新入社員のモチベーション低下の理由とは?やる気アップに向けた具体策を解説

2023年11月28日|カテゴリー「人材育成コラム
新入社員のモチベーション低下の理由とは?
新入社員を教育していると、新入社員のモチベーションが低下していると感じるケースがあります。モチベーションが低下する理由には、仕事内容や人間関係など、さまざまな理由があります。

ただし、モチベーションを上げる方法は共通しており、具体策や心構えを理解することが大切です。本記事では、新入社員のモチベーションが下がる理由や、モチベーションアップに向けた具体策や心構えとともに、NG行動やフォローアップ研修について解説します。

新入社員のモチベーションが下がる理由とは?

新入社員のモチベーション低下の理由とは?
新入社員のモチベーションが下がる理由として、以下の7つが挙げられます。

●仕事が自分に合わない
●人間関係がうまくいかない
●労働条件の悪さ
●やりがいが得られない
●仕事量が多くキャパオーバー
●仕事のミスや目標未達成による自信喪失
●同期と差がつくことへの焦り

ここでは、それぞれの理由について解説します。

仕事が自分に合わない

新入社員のモチベーションが下がる理由として、仕事が自分に合わないことが挙げられます。はじめに新人に任せる仕事は、基本となる簡単な業務からのケースが多いでしょう。

しかし、基本業務は単純作業であるケースも多く、慣れてくると、飽きてきたり作業に対する意味を感じられなくなったりする人もいます。その結果、今担当している仕事が自分に合わないと感じてしまうのです。

また、希望しない部署に配属された場合も、入社した意味を見出せず、モチベーションが下がるケースがあります。

人間関係がうまくいかない

人間関係がうまくいかないことも、新入社員のモチベーションが下がる理由に挙げられます。ひとりでは仕事ができない新入社員が仕事を進めるには、上司や先輩のサポートが必要です。

しかし、上司や先輩との人間関係がうまくいっていない場合、心理的ハードルを感じ、報連相をしにくいと思うことがあります。その結果、作業方法がわからないまま仕事を進め、ミスにつながることもあるでしょう。

そうなると、さらに精神的な負担を感じ、モチベーションが下がってしまうのです。

労働条件の悪さ

労働条件の悪さも、新入社員のモチベーションが下がる理由に挙げられます。多くの人は入社前に労働条件を把握しているはずです。残業が少ないことを入社条件のひとつにしている人もいるでしょう。

しかし、実際に入社してみると、入社前に把握していた条件より勤務時間が長かったり、休みが少なかったりといったケースがあります。残業や休日出勤が続くことにより、入社前に思い描いていた生活ができず、モチベーションが下がってしまいます。

やりがいが得られない

やりがいが得られないことも、新入社員のモチベーションが下がる理由のひとつです。新入社員に限らず、成果が出たり成長を感じられたりすれば、仕事に対してやりがいを感じるでしょう。

しかし、新入社員の段階で成果を出すことは簡単ではありません。成果が出ないことから自信を失ってしまい、モチベーションが下がってしまうのです。

仕事量が多くキャパオーバー

新入社員のモチベーションが下がる理由には、キャパオーバーと感じてしまうことも挙げられます。新入社員は、はじめは仕事量が少ないものの、仕事に慣れてくると任せられる仕事量が増えてきます。周囲から頼られれば、はじめは嬉しく感じるでしょう。

しかし、経験の浅い新入社員の中には、仕事量に対する時間配分ができない人もいます。仕事を引き受けたものの、キャパオーバーとなり、期限までに仕事を終わらせるのが難しい状況に陥ることもあるでしょう。

期限を守れなかったことにより自信をなくしたり、設定された期日に対する不満を持ったりした結果、モチベーションが下がってしまうのです。

仕事のミスや目標未達成による自信喪失

仕事のミスや目標未達成による自信喪失も、新入社員のモチベーションが下がる理由に挙げられます。新入社員は経験が浅いため、ミスや目標未達成は珍しくありません。都度その原因を振り返り、改善することにより成長していくのです。

しかし、完璧主義で真面目な人の場合、ミスや目標未達成を必要以上にネガティブに受け止め、自信を喪失してしまうことがあります。

同期で自分よりも成果を出している人がいた場合、焦りを感じる人もいるでしょう。自信喪失や焦りといった感情により、モチベーション低下に至るケースもあります。

同期と差がつくことへの焦り

同期と差がつくことへの焦りも、モチベーションが下がる理由のひとつです。仕事に慣れ、成果や評価が出るようになると、自分と同期を比べてしまいます。成果を気にすること自体は健全なものです。

上司からすれば、長期的な視点で育成に取り組んでいるため、現時点での成果や評価を気にする必要はないと考えているのが一般的です。しかし、自分よりも同期のほうが評価が高い場合、その差が広がっていくことに危機感を持ち、焦りを感じる人がいます。

特に評価が低くない場合でも、同期との比較から焦りを感じる人もいます。その結果「自分を評価してもらえない」「頑張りをわかってもらえない」とネガティブな感情を持ち、モチベーション低下につながっていくのです。

