【さまざまな分野】第22回 『オンラインでのコミュニケーションで気をつける5つのポイント』 Author:増田 和芳

2020年8月18日|カテゴリー「さまざまな分野 ,さまざまな分野
再び全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大しています。それにより、ビジネスシーンでも、人が集まるような場所でのイベントや会議などの開催が回避されています。また、在宅勤務やテレワークなどによる働き方の変化は、今年の春に緊急事態宣言が発出された以降継続しています。新しい生活様式の下で、こうした働き方の変化が、今後標準的なものとして定着しつつあります。

コロナ禍で働き方が変わることにより、ビジネスパーソンに求められるのは、状況に応じて、様々なものの考え方を根本的に変えていかなければならないということです。たとえば、テレワークの普及によって、オンラインでのコミュニケーションをとることが要求されるようになります。当然、オンラインでのコミュニケーションに慣れていくことが求められます。しかし、今までの対面でのコミュニケーションと同じように、オンラインでのコミュニケーションが問題なくおこなうことができるのでしょうか?おそらくそれは難しくなるでしょう。同じ空間で顔を突き合わせて話をすればすぐに解決する、というわけにはいかなくなります。

オンライン会議
特に、オンラインでのコミュニケーションは、仕事をすすめていくうえで、より丁寧なコミュニケーションのとり方が要求されます。「伝える」「聴く」を主体にしたコミュニケーションのとり方です。パソコンなどの機器を通してコミュニケーションをとることになるため、同じ場所で顔を突き合わせてコミュニケーションをとるよりも、難しく感じるかもしれません。また、働く環境が違うのはもちろんですが、機器類の扱いに慣れている人とそうでない人もいます。ですので、オンラインでのコミュニケーションについては、より丁寧さが求められるでしょう。オンラインでのコミュニケーションがうまくいかないとなると、仕事の生産性が低下し、成果も思うようにあがらなくなる可能性が高くなります。


ビジネスの場面においては、同じ職場の上司と部下、他部署の社員、組織外部の顧客、グループ会社や協力会社の方々など、様々な人たちとかかわります。オンラインでのコミュニケーションで仕事を進めていくとしても、これまでと同じように成果をあげていくとなれば、オンラインでの相手とのコミュニケーションのとり方が重要になってきます。ただ、オンラインだからといって、特別なコミュニケーションのとり方が要求されるわけではありません。

では、オンラインでのコミュニケーションのとり方には、具体的にどのようなことが求められるのでしょうか?今回は、コロナ禍で欠かせないオンラインでのコミュニケーションのとり方について、特に気をつけるべきポイントを5つの観点から整理します。


1.安心感を与える表情で相手と接する

オンラインでのコミュニケーションにおいては、パソコンやスマートフォンなどの機器に相手の顔がはっきりと表示されます。微妙な表情の変化も、画面を見て話をしているとわかるものです。オンラインツールによっては、相手の表情をアップにできるので、注意しなければなりません。

相手に安心感を与える表情の基本は笑顔です。口角を上げて目元を緩める。毎日数分でも意識して笑顔の表情を確認すれば、自然に相手に安心感を与えられる表情になります。相手が本音でコミュニケーションをとるポイントとなるのは笑顔です。オンラインでのコミュニケーションでは特に心がけていきましょう。

オンラインでの打ち合わせの前に、最初に一人だけで打ち合わせルームにログインして、表情チェックをやってみるといいですね。そのくらい入念に表情チェックをしてから、打ち合わせなどに臨むといいでしょう。


2.相手にはっきりと言葉を伝える

オンラインでのコミュニケーションにおいては、相手がわかるように、はっきりと言葉を伝えようとしなければ、相手に正しく言葉が伝わりません。また、口を開いてはっきりと語尾まで伝えないと、オンラインでのコミュニケーションでは相手が聴き取れないなどの問題がよく起こります。口を開いてはっきりと伝えようとすれば、相手は、何を言いたいのかがはっきりとわかってくれるものなのです。伝えたい内容は最後までしっかりと言い切るようにしましょう。

私は、研修やセミナーなどで長時間話をする際には、物事を伝える役割を担うため、最初に早口言葉の練習をしてから臨むようにしています。早口言葉の練習によって、はっきりと物事を伝えるための準備をします。早口言葉の練習をすると、顔の筋肉がほぐれてくるのです。たとえば、「赤巻紙、青巻紙、黄巻紙(あかまきがみ、あおまきがみ、きまきがみ)」「生麦、生米、生卵(なまむぎ、なまごめ、なまたまご)」「東京特許許可局(とうきょうとっきょきょかきょく)」などの早口言葉をいくつか任意で選んで、それぞれ3回ずつ言ってみると、表情の筋肉がほぐれてきます。仮にうまく言えなくてもあきらめずにやりきりましょう(マスクの下なら外からは見えないので、恥ずかしがらずに試してみて下さい)。オンラインでのコミュニケーションで物事をはっきりと伝えるためにも、こうした準備を採り入れてみるのをおすすめします。


