研修効果を従業員に定着させるには?定着しない原因と主催者側の注意点を解説

2024年8月5日|カテゴリー「人材育成コラム
研修効果を従業員に定着させるには?定着しない原因と主催者側の注意点を解説
従業員のスキルアップの一環として、研修プログラムを導入している企業は少なくありません。しかし、想定した効果が得られていない、そもそもどのくらい成果が出ているのかわかりづらいと悩む人事の主催者もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、研修効果を従業員に定着させる方法を注意点や効果測定ツールとともにご紹介します。

研修本来の目的とは

研修効果を従業員に定着させるには?定着しない原因と主催者側の注意点を解説
研修とは、本来人材に対しての投資として大きな価値を見出せるからこそ、少なくないコストと時間をかけて行うものです。しかし、肝心な研修を受ける従業員が受講する意義を十分に理解していなければ、その効果は半減してしまいます。

少子高齢化や雇用形態の変化など、企業の在り方は変化しています。企業は、内・外部の変化に対応し、従来の経験にこだわらず変化する今の時代に適した人材を育成していくことが求められているのです。

企業に必要な人材は何か、をテーマに研修カリキュラムを構築し、企業と人材をより良い方向に変化させていくのが研修本来の目的といえます。

研修の効果が定着しない原因

まず、研修の効果が定着しない原因について解説していきます。ポイントとなるのは、以下の3点です。それぞれ見ていきましょう。

・研修内容が伝わっていない
・研修内容を実践する機会がない
・実践しても評価されない

研修内容が伝わっていない

受講者が研修を実施する目的を把握しておらず、内容が伝わっていなければ効果の定着は難しいです。

日々の業務時間を削ってまでなぜ受講する意味があるのか、研修を受けること自体に納得と理解がなければ従業員は前向きに参加してくれません。

何も目的がわからず、ただ受けろと言われたから受けた、という空気感が従業員の中にあれば、効果の定着どころか研修に対するイメージも悪くなってしまう可能性があります。

研修内容を実践する機会がない

研修に目的意識を持って前向きに参加してくれても、従業員に実践する場が与えられなければ定着も困難になります。

実践機会を設けるには、上司や現場の理解が必要不可欠です。組織の経営層から研修者の現場へ研修の理解を促し、実践の機会を与えるように理解してもらいます。

研修効果の定着は、研修企画者と参加者だけの問題ではありません。組織全体として研修にどうやって取り組んでいくのかを考え、研修者の管理者に対しても研修内容と意義を伝えることが重要です。

実践しても評価されない

研修の効果を発揮したら評価する組織の土台作りも重要です。環境として、研修で得た知識やスキルを実践して挑戦できる組織作りができれば、その行動が評価される風土に変化していきます。

評価する風土がなければ、研修受講者の効果への意欲が削がれてしまいかねません。実践した結果の出来に関わらず、挑戦しやすい環境と評価制度を整えることが、研修効果の定着を促すのです。

研修の効果を定着させるために必要な3つのこと

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では、研修の効果を定着させるためには何をしなければならないのでしょうか。

ここからは研修効果を定着させるために必要なことを3つご紹介します。

研修意図への理解を促進する

まずは、研修を実施する意図を組織全体に理解してもらう必要があります。

ただ、理解してもらうのは参加者だけに限りません。参加者の上司や現場などの周囲の環境を含む人たちに、しっかり研修情報を伝達することが大切です。

研修への理解が深まれば、受講者の前向きな参加につながり、その後実践できる環境があればスムーズな定着が期待できます。

研修内容の実践の場を用意する

研修は、受講して終わりではありません。研修後に習得した知識やスキルを実践する場があってこそ効果が定着するのです。

研修プログラムを一過性のイベントとして捉えるのではなく、実践するところまでをひとくくりに構築することをおすすめします。「PDCAサイクル」を回しながら参加者自らが考え、行動していくことが大切です。

実践の振り返りを行う

研修を実施したあとは、参加者それぞれで振り返りを行います。

実践した結果はもちろんですが、周囲の上司にアドバイスをもらったり、研修の中で見つけた自分の課題に取り組んだりと、研修を機に新しい挑戦をすることがベストです。

研修の流れで主催者が注意すべきポイント

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それでは実際に研修を実施する中で、主催者が注意すべきポイントを「研修前」「研修中」「研修後」に分けて解説します。

研修前

研修前は、参加者の「分析」と「動機づけ」に重点をおいて準備を進めていく必要があります。

研修を実施する目的は何か、どんな人を参加者に位置づけるのか、ゴールはどこか、などを分析します。参加者それぞれのニーズを把握し、主催者として研修の目的をはじめとした根幹となる部分を設定していきます。

