さまざまな分野

2021年4月20日|カテゴリー「さまざまな分野
「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<残酷な「美」の語源>
■前回の記事を読む

今回は、「構図」についてです。

身近だと写真や絵やイラスト、建築やデザイン分野の専門用語で、フレームワークとも言われる「外観・枠個」や「要素(個)の配置」のことですね。
構図を考えるためには、全体の大きさ「フレーム(全体像)」を決めなければなりません。
全体を囲む(包む)大きさや形が決まらないと、その中に配置する個の持つ魅力や特性のバランスも美しい配置もデザインすることができません。

この構図という全体像をイメージする習慣は、仕事にもとても重要です。

1)正統派の構図

2)アンバランスな構図

3)予測不能な構図

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<構図という魅力>
私は東京タワーが大好きなのですが、堂々たる姿を目の前にすると、やはり中央に全身を写してあげないと、何となくタワーに失礼な気持ちになりますよね。
青空も足元に集まる建物も、すべてがタワーを引き立てる脇役としてバランスよくキレイに配置。
10人中8人はこのような写真撮影をするのではないでしょうか。
しかし誰が撮ったがわからない。
圧倒的多数に埋もれるパターンかも知れません。

最終的に出来上がる形が定番で可もなく不可もなく。
今までの私たちの仕事はこんな感じ。
誰もがイメージできるスタイルを目指す。
決して悪いと言っているわけではありません。
ただ、もう予測がつくとワクワクしなくなりますね。

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<構図という魅力>
これはアンバランスでかなり寄った構図です。
この構図も珍しいわけではありませんが、正統派と比較すると、東京タワーのパーソナリティーがより強く、身近で頼れる擬人的な要素が濃くなります。
父性というか母性というか守られている共感覚が湧いてきます。
青空のグラデーションの濃淡もそれを引き立てて神々しさが増しますね。

これからの未来に求められる感性は、こっちだなと感じます。
感情が動く。
「自然は人を感動させようなどと少しもしていないのに、人は大自然を見て感動の涙を流す。それが人なんです。」とAIの権威の方がおっしゃっていました。
心が動くかどうか。その点は最終的に人しかできないことですね。

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<構図という魅力>

これ、東京タワーかな?・・・と不安。
たぶんテッペン部分だと思います。・・・っていうことですよね。
これは考えさせる。もはや東京タワーではありません。
でも、こんな私たちが知らないグロテスクなタワーも東京タワーの一面。
好き嫌いは別として、撮り方によって全く違う顔になるという発見をさせるとなおよろしいのではないでしょうか。

ただ、これもやみくもに撮れば良いわけではありません。

夜空で輪郭をぼかして、下からは誰の目にも届かないテッペンが、泣いているような表情。
そこを感じとる、そこからどれだけ豊かなイマジネーションを引き出せるかでより素敵な感性が育ちますね。

人も仕事もそうです。

同じひとりの人間でも、撮り方(見かた)によって様々に色が変わります。
きっと自分でも気づかない別人が潜んでいる。
仕事の全体像も、予測できないワクワクする全体像を予感させたり、その展開も参加したくなるような仕事を生み出せたら素晴らしいですね。

若かりしころの母が、デザインの授業で先生に、「5つの四角☐いBOXを、バランス良く配置しなさい。」と問われたそうで、大勢のお友だちは四隅に4つ、中央に1つを配置したのだと。
でも母は、左下に4つを集め、一つは右上に飛ばしたと。それを褒められてとても嬉しかったそうです。

人と違う感性を、誰かに褒められた嬉しさは一生モノなのだと教わりました。
私も誰かとの違いを見つけられる感性を持ち続けようと思います。

「覚醒型セルフ・ブランディング」研修でスキルを磨く

職場環境改善の対人関係トレーニング「コミュニケーション・フィットネス(R)」
職場環境改善の対人関係トレーニング「コミュニケーション・フィットネス(R)」
職場や仕事関係者との対人問題が起こる前に、予防としての基礎トレーニング方法を身に付けることで、人間関係に積極性が持てるようになります。
それと同時に成長意欲も高まりお互いを育み合える関係性を築くための研修です。
ビジネスパーソンのパフォーマンスを磨く「覚醒型セルフ・ブランディング」
ますます異世代間のコミュニケーションが試されるいま、覚醒される時代に合った新たな自分づくりとなるセルフ・ブランディング研修です。
また、自分の価値を認識し、職場や仕事関係者との対人関係に自信が持てる基礎トレーニング方法を身に付けることで、新しい役職への着任や転職などのターニングポイントにも意欲的にチャレンジできます。
企業で活躍する女性を応援する!「印象革命ベストポジションメーキャップ」
自立志向の女性をビジュアル面から応援する「印象革命 ベストポジションメーキャップ」は、自分が現在のポジションをイキイキと過ごすために背中を押す、革命的な印象を変えるビジュアル研修です。

リモートでレクチャーとメイク完成図を使うレッスンを通して、コンプレックスの解消魅力的なパーツの引出し方を学びます。
JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。

ゲストプロフィール

熊谷真実講師
熊谷真美(くまがいまみ)
株式会社マリアド 代表取締役

●日本プレゼンテーション協会認定講師
●日本メンター協会公認事業者 MOP ライセンス資格
●資生堂 SABFA メーキャップ特別コース修了

資生堂販売株式会社出身 16年勤務。
百貨店でのマネージャー経験と世界的なアーティスト養成機関であるSABFA特別コースにてトップクラスの美意識を学ぶ。
退職後、俳優や実演販売士のマネジメント会社へ転職しフリーとして活動。
全国SHISEIDOサロンにて50000人の女性へのビジュアルカウンセリング実績。
専門学校にて後進の育成、BNNY銀座・イギリス大使館などでプレスリリースのメイクショーなどを担当。
同社で俳優の演技術をビジネスに応用したプログラム開発をサポートし、一部上場企業を中心に口コミで広がる人気プログラムへ育てコンサルティング部立上げに参画。
15年以上の企業研修経験の中で、企業ブランディング・セールス・インストラクション・プレゼンテーションなどの表現力に特化した研修プログラムの開発と講師経験を経て2016年独立。
株式会社マリアドを設立し、「ブランド・スタイリング・プログラム」「印象革命」「コミュニケーション・フィットネス(R)」「スパイラル・リーダーシップ(商標登録出願中)」「覚醒型セルフ・ブランディング」を展開し、新人~中間管理職・経営層・自立型女性リーダーや起業家 育成に力を注いでいる。


■研修テーマ
新入社員研修後の戦力化ビジネススキル(基礎表現力)/中堅社員のモチベーションアップ研修/教育担当者のインストラクション(教え方)研修/コンペで通る プレゼンテーション研修/女性リーダーブランディング研修


※お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください
2021年4月8日|カテゴリー「さまざまな分野
オンライン環境で新人育成をすすめるために~4つのポイントをおさえる~
新年度が始まり、昨年同様にコロナ禍での入社式から始まりました。
令和3年度入社の新入社員の方々は昨年コロナ禍を経験し、オンライン面接やイベント、式典などをこなしたとはいえ、やはり実際に会えないと寂しいものです。
入社式に初めて同期の仲間に会って、笑顔が一挙にはじけたというシーンがニュースで報じられていました。
やはり同じ場所でお互いの声を聴いて話をするのがいいのかもしれません。

新型コロナウイルス感染症の拡大はなかなかストップせずに続いています。
4月に入って大阪や神戸などの関西の都市部を中心に再び感染者が拡大しているため、新入社員は入社後の研修期間中はオンラインや在宅での研修受講などを余儀なくされるでしょう。
研修期間が経過した後もテレワークや在宅勤務で、指導役の先輩社員と離れた場所で仕事をして、遠隔で様々な指導を受ける状況になるのが想像できます。

受け入れる側の先輩社員は、昨年からのコロナ禍を経験していても、どのようにして新入社員に接したらいいか迷いが出てきてしまい、十分に指導ができないままに時間が過ぎてしまうことにもなりかねません。
同じ空間で顔を見ながら指導できないとなると、言いたいことが伝わらないもどかしさも感じます。
加えて自身の業務にも悪影響が出てしまうのも懸念されます。

オンライン環境でどのようにして新入社員を育成するか?昨年度に引き続き今年度も悩ましい問題といえます。
今年度は、昨年のコロナ禍を経験しているため、昨年の経験を踏まえての精度をあげたかかわり方が必要になるでしょう。
「あの会社ができているのだから私たちもやろう」という声があがってきそうです。

そこで、本格的に新入社員の現場での育成が始まる前に、改めて、オンライン環境でどのような点に注意して新入社員の育成をすすめていけばいいのか?
今回は4つのポイントを確認していきます。

オンライン環境で新人育成をすすめるために~4つのポイントをおさえる~
まずはお互いに緊張している関係を、日々少しずつ柔らかなものにしていく必要があります。
そこで必要となるのは、お互いの存在を確認することです。
具体的には、朝、就業開始時間前に接続して「おはようございます」という具合に、必ず決まった時間にあいさつをかわすのを習慣にします。
オンラインではない対面での職場において、新入社員にあいさつすらしない先輩社員がいて問題になることもあります。
あいさつという存在を認めるための行動は、オンラインでは避けて通れないものですし、そもそもビジネスマナーの基本を学んだばかりの新入社員にあいさつをしないのは言語道断です。

また、あいさつとともに、毎朝お互いの健康状態を確認するためにも積極的に声がけをしましょう。
健康で元気な表情をお互いに見せなければ、指導もうまくいきません。
新入社員の表情から元気であることが伝わってくれば、より具体的な業務指導をすすめやすくなります。
そのためにも先輩社員側から声をかけてください。「どう調子は?」「昨日はよく眠れましたか?」といった具合に話しかけて、新入社員が社会人として慣れるためのかかわりを実践してください。

