1on1ミーティングとは?効果的な進め方やポイント、必要なスキルをご紹介

2023年8月28日|カテゴリー「人材育成コラム
1on1ミーティングとは?
部下のモチベーションや仕事への意欲を高め、成長を促す一環として1on1ミーティングを導入する企業が増えてきています。上司と部下がコミュニケーションをとり信頼関係を築くことができる場である一方で、効果的な1on1ミーティングの進め方がわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、1on1ミーティングの効果的な進め方についてポイントや必要なスキルを解説していきます。

1on1ミーティングとは?

1on1ミーティングとは?
1on1ミーティングは、部下の育成を目的とした上司と部下が一対一で定期的に行うミーティングのことです。所要時間は15〜30分ほどと短いですが、週1回・隔週1回ほどのペースでミーティング頻度が多くなるように設定されています。
元々は、米国シリコンバレーの企業が社内のコミュニケーションを活発化させる目的で始めたと言われており、現在では日本でも多くの企業で採用され注目を集めています。

人事面談との違い

1on1ミーティングと人事面談では、実施する上での目的が異なります。

人事面談は、上司が部下を評価・管理することが主なミーティングの目的です。したがって話す内容は、部下の設定目標やパフォーマンスなど、人事評価する上で必要な項目が中心になります。
一方で1on1ミーティングは、部下の成長を促すことが実施することが目的です。そのため、上司は傾聴の姿勢や部下の本音を引き出すことに注意を払い、独善的なミーティングの進行方向をとるのではなく、部下が前向きに参加してくれるように工夫します。また、上司と部下で対話を重ねながら課題の解決策を検討することで、相互の信頼関係を構築できることも1on1ミーティングの大きな特徴です。

注目されるようになった背景

IT技術の発展によって世界中の経済活動は目まぐるしい変化を見せています。社会の構造も複雑化し、イノベーションは更なる成長を見せるようになりました。

こうした時代の変化に合わせて、企業も経営方針や考えを柔軟に変えられるような対応力と行動力を持った人材を求めるようになりつつあります。繰り返し行う単純な作業はAIや機械技術に任せ、付加価値をつけられるような働き方が今後ビジネスマンには必要です。

また、コロナウイルスの流行によって、社会ではリモートワークが浸透するなど、直接コミュニケーションをとる機会が減少しました。仕事後の飲み会や食事会が開催される頻度が減少したことで、上司と部下、同僚間での信頼関係の構築が難しくなっている側面もあります。

社会情勢を取り巻く環境の変化から、1on1ミーティングは注目されるようになったのです。

導入の目的

1on1ミーティングとは?
1on1ミーティングの目的は、人事面談とは異なります。業務の進捗確認や指示をするのではなく、部下との対話を重ねて意見を引き出すことが大切です。ここからは1on1ミーティングを行う目的を3つご紹介します。

人材の育成

1on1ミーティングは、部下に学びの機会を提供することで、人材を育成する目的があります。仕事での部下の悩みや課題を聞き、どうすれば解決できるのかを気づかせるのが上司の役割です。「答え」ではなく「気づき」を与え、部下が自主的に課題に対する解決策を導けるようにサポートします。コミュニケーションを通じて課題や悩みを解決する経験を積むことで、部下に経験と自信を持たせ更なる成長を促すのです。

上司・部下間での信頼関係の構築

定期的にミーティングを実施することで、コミュニケーションを活発化し、信頼関係を構築できることも1on1ミーティングの目的の一つです。1on1ミーティングでは、仕事の話だけでなく部下が緊張感を持たないよう、プライベートの話もアイスブレイクとして行う場合があります。仕事以外の話題も交えることで、相互の理解が深まり、悩みや考え方、価値観も把握しやすくなるのです。また、上司と部下の信頼関係の向上はチーム内のパフォーマンスの向上にもつながるため、業務効率にも関係する重要な役割を果たしているといえるでしょう。

社員の離職防止

普段の仕事では、悩みや不安を抱えていても上司に相談する機会がなかったり、現時点では本人が気にしていなかったりなど、あまり部下から上司には言いにくいものです。日々の不安や不満を放っておくと休職や離職など、深刻な問題に発展することも考えられるため、上司が部下と向き合える時間を設けることで部下の悩みを引き出し、相談に乗ることで離職リスクの低減を期待できます。

1on1ミーティングの前に準備すべきこと

1on1ミーティングとは?
実際に1on1ミーティングをする上では、上司にも準備が必要です。事前にミーティングを実施する目的についても話し合い、確認した上で当日を迎えることが望ましいでしょう。ここからは上司が1on1ミーティングの前に準備すべきことについて解説していきます。

目的を共有する

1on1ミーティングを実施する前に、部下と目的について打ち合わせを行います。1on1ミーティングは、部下を育成するために上司が答えを教える場ではありません。上司は部下が問題解決に対する答えを導き出すためのサポートをし、あくまで自力で答えに辿り着かねばならないことを部下に伝えます。1on1ミーティングを実施する意味は何か、なぜこのテーマについて議論するのかを目的を共有する段階で認識させておくことで、部下が自律的に取り組むことで効果的な1on1ミーティングを行うことができるのです。

ミーティングを設定する

1on1ミーティングを実施する目的について部下と確認した後は、開催日時や場所について決めます。実施場所としてはオフィス内の会議室がベターですが、上司と部下の都合に合わせて出先やオンラインにするなど、柔軟に設定します。

