従業員エンゲージメントを高めるには?必要性や向上施策をご紹介

2022年6月21日|カテゴリー「人材育成コラム
従業員エンゲージメントを高めるには?
従業員エンゲージメントを高めることは、業績アップに必要な要素です。
企業が利益を上げられる理由は、顧客が存在しているからです。
その顧客の満足度を上げるためには、従業員の満足度も上げなければいけません。

その従業員満足度を上げる要素の1つが「従業員エンゲージメント」なのです。

今回は、強い企業作りに必要な「従業員エンゲージメント」について、必要性と導入方法のポイントをご紹介致します。

従業員エンゲージメントとは

まず従業員エンゲージメントとは、一言で表現すると「企業と人材のつながり」です。

エンゲージメント(engagement)の本来の意味は、契約、約束、などの意味があります。婚約指輪がエンゲージリングと呼ばれるのは、「結婚を約束する」という意味合いですし、またTwitter等のSNSで使われるエンゲージメントは「関心度」「愛着度」といった意味合いで使用されます。

人材がどれだけ企業に愛着があるか、企業理念をどれだけ理解し行動しているかなどで従業員エンゲージメンを測ることができます。

ですので、従業員エンゲージメントが高い人材は、企業に対しての貢献度が高く、帰属意識があるのが特徴です。

従業員エンゲージメントとモチベーションの違い

従業員エンゲージメントを高める上で、区別すべき考え方があります。

それは「モチベーション」です。

モチベーションは外部の刺激から行動を起こすための動機で、エンゲージメントは自発的に意欲をもって、主体的に取り組んでいる状態です。

この違いは、感情に波があるかないかの違いと言えるでしょう。

例えば、健康番組を見て「ダイエットをするぞ」と思うのは、「モチベーション」です。モチベーションが高ければ行動に移しますし、そこまでモチベーションが高くなければ、行動に移さない場合もあります。

また行動を起こしてある程度結果が出ても、ダイエットを継続するためには、新たなモチベーションを与える「刺激」が必要になる場合もあるでしょう。

このように、モチベーションに波があるのは、あくまでも「動機」だからです。

一方でエンゲージメントは動機に関係なく、物事の意味を理解して夢中になっている状態を表します。

先程のダイエットの例えに当てはめますと、病気などで「健康」に対してダイエットの必要性を理解し、ダイエットが使命に近い存在になっていると、健康がダイエットと自分を結びつける「エンゲージメント」の役割を果たし、感情に波がなく活動し続けている状態と言えるでしょう。

モチベーションを活用するにはエンゲージメントが必要

このように「モチベーション」と「エンゲージメント」を比べてみると、どちらが結果に対してのパフォーマンスに影響しやすいかといえば、主体的に活動し続ける後者のエンゲージメントだと言えます。

しかしモチベーションは人材の成長を促進し、仕事に必要な要素であることに間違いありません。
そのモチベーションを上手く活用するには、「エンゲージメント」の存在が実は欠かせないのです。

ちなみに、モチベーションはキャリアアップやボーナス、お客さまの笑顔など、自身に対して「報酬」の位置付けでしょう。
その「報酬」に意味を持たせるのが「エンゲージメント」の役割です。

報酬と自分を結びつける「エンゲージメント」があることによって、企業は人材の流出を防ぎながら顧客満足度も上げ、利益を出すことができ、多様化する社会に対応できる底力が培えるのです。

従業員エンゲージメントがもたらす効果

従業員エンゲージメントを高めるには?
実際に「従業員エンゲージメント」がもたらす2つの効果を解説致します。

1.人材流出が防げることによる離職率の低下

従業員エンゲージメントが高いと、仕事、企業へのこだわりや愛着があるため、離職率低下につながります。

また企業活動を通じて、社会とのつながりも感じやすいため、自身の存在価値も実感できるでしょう。
それによりスキルアップへのモチベーションをもたらし、さらに福利厚生の充実度も合わせれば離職も防げるでしょう。

離職率が低下することにより人材が安定して確保できるため、無駄な採用費や教育費の削減にもつながり、より一層効果的な資金活用が可能になります。

2.生産性向上

従業員エンゲージメントが高いことで1人あたりの生産性が上がり、組織の力が最大限に発揮され、企業利益も上がってくるでしょう。

また企業理念に共感し高い目標をクリアしていくことで、新たな価値創造ができる社員も増えます。
それにより顧客満足度アップや、市場シェア拡大などイノベーションを活性化させ多様性のあるビジネスシーンに対応し続けることが可能です。

従業員エンゲージメントが上がる7項目

従業員エンゲージメントを高めるには?
ここからは従業員エンゲージメントをどのように上げるか、そのポイントのお話です。

従業員が満足度を感じ、やりがいを見出すきっかけを見える化していくことで、従業員エンゲージメントを高めることができます。
その項目を7つピックアップしてご紹介致します。

自分達の企業が社会に対して、どのようなビジョンを掲げ、ミッションを担い、活動、貢献しているかをクレドやCSR活動を通して社員に認識させます。

ここで言う「社会認知度」とは第三者認証で企業価値に気づくことを指します。
例えば自社企業の人物や商品が、社会的地位のある賞を受賞したり、メディア露出、世の中に発信したりして世間に認知されることを行います。

従業員自ら、企業価値を高めるチャレンジや目標など、創造することをサポートします。
例えば、業務の無駄とりや改善を会社がバックアップし、社員の創造性を奪わず育てるマネジメントができる環境整備などを行います。