オンライン環境で新人育成をすすめるために~4つのポイントをおさえる~
毎日、何時に接続を開始するのかを決めて健康状態を確認した後に、仕事を進めていくための段取りをします。
配属されたばかりのころは、新入社員は何をしていいのか戸惑います。
最初は業務内容を教えたうえで、実際にやってもらう業務の指示をする必要がありますが、その際に、漫然とやり方だけを機械的に伝えるのではなく、新入社員が主体的に取り組めるための工夫を織り交ぜてください。

主体的に取り組むための工夫として必要になるのは、新入社員が業務遂行の目標を毎日設定することです。
目標の内容の質も当然問われますが、目標を設定するという行動を習慣化するのが一番のねらいです。
目標を決めずに業務をすすめてしまうと、漫然と時間が過ぎてしまい、「今日一日は何をしていたのか」と疑問を抱いて終わってしまいます。

たとえば、「○○を一日の中で終える」「○○の業務手順を覚える」「取引先向けの文書を作成する」など、育成計画に応じて目標を設定させてください。
目標を設定したら、それに対してどのような行動をしたかを必ず振り返ります。
一日の最後に振り返る前には、業務時間中に中間報告の機会を確保します。
最低でもこれで1日3回は新入社員と話をする時間が確保できます。

忙しくて3回も時間を確保するのは難しい、という声も出てきそうですが、長時間の面談が必須ではありません。
短い時間でもいいので接点をもつのが大切なのです。
オンライン環境での指導で大切なのは、一日のどこかで複数回、新入社員と接点をもつことです。
コミュニケーションの手段を確保して、新入社員が成長できる環境を整えてください。

オンライン環境で新人育成をすすめるために~4つのポイントをおさえる~
近年の新入社員は、入社して早期の段階で重要な業務を任させる傾向があると感じます。
たとえば、あるベンチャー企業では人事部門の責任者になった社員がいます。
また、ある老舗の中小企業では、SNSを用いた広報業務などを担い、公式インスタグラムやLINEなどを使って商品にかかわる情報を発信する責任を担っている新入社員もいます。
最近では、ソフトウエア開発や販売を主力事業としているサイボウズ株式会社が、新卒1年目の社員を取締役候補としたことが話題になりました。
社内公募とはいえ、新卒1年目社員が取締役に名を連ねるというのは異例です。
それだけ新入社員が重要な業務を任される機会が増えているといえます。

オンライン環境であっても、同じように新入社員に重要な業務を任せられるかというと、同じ空間で業務をしているわけではないので難しいように感じます。
ただ、重要な業務を早期から新入社員が担っているのは、どのような環境で仕事をしていてもできることです。
先述のサイボウズ株式会社は自社のグループウェアを使用したリモートワークなどで非常に有名な会社です。
どのような環境でも新入社員には早期のうちに重要な業務を担ってもらうのが期待されるのです。

そのためにも、まずは上司や先輩が担う重要業務の補助を早いうちからやってもらうようにしましょう。
上司や先輩が参加するプロジェクトミーティングなどに参加し、議事録作成やミーティング準備など、オンライン環境でもできる業務を担ってもらうようにします。
会議の時間の予約、資料の画面共有のための準備、必要であれば事前配布などをテキパキとできるようにするのです。
簡単なように見える業務であっても抜かりなくやれるようになるためには、何度も失敗して習得するのが一般的ですから、育成にある程度の時間がかかる可能性はあります。
それでも期待を寄せるのであれば、たとえオンライン環境であっても、どんどん業務を覚えてもらうことが必要です。

オンライン環境で新人育成をすすめるために~4つのポイントをおさえる~
部署内のミーティングの場面等では、新入社員には早めに存在感を示せるように指導してください。
存在感とは、「新入社員が同じ部署で働いている」という実感を他の社員にももってもらうということです。
最初は名前を覚えてもらい、どのような人なのかを知ってもらう。そして、徐々に朝礼やミーティングの進行役を担ってもらいます。
また、部署内でオンライン飲み会などのイベントをやるときには、オンライン環境で楽しめる企画などを考えて実施してもらってもいいかもしれません。
オンラインツールやITに強い人材であればそつなくこなせるのではないでしょうか。

コミュニケーションの起点とは、まさにオンライン環境の場づくりを担ってもらうことです。
オンライン環境でどうしてもコミュニケーションがとりにくいと思ってしまうと業務が円滑にすすまなくなってしまいます。
社員同士がコミュニケーション不足にならないように、コミュニケーションがとりやすい関係を新入社員が中心になってつくってみてはどうでしょうか?
場づくりのための簡単なワークなど、お互いに笑いあえるような取り組みを中心になって進行してもらうのです。
上司や先輩も積極的に参加してコミュニケーションをとってもらうのです。
新入社員が中心になって場づくりができれば、まさに彼らがコミュニケーションの起点になります。
「ムードメーカー」的な位置づけとも言えますが、単に彼らだけが盛り上げるのではなく、上司や先輩とコミュニケーションをとれるきっかけをつくる役割を担ってもらいましょう。
指導役の先輩社員が新入社員のサポート役を買って出てくださいね。

シンプルな線
以上、オンライン環境で新入社員育成をすすめるための4つのポイントをまとめました。
新入社員が部署に配属されてすぐにやってもらうことから、一定期間を経てからの取り組みまで含まれています。
ただ、一定期間といっても、そんなに長い先のことではありません。
もっとも早ければ、配属になって数日間ぐらい経ってからできるものもありますね。

コロナ禍の厳しい状況で面接などを経験してきた新入社員はとても優秀です。
その優秀さを職場環境のせいで潰してしまっては意味がありません。
新入社員は大変な思いをするかもしれませんが、同じ組織で厳しい環境を乗り越えるには、年齢もキャリアも関係ありません。
一緒になって業務に取り組み、新入社員の孤立を防ぐためにもどんどん業務を任せてみてください。
任せるといっても、意味もなく負荷をかけるのではなく、目標を設定して取り組んでもらうようにするのです。
オンライン環境であってもコミュニケーションを大切にしながら、早期に新入社員が戦力になって活躍してもらえるように取り組んでみてください。

オンライン指導力強化研修

オンライン指導力強化研修
オンラインでの指導場面に必要な知識やスキル、現場でのオンライン指導に活かせるポイントを確認し、実際にオンラインでのOJTやマネジメントにいかすための研修です。

オンライン商談研修(コミュニケーション力強化・営業力強化)

オンライン商談研修(コミュニケーション力強化・営業力強化)
オンライン指導力強化研修(7時間)
オンラインでの指導場面に必要な知識やスキル、現場でのオンライン指導に活かせるポイントを確認し、実際にオンラインでのOJTやマネジメントにいかすための研修です。

オンラインでのプレゼンテーション力で大切な要素となるデリバリースキルやコンテンツについて学び、相手に伝わる伝え方のポイントを簡単なワークを通して身に付けます。

オンラインで営業商談を行う際に必要な顧客とのコミュニケーションのポイントを学びます。商談の実習を通して、自身のスキルアップポイントを確認し、今後の営業商談に活かせるようにします。


オンラインツールを使った商談時の営業の基礎知識を身につけます。商談の実習を通して、自身のスキルアップポイントを確認し、今後の営業商談に活かせるようにします。


コミュニケーションにおいて、特に言葉以外の要素で相手が受ける影響について理解し、安心安全の場をつくる方法を学びます。また、リモートでの話の聴き方について確認し、お互いに心を開いてコミュニケーションを行えるようになるコツをつかみます。

オンラインファシリテーション研修(基本編・応用編)

オンラインファシリテーション研修(基本編・応用編)
オンライン会議の場のつくり方や参加者とのかかわり方について、様々な実習を通して理解し、実践できるようにします。

オンライン会議などの準備や段取りのポイントについて確認し、自部署のオンライン会議の運営に活かします。オンライン会議実習でロールプレイや他者の観察を通してスキルのレベルアップを図り、実践できるようにします。


zoom使いこなしてますか?オンライン会議の腕を上げて社内に浸透させよう!

オンラインミーティングスペシャリスト講座
オンライン会議・研修等を開催する際に「操作が不安で集中できなかったというご経験はありませんか?

また、オンライン会議を導入したくても「いまいち社内に浸透しないといったお悩みはありませんか?

そんな時は、社内に「オンライン会議を任せられる人材」を増やすことが効果的です。
社内研修講師・人事担当者を対象とした、オンラインに関する「専門的知識と操作技術」を身に着けるための研修がスタートしました。
 

ゲストプロフィール

増田 和芳講師
増田 和芳(ますだ かずよし)講師

<経歴>
三菱UFJニコス株式会社,株式会社日本マンパワー,ソフトブレーン・サービス株式会社
合同会社富士みらいクリエイション代表

<資格>
国家資格キャリアコンサルタント
(公財)21世紀職業財団認定ハラスメント防止コンサルタント
(一社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー
(一財)生涯学習開発財団ワークショップデザイナー

1976静岡県富士市生まれ。大学卒業後、大手信販会社で営業及び債権管理業務を経験。28歳の時に大手教育研修サービス会社へ転職し、約10年間法人営業職として勤務。キャリアデザイン研修やヒューマンアセスメント研修等の企画、営業に携わり、トップセールスとして表彰も受けた経験あり。33歳で営業課長に昇格。通算部下6名の育成に携わる。営業現場の業務改善や営業人材育成に取り組み、営業マニュアル作成や全社教育体系作成プロジェクトでは中心的な存在を担った。また、全社員対象ハラスメント防止研修等の社内研修講師としても活躍。一時は自律神経失調症で苦しむ経験をしたが克服し、2015年3月に営業コンサルティング会社へ転職。ソリューション営業スキル向上、マネジメント、組織内コミュニケーション向上等をテーマに、コンサルタントとして活動し約420回研修講師として登壇。オンライン型及び対面型どちらでもワーク主体の研修を中心に実施し、それぞれの特徴を活かして学びや気づきを促進する研修手法は、受講者から「わかりやすい内容で、現場ですぐに使えることが多い」と評判。

