『ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント』 Author:増田 和芳

2020年10月27日|カテゴリー「『オンライン・リモートワーク』コラム
ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
新型コロナウイルスの感染の脅威は、これから気温が低くなるにつれて再び高まってくることが想定されます。
こうした脅威があるなかであっても、経済をまわしていかなければならないですね。

ニューノーマルと呼ばれる新たな社会の流れが出てきているなかで、営業の現場においても様々な変化に対応していく必要が出てきています。
コロナ禍において、各企業が未来を見据えて営業戦略を考えていくうえでは、大きな方針転換を迫られる場合もあるでしょう。
その方針転換によって、各営業部門においては、営業パーソンの業務の進め方にも影響が出始めてきております。
その一つが、商談スタイルの変化です。これまで当たり前であった対面での商談ができなくなり、オンラインによる商談をおこなう必要が出てきています。
コロナ禍においてオンライン商談を当然のように求めてくる顧客が出てくると、これまでは対面での商談をおこなっていたとしても、対応できなければ取引自体を失ってしまうリスクも出てきます。
もちろん、すべての商談がオンライン化するわけではありませんが、企業の方針によっては、商談のオンライン化が当然のようにおこなわれているのも事実です。

オンライン商談というのは、慣れるまではとても抵抗を感じると話す営業パーソンが多くいるのは事実です。
ただ、一度その抵抗を払しょくできると、オンライン商談であっても、対面での商談と同じようにスムーズに進められるものです。
インサイドセールスをスタンダードなものとして確立できている企業では、オンラインによる商談であっても十分に対応できています。

ニューノーマルの時代には欠かせなくなってきているオンラインによる商談。
前回のブログでは、主にオンライン商談の準備のポイントについてとりあげました。
今回は、実際にオンライン商談に臨むときに、特にオンラインだからこそおさえておくべき、コミュニケーションにかかわる5つのポイントについて整理します。

<前回の記事>

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
まず、最初に商談相手とオンラインでつながったときがとても重要です。

心理学者のアルバート・メラビアン氏が提唱した「メラビアンの法則」では、感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかについて紹介されております。
それによると、視覚による情報で55%影響を及ぼすといわれています。
他にも聴覚情報や言葉そのものも影響を及ぼすポイントとして挙げられていますが、視覚の情報が最も大きいのです。
つまり、視覚から入ってくる良い印象も悪い印象も同じように人の行動に影響を及ぼすことになります。

オンラインの商談でいえば、画面に映った瞬間に相手が感じる最初の印象がとても重要になってきます。
したがって、服装や身だしなみなど、ビジネスマナーでもよくいわれる注意すべきことは、対面商談でもオンライン商談でも同じです。
相手に対して不快な印象を抱かせないような服装や身だしなみを整えるようにしましょう。

特に注意する必要があるのは、画面に映らない部分の服装です。
以前、テレビのコマーシャルで、画面に映らない部分の服装が私服であるのをアピールする営業部長のことがとりあげられていました。
これと同じことを実際のオンライン商談の場面でやるのはNGです。
画面に映らない部分についても、商談にふさわしい服装で臨むようにしましょう。
座って商談をしていても、ふと立ち上がったときに相手に自分の私服の姿が映ってしまうと、それだけで商談内容が台無しになることも十分にありえます。
見えないからといって油断しないようにしましょう。

また、画面に映る表情にも気をつける必要があります。笑顔でにこやかな表情を保つことはいうまでもありません。
表情で相手に好印象を与えるのを心がけましょう。
自分のパソコン画面に表情が大きく映りますので、商談が始まる前に、カメラの位置や設定を確認するとともに、画面を見ながら自分の表情も確認しておきましょう。

このように、見た目で判断される部分、すなわち相手が受け取る印象については、ぬかりなくチェックしてからオンラインの商談に臨むようにしましょう。
オンライン商談を前進させるための最初の一歩だと思ってくださいね。

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
さて、実際にオンライン商談で相手と話をするときに気をつけることですが、声の大きさやスピードには気を配りましょう。
商談に限らず、オンラインでのやりとりにおいて最もストレスとなるのは、相手の声が聞こえないことです。
マイクできちんと自分の声を拾えているかどうかを確認し、自分の声が届くようにしましょう。

また、対面の商談のときよりも、大きめの声で話をすることをお薦めします。
機械を通して相手に声が伝わるため、対面の商談のときよりも声を大きくして話をしましょう。
特に語尾が小さくなって聞こえなくなってしまわないように、語尾まで気を抜くことなく大きめの声でお話しましょう。