また、部下に当日までに話すテーマにしたがって、意見や悩みなど上司と話し合いたい内容について考えてきてもらうことも忘れてはいけません。上司からの問いかけに対して、部下から意見が引き出せなければ実施した意味もなくなってしまいます。上司は部下から少しでも多くの考えや意見を引き出せるように工夫した進め方を心がけましょう。

1on1ミーティングの進め方

1on1ミーティングとは?
ここからは1on1ミーティングの進め方について解説していきます。主体的に行動できる部下を育てられるようなに確認しておきましょう。

テーマについて部下の考えを引き出す

上司は、話し合うテーマについて聞くだけではなく、部下が主体的に話出しやすいような空気感を作ることも、1on1ミーティングを進める上で意識します。メインで話したいテーマにいきなり入るのではなく、アイスブレイクとしてプライベートな話題から会話を始め、部下の緊張感を和らげるような工夫が大切です。また、部下が話している間は原則は最後まで話を聞き、腰を折らない聞き役に徹しましょう。部下の話の途中で遮ぎる、否定するなどすれば、1on1ミーティングへのモチベーションを下げる原因になります。適度に相槌や頷きなどリアクションを混ぜて、相手の話を聞く姿勢を大事にします。

上司と部下で問題解決の方法や対策を考える

部下の主張やメインテーマについて一通り状況を把握したら、問題の解決策を探っていきます。大切なのは、主体的に部下が解決策を考え導き出すことです。上司は正解を伝えるのではなく「どうすればいいか」「なぜそうなったのか」と、部下の問題への思考を深めるような問いかけをします。正解ではなく、あくまで部下が自ら答えを導き出せるように上司はサポートしましょう。

ミーティングを振り返る

大体の方向性が見えたら、今後の行動について決めていきます。検討して部下が導き出した答えを改めて整理し、次回の1on1ミーティングまでにすべき行動目標を現実的にやれる範囲で立てていきます。

次の1on1ミーティングの日程や行動目標が決まり、ミーティングを終える際は上司は部下の背中を押してあげるような一言を添えてあげるのがよいでしょう。部下が決めた目標に対して前向きに取り組めるよう、ポジティブな感情でミーティングを終わります。

進める上でのポイント

1on1ミーティングとは?
それでは実際に効果的な1on1ミーティングの進め方についてポイントを解説していきます。これから会社で1on1ミーティングの導入を検討している、もしくは1on1ミーティングに苦手意識のある方は、ぜひチェックしてみてください。

フィードバックを丁寧に行う

1on1ミーティングでのフィードバックは、部下の取り組みに対する評価を客観的な視点から評価し、成長を促進させるために必要不可欠なサポートです。上司から見た行動や働きへの評価を伝える際は、人格否定や一過性の指摘で終わらないよう話し方には十分注意します。部下への適切なフィードバックは、上司との信頼関係の構築にもつながり、仕事へのモチベーションを高めるきっかけとなるでしょう。

聞き役に徹する

1on1ミーティング中は、部下の話を注意深く聞き、どんな考えや意見を持っているのか正しく理解することが大切です。部下の話の腰を折ったり、考えを否定したり、一方的なアドバイスの押し付けをしたりしないように心がけてください。

ミーティング開始直後は、お互いに慣れず緊張する場合もあるかもしれません。話しやすい雰囲気を作るためには、上司も部下もリラックスする必要があります。部下の緊張をほぐすと同時に、上司も緊張せずに気楽に話し始めることを意識しましょう。

部下自身に解決策や行動を考えさせる

自律的な人材を育成するためには、1on1ミーティングを通して部下自身に問題の解決策や行動内容を考えてもらえるよう上司が誘導する必要があります。部下が抱える問題に対して、上司が簡単に解決策やアドバイスを与えることは、部下の成長の機会を奪うことになりかねません。上司が部下と問題の解決策について考えるときは、問題に対する理解を深める機会を提供することを意識し、部下が主体的に行動できるような誘導に徹しましょう。

1on1ミーティングを進める上で求められるスキル

1on1ミーティングとは?
ここからは1on1ミーティングを進める上で求められるスキルをご紹介します。どちらも部下の話を聞き、成長を促すには必要なスキルです。

フィードバック

フィードバックは、1on1ミーティングではもちろん、普段の仕事であっても部下の成果や結果に対する上司の評価を客観的、かつ的確に伝えるスキルです。部下を適切に評価した上で課題を明確にし、今後の行動目標を検討する1on1ミーティングでは部下のモチベーションに直結する重要なアクションといえます。

コーチング

コーチングは、相手の話を理解し、自発的な行動を促すことができるスキルです。相手の状況を把握したことで行う的確な助言は、相手に納得感を与え深い学びを与えることができます。1on1ミーティングにおいても、自律的な部下の行動を支援するとともに、上司と部下の信頼関係を形成する上でも重要な役割を果たします。

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自律的な部下を育てられる進め方をしよう

今回は、1on1ミーティングの効果的な進め方について解説しました。

1on1ミーティングでは、上司の問いかけ方やフィードバックによって、部下の問題解決能力が養われます。事前準備から部下を巻き込み当事者意識を持たせることで、部下も前向きにミーティングに参加し、よりよい内容の時間を過ごすことができるでしょう。

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