vol.4 : 結局コールセンターとAIの現在地はどこか? 〈AIシリーズ その3〉

2017年3月22日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは。
JBMコンサルタントの「さつき先生」です。

コールセンターとAIのブログも今回3回目という事で、一旦、コールセンターとAIの現在地については今回でまとめたいと思います。
■ AIにはデータの共通化が必要であり、単に生データを膨大に読み込ませても機能しない
■ AIは自動的に勝手に賢くなるシステムでは無い
■ 膨大な投資と人間による学習調整時間が必要なのが現状

と説明してきましたが、実際に数年の機会学習と試行錯誤を通して、いくつかのコールセンターで実際にAIをコールセンター現場で活用している事例がでてきています。
結局コールセンターとAIの現在地はどこか?

大手都市銀行のコールセンターオペレータの画面にはいつかの画面が分割がされ、その中のウインドウにはお客様との会話から主要なキーワードを音声認識で読み取り、それに関連するFAQが瞬時に表示されてそれを参照できたりします。

また、質問された支店の場所なども自ら検索する事なく、自動的に場所の案内が表示されたり、お客様の質問に対するフロー説明やFAQも検索する事なくAIが学習したデータの中から必要な情報を表示してくれます。
ちなみに、このAI導入によって、1件あたりの処理時間(AHT)が全体平均で約1分短縮されたそうです。

ただ、違う角度から考えると、全体の処理時間の平均を1分短縮するのに、数億円単位のAIシステムとメンテナンスのための人的リソースを投資していると思うと、仮にその1分の処理時間分を人件費の投資で補った場合、数億円までの投資は必要ないかもしれません。

そういう意味では、やはりまだコールセンターにおいてのAI導入については一部の大企業に限られるというのが現状ではないでしょうか。

また、VOCの分析という分野では昨年ヤフーさんがこんな発表を行っています。
米国IBMの人工知能「Watson」を導入するにあたり、あいまいなニュアンスを含む自然言語の内容を理解するIBM Watsonの機能「自然言語分類:NLC」を活用する事で、これまで人が約800時間を費やしていた1か月分の集計・分析を、20~30時間ほどまで短縮できる見込みとの事です。
このような大量データの集計・分析という分野では、今後もAIが活躍する場面が出てくると思います。

昨年からのコールセンターにおけるAIブームは第三次AIブームと言われていますが、今回は過去のブームとは違い、コールセンターのポジションの向上・企業の取り組み姿勢・IT環境の変革など、一過性のブームでは終わらないという見方が多いようです。

これからの1年・1年は我々があっと驚くようなコールセンター現場からの実例報告があると思います。
ただし、AIが人間にとって代わるという近未来映画のような世界はまだまだ先の未来であり、コールセンターにとって人の英知と高度な運用能力が重要な時代はまだまだ変わらないと思います。
 
 
結局コールセンターとAIの現在地はどこか?