1on1で話すこととは?目的や注意点、テーマも6つ具体例をご紹介

2023年8月2日|カテゴリー「人材育成コラム
1on1で話すこととは?
社員の成長を促進させる方法として多くの企業で取り入れられているのが「1on1ミーティング」です。しかし、効果的な1on1ミーティングをするために何を話せばいいかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、1on1ミーティングで話すことについて詳しく解説していきます。実施する上での注意点や具体的なテーマもご紹介しておりますので、これから1on1ミーティングをする方はぜひチェックしてみてください。

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは
1on1ミーティングとは、部下の育成を目的とした上司との個別面談のことです。15〜30分ほどの短い所要時間の中で、週に一回や月に一回など定期的に行います。上司と部下はコミュニケーションを通じて両者の信頼関係を築き、部下は自身の課題や悩みを上司に相談することで問題解決のヒントを得られ、上司としても部下の考えていることや仕事の進捗度合いを把握する機会になります。

人事面談との違い

人事面談と1on1ミーティングは、どちらも上司と部下が一対一で面談する形式であることから似ているものを考えてしまいがちです。しかし、1on1ミーティングが「部下の育成」を目的としているのに対し、「人事評価」の一環として行う人事面談では、実施する頻度やヒアリング内容に関しても違いがあります。

<目的>
・1on1:部下の育成
・人事面談:部下の管理や仕事の評価

<内容>
・1on1:今後のキャリア形成相談からプライベートなことまで
・人事面談:人事評価や目標について

<実施頻度>
・1on1:週1〜月1回程度
・人事面談:四半期に一回程度

<部下の反応>
・1on1:自分の意見を傾聴してくれるためストレスはない
・人事面談:評価や目標に関する話からストレスを感じる可能性がある

「部下の育成」を主点としている1on1ミーティングでは、目的の違いから上司の話すことも人事面談とは異なるのです。

進め方

1on1ミーティングは、コミュニケーションの中で上司が部下に質問を投げかけながら部下の意見を引き出す、といった流れで進めていきます。
しかし、部下の話を引き出そうとして上司が一方的に話すことや指示を出すような独占的な進め方は好ましくありません。効果的な1on1ミーティングの実施には、上司の話すことや話題の振り方が鍵になります。

ぶっつけ本番でミーティングに臨むのではなく、実施前に話すテーマを事前に決めておきます。その上で、上司と部下のお互いが伝えたい内容を考えておき、部下にも主体的に参加してもらうことが大切です。実施中は、部下の話を聞くことに集中し、すぐにアドバイスや解決策を提示することは避け「どうすればいいかな」と、自律的に考えるように誘導します。



1on1ミーティングの目的

効果的な1on1ミーティングを実施するためには、目的を明確に理解しておくことが必要です。ここからは1on1ミーティングを行う目的を3つご紹介します。

部下の意見を聞く

上司は1on1ミーティングを通じて、部下が抱える仕事の課題や悩みを知ることができます。部下が打ち明けた問題や課題に対して解決方法を一緒に考える中で、両者間の信頼関係が構築されていくのです。
また、悩みや課題以外にもプライベートなどの仕事以外の話を交えれば、部下の人間性を知るきっかけとなり、適切な人材マネジメントのヒントにもなるでしょう。

普段の仕事で、部下から上司に自分の抱える悩みや今後のキャリアプランの話はなかなか切り出しにくいものです。部下が自分から話を切り出せるような雰囲気づくりも含めて上司が努力する必要があります。

部下の成長を促進する

部下は仕事で直面している課題について上司に相談する中で、解決するためのヒントを得ることができます。上司は対話の中で解決策を考えさせ、部下自らが課題を解決できるように導くことが大切です。上司は答えに誘導するためのヒントを出し、部下の課題解決能力が向上するよう学びの機会を提供します。様々な問題を解決することが、部下の自己肯定感を高めるきっかけともなり、より主体的に仕事に取り組むようになることが期待できます。

社内や社員の状況を把握する

定期的な1on1ミーティングの実施は、部下の仕事の進捗状況や結果について把握できる貴重な機会です。上司が部下や社内の状況を正確に把握できていれば、適切な人事評価もすることができるでしょう。短いスパンで一対一で話すことができれば、社員の人柄や特性、スキルもわかります。プロジェクトの人材配置や、納得感のある人事評価にもつながり、部下からの不平や不満が溜まりにくい状況も作ることができます。

1on1ミーティングで話すテーマ例

1on1ミーティングとは
部下の意見を聞き、成長を促す効果的な1on1ミーティングの実施には、話すことを何にするかが重要です。1on1ミーティングの準備をしたいけど、どんなテーマについて話したらいいかわからない方もいらっしゃるでしょう。ここからは部下の意見を引き出せる話すことのテーマをご紹介します。

業務の課題の改善方法

普段の仕事している中では、部下が個人的に抱えている悩みを聞く機会はなかなかありません。部下の日頃感じている業務課題はもちろん、チーム内の問題についても聞きます。
以下の項目のような話題をふりながら、チームの現状や問題について把握することが重要です。