2021年4月5日|カテゴリー「さまざまな分野
エフェクチュエーション
「エフェクチュエーション」とは
「熟達した起業家の意思決定理論」ノーベル経済学賞を受賞したハーバード・サイモン教授の最晩年の弟子であるサラス・サラスバシー教授がアントレプレナーシップ研究において提唱した理論です。


まだまだ日本では聞きなれない言葉かもしれません。

というのもこの言葉が、日本に入ってきてまだ間もないこと、エフェクチュエーションはそもそも訳語ではなく、原著の言葉をそのまま片仮名で活用していることもその一因かもしれません。
原著『EFFECTUATION:Elements of Entrepreneurial Expertise』(Saras D.Sarasvathy 2008)の日本語版「エフェクチュエーション 市場創造の実効理論」著:サラス・サラスバシー 監訳:加護野忠男 訳:高瀬進/吉田満梨が出版されたのが2015年、日本の経営学史の中では、まだまだ新参者の扱いなんでしょう。

翻訳本の監訳者である加護野忠男先生のメッセージ

経営学者の間には、企業家は発掘されるべきもので育成されるものではないという常識がある。
企業家精神は生まれつきの性格や能力に依存することが多いと考えられてきたからであろう。
本書はこの常識に挑戦している。
企業家の行動原則は、熟達によって獲得されるものだという本書は、企業家育成のための教育にも示唆を与える。
エフェクチュエーションの論理を基にした教育プログラムがすでにいくつかの大学で開発されている。
このような教育を通じてエフェクチュエーションの理論はさらに改良されていくことになるだろう。
本書の読者の中から、企業家研究を深めていこうと考える人々が出てくることを期待したい。

と記している。

学生時代経営学部に所属し、社会人大学院(MBA)などを経て自分なりに理論を、歴史的経緯(経営学史)から俯瞰してみるようにしているが、アントプレナーシップ理論はある意味、リーダーシップ理論における特性論時代の域を出ていなかったということ。
自分なりの域を出ていませんが、エフェクチュエーション理論は、アントレプレナーはこれまでは学べるものではないという認識を覆し、学習し熟達していくものであるとした理論と解釈するに至っている。

エフェクチュエーション

一方経営学史におけるアントレプレナーシップ研究を見ていくと、Gartnerが「エレファント・テーゼ」(2001) で強調したようにアントレプレナーシップの学際性の「森」のなかで、その多様性を捉える「調和のとれた全体(congruous whole)」はいまだ構築されていない、つまりアントレプレナー研究の学術的な多様性、多層性を包括的に捉える方法論が構築されていないとされている。
(ちょっと表現そのものが難解ではありますが・・・)

それは現代に至っても、アントレプレナーシップ研究は、ときにアントレプレナーシップ・サファリ(Rocha and Birkinshaw, 2007)やジャングル(Audretsch, Kuratko, and Link, 2015)と形容されるほどアントレプレナーの研究は、世界的にも多岐にかつ多様、多層に分かれてしまってきたことも想定されるのである。

これらの学術的な見解はさておき、「エフェクチュエーション」は、世界各国においても常識への挑戦であり、「エフェクチュエーション」が実践教育の中で発展していくことが求められていると自分は捉えている。
しかし、まだまだ日本国内では、日本マーケティング協会エフェクチュエーション研究会等での学術的研究活動や一部のコンサルティング系会社での理解、活用に留まっているのが現状。
このままでは学術的にも、アントレプレナー教育や実践においても、日本という社会の常識の中で埋もれてしまう危険性を感じてしまうわけなのである。

さて自分も、実のところこのエフェクチュエーション理論を知ったのは、まだまだ最近と言わざるを得ない。
エフェクチュエーション
ただこの「エフェクチュエーション」理論を知ったとき、自分が10年ほど前に社会人大学院で取り組んだテレビのプロデューサー研究、その研究におけるプロデューサー人財の行動や意思決定が、まさにエフェクチュエーション理論と非常に近く、かつ親和性の高いものであると直観的に感じたことが、今自分がエフェクチュエーション理論を広く広め普及さえていく取組につながっている。

今後「プロデューサーのキャリア連帯」(著:山下勝 山田仁一郎 2010年 白桃書房)コンテンツ・プロデューサー機能の基盤強化に関する研究」(経済産業省)等との実証研究をしてみたいとも考えている。

ここまではエフェクチュエーション理論とアントレプレーナー研究、また関連領域の話をしてきましたが、まずどういった理論なのか?
それを第一回目のブログ投稿の最後ご紹介しておこうと思います。

それは熟達した起業家がいかに起業機会を発見し意思決定をすることができたか?4つ行動原則と世界観で表されています。

【原則①「手中の鳥(Bird in Hand)」の原則】
【原則②「許容可能な損失(Affordable Loss)」の原則】
【原則③「クレイジーキルト(Crazy-Quilt)」の原則】
【原則④「レモネード(Lemonade)」の原則】
【世界観「飛行機の中のパイロット(Pilot-in-the-plane)」の原則】

ブログのタイトルが「予測の不確実性と複雑性への対処法」そしてこれは今後投稿予定のブログのテーマでもあります。
4つの原則と世界観がなぜに予測の不確実性と複雑性への対処につながるのか一番大事なところですが次回以降のブログにてご説明させていただきます。

最後になりましたが大学学部時代の恩師が元神戸大学経営学部教授金井壽宏(現立命館大学食マネジメント学部教授)先生から自分に送られた言葉が「学問も仕事もワイドレシーバー!」(当時アメリカンフット―ボール部のポジションがWR)。

そして卒業以降も同窓会(金壽会)で伝え続けていただいている教えは、心理学の巨匠クルト・レヴィン(Kurt Lewin)
「よい理論ほど実践的なものはない(Nothing is no practical as good as theory)」これらの言葉を大切にブログ連載させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

大島直彰 氏
大島 直彰(大島 なおあき)講師

【経歴】
神戸大学経営学部卒 1993年関西テレビ放送(株)入社、2020年9月に関連会社である(株)関西テレビハッズに出向、新規事業推進室長(カンテレHRアカデミー長兼講師)

(多摩大学経営情報学研究科 経営情報学専攻修士課程MBAコース2012年修了 経営情報学修士 組織学会会員)



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2021年4月5日|カテゴリー「さまざまな分野
退職金の受け取り方法
退職金」についてネットなどで情報を収集してみると「税金面での優劣に関する記述」が多いように感じます。

そこで、一時金のみ支給の企業と併用の企業があるという退職給付金制度自体のそもそも論と、税金面を含めた退職後の生活について「どう役立てるのか?」という、2つの視点が重要だと認識しました。

今回は2回に分けて前編で退職給付を年金で受取る場合の税負担について」後編で「一時金or年金?退職給付の受け取り方法は?」についてご紹介いたします。
シニア社員の退職後の『生活不安解消のヒントにしていただければ幸いです。

~前回の記事を読む~

一時金or年金?退職給付の受け取り方法は?

・退職給付を一時金で受け取ったほうが良いのか?
・年金で受け取ったほうが良いのか?
・退職一時金と年金を分割して受け取ったほうが有利か?

選択可能な企業にお勤めであれば、「どちらが有利か?」悩ましく思案をされるでしょう。

ネット情報などでは、
「税金面では、一時金の控除を利用したほうが有利?」
「手取り総額は年金の方が多くなる場合がある?」
「受取り方法が選べる場合には、どちらか一方に決めつけず、分割受取が有利?」

など様々な見解が掲載されており、税金という側面のみに着目した内容が多い印象です。

中には「退職金は一時金で受取り、受取った資金は運用すれば収益期待が高まる!」といった業者の思惑が色濃く反映されている論調も皆無ではありません。

『一時金』のメリット・デメリット

退職金の受け取り方法_メリットデメリット
・まとまった金額が手元にあると安心感が高まる
・手元資金があれば急な出費等に対応できる
・一時金受取りは、勤続年数が長いほど税負担は軽減される
・退職所得控除の範囲内であれば、税負担は生じない
・一時金で受取っても、利息等は期待できず増え難い
・使い過ぎ注意
・退職金として受取った残高が減少し続けると「不安感」が増しやすい

『年金』受取のメリット・デメリット

退職金の受け取り方法_メリットデメリット
・定期的に安定して入金され、家計が安定しやすい
・年金給付利率次第で預金より手取り金額が増える可能性がある
・終身年金が選択できる場合には、「経済的長生きリスク」を緩和できる可能性がある
・毎年の収入に計上されるため、健康保険料・介護保険料の負担が増える可能性がある
・急な出費などに対応し難い
・住宅ローン等、借入れの一括返済原資には難しい
・リフォームや子どもの大学入学金等のまとまった支払の予定があると対応し難い

『一時金』or『年金』を決める前に確認・検討すること

・退職給付は生活費として組み入れる「必要があるか?否か?」の検討
・生活水準を低下?・維持?・向上?「どうしたいのか」、「どうなるのか?」を検討
・生活費として「組み入れる金額」を検討
・退職慰労のために旅行・レジャーにどのくらい「使いたいのか」を検討

・「使い過ぎ」、「いつの間にか使ってしまう?」という不安に対する解消策の検討
・「手元資金が乏しい」という不安に対する解消策の検討

・「年金受取りまたは一時金・年金の併用の可否」を確認
・年金受取りの場合は、年金の給付利率を確認
給付利率の利率に応じた「受取見込み総額」を試算


・一時金で受取りの場合は、「計画的な取り崩しの可否?」を検討
・一時金と年金の併用が可能な場合、「受取り方法の比率・金額」を検討
・有期年金場合、「受取期間終了後の収支見込」を検討
・終身年金は年金額+公的年金と老後支出の収支を確認

