どこに任せたら良い?研修会社の選び方をお教えします

2022年8月22日|カテゴリー「人材育成コラム
研修会社の選び方
優秀な人材を育成するにあたって必要不可欠なものの一つに、社員研修があります。
かつては「研修は社内で行うもの」という意識を持つ企業も多くありましたが、昨今では人手不足や研修のクオリティ向上のために研修会社へ研修実施を依頼する企業も増えています。
こうした状況を踏まえ、この記事では研修会社の選び方を丁寧に解説していきます。

社員研修を外部に委託するのはアリ?

研修会社の選び方
研修を外部に依頼することに馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんが、果たして研修会社に研修を代行してもらうという方法は選択肢に入るのでしょうか。
ここでは、研修会社を利用することのメリットを中心に、研修会社の活用そのものに関して解説をしていきます。

人手不足に伴い進む「社外研修の利用」

労働人口の減少や働き方の多様化に伴い、多くの業界・業種では人手不足が年々深刻化しています。
そして不足している労働力を補うためには、新たに従業員の採用を行うことが有力な手段になりますが、特に人手不足が慢性化している職場では、新たなメンバーに対する研修や教育を行う余裕がないことが多いといえます。
新入社員研修のみならず、管理職クラスの研修を行うのも人手不足の状況では厳しいといえるでしょう。

こうした背景から、「研修会社」と呼ばれる研修サービスを提供している企業に、研修の実施を依頼するケースは多いといえます。
研修会社を利用することで、研修実施に割く人的コストを削減できる上に、研修の質向上などの効果も期待できます。具体的なメリットは以下でご紹介します。

研修会社に研修を依頼するメリット

研修会社を利用するメリットは人的コスト削減だけではありません。
ここでは研修の実施を外部の企業に依頼することで得られると期待できるメリットを4つ挙げ、ひとつひとつの内容を詳しくご紹介します。
研修会社を利用するか検討しているのであれば、ぜひ参考にしてみてください。

まず最初に思いつくメリットは、この「業務コスト低減」の部分かもしれません。
研修会社を利用して社内の研修を代行してもらうことで、人事や総務の担当者の業務コストを下げることができます。
これまで講師役として研修を行っていた社内のメンバーの業務負担も大幅に軽減できるため、主要な業務の生産性向上や残業時間の低減も期待できます。

ただ、中には一部の研修内容を社内講師で行いたいと考えている企業担当者の方もいらっしゃるはずです。
そのため最近では、外部講師と社内講師の役割を分担するハイブリッド型の研修もトレンドとなっています。
社内で研修したい内容のみ社内で行い、それ以外の部分を依頼するというスタイルで研修を行うことで、研修効果の最大化が期待できます。

また、研修を実施することで、講師役となる従業員のスキルアップに繋げることも期待できるため、すべてを外注化するのではなく一部を自社で担当するという企業もあるようです。
ぜひ社内の状況に合わせて検討してみてください。

研修を担当する講師は、特定の内容に関するプロです。
そのため、研修では社内研修よりも高いレベルの内容を学ぶことができるでしょう。

社内で研修を行う際には、講師役を務めるメンバーがまずは内容を学び、そこから研修を行う練習をするという流れが一般的だといえます。
ただ、下調べやプロへのヒアリング等の手間はもちろん、研修そのもののクオリティという観点でも、外部講師を招いて研修を行った方が良いケースはあります。

専門家から正確な内容を学ぶことができるのは、最大のメリットといっても過言ではないでしょう。

自社内で研修できそうな内容であっても、研修会社を利用することで、これまで社内にはなかったノウハウを取り入れることができる可能性があります。

研修担当者は事前に研修の内容を研修会社から聞いておくことで、研修を通してどのような内容を受講者に教えることができるのか、さらにどのような効果が期待できそうかを知ることができます。
その際、それまで社内で蓄積されてきたノウハウと照らし合わせ、新たなノウハウを意図的に取り込むことも可能です。

また、同業他社を含めた研修では、研修中の交流を通して情報やノウハウの交換ができることもあります。
研修は新たなやり方を社内に取り入れる貴重な機会でもあるのです。

研修会社に依頼をして研修を実施してもらうと、研修後にフィードバックを受け取ることができることがあります。
社外、なおかつ研修のプロの視点からの指摘やアドバイスは、普段得ることが難しいため非常に貴重だといえるでしょう。
自社の状況や社員ひとりひとりを客観視するという点でも、研修会社を利用する価値は大きいのです。

ここまでご紹介した研修会社活用のメリットは、ほんの一部に過ぎません。
自社はいまどのような悩みを抱えていて、なおかつなにが必要なのかを考えながら「自社にとってのメリット」を見つけることをおすすめします。
この記事の後半でご紹介する研修会社の選び方も踏まえて、ぜひ研修会社の利用が必要なのか検討してみてください。

