vol.11 :コールセンターにおける経営の建前と本音・・・〈経営に認められるコールセンター その2〉

2017年5月30日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは!
「さつき先生」です。

前回に続き、経営に認められるコールセンターの創り方についてですが、今回は、コールセンター管理者の方であれば、一度は苦い思いをした事のある「経営の建前と本音について」過去の実体験を交えながら書きたいと思います。
コールセンター経営陣あるある

経営者や担当役員の方が、年頭所感などで社員へのメッセージや雑誌取材のインタビューの際に、社内におけるコールセンターの位置づけを話しする事が良くあります。
その際には「コールセンターは顧客サービスの最前線基地であり、社内で最も重要な部署である・・・」という事で、非常に重要な部署である事を強調される事があります。
しかし、そう言う社長・経営陣が本社から遠く離れた場所にあるコールセンターを訪れることは年に1度も無いという事も現実です。
コールセンターにおける経営の建前と本音

嘘のような本当の話ですが、ある大手金融機関の総合コールセンターに社長が初めて訪問されるという事になりました。

通常であれば、社長からオペレーターやセンター管理者の皆さんに日頃の慰労を込めたメッセージをもらってモチベーションをUPさせたいと思いますが、その金融機関では、事前に、社長に何を聞かれても社員全員に「楽しく仕事をしています!」とだけ答えるよう通達し、それ以外の事は一切話をしてはいけないと箝口令が引かれました。

また、社長訪問の当日には、車の到着と同時に管理職の皆さんが国賓をお出迎えするようにエレベーターホールの前に2列に整列し、なんとエレベータホールからコールセンターの入り口まで赤い絨毯が引かれたそうです。

結局、社長から現場のオペレーターやSV,管理職には、何のメッセージも無く、滞在時間も5分程度で帰って行ったそうです。

ここまでひどい話では無いにしても、まだ日本のコールセンターには社長が一度も訪れた事の無いセンターや、社長が大名行列のようにただ訪問するケースが少なくありません。

私が以前に勤務していたコールセンターでは社長が毎月のように地方にあるコールセンターにわざわざ新幹線・飛行機を使って訪問してくれました。
さらに、ちょっとしたお土産も持参・慰労の言葉も毎回必ず心に響くメッセージを届けてくれました。
是非、多くの社長さん、経営層の皆さんに、コールセンターを直接訪れてその現場の空気に触れてもらいたいと思います。
まさに、「事件は現場でおきている!」の映画の名台詞のように、コールセンターでの現場社員との触れあいは会社の経営陣にとっても貴重な時間となると思います。

それ以外にも、「顧客満足のためには必要な投資は惜しまない」と対外的には言っておきながら、社内の予算調整の際には真っ先にカットされるのがコールセンター人件費であったり「コール数の増加に応じて一般的には人件費は増加していく」ので投資が必要になりますが、いざコール数が増加して応答率が悪化してきても、「応答率が70%でも繋がればいいだろう・・・」と追加の人件費投資は認められないケースが往々にしてあります。

こんな現実と日々戦っているのがセンター管理者の皆さんだと思います。
では、どうして、このような「経営の建前と本音」が発生してしまうのでしょうか?
そこには、解消しなくてはいけない、経営陣とセンター管理者との間の大きな誤解が関係していると思います、
次回はこの誤解について説明をしたいと思います。
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