人材育成の考え方とは?押さえるべきポイントや企業の成功事例など紹介

2022年4月26日|カテゴリー「人材育成コラム
人材育成の考え方とは?
組織は人で成り立っているため、よい人材育成なくして、経営は成り立ちません。
しかし正しい人材育成の考え方とは何か、またどのような人材育成方針が正解なのかわからず、悩んでいる人事担当者も多いでしょう。 

この記事では人材育成で押さえておくべきポイントや正しい手順、そして人材育成の成功事例について詳しく解説します。 
人材育成は取り組み次第で大きく効果が変わるので、効果の高い人材育成を実践できるマインドを身に付けてください。

1. そもそも人材育成とは?

人材育成とは、OJT や OFF-JT、メンター制度などさまざまな手法を使って従業員に教育を施し、会社の利益に貢献できる人材を育成することです。

企業が長期的に成長していくためには、次世代の優秀な人材を育成して円滑な世代交代を実現しなければなりません。
特に最近では IT 技術の進歩やグローバル化、そして働き方の多様性など企業を取り巻く環境の変化が激しいため、このような時代の変化に対応できる人材を育成する必要があります。

また、人材育成は基本的に会社の将来のために実施されるものですが、従業員の自己実現に資することも重要な要素です。
個人の自己実現と会社の目標はリンクしていなければなりません。
会社の都合を従業員に押し付けるだけの人材育成では従業員の自主性が育たず、会社の目標と無関係な人材育成では従業員のスキルが向上しても会社の利益につながらないからです。

2. 人材育成の考え方|押さえておくべきポイントは?

人材育成の考え方とは?
人材育成は単に研修などを実施するだけではうまくいかず、人材育成のやり方をどう考えるかが重要です。

ここでは人材育成をする上で大事な考え方、押さえておくべきポイントについて解説します。

人材育成をする目的を見失わない

人材育成をする上では明確な目的を定めて、その目的を見失わないようにしましょう。
企業を取り巻く環境や目指す方向性は会社ごとに異なります。
そのため、「競合他社がこうしているから」と流されるのではなく、自社のビジネス環境にマッチした人材を育てるために人材育成の目的を決め、その目的を追うことが重要です。

例えば従業員一人ひとりの能力向上を図り、組織としての生産性を向上させるといった目的が考えられます。
他にも将来的に管理職や役員といったリーダーの立場を任せられる人材を育てるという目的も良いでしょう。

人事戦略を策定する

人事戦略とは、経営方針や経営目標と人事業務を結びつけるための方針であり、人事部全体の方向性を決める戦略です。
人材育成においては人事戦略の策定が重要になります。

人事業務は採用活動に従業員育成、組織設計や制度の運用など多岐にわたりますが、人事戦略を策定することで多岐にわたる人事業務の指針が示され、経営目標達成のために人というリソースを最も効率的に生かせます。

人材育成も人事の重要な業務の一つなので、人事戦略上の位置づけをしっかり考えて行いましょう。

人材育成は短期ではなく長期目線で取り組む

人材育成は長期目線で取り組まなければ高い効果を発揮しません。
従業員は短期間で急激に成長することはできず、企業理念や経営目標を全員に浸透させるのにも時間がかかるためです。

従業員を成長させるためには一人ひとりの個性・長所をじっくり見極め、それぞれに適した能力開発を行う必要があります。
そして育成の過程で企業理念や経営目標を浸透させることで、最終的に会社利益に貢献できる優秀な人材を育成することができます。

このように人材育成には時間がかかるため、最初から長期的で取り組む覚悟でじっくり進めていくことが重要です。

人事評価制度と人材育成をリンクさせる

人事評価は人材育成の基盤となるため、人材育成と評価制度をリンクさせて考えることが重要です。
具体的には、人事評価制度において従業員に期待する人材要件を明確にし、評価者である上司がその人材要件を部下の育成方針の参考にする、といったことです。
これによって自社の経営目標達成のために必要な人材像を明確にして従業員を計画的に育てられます。

人事評価は公平かつ透明性が高い方法を採用し、従業員が意欲的に仕事に取り組める制度でなければなりません。
良い人事評価制度が整っていれば従業員のモチベーションが維持され、個々の能力を伸ばすことを目的とした人材育成にもつながります。

