっしゃる場合はしかるべき対応を取らせていただきます」と、毅然とした姿勢を貫きましょう。

②「ネットに書き込むぞ」
名誉毀損になるような内容を、相手の名誉を傷つける事を目的として公表することを告知する行為は「脅迫罪」(刑法第222条)にあたる場合があります。

「変なことをネットに書かれたら困る・・・だから言われた通りにしておこう」では、相手の思う壺です。「ネットの書き込みはお客様のご判断にお任せするしかございません。しかし、書き込まれた内容によりましては、私どもも相応の対応をとらせていただくことになりますので、ひと言申し上げておきます」と、冷静に対応しましょう。

③わめく等、中身の無い電話の繰り返し
激高して一方的にわめき散らすなどの中身のない電話は、「お話ができる状態でないと判断しますので、電話を切らせていただきます」と告げたうえで、電話を切ります。

その後も繰り返し電話が入り業務に支障が出る場合は、「威力業務妨害罪」(刑法第234条)が成立する可能性があります。記録に残して、警察に相談することも可能です。

①~③のいずれも、実際に罪状が適用されるかは、前後の状況や司法の判断によります。が、訴えを出した場合は相手側が自身の要求の正当性を立証する必要があるので、理不尽なクレームに、法律に基づいて対応することは効果的です。

このように、悪意を伴った「不当な要求」には毅然と対応することがポイントですが、一方で、日々の応対がお客様に悪意を抱かせてしまっていないかを振り返ることも大切です。

日本苦情白書のアンケートに、「何回嫌な思いをしたら苦情を申し立てますか」との問いに、最も多かった回答は「3回嫌な思いをしたら」(43.6%)だったというデータがあります。つまり、お客様は、クレームを申し立てる前にも嫌な思いをされている可能性があり、過去からの積み重ねが過剰な要求を引き起こしているのかもしれないのです。

「クレーム応対」について4回にわたってお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
皆さんの日々の業務に少しでもお役に立てば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

唐澤 理恵 講師
唐澤 理恵 講師


大手証券会社に入社後、窓口営業~資産コンサルタント~コールセンター立ち上げを経てSVと研修トレーナーを経験。その後研修トレーナーリーダーとして同社内で次々とセンターの拠点拡大に携わり、人材育成、品質管理、ツール作成などの仕組み構築、運営を行う。平成20年より独立講師としてコールセンター系のコンサルティング&人材育成をメインに活動を開始する。長年の経験とコーチング技法を用いた現場目線の指導で好評を博している。

《主な研修実績》
「大手電気通信事業会社」「銀行」「証券会社」「損害保険会社」「化粧品会社」「情報通信コンサルティング会社」 「自治体向け教育法人」等、他多数