キャリアパスとは、「キャリア=職業上の経歴」と「パス=道」を組み合わせた用語で、従業員が企業での仕事を通してキャリアを積んでいくための道筋である目標を作ることを意味します。社員の強みを伸ばすポストの創造をサポートし、役職に就くだけがキャリアアップではなく、得意なスキルを磨くことで自身の価値を上げることができる仕組みで、エンゲージメントを高めます。
例えば、人材を無駄にしない、キャリアパスプランに合わせた教育カリキュラムの作成などを行います。

従業員が意見やアイディアなど発言しやすい社風を作ります。
例えば月一回の人事面談や上司との評価面談、従業員アンケートやメンター制度を取り入れて、従業員のメンタル面のサポートを行います。

プライベートとの両立をしやすいように、テレワークやフレックスタイムなどの制度を導入し、ジョブ型雇用のように自分の強みを活かす仕事の仕方や、企業文化のアップデートを目的に、社内起業や副業を取り入れ、個人を尊重する仕組みを作ります。

評価ポイントを成果だけでなく、スキルやプロセスにも取り入れます。

チームの成果や個人表彰のキャンペーンなどを取り入れて、従業員に目を向けている会社、従業員を大事にしている会社という企業文化を作ります。

また、実際に手に入る報酬は、給料体系の説明を定期的に行い、自分の報酬は「何をどうすれば、いつまでにどのくらい上がるか」など昇給の仕組みを従業員に理解させることも重要です。


以上、7項目が事業改善の対策もしやすく、既存の仕組みを活かして実行しやすいポイントです。

1.~4.は「仕事へのモチベーションを上げる」項目で、5.~7.は「満たされないと仕事に不満がでる」項目です。

従業員から上がってくる声と照らし合わせて、従業員の成長が著しくない時は1.~4.の項目を、仕事への不満が多く聞かれる場合は5.~7.の項目を企業内で見直してみてはいかがでしょうか。

従業員エンゲージメント向上施策3選

従業員エンゲージメントを高めるには?
では実際に、従業員エンゲージメントを高める施策をご紹介致します。
ここで紹介する施策は比較的導入しやすく、テレワーク導入などで実際に顔を合わせる機会が少ない組織でも活用しやすいと思います。

経営理念・クレドを最大限利用する

クレドには企業が社会に対してコミットする内容や、企業の理想像、行動理念が記されています。
一言で表すなら、「行動方針」が書かれていると言っても過言ではございません。

クレドに記載されている理念が社内の共通言語になると、チームで働いている一体感が生まれて、価値観のベクトルが揃うため、仕事での判断が早くなったり、理念に則って間違った選択をしなくなったりと、自分で考える力を養いつつ無駄な時間を削減することができます。

このクレドを部署内や日常に落とし込むには、朝礼などでその日に向き合うべき内容をいくつかピックアップして、1日の行動目標として発言してもらい、終礼で振り返るなどするとよいでしょう。
1日1項目か、最大でも5項目くらいまでを毎日部署内で読み合わせや、行動目標を共有することで、共通言語が自然と増え一体感が生まれエンゲージメントにつながっていきます。

成長をサポートするキャリアプランを作る

まずキャリアプランに関しては、役職に縛られず、業務の「プロフェッショナル」を目指せるような評価制度を入れると、幅広く社員のモチベーションをカバーできます。

例えば、管理職はチームの成績や目標達成度などの結果で評価され、チームメンバーはプロセス重視で貢献度を評価します。
それぞれの役割に集中できる評価基準があると、仕事へのこだわりが生まれ、新たな価値を創造するクリエイティブな組織作りのきっかけになります。

役職はポジションも上がり手当も増え、やりがいもありますが人数に限りがあります。
競争が発生することは間違いではありませんが、全ての人材を最大限活かすためには、幅広い「選択肢」が必要です。

責任感やモチベーションを上げるために、あまり必要ない役職を増やしても収集がつかなくなり、管理する側が増えても実働する人材がいなければ仕事は回りません。

コミュニケーションが活性化するサンクスカード

「ありがとうカード」や「サンクス制度」として昔から様々な企業が取り入れています。

この制度はスタッフ同士のエンゲージメントを高めます。
そうすることで、社風が好きになったりお互いに貢献したいという気持ちを育てるので、結果的に従業員エンゲージメントにつながっています。

導入するのであれば、アナログ感が出る方法が良いでしょう。

今であれば、タブレットやスマートフォンで手書きのメッセージをかけたり、書いたカードを手軽にスキャンできたりするので業務負担にもなりにくいですし、音声で送っても面白いかもしれません。

気持ちも伝わりやすく、何より相手のことをしっかりと普段から気にして見ていないと、なかなか感謝の気持ちを書けないものです。

アナログの手書きカードを導入しているケースでは、ザ・リッツ・カールトン東京、JAL、東京ディズニーリゾートなどが有名です。

またこの制度は、上司部下、同僚、社長など役職、部署関係なく送り合えることが大切です。
上手く導入して、継続できれば社員としては「いつも気にしてもらえている」「必要とされている」ということが可視化され、信頼関係の促進にもなります。

気をつける点は可能な限り、書くことを義務にしないことと、形骸化させないことです。

そのためにはありがとうを多くもらったり、多く送ったりした社員を表彰するなど評価に紐つけたり、送り合う数を決めたりと少し工夫が必要です。

まとめ

今回は従業員エンゲージメントについてご紹介致しました。
離職率が長きにわたって課題になっている業種や、企業は多々あるかと思います。

従業員エンゲージメントは福利厚生や働きやすさ、職場復帰のしやすさなど様々な仕組みが影響していると思います。
しかし根本となる要素は、会社への愛着やその仕事へのこだわりという「気持ち」の部分が決断を後押しする、大きな要素なのは間違いありません。

急激に従業員エンゲージメントを高めることは難しいことではありますが、徐々に取り組みを増やし、企業文化に根づけば強い組織つくりの基盤になることは間違いありません。

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