・「何歳まで働くのか?否か」を検討
・公的年金を繰り下げると老齢年金が0.7%~最大42%割増(※5)されることを念頭に「公的年金の受取開始年齢」の検討

・勤め先の退職給付制度を確認
・退職給付を「一時金」または「年金」または「併用」の各々で受取る場合の税負担の違いによる手取り額が変わる可能性を検討

まとめ

退職金の受け取り方法
大企業・中堅企業を中心とした退職金と年金制度の併用する企業にお勤めの場合は、退職金を「一括受取」または「年金受取」または「一時金・年金を分割して受取」を退職者が選択して受け取れます。
また、お勤め先の企業が支払う退職金に加えて、確定拠出年金等の企業年金が支払われる場合には、一時金と年金受取の選択が可能になります。

選択できるからこそ迷いが生じてしまいますが、その受取方法に関して「何が良いのか?」は、画一的な回答は存在しません。

まずは、お勤め先の退職給付制度の確認に始まり、退職後の生活設計をお金が必要となる期間・時期と金額使いたいお金の金額と時期備えるお金の金額を分けて考え、それに合った受取方法を検討すると良いと思います。

※5-1 日本年金機構:老齢基礎年金の繰り下げ受給
※5-2 日本年金機構:老齢厚生年金の繰り下げ受給

シルバー社員のセカンドライフ応援研修

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シルバー社員のセカンドライフの応援を目的とします。シルバー社員のマネープラン(得する知識)、キャリアデザインがセットされた研修です。
オンライン研修でありながら講義形式だけでなく、ワークを取り入れた参加型研修となっております。



JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


※お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください
2021年3月26日|カテゴリー「さまざまな分野
退職金の受け取り方法
退職金」についてネットなどで情報を収集してみると「税金面での優劣に関する記述」が多いように感じます。

そこで、一時金のみ支給の企業と併用の企業があるという退職給付金制度自体のそもそも論と、税金面を含めた退職後の生活について「どう役立てるのか?」という、2つの視点が重要だと認識しました。

今回は2回に分けて前編で退職給付を年金で受取る場合の税負担について」後編で「一時金or年金?退職給付の受け取り方法は?」についてご紹介いたします。
シニア社員の退職後の『生活不安解消のヒントにしていただければ幸いです。

退職給付制度の現状について

退職金の受け取り方法
退職金といえば、退職後に「まとまった金額が振り込まれる」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、企業の退職給付制度には、退職給付制度は一時金だけではなくいくつかの制度が混在しています。

退職金制度を設けている企業の受取り方法についての調査(※1)では、

1.退職金制度のみ(一括受取り)・・・73.3%
2.退職年金制度のみ(年金払受取り)・・・8.6%
3.退職金と年金制度の併用(一時金と年金を分割して受取り)・・・18.1%
4.退職給付制度を設けていない・・・19.5%

退職給付制度の現状は、一時金として一括支払いする企業が73.3%と多くを占めているようですが、この傾向は従業員数により大きく異なっています。

従業員数1,000人以上の企業では、「退職一時金のみ」の企業の占める割合は27.6%と少数に止まり、「一時金と年金受取の併用」は47.6%となっており、半数近い企業において一時金と年金の受け取り方法・金額を退職者が選択できる制度になっているようです。

その一方で、従業員数が少なくなるにつれて「一時金のみ」の割合が上昇し30~99人の企業規模においては82.1%にまで上昇します。
退職給付制度は、「後払い賃金」や「永年勤続奨励」という意味合いの強い制度ですが、その制度自体が存在しない企業もありますので、まずはお勤め先の退職給付制度を確認しておきましょう。

企業年金の種別

退職給付金には、企業が定める退職金規定に基づく退職給付に加えて、企業が任意で加入する企業年金があります。

◆確定給付企業年金(規約型/基金型)
◆確定拠出年金(企業型)
◆厚生年金基金
◆退職年金給付
◆中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度

企業年金は、「年金」という名称が用いられていますが、年金受取りに加えて一時金での受取りも選択可能です。

退職金の受け取り方法

退職給付の金額について

下記の数値は、定年退職者の退職制度別の受取額(※2)の調査結果です。

退職金の受け取り方法
退職金の受け取り方法
注)一時金のみの場合は退職一時金額、年金のみの場合は年金現価額、両制度併用の場合は退職一時金と年金現価額の合計金額


この調査によると、退職給付に関しては「永年勤続奨励」という意味合いが色濃く反映されているのが見て取れます。

退職給付を一括して受け取った場合の税負担について

退職給付を一括して受取る際に納める税金も勤続年数に応じて「税負担が軽減される」という仕組み(※3)になっています。

(退職金 ※1 -退職所得控除額 ※2)×50%=退職所得の源泉徴収税額の速算表に応じた税額

※1 退職金の源泉徴収される前の金額 ※2 退職所得控除額の計算

退職金の受け取り方法
●勤続12年の会社員が1,500万円の退職金を受取る場合の納税金額は、

(1,500万円-40万円×12年)×50%=510万円・・・課税退職所得金額
(510万円×20%-427,500円)×102.1%=604,940円・・・退職金の税額


●勤続35年の会社員が1,500万円の退職金を受取る場合の納税金額は、

1,500万円-((800万円+70万円×(35年-20年))×50%=0万円・・・課税退職所得金額 
勤続35年の上記例題では、退職所得がゼロとなり算出されないため退職金にかかる税負担はありません。

退職給付を年金で受取る場合の税負担について

退職給付を年金受取する場合にも「公的年金控除 ※4」という制度があり、公的な老齢年金と合算が可能で給与等の課税方法よりも優遇される仕組みになっています。

退職金の受け取り方法
例えば、
・前提条件:退職給付1,500万円、公的年金受給額(65歳以降)100万円/年、年金給付利率1.5%、10年確定年金、その他の収入はない場合
・退職給付1,500万円を全額年金受取にした場合の年金額=約162万円/年
・公的年金100万円に退職給付162万円を加えた年金合計額に対する所得税=52,000円/年(注)
(注)公的年金控除110万円、基礎控除48万円、所得税率5%、その他の控除はないとして試算


以上、前編はここまでです。
次回、後編「一時金or年金?退職給付の受け取り方法は?」をお楽しみに。


※1 厚生労働省:平成30年就労条件総合調査「第17表 退職給付(一時金・年金)制度の有無」より

※2 厚生労働省:平成30年就労条件総合調査「第24表退職給付(一時金・年金)制度の形態別定年退職者1人平均退職給付額(勤続年数20年以上かつ45歳以上の定年退職者)

※3 国税庁:タックスアンサー「№1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」

※4 国税庁:タックスアンサー「№1600 公的年金等の課税関係」

シルバー社員のセカンドライフ応援研修

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シルバー社員のセカンドライフの応援を目的とします。シルバー社員のマネープラン(得する知識)、キャリアデザインがセットされた研修です。
オンライン研修でありながら講義形式だけでなく、ワークを取り入れた参加型研修となっております。



JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


※お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください
2021年3月22日|カテゴリー「さまざまな分野
「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<残酷な「美」の語源>
「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~をテーマに掲げて連載がスタートいたします。
1回目の今回は、「残酷な「美」の語源」についてです。

未来は「感性の時代」と言われておりますが、特に「芸術家」や「アーティスト」が未来に残る職業というわけではありません。
同時にAIやIoT化も急速に進み、ビジネスマンの中にも「クリエイティブ」な人もいますし、芸術家の中にも「ロジカル」な人もいます。

ただここに、コロナ禍による急速なIT化という流れと、汎用性がありリバースできる仕事についてはAIが台頭することを考えると、「クリエイティブ」×「ロジカル」で、いかに新奇性が高く魅力的な着想や発想を創出できるかが、働く未来を牽引することになりそうですね。

誰もが予想できる常識的で正しい答えから、いかに抜け出し「その手があったか!」「信じられない!」と膝を叩くような工夫やアイディア。

「美しさ」には「正しさ」より懐の広い、豊かで心地良い概念を感じます。

「美意識スタンス」によって、美しさの感性を日常に取り込むことで、より自分らしいオリジナリティ溢れる驚きや喜びを広げ、思考より先に感情を動かして様々なシーンで創造力を育みます。
それが、企画提案書や、対人関係や、働き方や、人生にも活かすことができる。
正しさを前提としてそこに「美意識」を機能させると、よりワクワクするアイディアに溢れた日常を創造することができる。
コロナ明けに迎える未来が楽しみです。

タイトルに悩みましたが、「迷ったらまず辞書を引け!」と教えられましたので「言葉の意味」からイメージします。

『美』の語源について。
1)「美」の語源

2)残酷な「美」の解釈

3)驚愕の「幸」との関係性

『美』という字は、「羊(ひつじ)」「大(おおきい)」の二つの言葉で構成されています。
「羊」「大」がなぜ「美」につながるのか?

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<残酷な「美」の語源>
大きな羊は献物として大きいほど価値が高いとされ、さらに神に供えられる羊は純粋無垢で完全であることを求められたことから「羊」「大」『美』が生まれたようです。

人に置き換えると、純粋無垢という心の状態は、邪念のない清らかで翠光な心の持ちようとでも言いましょうか。
禅でいう「無の境地」でしょうか。
人として到達する「美しさ」の最高峰ということでしょうか。頭では理解できても実際の雑念だらけの思考回路では、まだまだ修行が足りません。

まったく話が違いますが、純粋無垢な子羊のラム肉(大人はマトン)は神聖な食べ物なのかと、ジンギスカン(モンゴル帝国のチンギス・カン)を調べてみましたが、関係は謎。

旧約聖書では生贄(いけにえ)として神に捧げられる「羊」
人が持つもので一番美しく大切な物である羊を神に差し出す行為が「美しさ」の象徴だとしたら、ちょっと残酷な気がします。日本では江戸時代にも生贄や即身仏があったようですが。

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<残酷な「美」の語源>
ただ、自分が持っている中で一番大切な物を差出す心情を考えると、それは「願い」とか「希望」を叶えるための手段として、至極当然なのかもしれません。

現代は、一部の宗教などを除き、生贄などの残酷な行為は無くなりましたが、その代わりに「奉仕の精神」として、自分の中にある純粋な思いを社会に奉げるという行為が残ったように思います。
また、「男の美学」とか、自分を曲げずこだわりを貫く生き方に対して、美しいと表現することも多々あります。
このようにストイックな生き様にも何か強い信念があり、「美しさ」には、無垢な境地に辿り着くために、何かを削ぎ落してでも叶えたい強い願いが込められているようです。

先日、友人が主催するリモートセミナーに、「幸福学」の権威である前野隆司教授が参加しておられ、グルーㇷ゚セッションで「美意識」について会話できる機会を頂きました。
『「美意識」と「幸福」はとても密接に関係していますね。』とコメントをくださいまして、さらに未来を確信しました。

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<残酷な「美」の語源>
感覚優位な私は、「美」「幸」の文字数や形状から関係性を考え始めるという、型にはまらない一種独特な単純思考でクリエイティブ思考に挑戦!

