こんにちは、組織開発ファシリテーターの嶋田至です。
前回は、ファシリテーションとは「場づくり」であることを伝えしました。
今回と次回は、「場づくり」について、もうすこしくわしくご説明しようと思います。
今回は、「心理的に安全な場づくり」について。
心理的に安全な場とは、「こんなことを言ったらバカにされないか」、「こんな発言をしたら怒られないか」といった不安が払拭されていて、率直に意見や思いなどを発言できる場のことです。
米国のグーグル社で高業績をあげるチームの特徴を調べたところ、どのチームも心理的な安全が確保されていたことから、最近この言葉が注目されるようになりました。
人は誰でも、他者と一緒になにかに取り組むとき、不安な気持ちが生じると言われています。
たとえば、「私はここにいていいのだろうか」、「メンバーとして認めてくれるだろうか」という不安です。
また、「どこまで本音を聞いてもらえるだろう」、「上司と異なる意見を言うと叱られないだろうか」、
「知らないといったらバカにされるのではないか」など、率直なコミュニケーションにブレーキをかける不安があります。
「なんのために集められたのか」、「ここで私は何を期待されているのか」といった、目的や目標に関する不安もあります。
不安な気持ちが強いと、黙ってしまったり、本音を隠してまわりの話題に合わせてみたり、あるいは自分を守るために誰かを攻撃したりすることもあります。
つまり、おたがいを尊重しようという雰囲気が失われて、コミュニケーションに障害がおきるのです。
ファシリテーションは、「関係の質」を高めることだとお伝えしました。
そのためには、おたがいを尊重することが求められます。
まず、まわりの人たちに、「あなたは私たちの大切な仲間なんだ」ということを、姿勢や行動で具体的に示すことが大切です。