研修会社の選定は慎重に

ある従業員に対して研修を行う際、同一内容の研修を行うことはほとんどありません。
そのため、研修会社を利用する際には慎重に会社選びをしておく必要があります。
研修会社に依頼を行う前に、誰に向けてどんな研修を行いたいかを明確にしておきましょう。
そうしたゴールを事前に設定しておくことで、意図している研修効果と実際の研修にギャップが生じにくくなります。

どんな研修を行いたいか、という部分については特に重要なため、社内でも綿密に検討しておくことをおすすめします。

研修会社を選ぶ際のポイント

研修会社の選び方
ここからは、研修会社を選定する際に気をつけておきたいポイントをご説明します。
会社選定に頭を悩ませている担当の方も多いはずですので、ぜひこれからご紹介する内容を参考にしていただければと思います。

社内の状況に即した研修方法か

まずは、自社の状況に合った研修を行うことができるかどうかという点です。
研修会社各社が提供している研修の内容は多種多様で、どの研修を選定するかで期待できる効果は大きく異なります。
たとえば、同じ内容の研修を行う場合でも、グループワークを用いたり、ロールプレイングをしてもらったり、あるいは講義形式で研修を進めたりと研修の手法はさまざまです。

自社の課題を解決するためにはどのような手法が有効なのか検討した上で、その手法を選択できる研修会社を選ぶとよいでしょう。

研修のカスタマイズが可能か

パッケージ化された研修だと低コストで研修を行うことができますが、内容が社内の状況や研修したい内容に合っていない可能性もあります。
そのため、可能であれば研修のカスタマイズができる企業を選ぶべきだといえます。

自社の課題の根本的な解決を目指し、業種、業務内容、理念に合わせた適切な研修プログラムにカスタマイズしてくれる企業に任せることができれば、研修は有意義なものになるはずです。

特に自社内に最適化した内容で研修することを想定しているのであれば、事前に綿密な打ち合わせを行い、そしてその内容を研修内容のカスタマイズという形で反映してくれる研修会社を選ぶことをおすすめします。

似たような業種において実績や経験があるか

研修会社を選ぶ際には、過去の実績もチェックするように心がけましょう。
自社と同じような企業への研修実績がある場合、研修に関するノウハウが蓄積されている可能性があります。

具体的には、実績の中でも下記のような内容が参考になるはずです。

・実施した研修の件数
・研修対象企業の業界
・得意な企業規模
・カリキュラムの内容
・口コミや利用者の声

各研修会社のホームページや資料で実績が公開されているため、自社と似たような業種・規模の企業での研修実績があれば、依頼を検討すると良いでしょう。

また、もし「お客様の声」やレビューとして実際のサービス利用者の声が掲載されている場合は、研修会社比較の参考になる場合があります。
サイト内にそのような内容が掲載されているのであれば、一度目を通しておくとよいでしょう。

担当者の対応が満足できるものか

研修会社に研修の実施を依頼すると、日程や内容、実施方法などを担当者と調整することになることが多いです。
研修の内容そのものではありませんが、研修会社や担当者の対応も重要だといえます。
質問に対してスピーディーかつ的確に対応してもらえるのであれば、不安を抱えることなく研修当日を迎えることができるでしょう。

そして当日も、講師に加えて担当者がフォローをしてくれるのかどうか確認しておくことをおすすめします。
万が一研修中にトラブルが発生した場合でも、担当者にサポートしてもらえるのであれば安心です。

費用対効果に見合っているか

各社からさまざまな研修サービスが提供されており、料金もさまざまです。
しかし、研修会社選びにおいて重要なのは、値段そのものではありません。
料金が安いからといって良いとは限らないですし、反対に料金が高額なプランを選べば良い研修ができるという確約はありません。
人材育成に関わる重要な部分なので、単純な価格だけでなく、総合的な費用対効果で研修会社を選定しましょう。

研修の料金は、研修の内容や全体の研修時間、受講人数、選定する講師などさまざまな条件で決まります。カスタマイズの有無でも料金が変わることが多いため、注意が必要です。

何が必要で、どんな研修をしたいのかを明確にしておくと、最低限の費用で最大の効果を生み出しやすくなります。

研修前後の対応が充実しているか

研修の目的は実施そのものではなく、実際の仕事に良い影響をもたらすことです。
そのため、研修後のフィードバックや実務への落とし込みも非常に重要になってきます。
研修をより有意義なものにするために、研修前後にどのような対応をしてもらえるのかまで着目しておくべきなのです。
研修内容に関する打ち合わせの際には、研修後どこまでフォローを受けることができるのかという部分まで確認しておきましょう。