・現在の業務への不満・悩み
・課題の進捗
・人間関係における課題
・人前では言えない悩み

こうした問いかけから課題を見つけだし、部下と改善策を話し合いながら、より効率的な業務の進め方を見つけていきます。

モチベーション

現状の仕事に対するモチベーションや取り組み姿勢について率直な意見交換も行います。
モチベーションが高いようなら、高くなっている要因を特定することが大切です。高まっている原因がわかれば、プロジェクトにおける人材の配置や仕事の姿勢や結果を褒め、モチベーション向上を図ることができます。
モチベーションが下がっている場合も同様です。モチベーション低下の原因を見つけ出し、課題解決に向けて話し合うことで信頼関係も構築し、モチベーションの回復にもつながります。

目標の設定や自己評価

1on1ミーティングでは、目標設定や自己評価についても確認します。部下の自己評価と上司からの客観的な評価をすり合わせて、評価の基準や理由について説明しておきましょう。人事評価は部下の不満にもつながりやすいため、なぜこういった評価になっているのかを理解してもらいます。

また、目標を設定する際はチームや会社の方向性に則って設定しておくことが大切です。

・今後どんな風に働きたいのか
・達成したい目標は何か
・自分の働きは100点満点中何点か

など、評価を聞いた上でチームで求めていることと部下の要望をすり合わせながら目標を決めていきます。

今後の戦略や方針

上司は、部下に社内の今後の方針について理解してもらえるように説明することも大切です。社員ひとりひとりが自分の目標に向かってただ仕事をするのではなく、会社や上層部の考えも理解した上で日々の業務にあたってもらえるように上司が働きかけます。部下の考える事業戦略についての意見も聞きながら、会社の方針決定に至った経緯や背景についても詳しく説明することが大切です。

普段は口にしづらい上層部への意見を引き出しながら、経営層との意思疎通の架け橋となる役割が中間管理職には求められています。

健康状態

心身の健康は仕事へのモチベーションにもつながる重要な要素です。もし部下が業務量や人間関係に悩み、体調を崩してしまえば休職や場合によっては退職になる可能性もあります。1on1ミーティングを実施するたびに、部下の心身やメンタルについて以下の項目のような観点から確認し、チームの体調管理を行いましょう。

・業務でストレスはないか
・業務量は正常か
・仕事外では休めているか
・人間関係で悩んでいないか

プライベート

1on1ミーティングでは、話すことを仕事だけに絞っては、空気が堅苦しく部下も緊張してしまいがちです。アイスブレイクの意味合いもこめて、ミーティングはじめに趣味や好きなもの、休日にしていることなど、仕事以外のことを情報交換することで、お互いの個性や人となりも知ることができるようになります。
上司と部下という緊張感を持ってしまう関係であるからこそ、部下が意見の忌憚なく気軽に話せるような空気感を作ることも上司の役割です。
本題に入る前にプライベートな話をすることで、お互いに仕事以外の一面を知り、信頼関係を構築していきましょう。

話す際に注意すべきポイント

1on1ミーティングとは
ここからは1on1ミーティングを実施する上で、上司が注意しておくべきポイントについてご紹介します。1on1ミーティングは、あくまで「部下のための時間」です。そのことを念頭におきながらミーティングを行う必要があります。

ミーティングテーマを決める

1on1ミーティングを実施する際には、事前に話し合うテーマについて決めておきます。ここで重要なのは、上司と部下で一緒にテーマを考え設定することです。上司が独断でテーマを決めてしまうと、部下にミーティングの意味や目的、必要性が伝わりません。テーマを決める段階から部下と意見交換を行い、1on1ミーティングに主体的に参加してもらえるような意識作りをします。

ぶっつけ本番でミーティングに臨んでも、テーマについて部下の考えがなければ意見を引き出すことはできません。1on1ミーティングを実施する前から、部下を巻き込んでテーマを決めておけば、部下も当事者意識を持って前向きに参加してくれるでしょう。

部下が話しやすい雰囲気を作る

1on1ミーティングでは、部下が自分の意見を話すことが重要です。
プライベートな話題などでアイスブレイクを挟みながら、部下が自由に発言しやすいような雰囲気を作るのも上司の役割といえます。事前に決めたテーマについて意見を聞く際も、ただ事務的に聞いては部下も「本当に聞いているのか?」と話すことに消極的になってしまいます。適度に相槌を打ったり、意見に共感したり、話に詰まっていればフォローを入れたりと、部下が話しやすいと感じる雰囲気作りを心がけましょう。

部下の話に耳を傾ける

1on1ミーティング中は、上司は部下の話を引き出すことに専念します。もし上司が意見を言いたくなったとしても、話が終わった後を見計らって伝えることが大切です。話の腰を途中で折ると、部下の発言へのモチベーションは下がってしまうので注意が必要です。

慣れない間は、人事評価と同じように一方的に話題について話してしまうかもしれません。ですが、1on1ミーティングは部下を育成するための時間です。うまく話題を振りながら部下の意見を引き出し、課題解決やフィードバックについて話し合うことで部下の成長を促進させます。まずは、部下の話に耳を傾け、普段は話すことのできない本音の部分を聞き出すことに集中しましょう。

部下の話を引き出せるテーマを心がけよう

今回は、1on1ミーティングで話すことについて、具体例を交えながら解説しました。

1on1ミーティングは、上司と部下の関係性を深め、会社の人材を成長させられる貴重な機会です。何をテーマにするかで得られる効果に差があるので、部下としっかり話し合い、充実した時間になるようなテーマを選びましょう。

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