ハラスメントをなくすための一つの取り組みとして、細かなことかもしれませんが、相手の話をしっかりと聴くこと、すなわち傾聴の実践です。傾聴といえば、相手の話に心を傾けて丁寧に聴くということですが、傾聴の実践のためには、以下の基本な行動を実践することが必要になります。
【1】相手の話を受容する。相手と考えが違ってもいったんは受け止める。受け止めていることを示すためには、相手に向かって頷きながら、あいづちをうつ。
【2】相手の話に共感する。相手の立場になったときにはどんな気持ちなのかを想像して聴く。そのためには、相手の気持ちが現れている言葉を捉えてその言葉を伝え返す。
【3】相手の言葉を繰り返す。言葉を繰り返してもらえることによって、相手は話を聴いてくれていると思える。
【4】相手から言葉が出てこなかったら、相手が発しそうな言葉をぶつけてみる。
【5】相手が長く話を続けていたときには、代わりにいったん整理してまとめる。
【6】相手から沈黙してしまったときには、黙って待つ。どうしても沈黙に耐えられなくなったら、一言だけ言葉を発することで(例:「それから?」)相手に発言を促す。
このような傾聴の基本スキルを実践することで、相手が話を聴いてくれていると感じれば険悪な関係にはならないでしょう。険悪な関係にならなければ、相手を恫喝するような声をあげることもなくなりますよね。相手が安心して話をしてくれるためには、とにかく一生懸命「聴く」こと。そのためにも傾聴の基本スキルの実践は欠かせません。