失敗が許される環境作りをする

失敗から学べることは多くあり、失敗できる環境は従業員の成長速度を速めて生産性を向上させるので、失敗が許される環境を作りましょう。

失敗が許される環境であれば困難な課題でも果敢に挑戦できる、意欲の高い従業員が増えて従業員自ら学び、成長していくことができます。

会社全体としても新しいことに挑戦する企業風土ができ、新規事業にも積極的に挑んでいける変化に強い企業になるでしょう。
もちろん失敗ばかりでは事業や会社が成長できないため、PDCAを回して改善策を練るなど失敗による影響を減らすための取り組みも同時に行うことが前提です。

指示出しと問いかけのバランスを考える

指示出しと問いかけは部下の目標達成をサポートする手段ですが、うまく両者のバランスをとることが最も部下を成長させるポイントです。
指示出しとは「~しなさい」という命令を指し、問いかけとは「~についてどう思う?」と裁量を与える意思表示を指します。
指示出しばかりでは部下の自主性が育たず、モチベーションも上がりません。
しかし問いかけが多すぎても部下はキャパシティーオーバーになってしまい、力を発揮できないでしょう。

指示出しと問いかけのバランスをとるコツは、短期的な成果が必要な場合や部下の能力が追い付かない場合などは指示出しを使い、部下に学びを与えたいときや個人の創意工夫が求められるときなどは問いかけをすることです。
管理職が指示出しと問いかけを適切に使い分けられるように、人事サイドによる教育やサポートも必要です。

3. 人材育成の手法

人材育成にはさまざまな手法があるため、ここでは代表的なものを6つ紹介します。


・OJT
・OFF-JT
・e-ラーニング
・自己啓発
・メンター制度
・ジョブローテーション


OJTとは「On the Job Training」のことで、先輩社員によるマンツーマンの指導の下で実際に業務を行いつつ必要なスキルを身に付ける手法です。
OJTは多くの企業で採用されています。

OFF-JTとは「Off the Job Training」のことであり、OJTと違って集団講義やグループワークでの研修を行う方法です。

eラーニングはパソコンやスマートフォンで講義動画を視聴する方法です。
自己啓発は従業員自身が書籍を読んだり勉強会に参加したりする方法です。

以上紹介した手法にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、用途に合わせて複数の手法を取り入れることがポイントです。

例えばOJTは効率的にスキルを身に付けられる反面、マンツーマンで指導することが多いのでコストが高くつきます。
そのため業務に関する基本的な知識はOFF-JTやeラーニングで身に付け、実践的なことはOJTで学んでいくといった方法をとると良いでしょう。

上記の他にも、先輩に将来のキャリアの相談をできるメンター制度や、配置転換によって人材の交流を図るジョブローテーションなどもあるので、さまざまな手法から最適な手段を選んで人材育成に生かしましょう。

4. 人材育成3つのステップ|どんな手順で進めるの?

人材育成の考え方とは?
人材育成に取り組むときは、きちんとした手順に従い順番に進めていくことが大事です。
正しい手順を踏まずに実践しようとしても、高い効果は得られません。

ここでは人材育成における3つのステップについて解説します。
一つひとつ着実に進めていきましょう。

ステップ1. 現状把握・分析を行う

人材育成において最初にすべきことは、経営層から現場に至るまで組織全体の現状を把握し分析することです。

各部門での仕事の進め方や人員配置、生産性などを調査し、課題を把握することで必要な人材・スキルを洗い出します。
また経営層に先々の展望を聞いておき、将来求められる人材像や人員の数をチェックしておくことも重要です。

このように現状把握・分析を行い、人材育成の方向性をあらかじめ決めておきましょう。

ステップ2. スキルマップを作成する

現状の把握が完了したら、スキルマップを作成して自社に必要なスキルを洗い出します。

スキルマップとは、従業員が仕事を進めるのに必要なスキルを一覧にして可視化した表です。
スキルマップを作成すれば自社に求められるスキルを体系的に整理でき、漏れを防ぐことができます。

スキルマップを作成する際は、役職や部門ごとに時系列でまとめましょう。
将来的にどの部門でどんなスキルが求められるのかを正確に把握でき、それに合わせて人材育成を進められます。

ステップ3. 運用・定期的に効果測定を行う

一度体系化された計画にも必ずどこかに課題があるため、人材育成を実践する上では定期的な効果測定を行いましょう。

効果測定をする際は、実際に必要なスキルが充足されたのか、会社の利益につながっているのかをチェックしてください。
もし効果が上がっていない場合、原因を探ってブラッシュアップする必要があります。

効果測定の方法としては売り上げなどの定量的なデータだけでなく、従業員のモチベーションのような定性的なデータも踏まえると、より深い分析ができるでしょう。

5. 人材育成の成功事例|有名企業の取り組みをご紹介!

