vol.15【できるSVを育てる 第1回:コンタクトセンターの人材育成のポイント】 By浮島由美子

2018年8月1日|カテゴリー「リレーブログ ,リレーブログアーカイブ
こんにちは。
Y’sラーニング株式会社の浮島です。
今回から4回にわたり、「できるSVを育てる」をテーマにお伝えいたします。
SVを育成される方のみならずSV自身のスキルアップの一助にもなればいいなと思ってご案内しますので、よろしくお願いいたします。

コンタクトセンター組織は小さな企業
コンタクトセンターでの人材育成には特徴があります。
それは、「本来人事や総務が行う企業内教育を組織内で行っている」ことです。

ちょっとだけ概念的なお話を読んでください。
そもそも「企業内教育」という概念は戦後、日本にやってきました。
当初は終身雇用を前提に企業固有の職業能力の習得を中心に展開されました。画一的な教育だったようです。
しかし、働く側の価値観・仕事観の多様化や企業が求める人材像の変化、さらに雇用の流動化に伴って企業内教育は大きく変化しました。
最近も、教育に対する考え方、手法、プロセスにさまざまな変革が起こっています。

企業の教育担当者は、「いかにして教育を効率化しようか」、「階層別研修を自律選択型研修に転換しなくては」、「アビリティ型教育をコンピテンシー教育に移行させるにはどうすればよいか」..などと常に考えているわけです。
企業内教育に携わる者なら、これは常識。
でも、コンタクトセンターの中では、このようなことは検討されていますか?
「何それ?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

私たちのコンタクトセンターという組織は、まるで小さな企業のようです。
採用から人材育成、目標管理や評価管理、環境整備など本来のライン業務(現場運営)以外のスタッフ系の業務を組織内の人材が実施していることが多いのはコンタクトセンター組織の特徴ともいえます。
だからこそ、担当者にはこのような視点も必要とされるわけです。
教育についての多くのことを、まるで管理部門のように私たちは学ばなければならないのです。

01:図1〈人材育成の要素〉


コンタクトセンター組織の特徴
多くのコンタクトセンターには、人材育成を阻むいくつかの背景があります。
・非正規社員率が高く人材の流動性が高いためなかなか教育が体系化できない
・教育項目が専門特化しているため、組織内の自分たちですべての教育を行う必要がある
・組織内の役割体制に独自性が高く、会社の身分制度が適用できない=評価できない
など、「そうそう」と思われた方も多いのではないでしょうか。

求められる体系的な人材育成
皆さんのセンターはこのような取り組みをされていますか?
・流動性の高い組織だが、目標管理は制度として「全員に」整備している
非正規社員が多いと、目標管理は二極分化しがちです。また、「目標(つまり、ミッションやゴール)はあるが「評価」はない。」などということもよく耳にします。
・教育は体系化され、新人のスタートアップ教育に終始するようなことはない
運用、運営の忙しさに押され、組織のミッションや人事制度と連携しない「場当たり的」な教育に終始してはいませんか。
・最新の教育手法を研究し、効果的効率的な教育プログラムが稼働している
 アクティブラーニングの効果やe-ラーニングの再注目など、IT技術の進化にともない教育の手法、プロセスは日々進化しています。効果を常に追求していますか。
・OJTは公平かつ効果的に実施されている
現場教育はOJTが中心です。OJTの効果的な実施には、マニュアル作成やトレーナー育成が重要です。しかし、それ以上に重要なのは組織の方針です。職務に必要な知識や技能習得だけに力点を置かずに、受講者の潜在能力を最大限に引き出し、人間としての可能性をサポートする能力開発の考え方が組織にあるかどうかということです。

「人」はコンタクトセンターの重要な資源です。「人」という資源の能力を最大限に発揮させる教育体系は全体感と中期計画をもってシステマチックに体系化する時代です。
「人」が資源のコンタクトセンターの組織運営では、「教育」「人材育成」「人材活用」はとても大きな比重を占めています。
シリーズでは次回以降、「SVの人材育成」のいくつかの要素をとりあげご案内します。
お役にたてていただければ幸いです。

第一回:コンタクトセンターの人材育成のポイント
※今後の予定
第二回:SVに必要な知識とスキル
第三回 要員管理の3つのMを考える
第四回 SVの働き方改革


01:プロフィール

浮島 由美子 講師


研修講師、教育コンサルタント

2005年5月Y’sラーニング株式会社設立

コミュニケーションおよびマネジメント研修を中心に活動中。


埼玉県立浦和第一女子高校、私立学習院女子短期大学卒。

業務アプリケーションサポート業務、ネットワークOSのサポート業務を経てコールセンター、ヘルプデスクの構築、運営に携わる。

2000年より、品質管理および人材育成を担当。品質管理、採用、要員教育、教育コース開発、顧客満足度調査の結果分析を行う。スキルの標準化、可視化に取り組む。

 

・著書:「自分の考えがうまく伝わる要約の技術」(KADOKAWA)

・CSAJ(コンピュータソフトウェア協会)人材委員会所属

・東京農工大学 國學院大學 プレゼンテーション講師

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