また、オンライン商談では、話すスピードはいつもよりもゆっくりであるように心がけましょう。
機械を通した声となりますと、聴こえづらくなることもありますので、いつもより少しゆっくり話すようにしましょう。
特に大事なポイントは、ゆっくり話すとともに、大きめの声で話すとより相手に伝わります。
声の大きさやスピードについても、相手への配慮を忘れないようにしましょう。
オンライン商談への抵抗感をいかに払しょくするか?そのためにも、相手に配慮している証として、声の大きさやスピードをうまく活用してください。

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
次に、商談相手と話をするときに心がけるのは、はっきりと反応することです。
対面の商談では同じ場所にいるので、あまり強く意識しないポイントかもしれません。
しかし、オンライン商談の場合には、同じ場所に一緒にいないため明確な相手の反応が欲しくなります。そのためにも、営業パーソン自身がはっきりとした反応をすることを心がけましょう。

具体的には、まず、相手から何か質問されたときの反応です。
最近では、オンライン上で資料を共有して、それを一緒に見ながら話をする場面を多く見かけるようになりました。
そのときに、最初に資料を投影した人が、「資料は見えますか?」と尋ねますよね。
尋ねられた側は、手で丸印をつくって合図をする場面をよく見かけます。
このように、商談相手からの問いかけに対しては、身体を使って反応するようにしましょう。
相手が理解できるように反応をはっきりと示すのがポイントです。

そして、話を聴くときのうなずきも、オンライン商談ではとても有効な反応です。
うなずいている様子が画面の向こう側から見えると、相手に話が伝わっていると実感できるのではないでしょうか。
大きくうなずく、ゆっくりうなずく、繰り返しうなずくなど、うなずきを活用しましょう。
話を聴くのが上手な人というのは、よくうなずいて聴いています。
うなずきがあれば、話をする側も安心して話せますね。うなずきは、相手が反応している様子がはっきりわかる最強の技法ですね。

そして、あいづちも同じように効果的に用いるといいでしょう。
オンラインで一方的に話をするときには、相手の声が聞こえない時間が長くなる不安になりがちです。
声に出して「ええ」「はい」「そうですね」など、あいづちをうつことによって、相手の反応を確認できると話がしやすくなります。
オンラインの商談を円滑に進めていくためには欠かせないものですね。
うなずきとセットにしてあいづちをうつようにしましょう。
うなずきもあいづちも、傾聴の基本スキルとしてよく紹介されるものです。
対面商談と同じように話を聴いていることを明確に示すことで、相手が安心してオンライン商談に臨めるようにしましょう。

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
コミュニケーションの基本となることですが、商談相手と双方向でコミュニケーションをとるようにしましょう。
会社の紹介や商品、サービスの紹介が中心の商談となりますと、ついつい営業側が一方的に長く話しがちです。
オンライン商談の場合には、対面の商談と比べて長く時間をかけるのは望ましくありません。
一人でパソコンなどに向かって話をしているため集中力が落ちてくるのです。
ですので、一方的に長く話しすぎないようにしましょう。
目安としては、長くても3分に1回は相手に声を出してもらうような商談の進め方を考えてください。

たとえば、ある程度まで話をしたところで商談相手に質問をしましょう。
「ここまでのところでなにかお感じになったことはありますか?」「ここまでいかがでしょうか?」「なにか気になるところはありますか?」など、質問によって相手に話してもらう時間をつくりましょう。
とにかく相手に何か声を発してもらうようにして、商談の場が間延びしてつまらないものだと相手に思われないようにすることです。

よく一方的に話をし続けている営業パーソンを見かけますが、オンライン商談では、一方的に話をし続けると、対面商談のとき以上に聴いている相手は飽きてしまいます
そのため、相手はオンライン商談を、できるだけ避けるようになってしまうかもしれません。
相手と双方向でコミュニケーションをとる工夫を採り入れながら商談を進めるようにしましょう。

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
オンライン商談を進めるときには、発言を開始するときと終了するときの合図を決めておきましょう。これは1対1での商談でもそうですが、複数人が複数の場所からつないでオンライン商談をおこなう場合には特に気をつける必要があります。

たとえば、発言を開始する前には、名前を名乗ってから発言をすると決めておくのがお薦めです。
「増田ですが、よろしいでしょうか?」のように、まず名前を名乗ります。複数の企業が商談に参加している場合には、企業名を名乗るのも忘れないようにしましょう。
もし決めていないと、複数の人の声が一斉に聞こえてきて、誰が話しているのかわからなくなることもあります。