研修の分析ができたら、今度は参加者の動機づけのための準備です。今回ターゲットにしている参加者の悩みは何か、研修の効果を高めるためには何が必要かなど、学ぶ意欲を高めるための動機を考えます。

研修中

研修中に注意すべきなのは、「日常業務と近いシーンを研修で実施すること」と「失敗から学んでもらうこと」です。

研修中の説明中や実践形式での練習の際に、日常業務とあまり関連性の感じられないシーンでは、活用するイメージが沸きにくくなります。学習したことがどんな場面で活用できるのかをイメージできるように、研修では職務と同じ状況を再現することが大切です。

また、研修の場でいかに失敗して学んでもらうかも主催者として重視したいポイントです。

研修後

研修後に必要なことは「振り返り」と「参加者の周囲を巻き込むこと」です。

研修直後は、記憶が新しく勉強になった感覚があるかもしれませんが、時間が経てば学んだことは少しづつ薄れていきます。日常業務に戻り、研修で学んだことをどうやって実践して役立てていくかを参加者に考えてもらう必要があります。

しかし、参加者の中には新しい挑戦に対するハードルが少し高く感じてしまう人もいるかもしれません。参加者の周囲の人たちへ事前に研修に対する理解を促しておき、参加者だけでなく環境として学んだことを実践できるようにサポートすることが大切です。

研修効果を測定するツール

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研修後には、実施した効果がどの程度あったのかを測定します。

研修効果測定ツールは、研修で学んだ内容をどの程度理解しているのかを図る際に用いられる手法です。

理解度を図る理解度テストや参加者むけアンケート、ROI分析など種類は多岐に渡り、効果測定を実施することで研修がどのくらい有効であったのかを知ることができます。

研修効果測定ツールの種類

ここからは研修効果測定ツールの種類について解説します。

・定量評価型
「定量評価型」のツールは、研修に参加した人の知識やスキルを数値で表し、定量的に評価する手法です。研修後に実施するテストの点数やスキルチェックなど、評価指標を数値化することで客観性が高く、わかりやすいというメリットがあります。ただ一方で、数値には現れにくい参加者の研修に対するモチベーションをはじめとした内面の部分は評価がしづらいといった特徴も押さえておきましょう。

・定性評価型
「定性評価型」ツールは、研修後に実施したアンケートやインタビューといった意見をもとに効果を評価する手法です。定量評価型ツールとは反対に、動機やモチベーションといった数値化できない部分ができる一方で、評価者の主観に左右されやすい側面があります。一般的に定性評価型と定量評価型は、セットで用いられるケースが多いです。

・オンライン/オフライン対応型
「オンライン/オフライン対応型」ツールは、研修形態がオンライン・オフライン問わず対応できるツールのことを指します。オンラインでのアンケートや面談などが該当しますが、いずれも実施するためには環境整備を行う必要があります。また、研修の中にはオンラインでは開催できないものもありますから、使用できる状況に限りがあるのがデメリットです。

効果測定ツールの選び方

効果測定ツールを選択する上で最も重視したい基準は「目標達成に必要なデータを収集できるか」という点です。自社の課題と研修の目的とを重ね合わせて合致したツールを使用しなければ、効果は半減してしまいます。

また、ツールのコストパフォーマンスも重要な要素です。ツール導入によって発生するコストと見合う効果や価値を得られるかどうかは十分に考慮しておきましょう。値段は安くても結果が小さければ本来の研修目的の達成には遠ざかってしまいます。導入後の運用コストも含めて、総合的に判断して自社に合うツールを選びましょう。

効果測定ツールの活用法

基本的に効果測定ツールは、目的に合わせてどの情報を集めるかを決めます。ツールを使用することで集まる情報は一つではありません。だからこそ、どのデータに着目して分析するかをあらかじめ決めておく必要があります。

情報の分析は、課題の解決策、改善策をねる上でどのように活用していくかが重要です。短期的な視点ではなく、長期的な視点で集まったデータを見ながら、突発的な問題にも対処していかねばなりません。

もしデータ分析に不安がある場合は、外部企業の専門家に委託することも検討しましょう。

研修の効果を定着させて成果をあげよう

研修効果を従業員に定着させるには?定着しない原因と主催者側の注意点を解説
本記事では、研修効果を従業員に定着させる方法を注意点や効果測定ツールとともにご紹介しました。

研修の効果を定着させるためには、目的意識の共有や研修後のフォローアップが必要不可欠です。今回ご紹介した効果定着の方法が、研修実施の一助となれば幸いです。

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