「熱き思いを伝えて歩くパッション伝道師」こと藤木健と申します。
2005年頃、コールセンター業界で、有志たちが集まってできた研究会がありました。
その名も「きくスキル研究会」
それまで以前は、話すスキル、わかりやすく伝えるスキルが着目されていました。
しかし、話すスキルをいくら磨いても、一問一答式になってしまい、お客様の要望を引き出せないまま終わってしまうことに、悩まされている人は多かった。
「これからは、話すスキルよりきくスキルのほうが重要である」との思いで発足したという経緯がありました。
私は、2006年頃から参加をし、解散となる2015年まで、コールセンターに必要なきくスキルについての研究を行ってきました。
研究会では、まず、コールセンターに必要な「きくスキル」は、8つの要素から成り立つと定義をしました。
その要素は、あいづち力、復唱力、語彙(ごい)力、要約力、沈黙力、質問力、音声表現力、心情察知力で構成されています。
それぞれの定義を見ていきましょう。
1.あいづち力
話を聞いていることのサインを、タイミングよく声で表現することにより、話を受け止め促進する力
2.復唱力
相手の言葉を反復することにより、お客様の用件をズレなく理解し、共有する力
3.語彙(ごい)力
豊富な言葉のバリエーションを持ち、相手のレベル、知識や状況に相応しい言葉を選ぶ力
4.要約力
相手の話の要点を端的にかつ的確にまとめる力
5.沈黙力
自分が話し出さずに、沈黙することによって、「間」をコントロールする力
6.質問力
相手の曖昧なニーズや潜在的な意識を、さまざまな問いかけによって明確化する力
7.音声表現力
発した言葉通りの心配りや感情を、誤解されることなく相手に伝える力
8.心情察知力
お客様の言葉の奥に含まれる、言葉にならない感情を聞き分ける力
8つの要素は、基盤となる主要素と、支える副要素に分けられます。
主要素は、「心情察知力」「音声表現力」「質問力」
副要素は、「あいづち力」「復唱力」「語彙力」「要約力」「沈黙力」です。
各要素の関りを、イメージにすると図のようになります。
心情察知力が樹木の幹にあたる部分になっています。
まずはお客様の考えや思いを、察知していかないことには、応対が始められないからです。