新入社員のモチベーションアップに向けた具体策

新入社員のモチベーション低下の理由とは?
新入社員のモチベーションアップに向けた具体策として、以下の3つが挙げられます。

●悩みに寄り添い信頼関係を構築する
●新入社員の成長を承認する
●教育係の育成力を伸ばす

ここでは、それぞれの対策について解説します。

悩みに寄り添い信頼関係を構築する

新入社員のモチベーションアップに向けた具体策として挙げられるのは、信頼関係を構築することです。新入社員の世代は、先輩社員世代とは異なる価値観を持っています。彼らは、デジタルネイティブで、物心ついたときからインターネットやスマートフォンが身近にある生活を送ってきました。

コミュニケーションひとつとっても、対面よりもSNSのようなバーチャルでのコミュニケーションをとることが当たり前です。先輩社員世代とは異なる価値観を持っていることをふまえたうえで、個々の不安や悩みに耳を傾けながら信頼関係を構築することが大切です。

また、風通しの良い職場環境を整えることも欠かせません。忙しそうで話しかける隙がないような職場や、悩みに対して否定的な態度をとられる職場では、不安や悩みを相談する気にはならないはずです。

新入社員が、不安や悩みを相談しやすい環境にするためにも、風通しの良い雰囲気づくりを心がけることが大切です。

新入社員の成長を承認する

新入社員のモチベーションアップに向けた具体策として、新入社員の成長を承認することも挙げられます。承認される機会がない場合、新入社員は今自分がやっていることが「合っているのか」「正しい方向なのか」がわからず、不安な気持ちを抱えたまま仕事をすることになります。

承認とは、甘やかすことではありません。承認とは、目標に対し「どれだけ近づけたのか」「どれだけ成長したのか」を認めることです。「これまでできなかったことができた」「作業時間が短縮された」といった些細なことでも構いません。

できるようになったことや成果を承認し、本人に成長を実感してもらうことにより、モチベーションアップにつながります。

教育係の育成力を伸ばす

教育係の育成力を伸ばすことも、新入社員のモチベーションアップにつながります。教育係の育成力とは、新入社員に仕事を任せる覚悟ともいえます。成長するためには実戦経験が欠かせません。

新入社員に仕事を任せることには、失敗するリスクがあります。しかし、期待の言葉とともに仕事を任せることにより、新入社員は「自分が期待されている」と感じ、前向きに取り組めます。教育係の育成力は、新入社員の成長に直結することを理解しましょう。

新入社員のモチベーション維持に必要な先輩の心構え

新入社員のモチベーション低下の理由とは?
新入社員のモチベーション維持に必要な先輩の心構えとして、以下の3つが挙げられます。

●新入社員世代の価値観を理解する
●相手の答えを引き出す声掛けを心がける
●社会人の模範となる態度を意識する

ここでは、それぞれの心構えについて解説します。

新入社員世代の価値観を理解する

新入社員のモチベーション維持に必要な先輩の心構えとして、新入社員世代の価値観を理解することが挙げられます。前述したように、新入社員世代の価値観は先輩社員世代とは異なります。そのため、教育係は自分の新人時代の体験や考え方を新入社員に当てはめても、思うような育成ができません。

新入社員世代の傾向として、自分のスキルアップやキャリアアップを重視する、ライフワークバランスを重視しプライベートも充実させたいといったことが挙げられます。新入社員世代の価値観を理解したうえで、接することが大切です。

相手の答えを引き出す声掛けを心がける

相手の答えを引き出す声掛けを心がけることも大切です。新入社員と教育係の関係では、コミュニケーションが教育係からの一方通行になりがちです。

しかし、新入社員の成長のためには、新入社員自らが思考しなくてはなりません。そのためには新入社員の意見や考えを引き出すことが大切です。「〇〇さんはどう思いますか?」「どうすれば良いものになりますか?」といった質問を挟みながらコミュニケーションをとることにより、新入社員の思考力が身につきます。

社会人の模範となる態度を意識する

新入社員のモチベーション維持には、社会人の模範となる態度を意識することも大切です。新入社員は、日頃から上司や先輩の行動や発言を見ています。特に、新卒の新入社員であれば、社会人としての振る舞いを上司や先輩から学ぼうとするでしょう。

社内ルールの順守やビジネスマナー、言葉遣いなど、新入社員にとって社会人の模範となる態度をとることにより、新入社員にポジティブな刺激を与えられます。「常に見られている」ことを意識することが大切です。

モチベーションが低い新入社員に向けたNG行動

新入社員のモチベーション低下の理由とは?
新入社員への教育の際、モチベーションが低い社員を教育することがあります。しかし、その際に、以下のような行動をとってはいけません。

●やる気が感じられないと指摘する
●高圧的な態度をとる
●自分の経験を押し付ける

ここでは、それぞれの行動について解説します。

やる気が感じられないと指摘する

モチベーションが低い新入社員に向けたNG行動として挙げられるのは、やる気が感じられないと指摘することです。やる気がないように見えるのは、何らかの原因による反応です。原因ではなく、反応を指摘したところで、改善される見込みは薄いでしょう。

