人材育成の目標設定方法|目標を立てる時のポイントや具体的な目標例など紹介!

2022年3月8日|カテゴリー「人材育成コラム
人材育成の目標設定方法
人材育成は社員とともに企業が成長するために必要不可欠な要素です。
その人材育成を成功させるには目標設定が非常に重要です。
しかし目標はただ設定すればよいものではなく、きちんとした手順に従い正しい方法で設定しなければなりません。

こちらの記事では人材育成における目標設定の重要なポイントや注意点、具体的な目標例、そして人材育成の目標を達成するために必要なことを解説します。
ぜひ正しい手順・方法で目標設定することで、人材育成に役立ててください。

1. 人材育成における目標設定の重要性

そもそも人材育成において、目標設定はなぜ必要なのでしょうか。 
人材育成における目標設定の重要性としては、たとえば以下のようなことが挙げられます。 

・社員のモチベーションが向上する 
・会社と社員が同じ方向を向ける
・評価の明確な基準になる 

まず、目標設定することで「社員のモチベーションの向上」が期待できます。
社員が自ら設定した目標、あるいは上司の決めた目標であっても社員自身が納得した内容であれば、それを達成しようと努力することで社員一人ひとりモチベーションが上がります。 
押し付けられた目標では「がんばって達成しよう」という気になれず、仕事をしている意義を感じられません。 

また目標設定をするうえで重要な点は、会社と社員が同じ方向を向くことです。
社員の目標と会社の目標がきちんと結びつけば、社員の目標設定を通して会社の利益も増大するでしょう。

そして目標設定をすればその達成度を基準として社員を評価することができるので、評価の明確な基準になる点もメリットです。 
不明確な評価基準は社員のモチベーションが低下する原因になるので、目標設定によって明確な評価基準があることは重要になります。

2. 人材育成の目標を設定する際の重要なポイント

人材育成の目標を設定する際の重要なポイントとしては、以下のようなことが挙げられます。

・自己分析をする
・企業目標と社員のキャリアデザインをリンクさせる
・長期・中期・短期目標を立てる
・数値目標を立てる
・具体的な目標にする
・期日を決める
・目標達成の進捗を可視化する

以上7つのポイントについて、具体的な内容や重要性を順番に解説します。
目標設定をするうえでは、これらのポイントをきちんとおさえておきましょう。

ポイント1. 自己分析をする

人材育成の目標を具体的に設定する前に、まずは社員に自己分析をさせましょう。
社員それぞれのキャリアデザインがはっきりしないうちに会社が目標設定しても、社員は仕事に対する目的意識が持てず、達成感も半減してしまいます。

自己分析では、自分の強み・将来したい仕事・仕事を通じて貢献したいことなどを言語化させます。
自己分析により言語化した内容をもとにキャリアデザインを明確に定めた上で、キャリアデザインに対応した目標を設定しましょう。

ポイント2. 企業目標と社員のキャリアデザインをリンクさせる

キャリアデザインを明確にできたら、企業目標と社員のキャリアデザインをリンクさせましょう。
社員の目標が企業目標と無関係では意味がありませんが、社員自身のキャリアを無視すればモチベーションの低下につながります。
昇進の意欲がない社員に管理職候補としてマネジメントスキルの向上を目標とさせるといったように、会社の都合で社員に目標を押し付けることは避けましょう。

まずは社員自身に企業目標をよく理解させ、企業目標とキャリアデザインがリンクするように目標を設定してもらうと良いでしょう。
目標設定の段階で何度か上司と相談させると、きちんとリンクしているかどうかをチェックできます。

ポイント3. 長期・中期・短期目標を立てる

長期・中期・短期それぞれの目標を設定することで、社員を高いモチベーションで正しいゴールに向かわせられます。
数年単位の長期的な目標だけでは、社員は「まだ時間はあるし…」と思いモチベーションが途中で落ちてしまうことがあります。
反対に短期的な目標だけでは最終的なゴールを見失ってしまうこともあるでしょう。

例えば、長期的な目標として「業界シェア〇〇%達成」といった会社の目標に近いものを設定し、短期目標として「個人で売上〇〇万円以上」といったように自分の業務の成果に関することを設定するといったものです。
長期・中期・短期とそれぞれ適切な目標を立てるためには、人事担当者や上司が社員の能力・適性に応じてきちんとアドバイスするなどして、しっかりサポートする必要があります。

ポイント4. 数値目標を立てる

人材育成の長期・中期・短期のそれぞれの目標はなるべく数値化しましょう。
数値でゴールを設定することにより、計画を立てやすくなります。
また、目標の達成・不達成も明確になるため、振り返って原因を分析しやすくモチベーション維持につながります。