美は9画、幸は8画。
形も似ているけれどどうなのかな、一度分解してみようと、それぞれの字をパズルのように解したり合体させたりして遊んでいたところ、「美」の「大」部分を抜き出して右側の曲線をひとつ外し、残った左側の曲線を真っ直ぐに整えて、組み直したところ「幸」という字になることを発見!(*クイズです、チャレンジしてみてくださいね。)

「覚醒型セルフ・ブランディング」~マナーを超える基礎表現力~<残酷な「美」の語源>
一般公開するには、無理やり感は否めませんが。

思考を自由に遊ばせる。これもクリエイティブな感性を磨く一つの方法。

これから「美意識スタンス」がつくる豊かな感性を育てることで、人間関係や働き方の未来が明るくなるようなアプローチに取り組みたい。

さて、noteには最適と言われる2000文字以内。

ここまでお読み頂きましてありがとうございます。

「覚醒型セルフ・ブランディング」研修でスキルを磨く

職場環境改善の対人関係トレーニング「コミュニケーション・フィットネス(R)」
職場環境改善の対人関係トレーニング「コミュニケーション・フィットネス(R)」
職場や仕事関係者との対人問題が起こる前に、予防としての基礎トレーニング方法を身に付けることで、人間関係に積極性が持てるようになります。
それと同時に成長意欲も高まりお互いを育み合える関係性を築くための研修です。
ビジネスパーソンのパフォーマンスを磨く「覚醒型セルフ・ブランディング」
ますます異世代間のコミュニケーションが試されるいま、覚醒される時代に合った新たな自分づくりとなるセルフ・ブランディング研修です。
また、自分の価値を認識し、職場や仕事関係者との対人関係に自信が持てる基礎トレーニング方法を身に付けることで、新しい役職への着任や転職などのターニングポイントにも意欲的にチャレンジできます。
企業で活躍する女性を応援する!「印象革命ベストポジションメーキャップ」
自立志向の女性をビジュアル面から応援する「印象革命 ベストポジションメーキャップ」は、自分が現在のポジションをイキイキと過ごすために背中を押す、革命的な印象を変えるビジュアル研修です。

リモートでレクチャーとメイク完成図を使うレッスンを通して、コンプレックスの解消魅力的なパーツの引出し方を学びます。
JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。

ゲストプロフィール

熊谷真実講師
熊谷真美(くまがいまみ)
株式会社マリアド 代表取締役

●日本プレゼンテーション協会認定講師
●日本メンター協会公認事業者 MOP ライセンス資格
●資生堂 SABFA メーキャップ特別コース修了

資生堂販売株式会社出身 16年勤務。
百貨店でのマネージャー経験と世界的なアーティスト養成機関であるSABFA特別コースにてトップクラスの美意識を学ぶ。
退職後、俳優や実演販売士のマネジメント会社へ転職しフリーとして活動。
全国SHISEIDOサロンにて50000人の女性へのビジュアルカウンセリング実績。
専門学校にて後進の育成、BNNY銀座・イギリス大使館などでプレスリリースのメイクショーなどを担当。
同社で俳優の演技術をビジネスに応用したプログラム開発をサポートし、一部上場企業を中心に口コミで広がる人気プログラムへ育てコンサルティング部立上げに参画。
15年以上の企業研修経験の中で、企業ブランディング・セールス・インストラクション・プレゼンテーションなどの表現力に特化した研修プログラムの開発と講師経験を経て2016年独立。
株式会社マリアドを設立し、「ブランド・スタイリング・プログラム」「印象革命」「コミュニケーション・フィットネス(R)」「スパイラル・リーダーシップ(商標登録出願中)」「覚醒型セルフ・ブランディング」を展開し、新人~中間管理職・経営層・自立型女性リーダーや起業家 育成に力を注いでいる。


■研修テーマ
新入社員研修後の戦力化ビジネススキル(基礎表現力)/中堅社員のモチベーションアップ研修/教育担当者のインストラクション(教え方)研修/コンペで通る プレゼンテーション研修/女性リーダーブランディング研修


※お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください
2021年3月8日|カテゴリー「さまざまな分野
ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
新型コロナウィルス感染症の影響により、働く環境は激変しました。
2021年1月発出の緊急事態宣言では、飲食店等の営業時間短縮要請に止まらず、テレワークの推進や外出自粛等が求められ、コロナ対策として政府・自治体による「給付金」、「支援金」、「協力金」、「補助金」、「助成金」といった具合に様々な名称の支援策が実施されていたものの、収入減少等の生活への悪影響は少なからず及んでいます。

コロナ下においても企業業績は、好調・不調はまだら模様とはいえ、先行きの不透明感から2021年春闘では「賃上げ」という気運は盛り上がらず、連合では『誰もが希望を持てる社会を実現!安心・安全に働ける環境整備と「底上げ」「底支え」「格差是正」で』というスローガンを掲げていますが、実態の生活不安は増すばかりです。

このような状況においては、政府・自治体による公助は限界があり、経営者も雇用確保と賃金の現状維持を優先させ、賃金改定等の待遇改善は「ひとまずお預け」となりそうな勢いです。

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
賃金改定によるコスト増については、例えば200名の社員に対して「一律5,000円のベースアップをする」と仮定した場合、そのコストは、1か月で100万円となり、1年で1,200万円のコスト増となります。

企業にとって、ベースアップに対応した利益を上げるのは容易なことではありません。

各々の価値観や生活環境、家族構成など様々な要因で異なりますが、仮に家計支出金額を無理なく5,000円の削減を図ることが可能になれば、同じ金額の収入がアップしたと同じ効果が見込まれます。

先行きが不透明でベースアップが難しい時こそ、企業が研修等の機会を利用して「社員の家計支出を削減できる術を伝授する」という情報提供に努めることで、社員自身が研修で学んだことを生かし、実行すれば「ベースアップに匹敵する効果見込める」という気づき効果が期待され、しっかり認識されれば企業と社員の信頼関係の構築にも役立つでしょう。

さて、今回は「ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』後編」です。

★前回の記事を読む

家計改善のヒント

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
「お得」という言葉には、様々な要素が潜んでいます。そもそも「何をもってお得としているのか」に注意しましょう。

「今だけ」「限定!」「早い者勝ち」といった購買を煽る宣伝文句は、ちまたに溢れています。
また、「値引き販売」に加えて「ポイント還元」「おまけ付与」といった特典を付ける手法も数多のシーンで用いられています。

いずれも、ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』前編で述べた「必要なモノ」を購入する支出に対しては、有効な(お得な)手段の場合もあると思いますが、「欲しいモノ」を購入する際には、無駄使いになり兼ねません。

購買を煽る宣伝文句には、「欲しい」という欲求を刺激する効果があります。
また、期間限定ポイントなど注意していないと、いつの間にか「ポイントが失効してしまった」という経験をお持ちの方は少なくないと思います。

「おまけがもらえる」というケースに至っては、おまけが「もらえる」というお得感があるものの、おまけ自体が不用品になり兼ねず、必ずしもお得とは限りません。

家計改善のためには、「お得」という誘い文句に飛び付くことなく、その必要性を吟味しながら慎重に購入を検討することが大切です。

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
毎年年末年始になると書店には家計簿が山済みされ、家計簿を活用して家計を改善に「チャレンジしよう」とするニーズに応えています。

ところが、せっかく購入した家計簿は、2月、3月と経過するにつれて、「面倒くさい」あるいは「いつの間にか収支不明状態に陥る」という事態が原因で、徐々に「記帳から遠ざかる」ということは少なくないようです。

家計簿を記帳する目的は、収支を把握するためのものです。
「家計簿の記帳」という意気込みが強いほど記帳する行為が目的化してしまい、日々の支出記録の煩雑さから、「あとで」と記帳作業を先送りしてしまい、気が付けば使途不明金の山盛り状態から「途中断念」という事態に陥ります。

家計簿の記帳項目は極力シンプルにしておかないと、途中断念の可能性が高まります。
大根一本の価格を記録して把握することは、家計の1か月の「収支を知る」という目的に比べると重要度は劣ります。

まずは、1か月の収支が「黒字」or「赤字」を把握し、赤字の時の原因究明のみならず黒字の原因についても継続するための工夫をしておきましょう。

必ずしも家計簿を記帳することがすべてではありません。
家計管理によって「使ったお金の見える化」をすることを優先させれば、家計改善期待が高まります。

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
コロナの影響も相まって、現金以外の決済手段が急速に普及し始めました。
クレジットカード決済QRコード決済ICカード決済デビットカード決済など様々なキャッシュレス決済が混在しています。

キャッシュレス決済の利点は、ATM等へ行っての引出しの手間解消や小銭が不要になり、割引など特典が付くケースが多く、慣れれば支払いが簡単になることが挙げられます。
これらに共通しているのは、現金決済では経験したことのない「特典付与」です。

一方で、いくつかの注意点も混在しており、「家計改善」というテーマにおいては、「キャッシュレス決済は使ったお金が見えにくい」という点です。

クレジットカード、QRコード決済、ICカード、デビットカードのいずれも月に一度程度の頻度で「利用明細の発行・送付受領」、あるいはスマホ等で確認画面を開き、「利用明細をチェック等」といった具合に使ったお金を見ようとすれば見えるものの、果たしてどのくらいの利用者が利用明細をチェックし、家計管理に役立てているのか?怪しいようです。

