ビジネスマナー研修の目的や内容とは?実施のメリットと効果的な研修を行うためのポイント

2022年11月9日|カテゴリー「人材育成コラム
ビジネスマナー研修の目的や内容とは?
ビジネスマナー研修と聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか。
もしかすると会社員の方は当たり前のことだからわざわざ研修をする必要はないのではないかと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、学生だった若者にとって完璧にこなすことは難しく、実際、ビジネスマナーに自信がないと感じている若者も増えてきています。
そこで今回は、企業がビジネスマナー研修を行うメリットや、効果的な研修方法を解説します。

ビジネスマナー研修とは?

ビジネスマナーとは社会人が働く上で、身だしなみや挨拶・言葉遣いといった基本的な、最低限身につけておかなければいけないマナーのことです。
しかし、実際に新入社員がいきなり社会に出て基本的なことでありながら完璧に行うのは難しいのが現状。
そこで近年、従業員に対するビジネスマナー研修に注目が集まっています。
内容を詳しくみていきましょう。

ビジネスにおける人間関係を円滑にするための研修

日々業務をこなす中で、挨拶や言葉遣い・身だしなみがその人の評価をつける上でかなり重要な役割を果たしているのは言うまでもないでしょう。
普段家族や友人といる分には自分自身のスタイルを出していくことは良いですが、仕事をする立場になった以上は、その業務内容に合った身だしなみや言葉遣いが出来て当然だと思われてしまいます。

そのため、そうした社会的な共通認識に合わせて、服装や挨拶の仕方、言葉遣い、基本的なメールのやりとりの仕方などを1つ1つ丁寧に確認をしていく研修を行う必要があります。
そしてなぜ、ビジネスマナーが必要なのかという根本的な部分まで再確認する機会とします。
こうした研修を行うことで、相手の立場に立って考え行動するようになっていくでしょう。
その結果、社内の上司や取引先の方とも円滑なコミュニケーションや関係を築けるようになるのです。

ビジネスマナーを知らないとどうなる?

ここでは、もしビジネスマナーを身につけないままビジネスのシーンに立った際、どのようなマイナス要素が生まれてしまうのかも解説していきます。
仕事の場面においてビジネスマナーは基本要素となっている以上、相手にとって不快感を抱かせてしまうと自分自身の評価や、会社への評価の低下につながります。

実際、ビジネスマナーを正しく身につけられているかどうかに、重きを置く方も多くいます。
間違った認識で応対をしてしまうことで、信頼を失ってしまうことにつながってしまうのです。ビジネスマナー研修を通して、フィードバックをしっかり受け、マナー違反を避けることが重要となります。

ビジネスマナー研修の実施目的

ビジネスマナー研修の目的や内容とは?
続いて、ビジネスマナー研修を行う目的を2つ解説します。
ここまでご紹介してきたビジネスマナー研修を、なぜ企業が行う必要があるのかがわかります。

従業員のビジネスマナー向上を図るため

従業員のビジネスマナーを向上させることがまず1番の目的になります。
学生だった若者には正しいビジネスマナーを知る機会がなかなかありません。
なぜビジネスマナーが働く上で重要なのか、またマナーの形だけを解説するだけではなく、実際にロールプレイングを行いながら互いに指摘をしあう事で自分の間違いに気づきやすくなります。
その結果自己流ではなく正しいマナーを正しく身につけることができ、従業員全体のビジネスマナー向上を図れます。

社内業務を円滑に行えるようにするため

ビジネスマナーを身につけることで、社内の人に対しても心地よい態度で接することができるようになります。
例えば上司と話す際に、学生気分で関わってしまうと社内でトラブルが起きてしまうでしょう。
また、人間関係がうまくいかなくなって社内の環境が劣悪になってしまうかもしれません。
しかし、研修を通じてビジネスシーンにふさわしい表情や姿勢、言葉遣い等に配慮ができるようになることで、社内でも評価の高い人材を育てることができます。

ビジネスマナー研修を実施するメリット

次に、ビジネスマナー研修を行うことで企業にとってどういったメリットがあるのかを4点ご紹介します。
近年はハラスメント防止の観点から、ビジネスマナーを上司にたたき込まれる機会はなくなりました。
だからこそ、研修を行うことで直接厳しい注意をしなくとも、社内環境を安定させることができるのです。

取引先の満足度向上

ビジネスマナーがしっかりできていることで取引先・顧客から高い信頼を得ることができます。
また、ビジネスマナーを身につけることで、相手の立場に立って物事を考え行動できるようになるでしょう。
そして、きちんとしたマナーで接することで、相手に特別感を与えることにもつながり、結果として取引先や顧客の満足度を向上させることができます。

トラブルの回避

2つ目はトラブル回避の観点でのメリットです。
ビジネスマナーがもし身についていなかった場合、トラブルを引き起こす可能性が高いといえます。
ビジネスマナーは「社会人になると身についていて当たり前」と認識をしている方も多いです。
もし仮に従業員が誠心誠意な態度で接することができなかった場合、取引先や顧客に不満を抱かせることになり、クレームに発展することもあります。
そしてクレーム対応についても、しっかりビジネスマナーを身につけず対応してしまうと二次被害を引き起こしてしまうでしょう。
そういった点からビジネスマナーを身につけることは、トラブルの回避の観点から非常に重要なのです。

会社イメージの向上

3つ目は会社イメージの向上です。
取引先や顧客は、自身に関わりのあった企業担当者を見て企業の評価に直結させることも多いといえます。
そういった点で、ビジネスマナーがしっかりと教育できていると、会社全体に良い印象を抱いてもらう効果を図れます。

