vol.14 :コールセンターは「科学!」そして「アート(芸術)!」 〈その1〉

2017年6月21日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは!
「さつき先生」です。

前回、「アーランC」についての書き込みをしましたが、コールセンターには専門的な数学・数式を用いたりする事があります。

私が20年以上前の話になりますがシンガポールのコールセンターアカデミーでコールセンター学を勉強していた時の先生の言葉で今でも忘れられない・印象的な言葉があります。
コールセンターは「科学!」そして「アート(芸術)!」



「コールセンターは科学!そしてアート(芸術)である!」
コールセンターのKPI管理には応答率・サービスレベルなどの接続率の指標や、稼働率・1件あたりの平均処理時間の生産性指標CPC(コスト・パー・コール)に代表される収益性指数など、非常に数多くのKPIがあります。

しかし、これらはコールセンター独自の専門的な指標であり、経営管理、営業部、開発部、管理部などには無い独特なKPIです。
そして「アーランC式」に代表されるように、コール予測、人員配置計算する上でのロジックはまさに、「科学」であり「アート」と言われるぐらいの領域です。

水のごとく・山の天気のごとく、時間単位・日単位・月単位に変化を遂げるコールの波・山谷。
コールセンター運営の根幹はこれらのKPIを科学的に分析して、運用レベルを高める事であると思います。
しかし、どんなに運用レベルを高めても決してゴール達成の満足感を味わう事ができない世界。
まさに、芸術家が何度も何度の精魂かけて作った作品でも決して満足する事は無く、挑戦し続ける世界に似ていると思います。


下記の3つの輪にあるように、「科学」以外にも、「スキル」・「運用」というキーワードがありますが、「科学」以外にも「スキル」のカテゴリーで言えば、コールセンター関係ではCTI,IVR,AHT,CPCなど、とにかく3文字ローマ字短縮語と英語表記の多い業界。

他部署から移動してきた管理職などは、まずこの聞いたことの無い横文字文化に圧倒されてしまい、モチベーションを下げてしまうという事を良く耳にします。
SVという特殊業務、オペレーターの過酷な労働環境なども、経営陣、他部署から異動してきた管理職には理解しがたい世界です。


そして、「運用」も営業部、管理部出身の方では馴染みの無い特殊組織。
品質管理者(QA担当)、スケジュール・シフト調整担当など他の部署では必要の無い担当者や、教育形態も新卒の新入社員研修とは一風変わった研修形態を取っています。
とにかく、数十人から100人を超える集団が、皆マニュアルに沿って均一かつ高度なサービスを提供するために、訓練をしていきます。


先日も、その会社で何十年も他部署での経験しか無いのに、いきなり「センター長」で異動になった方への研修をしました。
「とにかく衝撃の毎日で、今まで聞いたことの無い言葉ばかり飛び交っていて頭がパンク状態です!」とこぼしていました。

本当に、コールセンターは「科学!」と「アート!」と称した先生がいましたが、特殊環境かつ特殊運用の多い職場だと思います。

しかし、知れば知るほど味わい深く・やりがいのある仕事でもあります。
皆さんで、コールセンター文化を芸術の域まで高めていっていきたいですね!
科学、スキル、運用

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