現金であれば、財布の中身が寂しくなれば一目瞭然ですが、キャッシュレス決済ではお金を使う時には目に見て確認できるわけではありません。
そのため使い過ぎの懸念も払拭できず、気が付けば「使い過ぎ」という状況に陥らないとも限りません。

上記の注意点を踏まえつつ、超低金利下における普通預金では金利は0.001%(令和3年2月現在)という金融機関が多数を占める中、キャッシュレス決済のポイント付与などの特典では、利用金額の0.5%程度が付与されることが多くキャンペーンなどを上手に利用すれば数%から10%を超える特典が付与されることもあります

キャッシュレス決済の利用においては、時々によって変化するキャンペーン等の特典の大きな決済事業者に「とっ替えひっ替え」乗り換えて特典を分散させることは極力控え、特典を一つに集中させることで家計改善効果は高まります。

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』

テレワークの推進は、コロナの流行がきっかけになったことは間違いなさそうですが、時代の要請でもあるようです。

★意欲をもって仕事に取り組むために
★快適な生活をおくるために

家で過ごす時間の拡大しつつある中で、生活の基盤となる家計の改善は、収入を補う手段のみならず、満足感と安心を得るための手段でもあると思います。

家計改善は、「ケチケチ」することではなく、無駄の発見お金の使い方についてのアクセルとブレーキの操作法を確認することです。

こんな時だからこそ「関心を喚起して知る者」「無関心で知らざる者」の間に格差は生まれやすいのでしょう。
経済的格差解消のためにも情報提供は大切だと思います。


若手・新入社員のライフプラン応援研修 ~集合研修~

<研修のおすすめポイント>
社員一人ひとりが「お金」の問題に真正面から向き合って考えることによって、「自分が描く将来の姿を実現するためにはどう働けばいいのか」、「会社で長く働き続けるメリット」などに気づくことができます。
この研修を受講することによって、社員の就労継続の意欲向上、離職防止や従業員エンゲージメント向上にもつながるため、新入社員・若手社員の研修として導入する企業が増えています。

ライフプラン応援研修
社会経験の浅い若手・新入社員のライフプランの応援を目的とします。結婚・子育て、住宅購入などのマネープラン(得する知識)、キャリアデザインをセットされた研修です。

講義形式を極力避け、ゲーム参加ワークを取り入れた参加型研修となっております。

JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


※お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください
2021年3月1日|カテゴリー「さまざまな分野
ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
新型コロナウィルス感染症の影響により、働く環境は激変しました。
2021年1月発出の緊急事態宣言では、飲食店等の営業時間短縮要請に止まらず、テレワークの推進や外出自粛等が求められ、コロナ対策として政府・自治体による「給付金」、「支援金」、「協力金」、「補助金」、「助成金」といった具合に様々な名称の支援策が実施されていたものの、収入減少等の生活への悪影響は少なからず及んでいます。

コロナ下においても企業業績は、好調・不調はまだら模様とはいえ、先行きの不透明感から2021年春闘では「賃上げ」という気運は盛り上がらず、連合では『誰もが希望を持てる社会を実現!安心・安全に働ける環境整備と「底上げ」「底支え」「格差是正」で』というスローガンを掲げていますが、実態の生活不安は増すばかりです。

このような状況においては、政府・自治体による公助は限界があり、経営者も雇用確保と賃金の現状維持を優先させ、賃金改定等の待遇改善は「ひとまずお預け」となりそうな勢いです。

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
賃金改定によるコスト増については、例えば200名の社員に対して「一律5,000円のベースアップをする」と仮定した場合、そのコストは、1か月で100万円となり、1年で1,200万円のコスト増となります。

企業にとって、ベースアップに対応した利益を上げるのは容易なことではありません。

各々の価値観や生活環境、家族構成など様々な要因で異なりますが、仮に家計支出金額を無理なく5,000円の削減を図ることが可能になれば、同じ金額の収入がアップしたと同じ効果が見込まれます。

先行きが不透明でベースアップが難しい時こそ、企業が研修等の機会を利用して「社員の家計支出を削減できる術を伝授する」という情報提供に努めることで、社員自身が研修で学んだことを生かし、実行すれば「ベースアップに匹敵する効果見込める」という気づき効果が期待され、しっかり認識されれば企業と社員の信頼関係の構築にも役立つでしょう。

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
●収入を得たら支出したあとの残りのお金を貯めようとする
ついつい衝動買いを重ねる
節約疲れの反動が多発する
家計管理の目的を意識していない
「たった○○しかない」と否定的に考える
持っているお金を使いきろうとする
いくらお金と使ったか考えようとしない
欲しいモノを買う時には価格を見ないで買うことが多い
ジャンボ宝くじは欠かさず購入している
ボーナスがないと生活が成り立たない
勧められると断りにくい
理解できないことは聞き流す
ニュースはあまり見ない
「いまさら勉強したくない」という思いが強い

家計改善のヒント

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
「使うお金」「残すお金」「残ったお金」の違いを知りましょう。

使うお金とは、文字通り日常生活などで使うお金のことです。居住費、食費、水道光熱費、被服費等、教育費、交通・通信費、保険料、娯楽費、その他が該当します。

毎月使うお金以外にも、冠婚葬祭費、耐久消費財(電化製品等)購入・買換え、旅行・レジャー費、税金の支払い、その他が該当し、毎月ではないが必要(or希望)に応じて都度使うお金があります。

残すお金とは、積立貯蓄(or投資)などの手法を用いて目的をもって残すお金のことです。

残ったお金とは、振り込まれた給料から使うお金を使ったあと、たまたま銀行等の給料振込口座に残っているお金です。

家計改善のためには、使うお金を決めて、制御する必要があります。
制御ができていないと、冠婚葬祭費、その他の不意な支出があった場合、「残ったお金」だけでは資金が不足してしまい、たちまち家計が圧迫されます。
一時の家計圧迫で止まれば大事に至りませんが、常態化してしまうと借り入れで対処せざるを得ない事態に陥り、自転車操業状態になり兼ねません。

また、借り入れをせずとも「残したお金」から頻繁に目的外の預金引出しをしていては、「ザルで水を汲む」が如く、いつまでたっても貯まりません。

お金に支配=支払いに追われることなく、お金を支配=限られたお金を活用するのが家計改善の第一歩になります。

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
使うお金には、生存のために欠かせない「必要な支出」と喜びや満足・楽しさを得るために使う「欲しいモノ支出」という二つの顔があります。

この違いを意識しないと「あればあっただけ使ってしまう」あるいは、そんなつもりはなくとも「いつの間にか使ってしまう」という事態に陥りやすくなります。

「必要」と「欲求」をどれだけ「意識できるか」がポイントになります。

「無駄使いした」という経験は多くの方に心当たりがあると思います。
この言葉は、お金を使った一定期間後に後悔した時に使われます。
「あとで後悔する」ということは、買ったときには「欲しい」と考えたからに違いありません。
無駄使いの原因の一つが、その時点では「無駄とは思っていなかった」ということです。

買い物をする際に「本当に必要なのか?」あるいは「欲しいだけなのか?」を一旦深呼吸するだけでも無駄使いは減るようです。

「必要」と考えるモノを買う時にも注意しましょう。
同じ「必要なモノ」であっても高級品・普及品・安価品が存在しています。
その差は、いわゆる付加価値といわれるもので、コストの違いも含め、性能や利便性、快適性、ファッション、希少性など様々な要因で価格差が生み出されています。

例えば、お米の価格で考えてみると有名ブランド米と外国産米では、価格に大きな差があります。
「空腹を満たす」、「栄養を摂取する」という必要性のみに着目すれば、ブランド米も外国米も必要性は変わりません。
ところが、この価格に違いは「風味」や「食感」、「その他の好み」が一定の購入者に支持された結果、外国米よりも高い価格で販売されます。
同一目的の商品・サービスにおいての価格差が存在する理由を考えてみることも大切だと思います。

同時に「財布の中身と相談しながら買い物を楽しむ」ことも意識しましょう。
利便性や快適性などを求めて「欲しいモノ支出」を拡大させるのは、満足感に結びつきます。
その反面、限りある収入の中であり、それが生涯続くとは限りませんので「ときには我慢する」ということも大切です。

将来を視野に入れつつ 今の生活を豊かに!

我慢ばかりでは、楽しくありませんので、無理のないところで「残すお金を残したうえで、使えるお金を意識して使いきる」というスタンスが理想だと思います。

ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』
利便性が向上すれば、利便性に対する対価を支払う必要があります。
極端な例ですが、食器洗い機がなくとも食器の洗浄は可能です。

食器洗い機が、無駄という意味ではありません。
食器洗い機を利用すれば、手間が省けて省いた時間を有効に使えます。

安価な食器洗い機が3万円として高機能品が10万円と仮定すれば、洗浄時間の違いに止まらず、汚れ落ち・節水機能・洗い物容量の違い・機器の手入れなど価格に比例するように利便性が向上します。

同様に不安を解消して安心を求める場合も対価が必要になります。
不安という魔物は、心の奥深くに潜んでおり、不安解消=安心を得るためには躊躇なくお金を使うようです。

例えば、これまで泣き寝入りすることが多かった「あおり運転」に対して、動かぬ証拠を突き付ける有力な手段として急速に普及しているドライブレコーダーは、安心のための機器の代表例だと思います。

一般的に2万円~5万円程度の価格が多いドライブレコーダーの寿命は意外と短命の1~3年と言われ、記録媒体のSDカードにも寿命があり、定期的な動作チェックをしていないと「いざっ」という時に記録されていない事態になってしまうと意味を成しません。 

「保険に入っていた方が安心ですよ」という勧誘文句を耳にすることがあります。
保険は「安心のため」に加入するのではなく、万が一の際に必要な金額を確保するためのものです。