また、やる気の表現方法は人によって異なります。人によっては、やる気があるのにもかかわらず、やる気がないように見られることに悩んでいる可能性もあります。やる気がないように見える原因を見つけだし、その原因に対してアプローチすることが大切です。

高圧的な態度をとる

高圧的な態度をとることも、モチベーションが低い新入社員に向けたNG行動に挙げられます。何から行動すればいいのかわからない社員に対して高圧的な態度をとった場合、萎縮してしまい、さらにモチベーションが下がるどころか、メンタルヘルスに影響することにもなりかねません。

モチベーションが低い新入社員に対し「まずはとにかくやってみろ」と高圧的に行動を促したり、評価を下げたりする行為は、ハラスメントに該当します。高圧的に接するのではなく、順序だてて説明したうえで行動を促し、サポートする姿勢を見せることが大切です。

自分の経験を押し付ける

自分の経験を押し付けることも、モチベーションが低い新入社員に向けたNG行動に挙げられます。新入社員の教育係を任される人は、能力が高い人が多いでしょう。そのような教育係が、モチベーションの低い新入社員の教育を担当した場合、過去の自分の経験と比較し「自分のときは~」と話してしまうケースがあります。

しかし、成長スピードは人によって異なります。当時と比べると働き方に対する価値観が多様化しており、職場環境も異なるはずです。比較できないことを言われても、古い価値観を押し付けられたように感じてしまう人もいるでしょう。

自分の経験を押し付けるのではなく、新入社員の状況を見たうえでサポートすることが大切です。

新入社員フォローアップ研修のメリットとタイミング

新入社員のモチベーション低下の理由とは?
新入社員のモチベーションを上げるには、フォローアップ研修の実施が有効です。フォローアップ研修とは、新入社員が実務経験を経たあとに実施される研修で、開催時期は企業によって異なります。3カ月後・6カ月後・12カ月後といった複数回実施する企業もあれば、一度しか実施しない企業もあるようです。

フォローアップ研修は、実施するタイミングによって目的や研修内容が異なります。ここでは、フォローアップ研修を実施するメリットと、実施するタイミングごとの目的や研修内容について解説します。

フォローアップ研修のメリット

フォローアップ研修を実施することにより、新入社員が自身の現状と課題を把握できるだけでなく、不安や悩みを解消でき、モチベーション向上につながります。

研修で学んだことと、現場で経験したことを振り返れば、自身に不足しているスキルや姿勢を把握できます。実務を経験することで、悩みや葛藤を抱えているケースもあるでしょう。

フォローアップ研修で同期と交流できれば、不安や悩みの解消につながります。同期の現在の頑張りを聞くこともあるでしょう。同期の頑張りを聞くことで刺激を受ければ、仕事に対するモチベーションアップにつながります。

入社後3カ月

入社3カ月後のフォローアップ研修は、新人社員研修の復習を目的としています。新入社員研修とセットで組まれることが多く、研修内容の振り返りや取り組みに対するプロセスをプレゼンテーションすることにより、知識の定着をはかります。

現場に配属する前の不安解消も、目的のひとつです。

入社後6カ月

入社6カ月後のフォローアップ研修は、スキルの定着を目的としています。入社6カ月後は、現場に配属され、実務にも慣れてきた時期です。研修で学んだことを活かし、成果を出している社員もいるでしょう。

この時期にフォローアップ研修を実施し、ディスカッションやグループワークで課題の検討や解決策の模索を行えば、実務で学んだスキルの理解が深まります。

また、この時期は実務への慣れから、配属前よりもモチベーションが下がっているケースもあります。同期で集まり、刺激を受けることにより、モチベーションアップが狙えるでしょう。

入社後12カ月

入社12カ月後のフォローアップ研修は、入社してからの振り返りや、キャリアプランの構築が目的です。この時期は、後輩となる社員が入ってくる時期です。研修では、これまでの1年間を振り返るだけでなく、後輩に対する関わり方を学びます。

後輩のサポートを任せられる可能性もあるでしょう。研修の実施は、先輩社員として模範になる行動を意識するとともに、自立した社員として、今後のキャリアプランを考える機会にもなります。

まとめ

新入社員のモチベーション低下の理由とは?
新入社員のモチベーションが下がる理由には、仕事が自分に合わないことや人間関係の問題などが挙げられます。その場合、新入社員との信頼関係構築に努めることや、新入社員の成長を承認することが大切です。

新入社員のモチベーション維持に必要な先輩の心構えとして挙げられるのは、以下の3つです。

●新入社員世代の価値観を理解する
●相手の答えを引き出す声掛けを心がける
●社会人の模範となる態度を意識する

モチベーションが低い社員を教育する際は、やる気が感じられないと指摘したり、高圧的な態度をとったりしてはいけません。自分の経験を押し付けることも、逆効果です。


新入社員のモチベーションを上げるには、フォローアップ研修の実施が有効です。フォローアップ研修は、実施するタイミングによって目的や研修内容が異なります。時期ごとの目的や研修内容を理解し、モチベーションアップにつなげましょう。

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