例えば、営業職なら単に「売上を伸ばす」ではなく「売上を〇〇万円あげる」というようにします。
職種や仕事内容によっては数値化しにくい場合もありますが、目標はできる限り数値化してください。

ポイント5. 具体的な目標にする

人材育成の長期・中期・短期のそれぞれの目標は、なるべく具体的な内容にしましょう。
数値化と同様に、明確な行動につながりやすい、効果測定がしやすい、社員のモチベーションが上がるといった多くのメリットがあります。

たとえば「顧客満足度を向上させる」といった抽象的な目標は効果測定・達成度の確認が正確にできません。
さらに、具体的な行動に落とし込みにくく、 次のアクションも設定しづらいでしょう。
そのため、「いつまでに」「どれくらい」顧客満足度を向上させるのか、具体的に設定することが必要です。

ポイント6. 期日を決める

人材育成の目標を定めたら、目標を達成する期日も一緒に決めましょう。
期日があることで、期日までにやらなければならない事柄と日々の具体的な行動も定まりやすくなります。
また、期日を決めておくことで効果検証が明確にできるというメリットもあります。

期日を経過したら目標達成できたかどうか、できなかったとしたらその理由は何かをきちんと検証することで、次につなげることができます。

ポイント7. 目標達成の進捗を可視化する

人材育成の目標達成の進捗は、社員に管理シートを作成させるなどして可視化しましょう。
目標達成の進捗を可視化することで社員自身も管理しやすく、またチームで目標を共有することで団結力を高める効果もあります。

具体的な方法としては、管理シートを作成する、マインドマップを使って社員自身が自分の考えを整理し、目標達成するための行動計画を立てるといったやり方が挙げられます。

3.人材育成における目標設定の注意点4つ

人材育成の目標設定方法
人材育成における目標設定の注意点として、以下の4つが挙げられます。
これらの注意点は、先ほど説明した目標設定する際の重要なポイントとも関連しています。
ポイントについても頭に浮かべながら、それぞれの注意点について見ていきましょう。


・他人から与えられた目標になっている
・遠すぎない目標になっている
・抽象的かつ定量的な目標になっている
・SMARTの法則に沿っていない

他人から与えられた目標になっている

人材育成の目標は社員自身がそれぞれ自分のキャリアデザインと照らし合わせ、主体的に立てられたものであることが重要です。
特に新人は他人から与えられた目標を立てても自主性が育たず、押し付けられた目標では目的意識が持てずモチベーションも上がりません。

会社の目標と社員の目標がつながっていることは大事ですが、会社側の意向だけで社員の目標を設定しないよう注意してください。

遠すぎる目標になっている

人材育成の目標を立てる際は、現実離れしたものになっていないか気をつけましょう。
明らかに難しすぎる内容であると達成できる気がせず、モチベーションが低下してしまいます。
 仮に長期的な目標が難しいものであっても、中期・短期の目標を設定し日々の行動に落とし込むことで現実的と判断できれば問題ありません。 

反対に、簡単すぎる目標を設定しても達成感が少なく成長につながらないため、適切な難易度にうまく調整することが大事です。

抽象的で測定できない目標になっている

人材育成の目標を立てるときは、抽象的でないか、数値で測定できるかをしっかり確認しましょう。
曖昧な目標では具体的にすべき行動が定められず、また測定できない目標では効果が検証できないため達成できたかどうかが判別できません。
そのため目標は具体的かつ定量的なものにしましょう。

SMARTの法則に沿っていない

人材育成の目標設定においては、「SMARTの法則」が意識できていないと、的外れな目標になってしまうことも。SMARTの法則とは、以下のような目標設定における有名なフレームワークです。


Specific:具体的
Measurable:測定可能
Achievable:達成可能
Realistic:関連性
Time-bound:期限


目標は具体的で測定可能でなければ達成したかどうかわからないですし、また達成不可能では意味がありません。
そして会社目標にきちんと関連付けた目標を立て、適切な期限を決めることでモチベーションを保つものです。

4.人材育成の具体的な目標例

人材育成の目標の立て方は職種や役職によっても異なるので、具体的にどのような目標を立てればよいかわからないという方もいるでしょう。

ここでは以下の職種・役職について目標の具体例をいくつか紹介しますので、社員にアドバイスをする際にぜひ参考にしてください。


・営業職
・マーケティング職
・エンジニア
・人事
・管理職

目標例1.営業職

営業は基本的に個人やチームの売上という定量的な数字で図ることができるため、一般的な事務職と比較して目標が立てやすい職種といえるでしょう。

より具体的な目標にするためには、期限や行動の内容も定めておくことです。以下のような具体例が考えられます。



・「今期中に1日平均10件の営業をまわり、個人売上で200万円達成する

・毎朝30分は読書するようにして学んだことをチームに共有し、チーム全体のスキル底上げやモチベーション向上を図ることでチームの受注率を20%伸ばす



このように売上や件数を数値化することで、明確な目標が立てることがコツです。

目標例2.マーケティング職

マーケティング職は集客やメディアのPV数などによって成果を図ることができるので、比較的数値目標が立てやすい職種といえます。
以下のような具体例が考えられるでしょう。