3.話を聴いていることを相手にはっきりと示す

オンラインでのコミュニケーション場面では、相手の表情や動作がよく見えますので、相手の反応がよくない場合や、相手が話を聴いていない場合というのはよくわかります。パソコンの画面を見ていると、相手が画面の端でなにか違うことをしているような動きが見える場合があります。おそらく、画面の外側でスマートフォンを操作しているのかもしれません。なかには、突然カメラをオフにして(オンのままの方もいますが・・・)、いきなり画面の外に消えてしまうような方もいます。これでは、話をする側にとっては、話を聴いてもらっていないのがはっきりとわかるので、大きなショックを受けてしまいます。

オンラインでのコミュニケーションの場面でなくてもそうですが、相手の話を聴くときには、「相手をみる」「うなずく」など、話を聴いているという動作を、相手にわかるように示しましょう。また、カメラの方に体を向けることによって、しっかりと相手と向き合うように位置取りすることも必要です。

また、オンラインでのコミュニケーションをとる場合、言葉に関しても注意をする必要があります。聴いている側が相手の発した言葉を伝え返さなければ、伝える側にとっては、自分の話が相手に伝わっているのか不安になります。「へー、そうなんですね」「なるほど」など、あいづちをうつ場合に相手に伝え返す言葉はたくさんあります。オンラインでのコミュニケーションでは、相手に安心感を与えるような表情、笑顔とともに、あいづちの言葉を有効に使いましょう。


4.重要な言葉はゆっくりと繰り返し伝える

オンラインでのコミュニケーションの場面でも、対面でのコミュニケーションの場面と変わることなく、早口で話をして用件だけを伝えて終わらせようとする人がいます。なにか事情があるのかもしれませんが、オンラインでのコミュニケーションにおいては、早口で話をしてもなかなか相手には伝わりません。ましてや、オンラインでのコミュニケーションをとる場合には、ただでさえ相手の言葉が聴き取りにくいときもありますので、聴いている側にとってはストレスが溜まります。伝える側は、特に重要な言葉や記憶してもらいたい言葉に関しては、何度も繰り返すことで、相手の記憶に留めるようにしましょう。また、伝える言葉のスピードにも工夫します。伝えたい言葉をあえてゆっくりと話して、相手の記憶に残るようにするといいでしょう。ある方は、自分の名前を覚えてもらいたいために、名前の部分だけをゆっくりと伝えるそうです。

また、間違いやすい言葉や覚えにくい言葉については、お互いに繰り返し確認しながら伝えることで、相互に理解を深める工夫をするのが大切です。このように、オンラインでのコミュニケーションにおいては、伝えるときに気をつけなければならないことがありますし、時には対面で伝える以上に時間をかけることも必要です。もしお互いに時間がないときは、せめて重要な言葉でも繰り返し伝えるようにしましょう。


5.威圧的な姿勢をとらないようにする

オンラインでのコミュニケーションの場面では、相手の様子がはっきりとわかります。そのときに、相手に対して威圧的な姿勢をとらないように注意しましょう。たとえば、上司と部下がオンラインでコミュニケーションをとる場面もこれから増えてくるでしょう。上司と部下が面談する場合も、オンラインで行うことも増えてきます。そのときに、とくに管理職や指導役、または先輩にあたる社員の方々には、部下や後輩の話を聴く姿勢について振り返ってほしいのです。部下や後輩に対して威圧的な姿勢や表情で接すると、部下や後輩に敬遠されてしまい、彼らが本音をいうことなく、面談が終わってしまうかもしれません。

特に、上司と部下が1対1で行う「1on1ミーティング」のときにも十分に気をつけましょう。今後、オンラインでの1on1ミーティングも増えてくるでしょう。オンラインでのコミュニケーション場面では、相手の様子がはっきりと見えますし、相手が一人で画面の向こう側にいる場合もありますから、相手に不安感を与えるような、威圧的な姿勢は慎みましょう。こうした姿勢をとりながら部下に厳しい言葉を浴びせると、部下から「パワハラを受けた」と指摘されるリスクが高まります。また、それがエスカレートすると、オンラインでのコミュニケーションがうまくとれなかった影響で、部下が精神疾患を患って休職する事態にもなりかねません。部下の話を聴くときに、ついつい無意識のうちに腕組みをするなどして、相手を威圧するような態度をとってしまったと感じたときには、まず自分で意識して改善しましょう。まずは自分で気づかなければ改善されませんので、部下や後輩だと「上から目線」でみてコミュニケーションをとるのではなく、大切な人の話を聴く、という意識をもつくらいのつもりで聴くようにしましょう。


オンライン個別面談
コミュニケーションのとり方を見直して、職場の人間関係を改善しよう! 