そのため、必要となる金額を最小限度に止めておかないと保険料負担が家計を圧迫する事態になり兼ねません。

例えば、生命保険の場合、被保険者である方が亡くなって失われる収入を補填する目的が圧倒的多数です。

被保険者がお亡くなりになることで収入が途絶え、生活費等の困窮が起こるのであれば、『生命保険に加入する必要がある』と考えられます。
裏を返せば、生命保険に頼らなくとも困窮が回避される見込みがあれば、生命保険は不要となります。

ということは、ご遺族の生活費困窮は、「いくらなのか?」が最も重要であるはずです。
これを知らずして保険に加入するのは、「真っ暗な夜道を無灯火で突き進む」という状況だと思います。

この困窮を査定する手掛かりは、現在の生活費、お子様の自立時期、配偶者の余命、遺族年金の概算、貯蓄残高、死亡退職金等、配偶者の就労状況、教育費など年齢や時期によって変化する生活費以外の支出状況などを調べると役に立ちます。

これら「便利・安心」について「コストがかかる」ということは、「当たり前」と言えば当たり前として既にご存じのはずですが、当たり前すぎて必要性に対する意識が薄れてしまいがちです。

今回の例題では「必要性が高い」と考える人は多数かもしれませんが、意識が薄れていれば、そこには壮大な「無駄使い」が潜んでいないとも限りません


今回はここまで。
次回は、「ベースアップに匹敵する効果を期待『社員の家計改善術』後編」をお送りします。
お楽しみに。

若手・新入社員のライフプラン応援研修 ~集合研修~

<研修のおすすめポイント>
社員一人ひとりが「お金」の問題に真正面から向き合って考えることによって、「自分が描く将来の姿を実現するためにはどう働けばいいのか」、「会社で長く働き続けるメリット」などに気づくことができます。
この研修を受講することによって、社員の就労継続の意欲向上、離職防止や従業員エンゲージメント向上にもつながるため、新入社員・若手社員の研修として導入する企業が増えています。

ライフプラン応援研修
社会経験の浅い若手・新入社員のライフプランの応援を目的とします。結婚・子育て、住宅購入などのマネープラン(得する知識)、キャリアデザインをセットされた研修です。

講義形式を極力避け、ゲーム参加ワークを取り入れた参加型研修となっております。

JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


※お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください
2021年2月22日|カテゴリー「さまざまな分野
「アジャイル流」人事制度構築メソッド
これからの人事制度に求められるキーワードを2つあげるなら、それは「自律性」「エンゲージメント」といえるでしょう。

新型コロナウィルス問題を契機としたニューノーマルの進展は、会社優先の価値観を相対的に低下させるとともに、在宅勤務の環境では時間のコントロールを本人に委ねざるを得ないため、自律的に成果を出せる人材がより求められるようになります。

また、ニューノーマルの進展はあらゆる業界においてデジタル化を加速させていきます。
デジタルの領域で成果をあげている企業を観察すると、例外なく社員が自律的に仕事に取り組んでいます
デジタル人材をこれまでの管理方法で活かすことは困難です。
実際に多様な人材を採用しても、組織風土に馴染めずに辞めていく事例が散見されます。

一方で社員による自律を促せば促すほど、会社に対する帰属意識の低下は避けられません。
会社が社員を組織に依存させようとしたままでは、社員の自律意識が高まらないからです。
しかし、従前のような帰属意識が低下しても、組織に対する貢献が不可欠であることは論を待ちません。
そこで、社員を強制的に帰属させるのではなく、自ら組織に貢献したいと感じさせる「エンゲージメント」を引き出すマネジメントが求められます

社員を統制し厳格に管理しなければ成果はあがらないという固定観念は払拭されなければなりません
そのためには、固定観念を強化している組織システムの変革が不可欠であり、その代表が人事制度といえます。

「自律性」と「エンゲージメント」を高める5つのマインド

「アジャイル流」人事制度構築メソッド
実際のところ、既に多くの研究によって強制的・圧力的な動機付けが人と組織のパフォーマンス向上に寄与しないことがわかっています。ニューノーマル時代にそれを続けていては、なおさら事態を悪化させてしまいます。

「自律性」と「エンゲージメント」を高めるために、これからの人事制度には以下の5つの要素(マインド)を強化・向上するものであることが必要とされます。

人が成長するためには、「自分は努力すれば成長できる」と思える「グロースマインドセット」が不可欠であるという研究結果があります※1。
そのため、人事制度は社員が自分の可能性を信じる自己肯定感を高めることを促進する必要があります。
逆に言うと、自分には能力が足りないと思わせるような圧力的な評価制度は見直されなければなりません。

「やらなければならない」と外発的に感じさせる目標よりも、「やりたい」と内発的に願える目標の方が、自主的な努力を引き出し、より高いパフォーマンスを実現することがわかっています※2。
そのため、目標設定においては上からの強制ではなく、「チャレンジしたい」「より大きな貢献をしたい」という主体的な意志を高めることが重要になります。

パフォーマンスの高い組織では社員が③~⑤の3つの動機を強く感じているという研究結果があります※3。
その1つ目は仕事が楽しいことです。
楽しいとは、いわば実験と検証を繰り返しながら成長実感や達成感を得ていく感覚を表しています。
そのためには、失敗を回避しようとするのではなく、試行錯誤へのトライを促す動機付けが必要です。

自分の仕事の成果がお客様や社会に役立っているという実感が持てている組織のパフォーマンスは高いという結果が出ています。
そのため、組織マネジメントにおいては社員が何に貢献しようとしているかという目的感が強化され、結果に対するフィードバックがしっかりと得られることが重要です。

今の仕事を続けることによって、自分の将来に向けた可能性が広がっていると感じられることがパフォーマンスを高めます。
そのためには、社員1人ひとりによって異なる将来のキャリアや働き方がイメージでき、実現できると感じられることが必要です。


※1:キャロル・S・ドゥエック
※2:オーブリー・C・ダニエルズ
※3:レンジー・マクレガー&ニール・ドシ

人事制度変革のトレンド

「アジャイル流」人事制度構築メソッド
人事制度は経営者が目指す組織の状態を創造するための仕組みです。そのため、唯一の正解があるわけではなく、企業ごとに経営の思いを具現化するアイデアを検討することが求められます。

しかし、当社における最近の支援事例では、いくつかの共通の改革案が採用されています。
これらの企業はどこも、これまで他の企業と同様の典型的な人事制度を用いていました。
その課題を解決しようと検討した結果、改革案には以下のような共通の要素が見られています。

社員の自律性やエンゲージメントを引き出す上で、現場におけるマネジメントの役割がもっとも大きいことから、人事制度自体を精緻に設計するよりも現場のマネジメント力の向上に力が注がれる傾向があります。
そのため、制度としては1on1(ワンオンワン:上司と部下の頻繁な対話)を定義した上で、導入研修や支援ツールの活用に力点が置かれています。

評価会議が社員の過去の結果を対象とするのに対して、人材開発会議(海外ではタレントレビューやピープルレビューと呼ばれる)では1人ひとりの社員を今後、どのように育てていくかを中心に議論がなされます。
人を育てるためには、過去の評価に多大な時間を使うよりも、これから先の育て方に時間を使った方が効果的であると考える企業が増えています。

人事評価を厳格にやらせようとすると評価自体が形骸化してしまう傾向にあります。
その中で、1次評価・2次評価・(場合によっては3次評価)を行う従来の評価制度が、本当に人の貢献や能力を正しく測定しているのかといった疑問が持たれることが少なくありません。
ならば、1次評価者にすべてを委ねるのではなく、日々の仕事を見ている周囲による評価を用いた方が、適正な評価ができるのではないかという考え方も取り入れられつつあります。

テレワークが普及するに伴って、1人ひとりのミッションや貢献目標をより明確にする必要性が高まっています。
しかし、上から目標を配分する従来のMBOでは自律性を高められないことから、各人が主体的に目標設定を行うOKR(Objectives and Key Results)の手法が採用されるケースが増えています。
OKRは人事制度に止まらず経営管理制度にも関連するため、導入のためには経営トップによるリードが不可欠です。

昨今、「ジョブ型」を採用する企業のニュースが増えていますが、実際のところ雇用・等級制度は企業によってまちまちです。
勤務地限定・職種限定雇用によって社員の働き方の多様化に応えようとする会社もあれば、限定雇用は社員の活躍の幅に制限をかけることから逆に廃止しようとする会社もあります。
また、ジョブに報酬を紐づけたところで、ほしい人材は市場価値でしか獲得できないといった業界もあります。
雇用・等級制度については流行に左右されずに、企業にとってベストな形を考えることが必要です。

アジャイル流人事制度構築メソッド

「アジャイル流」人事制度構築メソッド
従来、人事制度の見直しには2~3年の年月を要しましたが、当社ではより短期間(通常は従来の半分以下の期間)で新しい制度を構築して浸透させるサービスを提供しています。
短期間での導入が可能になる理由としては、以下が挙げられます。

新しい人事制度のコンセプトをクライアントの代表メンバーとのワークショップ形式で策定します。
ワークショップの場で意見を吸い上げて論点をクリアにするため、手戻りや説明・確認の時間を大幅に短縮できます(論点には等級・キャリアコース・評価・昇進/昇格・1on1・目標設定などを含む)。
最初に基本コンセプトの経営合意を得ることで、以降の詳細設計作業が円滑に実施可能になります。

新人事制度の運用はクラウドサービスの活用を前提とします。
それによって、システム対応の期間が大幅に短縮されます。従来とは異なる新制度のコンセプトも、クラウドサービスの画面を用いて具体的な業務レベルで示すことができるため、組織への浸透が図りやすくなります。

当社が有している1on1やOKRの研修コンテンツを有効活用できるため、研修の準備に時間がかかりません。
また、対象者数が多数に上る組織では、研修内製化サービスを活用して社内講師育成やオンラインコンテンツの整備を行うことで、コストを抑えて手厚い研修を実施することが可能になります。

新人事制度のコンセプト策定後に、社員からの意見を把握することが重要です。
なぜなら、新制度は社員の成長や働きがいの向上を目的とした社員のための制度でなければならないからです。
また、パルスサーベイ(少数質問で多頻度のサーベイ)を実施することによって、社員のエンゲージメント等の変化を測定することも必要です。

「アジャイル流」人事制度構築メソッド

組織が環境変化に機敏に(アジャイルに)適応するためには、人事制度も機敏に環境適応することが必要です。ニューノーマルを契機に制度変更の必要性を感じておられる方は、お気軽に当社までお問合せください。

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関連サービス

OKRシステム 1on1navi
パフォーマンスマネジメントを組織に浸透させるクラウドサービス『1on1navi
今なら50名まで無料でご利用いただけます。是非この機会にお試しください。

◆1on1navi

『人事評価』制度構築・運用支援サービス
ニューノーマル時代の人事評価支援サービスのご案内!