・今月中に新規のメディアをリリースし、四半期中に200記事制作、月間50,000PV達成する

・「第二四半期末までにテレビCMを打ち、指名検索での流入を80万まで伸ばす



マーケティングは企業によってさまざまなやり方があるので、目標の立て方もそれぞれです。
そのため上記の具体例と同じである必要はなく、各企業の特徴・方向性に合った目標であれば問題ありません。

目標例3.エンジニア

エンジニアの仕事は成果が数値として表れにくい部分もあるので、納期の達成率や残業時間を目標にするとよいでしょう。



・週に3回以上はチーム内で進捗情報を共有し、納期達成率を100%にする

・週に一度は残業ゼロの日を作り、品質を落とすことなく月の残業時間を20時間以内にする



エンジニアは自分のペースで仕事がしやすい分、効率性を損ないがちなので、達成可能な目標を定めることで作業効率を上げることがコツです。
ただし、残業時間を減らすことは作業効率を上げることが目的なので、残業時間を減らすこと自体が目的化しないよう注意しましょう。
例えば、目標にひとこと「品質を落とすことなく」という文言を入れるだけで、社員に対する注意喚起になります。

目標例4.人事

人事の仕事は人材に関する事務なので、数値目標を立てにくいかもしれません。
新入社員の採用や研修、離職率などに関してであれば具体的な数値を上げることもできるので、これらを軸にして目標を立てると良いでしょう。



・現在社内に広報担当が不足しているので、第四四半期までにマーケティング職の人材を3名以上確保する

・社内のDX化を進めるためにDXに関する研修の受講率を100%にする必要があるため、今月中に研修を実施して50名以上の受講を達成する



上記のような数値を用いて目標を立てると、具体的な行動にも落とし込みやすいです。

目標例5.管理職

管理職は事務仕事よりもマネジメントが主な仕事なので、部下の成長やチームの貢献度によって成果が測られます。
そのため、自分個人の目標というより、チームや部下の成果に関する目標を立てると良いでしょう。



・「チームメンバーの目標を把握して適宜アドバイスし、チームの目標達成率90%以上を目指す

・第二四半期のチームの売上2000万円を達成する



管理職の場合はチームや部下がいかに成果をあげられるかが重要なので、会社の目標に近い形になることもあります。
そのため、経営者的な視点を意識することも大事です。

5.人材育成の目標を達成するためには?

人材育成の目標設定方法
人材育成の目標を立てたら、それをいかにして達成するのかが重要です。
そこで目標達成のコツとして、以下の3つを紹介します。


・目標管理シートを毎日確認する
・定期的に進捗を確認し分析・改善を行う
・部下と上司で良好な関係性を築く

目標管理シートを毎日確認する

人材育成の目標を立てたら、社員に目標管理シートを毎日確認させ、定期的に進捗を確認させるようにしましょう。
目標を立てたばかりのときはやる気に満ち溢れていても、日々の業務に追われているうちに結局忘れてしまうことはよくあることです。
そのため社員がゴールを忘れないように、目標内容を確認するタイミングを設けましょう。

定期的に進捗を確認し分析・改善を行う

人材育成の目標を確実に達成するには、目標の進捗状況はきちんと定期的に確認し、その都度達成度合いをみながら分析・改善していくことが大切です。
目標をきちんと日々の行動まで落とし込んでいたとしても、計画通り目標達成に近づいていくとは限りません。
進捗管理をしていくなかで計画の問題や欠点がみつかることは多いので、適宜改善が必要です。

部下と上司で良好な関係性を築く

人材育成の目標達成には、部下と上司が良好な関係性を築くことがとても重要になります。
両者の関係が悪いと、部下が上司に聞きたいことを相談できないですし、話し合いの場を設けても形だけになってしまい有意義な情報共有ができません。

普段から上司と部下の間で親密なコミュニケーションをとり、上司が部下にとって頼られる存在であることは人材育成の目標達成においてとても重要なことです。

5.まとめ

人材育成には適切な目標設定が不可欠です。
ただし、闇雲に目標を設定すると、実現性がない、社員のモチベーションを下げる、といったマイナス面に働きかねません。
人事や上司のほうで、目標設定がしやすい仕組みづくりと、上司や人事にアドバイスをもらいやすい環境を整え、会社にも社員にもメリットがある目標を設定しましょう。

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