しかし反対に、マナーが従業員に定着できていないと、会社全体が常識のない組織に見えてしまったり、口コミ等で悪い評価を書かれてしまうことにもつながりかねません。
そういった点から、従業員のマナーによって会社評価が大きく変わってしまうことが分かります。

業績の向上

4つ目は業績の向上です。
これまでにご紹介した取引先の満足度の向上や会社イメージの向上により信頼関係が構築され、「取引や契約をしたい」と思われる企業になっていきます。
その結果、業績の向上にもつなげられるでしょう。
実際に、トラブルが減ることで安定した案件依頼も図れます。
こうしたロジックで、ビジネスマナーを従業員が身につけることで、業績の向上までの波及効果を期待できるのです。

ビジネスマナー研修の内容とは?

ビジネスマナー研修の目的や内容とは?
実際にビジネスマナー研修ではどういった内容のことを行っているのか、具体的にご紹介していきます。
合わせて、研修で得ることができるマナーの重要性にまで触れるので、ぜひ研修の効果まで見越して読み進めてみてください。

身だしなみ

「身だしなみ」の研修では、社会人にふさわしい身だしなみについて学びます。
具体的には、服装・髪型・髪色・メイク・ネイルが挙げられます。
よく「身だしなみとおしゃれは違う」と言われます。
身だしなみを整える際には自分主体ではなく、相手が不快にならないことに重きを置く必要があります。
そして身だしなみは、職業によってふさわしいものや社内での規定が大きく異なります。
同じ接客業であってもアパレルの店員とキャビンアテンダントでは求められる身だしなみは変わります。
自分の業務内容を考え取引先・顧客がどう思われるかを意識する必要があるのです。

言葉遣い

言葉遣いは相手を思いやり、適切に表現をしていく必要があります。
敬語で接していたとしても、使い方を誤っていることは多々あります。
こういった研修を通じてよく使う用語をしっかりと身につけることが重要です。
また、型に当てはめれば良いわけではないのでTPOに合わせた好感がある言葉遣いが重要になります。

電話・訪問マナー

業務の中で1番マナーが重要である、直接取引先や顧客と直接やりとりをするシーンで使うマナーの研修です。
電話や訪問時のマナーについては、学生のうちはなかなか身につきません。
その一方で、電話の受け方やメールの返信はビジネスにおいて、今後の関係を築いていく上で重要かどうかを見られる非常に重要な部分になります。
そうした観点で、言葉遣いや訪問時の身だしなみの研修はかなり重要なのです。

効果的なビジネスマナー研修を行うためのポイント

ここまででご紹介したビジネスマナー研修を行うメリットを、より効果的に享受するための研修におけるポイントをご紹介します。
多くのビジネスマナー研修でありがちな落とし穴も合わせて解説しておりますので、研修を行う際の参考にしてみてください。

ターゲット別に研修を実施する

社会人にとってビジネスマナーは基本的な部分であるため、新入社員だけが行えば良いと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、リモートワークの普及によって実際に先輩社員が取引先・顧客とどのように電話で話をしているのか、またどのような文面でメールを送信しているのか見る機会は新入社員に限らず格段に減っています。
背中を見て学ぶ機会がないため、中堅社員であってもビジネスマナーに自信がないという人が増えています。

また、長年勤めていると慣れが生まれてきてしまい、身だしなみがルーズになってしまうことも多くあります。こうした背景から、年次や役職ごとに改めて研修を行うことで、新入社員時代とは違った気づきを得ることができます。

参加者同士で確認をし合ってもらう

ビジネスマナーを学び、自分なりに解釈をし理解をしていても、実際に現場で生かせるかどうかは別の問題です。
そこで、研修の参加者同士で互いにフィードバックをし合う機会を設けることは非常に重要となります。

例えば、研修の中で実際にありがちな言葉遣いの間違いをクイズ形式で出題し、正しい言い換えを参加者同士で模索する機会は有効だといえるでしょう。
そのような研修に参加した結果、自分の中のボキャブラリーを増やすことができたり、自分の普段の言葉のくせにも改めて気づくきっかけを作れたりします。
名刺交換やお辞儀の練習であれば、なかなか自分の所作を客観視するのは難しいですが、参加者がやっている姿を見て学ぶことが出来たり指摘し合うことで自分では気づかない小さなミスも直すことができます。

反復ロールプレイングを行う

名刺の渡し方やシーン別のお辞儀の角度や足の型などについて、口頭や資料で伝えることはどのビジネスマナー研修でも実施しているでしょう。
しかし、頭の中で理解をしていても実際のビジネスシーンで実践できなければ、マナーを学ぶ意味がなくなってしまいます。
内容を体に覚え込ませるためには、まずビジネスマナー研修で学んだ直後に実際にロールプレイングを行うことが重要です。
お互いに指摘をしあうことで自分の間違いにも気づくことができるでしょう。
そして、日々の朝礼や夕礼等を使って反復的に何度も練習を行い、自然とマナーを実践できるようになるまでにすることが大切です。

企業イメージのためにもビジネスマナーは大切にすべき

今回はビジネスマナー研修を行う目的や、効果的な研修を行うためのポイントをご紹介しました。
ビジネスマナーは社会人が身につけておくべき基本能力のひとつだといえます。
会社のイメージや信頼関係の構築のためにも、今回ご紹介したポイントを押さえ、カリキュラムを組むようにしましょう。

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