【さまざまな分野】第6回 『言葉には人を成長させる力がある』 Author:岩槻まなみ

2018年5月30日|カテゴリー「さまざまな分野 ,さまざまな分野
こんにちは。ビジネスメンタリストの岩槻まなみと申します。

あなたは「君ならできる!」と期待をかけられ、何だかできる気になっていくのを経験したことはありませんか?
これを心理学で「ピグマリオン効果」と言います。

1964年に米国の教育心理学者ローゼンタールにより提唱されたもので、「人は期待をかけられると、その期待に応えようとする」というテクニックです。

ある小学校で、ローゼンタール博士による次のような実験が行われました。

担任教師に「このテストの結果によって、今後成績が伸びる生徒がわかる」と伝えられたテストが行われました。
実際にはそのような効果のない一般的な知能テストでしたが、結果に関係なく無作為に生徒を選び出し、教師達は選ばれた生徒達に「成績が伸びていく子たちだ」と期待をかけて指導すると、本当にその生徒達の成績が向上したのです。
要因は教師が子供たちに対して、期待のまなざしを向けたこと。
そして、子供たちも期待されていることを知覚して勉強したことでした。

これは子ども達たちだけではなく、大人も同じ効果があります。
「あなたならきっとできるよ」と言葉をかけていくと、人は相手の期待に応えようと行動します。
「あなたは頼りがいがありますね」と言うと、人は頼りがいがでてきます。

「君には力がある」
「君は仕事が早くて助かるよ」
「君はいつも仕事が丁寧だね。また頼むよ」

このような言葉を上司からかけられたら、部下は期待に応えようと早く丁寧な仕事をしようとするでしょう。

「何でできないんだ!」
「だからダメなんだよ!」
「結果を出せなかったら、君の代わりはいるんだよ!」

期待をかけてプラスの言葉で励ましてくれる上司もいれば、逆ピグマリオンで期待せず欠点や弱点をマイナスの言葉で叱る上司もいます。
どちらの上司について行けば、未来にいいことがあると感じられるでしょうか?
もちろん、自分を励ましてくれる上司です。

褒める効果

近年、コーチングの知識から「褒める」というマネジメントを行っている上司も多いと聞きます。

もちろん「褒める」だけでも良い効果がありますが、ピグマリオン効果を取り入れることによって、部下をこちらが期待するように行動させることができます。

「君はいつも丁寧に対応してくれるから、どんな仕事もまかせられるよ」
「ここまでよく頑張った。あと少しだ。君ならできるよ」
「〇〇さんは、いつも私の話しをきちんと聞いて理解してくれるので助かるよ」

相手の「行動」にプラスして「期待をかける」を言葉にします。
信頼する人からの期待を込めたプラスの言葉には、人を成長させる力があります。
将来に希望を持たせて行動させる影響力があります。

上司部下間だけでなく、仲間同士、お客様との会話にピグマリオン効果を取り入れることによって、人は相手の期待を裏切らないように自分から期待された行動を取ろうとしてくれるのです。

さて、ここまで読んでいただいた皆さんの中には、こう思っている方もいるかもしれません。

「書いてあることは分るけど・・・」
「うちの上司は褒めてくれません」
「本当に言葉で成長できるの?」

私たちの心は、常に「何か」や「誰か」に影響を受けています。
私自身、壁にぶつかって全く自信を失った時期がありました。そこから脱出できたのは、「成長したい」という自らの想いと上司や仲間からの未来に期待するピグマリオン効果の言葉をもらえたからです。

上司はあなたの可能性を見ています。
例え逆ピグマリオンの言葉を使ったとしても、本当はあなたの未来を明るいものにしようと心から願っているのです。
そして、同じ目標をもちながら共に仕事をして、成果を喜びあえる仲間がいるからこそ前進していくことができるのです。

あなたの側であなたを支え、あなたの未来に期待してくれる人の言葉に耳を傾けていますか?
そして、あなたも誰かを支え、誰かを成長させる言葉を届けていますか?

岩槻まなみ講師
コンピュータ専門学校 講師
企業研修講師
ビジネスメンタリスト

大学卒業後ITソフト開発会社に入社。SE、PCインストラクターとして従事。
その後フリーとなり、専門学校、職業訓練校、企業研修にてIT講師を勤める。受講生が成長する姿を間近で応援できる講師業に幸せを感じている。

仕事だけではなく主婦のマルチタスク経験を存分に活かした実践的な研修内容と、あふれる熱意と母なる優しさをミックスした絶妙な指導力は受講生からの高い評判を得ている。

プライベートで家族の心の病があったことをきっかけに、仕事だけではなく仕事と心と体のバランスについて考える機会を得る。経験をからにコミュニケーション、心理学、メンタリズムを徹底的に学ぶ。現在では、心理的コミュニケーションの専門家として、また経験から自分と同じように自立を目指す女性支援のためのセミナーを実施して好評を得ている。