そして、発言を終了するときには、なにか合図となる言葉を発するといいでしょう。
たとえば、「『以上です』と言う」などのように決めておきましょう。
「以上です」と言われれば、聴いている側は、発言が終わる合図だと認識できるので、次の発言に向けて心の準備ができます。
突然終わってしまって、場全体が黙ってしまわないように気をつけましょう。
発言開始と終了の合図を決めておけば、オンライン商談でも言葉が混線することなく、スムーズに商談が進むでしょう。
合図を決めるというのは、あまり慣れないことかもしれませんが、オンライン商談の回数を重ねて慣れていくといいでしょう。

ここまで5つのポイントを紹介いたしました。
オンライン商談を重ねていくと、商談相手とコミュニケーションをとるときに注意しなければならないことが、他にも出てくるかもしれません。
オンラインの商談を始めた当初は、きちんと商談全体を振り返るようにして、どのようなことに注意すればいいか確認しあうといいでしょう。
振り返ってみて、できていた部分と改善する部分を洗い出して共有しておけば、今後のオンライン商談がやりやすくなるのではないでしょうか。
振り返りをおこなって次のオンライン商談に活かすことができれば、オンラインの商談に対しての抵抗感も徐々に払しょくできそうですね。
オンラインの商談にいち早くなれることで、コロナ禍で生き残っていくきっかけにしていきましょう。
もしオンライン商談に慣れなければ、事前に商談の練習をおこなって慣れていくようにしましょう。
事前に練習をしておけば、二ューノーマルのもとで更なる営業力向上のきっかけとなるかもしれませんね。

最後に、オンライン商談の準備でもコミュニケーションでも、慣れないうちはとにかく丁寧におこなうことを心がけましょう。
丁寧におこなうことが、商談相手を安心させることにもなりますし、相手からコロナ禍で大きな信頼を獲得できるチャンスにもなるのです。
丁寧なコミュニケーションをとれる営業パーソンが、まさに、ニューノーマルの社会で市場から信頼されるビジネスパーソンとして成長できると思って、オンライン商談に前向きに取り組んでいきましょう。

オンライン商談対応営業力強化研修

オンラインで営業商談を行う際に必要なスキルを身につけ、今後に活かせるようにするための研修はこちらです。

【研修の目的】
・オンラインで営業商談を行う際に必要な基本スキルを確認する。
・準備とコミュニケーションの観点から、自身のスキルアップが必要なポイントを確認し、今後のオンライン商談に活かせるようにする。

【対象となる方】
・オンライン商談に苦手意識をもっている営業担当者
・若手営業パーソン


【研修の目的】
・オンラインで営業商談を行う際に必要なスキル(伝わる・聴く・質問する)を確認する。
・オンライン商談実習を通して自身の特徴を確認し、更なるスキルアップにつなげる。また、他の受講者の取り組みを確認し、どのような点を自身の営業に活かすポイントをおさえ、スキルアップにつなげる。

【対象となる方】
オンライン商談に苦手意識をもっている営業担当者、若手営業パーソン、基礎力強化編受講者

この記事を書いたのは

増田 和芳講師
増田 和芳(ますだ かずよし)講師

<経歴>
三菱UFJニコス株式会社,株式会社日本マンパワー,ソフトブレーン・サービス株式会社
合同会社富士みらいクリエイション代表

<資格>
国家資格キャリアコンサルタント
(公財)21世紀職業財団認定ハラスメント防止コンサルタント
(一社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー
(一財)生涯学習開発財団ワークショップデザイナー

1976静岡県富士市生まれ。大学卒業後、大手信販会社で営業及び債権管理業務を経験。28歳の時に大手教育研修サービス会社へ転職し、約10年間法人営業職として勤務。キャリアデザイン研修やヒューマンアセスメント研修等の企画、営業に携わり、トップセールスとして表彰も受けた経験あり。33歳で営業課長に昇格。通算部下6名の育成に携わる。営業現場の業務改善や営業人材育成に取り組み、営業マニュアル作成や全社教育体系作成プロジェクトでは中心的な存在を担った。また、全社員対象ハラスメント防止研修等の社内研修講師としても活躍。一時は自律神経失調症で苦しむ経験をしたが克服し、2015年3月に営業コンサルティング会社へ転職。ソリューション営業スキル向上、マネジメント、組織内コミュニケーション向上等をテーマに、コンサルタントとして活動し約420回研修講師として登壇。オンライン型及び対面型どちらでもワーク主体の研修を中心に実施し、それぞれの特徴を活かして学びや気づきを促進する研修手法は、受講者から「わかりやすい内容で、現場ですぐに使えることが多い」と評判。

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