2つの指導方法とは、「ティーチング」と「コーチング」の2つの手法のことです。
部下指導に取り組まれている方には既におなじみの言葉かもしれませんが、
この2つの指導方法の違いを意識して使いわけることができていますでしょうか。
それぞれの指導方法をある基準に従って使いわけることで、
指導の効率が高まり、対象者(メンバー)の成長を促進することができます。
そのある基準とは、「メンバーの仕事の熟知度」です。
それでは、「ティーチング」と「コーチング」それぞれの指導手法と
「メンバーの仕事の熟知度」との関係について確認していきましょう。
◎○ 「ティーチング」は相手”に教える” ○◎
「ティーチング」は、教師(ティーチャー)に由来する指導方法です。
「ティーチング」とは、相手が知らないことや、分からないことについて
その目的や手順、実施上のポイントなどを”教える”ことです。
場面としては、先輩メンバーが後輩メンバーの横について指導する
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)をイメージしてみると分かりやすいでしょう。
そのため、「ティーチング」は、仕事の熟知度が高くない新人メンバーや
経歴の浅いメンバーに対して実施するのに比較的向いているといえます。
逆に、ベテランメンバーに「ティーチング」を使った指導を行ったとしても、
「そんなの知ってるよ」で指導が終わってしまうこともあり得ます。
◎○ 「コーチング」は相手”から引き出す” ○◎
一方、「コーチング」は、馬車(コーチ)に由来する指導方法と言われています。
「コーチング」とは、相手が既に知識・スキルを保有しているが、
それを発揮できていない時に、対話によってそれを引き出す指導方法です。
場面としては、1対1での個人面談をイメージしてみると分かりやすいでしょう。
「コーチング」は既に相手の経験値が高く、仕事に熟知しているため、
「相手は既に自身の中に答えを持っている」という前提のもとで実施する指導方法です。
そのため、仕事に熟知しておらず、答えを持っていない新人メンバーなどに対する
適切な指導方法とはいいがたいでしょう。
◎○ 「メンバーの仕事の熟知度」が高いほど、コーチングを増やす ○◎
ここで一つ注意したいのは、この使い分けはメンバーの「経歴」ではなく、
「仕事の熟知度」を基準にして決めるのが大切だということです。
ベテランメンバーであっても、新しい仕事で経験がないため、熟知していない仕事も多々あります。
逆に、内容によっては、若手社員などの方が熟知しているケースもあるでしょう。
同じ対象者でも、指導する内容によって「ティーチング」と「コーチング」の両方を
使いわけることもあるでしょう。
指導者の方々には、各メンバーの仕事の熟知度を見極めたうえで、
「ティーチング」と「コーチング」の割合を工夫することが望まれています。
研修では、各指導方法の効果的な進め方などについて理解を深めていただくとともに、
ケースワークやロールプレイング演習などで、指導のスキルアップを図っていただいています。
それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第2講目を終了いたします。
◎○ 次回もお楽しみに! ○◎