おそらく、多くのビジネスパーソンにとっては、階層別の研修やコミュニケーションをテーマにした過去の集合研修で繰り返し聴いてきたことを、様々な考え方を変えていかざるをえない今だからこそ実践するチャンスです。ここまでお伝えしてきたようなことに気をつけて、オンラインでのコミュニケーションの場面で実践すると、新型コロナウイルスの影響が小さくなってきて、対面でコミュニケーションをする時間がとれるようになったときには、お互いに気持ちよくコミュニケーションをとって仕事ができるようになるでしょう。

オンラインでのコミュニケーションのとり方というのは、決して特別なものではなく、今までコミュニケーションのとり方の基本として学んできたことを地道に実践するということなのです。オンラインでのコミュニケーションをとる前に、今一度、ビジネスパーソンが求められるコミュニケーションのスキルの全体像を、改めて振り返っておきましょう。 そして、オンラインでのコミュニケーションをとろうとするときに、今まであまり意識してやっていなかったことを少しずつ意識してやってみることで、物理的に同じ空間にいなくても、お互いに意思疎通が図れるようになり、仕事の生産性の向上につながるのではないでしょうか。 

また、オンラインでのコミュニケーションが円滑になれば、職場のチーム内の報連相も円滑になるでしょう。部下が上司に報連相するときには、お互いに漏れなくできるようにするためにも、5つのポイントを確認しておきましょう。相手を見て、相手の声を聴いて、正確かつ丁寧にコミュニケーションをとるように心がけましょう。 

オンラインでのコミュニケーションが主流になりつつある今、意識してコミュニケーションのとり方を見直したうえで実践していけば、上司部下の関係の改善にも役立つでしょう。上司も部下も、お互いに働く楽しさや面白さを実感できるようにするためにも、コミュニケーションのとり方を見直して関係を改善していけば、離職者を防ぐことにもつながります。 オンラインでのコミュニケーションのとり方は、誰か一人が気をつけて実践すればいいというものではありません。社員一人一人の取り組みが重要です。誰かがリーダーシップを発揮して、オンラインでのコミュニケーションをとる練習をやってみると、職場の人間関係もよくなるでしょう。オンラインでの打ち合わせや社内会議、お客様との商談などの前にお互いに確認しましょう。みんなで笑顔の練習や、早口言葉の練習などをやると、その場に笑いが出るくらいに盛り上がって面白いかもしれませんよ!


オンラインで留意すべきコミュニケーションスキル強化を通して、生産性の向上や成果創出につなげるための研修はこちらです。

【テーマ】:プレゼン力強化
【対象者】:若手社員~中堅社員
【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンラインでの言葉の伝え方


【テーマ】:傾聴力強化
【対象者】:若手社員~管理職
【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンライン上の傾聴の方法 


【テーマ】:ファシリテーション
【対象者】:中堅社員~管理職
【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンラインで必要なファシリテーションスキル


【テーマ】:1on1ミーティング
【対象者】:中堅社員~管理職
【主な内容】:コミュニケーション上のポイント、オンラインでの1on1ミーティングのポイント・実習


【テーマ】:営業力強化 ~ヒアリング力強化~
【対象者】:営業担当者
【主な内容】:相手とのコミュニケーション上のポイント、オンライン商談の留意事項・実習

増田 和芳講師
増田 和芳(ますだ かずよし)講師

<経歴>
三菱UFJニコス株式会社,株式会社日本マンパワー,ソフトブレーン・サービス株式会社
合同会社富士みらいクリエイション代表

<資格>
国家資格キャリアコンサルタント
(公財)21世紀職業財団認定ハラスメント防止コンサルタント
(一社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー
(一財)生涯学習開発財団ワークショップデザイナー

1976静岡県富士市生まれ。大学卒業後、大手信販会社で営業及び債権管理業務を経験。28歳の時に大手教育研修サービス会社へ転職し、約10年間法人営業職として勤務。キャリアデザイン研修やヒューマンアセスメント研修等の企画、営業に携わり、トップセールスとして表彰も受けた経験あり。33歳で営業課長に昇格。通算部下6名の育成に携わる。営業現場の業務改善や営業人材育成に取り組み、営業マニュアル作成や全社教育体系作成プロジェクトでは中心的な存在を担った。また、全社員対象ハラスメント防止研修等の社内研修講師としても活躍。一時は自律神経失調症で苦しむ経験をしたが克服し、2015年3月に営業コンサルティング会社へ転職。ソリューション営業スキル向上、マネジメント、組織内コミュニケーション向上等をテーマに、コンサルタントとして活動し約420回研修講師として登壇。オンライン型及び対面型どちらでもワーク主体の研修を中心に実施し、それぞれの特徴を活かして学びや気づきを促進する研修手法は、受講者から「わかりやすい内容で、現場ですぐに使えることが多い」と評判。