人材育成の具体的なイメージがつかめるように、有名企業における人材育成の成功事例を5つ紹介します。

以下の成功事例がそのまま自社に当てはめられるとは限りませんが、参考になる部分は多いでしょう。
成功事例からヒントを得て、自社にとって最適な人材育成の考え方を探ってみてください。

成功事例1. スターバックス

スターバックスの人材育成の特徴は、「指示出し」ではなく「問いかけ」をする指導方針です。

スターバックスでは、従業員が自主的に仕事に取り組むことを最重視にしているため、指導は問いかけ形式で行われます。
目標の数字を達成できない店舗があっても「なぜ売り上げを達成できなかったのか?」と問いかけをして今後の改善につなげます。

このように従業員に対していつも考える時間と余裕を与え、従業員一人ひとりが「お客さまに喜んでいただくために何ができるか」を考えることで高いホスピタリティを実現しています。

成功事例2. ニトリホールディングス

ニトリグループでは社内で行われている教育全体を「ニトリ大学」と呼んでおり、従業員に多角的な教育の機会を与えてスペシャリスト育成を目指す人材育成方針を掲げています。

具体的には研修を通してさまざまな論理を学ぶ知識教育のほか、グローバルで通用する人材を育てる公募形式の「グローバル人材育成プログラム」、そしてアメリカの実際の生活を体感できる「アメリカセミナー」など、豊富な研修制度が特徴です。

ニトリグループは上場企業平均の5倍の教育投資を行なっており、これらの充実した研修制度によってグローバルに活躍できる人材を育成しています。

成功事例3. サントリーホールディングス

サントリーホールディングスでは、従業員一人ひとりの能力開発に主眼をおいた人事制度が構築されています。

具体的には「職能資格制度」と「資格・役割制度」という従業員のランク付け制度を基盤にし、半期ごとに業務計画を上司とともに振り返ることで能力開発や成長を促進する制度です。

また、労働組合が組合員にアンケートを実施して人事制度の運用や改定に役立てる、従業員の意識や会社の風土を調査する、といった従業員それぞれが高いパフォーマンスを発揮するための取り組みを行っています。

成功事例4. ソフトバンクグループ株式会社

ソフトバンクグループ株式会社には、「ソフトバンクユニバーシティ」という従業員が経営理念の実現に貢献するための人材育成機関があります。

ソフトバンクグループは個性豊かで多様性のある人材育成を目指しており、従業員一人ひとりが自律的にキャリアを形成することを大事にしています。
研修の実施方法としては、eラーニングだけでなく研修のオンライン中継やアーカイブの視聴などもあり、ICTを最大限活用したソフトバンクらしさのある制度が特徴的です。

その他にもアイディアを持ち寄って勉強会を行う「知恵マルシェ」や、若手だけでなく中堅社員も学べる「30代・40代向けキャリア研修」といった人材育成制度があり、他社にないユニークな制度によってグローバルに活躍できる従業員の育成を図っています。

成功事例5. ヤフー株式会社

ヤフー株式会社における人材育成の特徴は、海外企業でよく使われている「1on1ミーティング」です。

これは課題解決の支援や目標達成のためのアドバイスなどを目的として、上長と部下が1対1でミーティングを行う手法です。
ミーティングは週1回行われ、これによって上司がそれぞれの部下のスキルや能力をしっかり把握して、業務に活かせるようにサポートすることができます。

そして1on1ミーティングの効果をさらに深めるため、関連部署の役職者を交えた「人財開発会議」で長期的な育成方針を話し合い、関連するメンバーが役職者の1on1ミーティングに関するフィードバックを行う「ななめ会議」などもあります。

このように上司と部下が親密なコミュニケーションを図ることで部下の個性を伸ばし、自主性の高い人材を育成しています。

6. まとめ

人材育成をする上では、目的を明確にして長期的な視点で取り組むマインドが重要です。
まずはしっかり現状の把握・分析に努め、スキルマップを作成して人材育成を実施しましょう。

運用後は定期的に効果測定を行うことが重要です。人材育成にはさまざまな手法があるため、運用していく中で効果や重要性の高い手法をうまく取り入れ、自社にとって最適な人材育成の形を見つけてください。

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