vol.12 :経営陣とセンター管理者の間にある誤解・・・〈経営に認められるコールセンター その3〉

2017年6月7日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは!
「さつき先生」です。

前回「経営の建前と本音」について書きましたが、そういう事象が発生してしまう要因の一つに、「経営陣とセンター管理者との間に誤解がある」というキーワードを書きました。
今回は、その「誤解とは何?」について書きたいと思います。
経営陣とセンター管理者の間にある誤解

まず、大前提としてテレマーケティング専門の会社でなければ、経営陣の方が、コールセンターの専門用語である、「応答率」「稼働率」「CPC」などの定義や意味をまず知りません。

そのため、繋がりやすさの指標である応答率」についても、「電話をかけたら一発で繋がるのは当たり前」と考える経営者から、「適当につながったら問題無い」と考える経営者まで様々です。
当然ですが、繋がりやすさを追求すれば人件費コストはかかりますし、適当につながるだけで良ければ人件費コストも低く抑えられます。

こういうバラツキを無くすために、コールセンターでは、20秒以内に80%のコールに対応するというサービスレベルを設定したり、基準内応答率90%を設定したりして、コール予測を行い呼量とサービスレベル管理をしています。


経営陣とセンター管理者の間にある誤解
同じように、「稼働率」に関しても、より稼働率を高めた方が効率的と考えますので、稼働率もより100%に近い方が良いと経営者は考えるかもしれません。
しかし、営業職でも内勤の事務職でも、朝来てから終業時間までの間100%の時間を真の業務に使っている社員はまずいません。

こっそりインターネットを見たり、隣の社員と昨日のテレビの会話をしたり、タバコを吸っている時間もありますが、勤務時間の中でこれらの無駄な時間が1分も無い社員はいないのです。
たまたま、コールセンターでは、出勤後に電話機にログインして全ての時間が計測されてしまうので、稼働率や離席率などの指標がでてきます。

コールセンターで働くオペレーターの時間はガラス張りなのです。
また、人間は機械では無いので、一定の休息や、社内メールやその日の確認事項などにも目を通さなくてはいけないので、お客様との会話と後処理時間で稼働率を100%に近づけることは不可能です。


一般的には50席を超えるコールセンターでは稼働率を80%~85%の間で運用する事を目標にしていますので、これらの事をしっかりと経営陣の方々に説明する必要があります。


最後にCPC(コスト パー コール):電話1本あたりの処理単価ですが、これは経営陣にとって最も重要なKPIであるにもかかわらず、CPCのKPIを計測していないセンターが非常に多く見受けられます。
経営陣とセンター管理者の間にある誤解

とかく「コストセンター」と揶揄されるコールセンターですが、このKPIの経営指標をきちんと管理、説明するだけでも説得力が得られます。

ただし、CPCのKPI指標を一度経営陣に見せてしまうと、その後はこの指標しか目が行かなくなり月々のCPCの10円単位の上下に一喜一憂してしまうので、その意義や状況に応じたきちんとした説明ができない場合は、安易にCPCを経営陣に見せるのはお勧めしません

私の研修を受けた方が、会社に戻ってCPCを計算して経営陣に見せたところ、前月より10円上昇しただけで大変な状況になってしまったという話を聞きました。
皆さんは、どんな状況になったのか想像つきますよね!
くれぐれも、CPCの取り扱いは要注意ですので、その点お忘れ無く!
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