外注するのがおすすめな社員研修プログラム5選

研修会社の選び方
ここからは、研修会社を利用して研修を代行してもらうのにおすすめなプログラムを5つご紹介します。
社内でノウハウを蓄積することが難しかったり、研修実施に人的・時間的コストがかかったりするものが多いため、以下を参考に外注化する研修を検討してみてください。

新人研修

新たに入社したメンバーに対して行う、新人研修。
イチから研修内容を考え、実施に移すまでには多大な人的コストがかかることが多いです。
この新人研修を研修会社に外注することで、人事担当者や研修を担当している現場の担当者の負担は大きく軽減されます。
また、入社して間もない時期の研修は、新入社員のモチベーションや仕事の進め方に大きく関わるといえるでしょう。

そこで活用したいのが、研修会社を利用した質の高い新人研修の実施です。人的コストを抑えつつ、生産性アップや本人の働きやすさ向上を図りましょう。

そして新人研修を外部委託するにあたって最大のポイントとなるのは、フォローアップの時間を大切にすることです。
外部の目や視点で現状を把握し、新人社員へフィードバックを行うフォローアップの機会を設けることで、研修を通して実際の業務でも活きるような気づきを得られます。
ぜひ研修の実施とセットで、フォローアップを行えるような研修プログラムを選定しましょう。

マネジメント研修、リーダー研修

研修は新入社員のためだけのものではありません。
リーダーや管理職クラスの従業員に向けた研修も、各研修会社から提供されています。
階層によって必要なスキルや目指すべき指標は異なるため、それぞれの階層に最適化された研修の実施を依頼するようにしましょう。
ある程度仕事の進め方が確立してきた従業員に対しても、こうした研修は非常に有効です。
外部の専門家から仕事の進め方やマネジメントの知識を取り入れる、よい機会になるでしょう。

最近では、多数のタスクを効率的に処理する能力を育む「インバスケット研修」の人気も高まってきています。
インバスケット研修を行うことで生産性向上の手法や優先順位の付け方を学ぶことができるので、ぜひ実施を検討してみてください。

当社では、インバスケット研修についてより詳しく解説した記事 もご用意しております。
また、インバスケット研修をはじめとした研修に関わるご相談も、いつでもお受けしておりますので、お気軽にご連絡ください。

キャリアデザイン研修(ジョブクラフティング)

自分自身のキャリアに関して、専門家にアドバイスをもらいながら深く考えることで、各階層のメンバーがキャリアプランを明確にできるようになります。
自社でキャリアについて考える機会を設けている企業も多いですが、外部の視点を自社の従業員にインプットしてもらうという意味でも、研修会社に研修を代行してもらう意味はあるといえるでしょう。

研修では、単にキャリアプランを立てるだけでなく、自己を顧みて今後のキャリアについて考える方法まで学ぶことができます。
そのため、キャリアデザイン研修を通してキャリアに対するマインドを育み、研修後にもキャリア形成に役立てられるようなねらいで研修が行われることが多いです。

チームビルディング研修

円滑に仕事を進める上で必要不可欠なチームビルディングも、研修を通して行うことができます。
チーム内の関係構築の重要性は広く知られてはいますが、実際に関係良好なチームを作るのは難しいのが実状です。
研修会社が企画する体感型の研修では、普段共に仕事をする同僚とチームビルディングの手法を体験することができます。
プロの観点で作られた研修でよりよいチーム作りを促進することで、研修後も仕事を進めやすくなるでしょう。
ぜひ前向きに検討してみてください。

ハラスメント研修

近年、ハラスメントに対する企業の意識向上が喫緊の課題になっています。
「ハラスメント」と聞くと、パワーハラスメント(パワハラ)やセクシャルハラスメント(セクハラ)など、社内で起こりうるハラスメントを思い浮かべるかもしれません。
しかし、近年ではそうしたハラスメントに加え、カスタマーハラスメント(カスハラ)など社外とのやり取りの中で生じるものもあります。
多種多様なハラスメントへの対処方法を知り、反対に自分自身が加害者にならないように意識醸成をする必要があるのです。

そこで有効なのが研修会社が行うハラスメント研修となります。
社内で正しい情報を正確に伝えるのが難しいテーマで、内部では緊張感が伝わりにくいこともあるため、外注するのがおすすめです。
これまでハラスメントに関する研修を積極的に行ってこなかった場合も、これまで以上に力を入れたいと考えている場合も、ぜひご検討ください。

研修を変えることは会社を変えることにつながる

これまで研修を担当していた従業員の負担を減らし、しっかりとした研修を行うために研修会社を利用するのは非常に有効です。
人手が不足しており満足に研修ができていない場合や、研修のプロに実施を任せたい場合には、ぜひ前向きに検討してみてください。
当社でも、研修に関するご相談をいつでも受け付けています。お気軽にお声がけください。

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