市販の評価パッケージを入れるだけでは、会社は良くなりません。
当社のサービスは、企業様ごとのご希望を制度に反映させます。
他コンサルにはない、カスタマイズ設計をご期待いただけます。

◆人事評価支援サービス

株式会社アジャイルHRについて

株式会社アジャイルHRは日本企業のパフォーマンスマネジメントの変革をミッションに活動しています。クラウドサービス「1on1navi」を中心に、1on1やOKRの研修とコンサルティングサービスを併せてご提供しています。


◆株式会社アジャイルHR
松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

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2021年2月8日|カテゴリー「さまざまな分野
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新型コロナウイルス感染症の拡大によって、2月7日までの期限付きで緊急事態宣言が発出されました。
この宣言は、3月7日まで延長されました。
新型コロナウイルスの拡大はなかなか収束する気配がないため、仕事の進め方に対しても様々な面で不便を強いられて、心理的にストレスがかかっているという社員も増えていることと思います。

一方で、こうした状況を組織変革の好機と捉えて、テレワークやリモートに関する環境整備に積極的に取り組んでいる企業も多くみられます。
政府から、テレワークの導入率7割という目標があるなかで、一度は事務所へ出社して仕事をするように取り組み始めた企業も、再びテレワークや在宅勤務が中心になっているようです。
特に営業職や事務職などを中心に、現場勤務でない業種や職種の方々がテレワークをしているため、私の自宅周辺でも、事務所に出社していないと思われる方々が再び見られるようになりました。

しかし、事務所内の業務だけですべてが完結するものばかりではありません。
対取引先、顧客、ビジネスパートナー、あるいは新規開拓先など、社外の様々な関係者とともに進める業務もあります。
特に営業部門の場合には、組織外部の方々との商談が必要になります。
顔を見せずに、たとえば電話やメールなどを用いた営業だけで新たな顧客を開拓することが中心であれば、今まで通りの仕事の進め方で問題ないかもしれません。

ただ、顧客と対面商談をする場合には、テレワークや在宅勤務であっても、オンライン商談で、今までと同じように進めることが求められます。
相手がテレワークや在宅勤務である場合には、当然のことながら、オンライン商談を進めることになります。
オンライン商談を阻む7つの壁を乗り越えよう!
新型コロナウイルス感染症の拡大がニュースになって1年。

様々な業種の営業場面でオンライン商談をする人たちも増えてきており、「オンライン商談はできません」などと言っている場合ではなくなってきています

仮に、「できない」と顧客に伝えてしまうと、顧客との取引を打ち切られてしまうことも十分に考えられます。

では、オンライン商談をどうやって進めればいいのでしょうか?
今までオンライン商談をやったことがない人は、対面商談と同じようにやれば問題ないのでしょうか?

今回は、オンライン商談を進めるにあたって、様々な場面で立ちはだかる壁について確認します。
そして、その壁を乗り越えていくための考え方をまとめます。

オンライン商談を阻む7つの壁を乗り越えよう!
オンライン商談に限らず、オンライン環境で最もストレスを感じるのは、音声にかかわることではないでしょうか?
もちろん音声がクリアに聞こえるようにしなければいけませんが、その前に、まずは通信環境に問題がないか確認しましょう。
オンライン商談をする場所がないとよく言われるのは、自宅で商談をしようとすると、家族が乱入してきて集中できないなどの問題があります。

できるだけ、人の出入りが激しい場所は避けて、静かな環境で接続して商談に臨みましょう。
できれば、周囲の人の声があまり入らないのがベストです。
最近では、事務所の外であっても、静かにテレワークやオンライン商談ができるような場所も用意されてきています。
こうした静かな場所で行うといいでしょう。

なかには、事務所で商談に臨む人がいますが、事務所の執務スペースにいると周りの社員の声が入ってしまいますし、画面に周りの社員が入り込んでくることも考えられます。
また、隣で他の商談をしている社員もいると、隣の社員の声が入ってきて、商談相手の声が全く聞こえないということも想定されます。
相手もその騒々しさに対して不快感を示すこともありえます。
せっかくつかんだ商談の機会を、周囲の騒々しさが原因で失ってしまうのでは残念です。
できるだけ静かな環境でお互いの声が聞こえる状況をつくるように心がけてください。

また、雑音が入ってしまうと相手に不快感を与えてしまうことも想定されます。
たとえば、使用するマイクの性能を良くする、あるいは、周囲の雑音をシャットアウトするマイクを使用するなど、マイクに工夫をもたせてもいいでしょう。
静かな環境をつくりだすためにマイクのチェックも忘れずにやっておきましょう!

オンライン商談を阻む7つの壁を乗り越えよう!
オンライン商談を開始すると、真っ先に目に飛び込んでくるのは、相手が商談をする場所の様子、そして相手の表情です。
まず、画面に映るものがどんなものになるか、相手が感じる印象についてよく考えるようにしましょう。
たとえば、もし相手が商談をする場所に、芸能人などのポスターが貼られていたらどのように感じますか?これは商談をする場所にあるものとしては、不適切ではないかと考えます。
商談をする場として相応しくないものが映ることのないように準備する必要があります。

また、周りに物が散らかっていないようにすることも必要です。
そもそも、対面での商談の際に、顧客先で案内された場所で、書類が散乱しているということはないと思います。
散乱していますと、相手に対してルーズな人だという印象を与えてしまいます。
散乱しているものがあれば片付けて、商談をするのに相応しい空間にしましょう。

商談をする場所としては、背景に何も映っていないところがおすすめです。
背景が壁や扉などになっているといいですね。
窓でも構いませんが、その場合には、日の光が差し込む位置によっては逆光になってしまい、相手に表情が見えないこともありますので注意しましょう。

オンライン商談を阻む7つの壁を乗り越えよう!
オンライン商談のときには表情にも気をつけましょう。
画面に映る自分自身の表情を見るのが嫌で、オンライン商談をやりたくないという気持ちになってしまうかもしれません。
私も、オンラインで研修をおこなった当初は、自分の表情を見るのが嫌で画面を見ることをできるだけ避けていました。
険しくて直視できない表情だったから、見たくなかったのです。
笑顔を心がけるようになってからは、嫌だという気持ちは全くなくなりました。

接続できた瞬間に自身の険しい表情が映りますと相手を驚かせてしまいます。
笑顔でなければ安心感を与えることもできません。
接続前から穏やかな表情や笑顔でいれば、画面を見るのが嫌ということもなくなります。
うまく接続できないからということでイライラした表情でいると、それだけで相手に不快感を与えかねません。
自分の表情を見るのが嫌だという気持ちにならないためにも、穏やかな笑顔を心がけましょう。

オンライン商談を阻む7つの壁を乗り越えよう!
テレワーク中は、服装が事務所に出勤するときとは異なることがあります。
事務所とは異なり、私服でやっているという方も多いでしょう。
なかには、暑い時期になると短パンで仕事をしていた方もいたそうですし、昨年春の緊急事態宣言直後は、寝間着のまま仕事をしていた方がいた、という話もききました。

テレワークや在宅勤務の場合には、リラックスできる服装で仕事をすること自体を特に否定はしません。
ただ、相手によっては、オンライン商談のときの服装には十分に注意しなければいけません。
私服でリラックスして仕事をしたいからオンライン商談をしない。
それが果たして相手にとって許容できるかどうかです。

対面時の商談と同じように、ビジネスマナーを守って商談に臨む必要があると考えてください。
それは、ビジネスシーンにふさわしい服装でオンライン商談に臨むということです。
服装を整えるのが嫌だからオンライン商談はやりたくないと思うのであれば、社会人としての意識を今一度見直した方がいいかもしれません。
相手がどう思うかをよく考えて対応する必要があります。
相手に不快な気持ちを与えないようにする服装で、オンライン商談に臨むのを心がけてください。
相手が気楽な服装でオンラインでの商談をしようというのであれば、度が過ぎない程度のリラックスできる服装でいいと思いますが・・・

オンライン商談を阻む7つの壁を乗り越えよう!
オンライン商談では、資料をその場ですぐに提供するのが困難になります。
視覚と聴覚以外の感覚での反応を必要とするものを扱う営業の場合には、事前に必要な準備をしておかなければ、商談自体が成り立たなくなることもありえます。

パワーポイントなどで作成した資料であれば、会議ツール内のチャット機能やメールを使い、添付ファイルにして送ったうえで見てもらえばいいでしょう。
事前に資料を見てもらった状態で商談をすすめなければ、お互いにイメージにズレが生じますので、面倒だと思わずに事前に送るなどして準備しましょう。
相手によっては手元で印刷して拝見したいという方もいますので、お互いの認識を共通にするためにも事前に共有する必要があると考えてください。

商談開始前に資料を共有し、ある程度お互いに理解を深めた状態で参加してもらえれば、商談時間の短縮にもなります。
相手によっては、オンライン商談は対面商談よりも集中が途切れやすくなります。
画面上では視線を送っていても、手元でスマートフォンを操作するなど、違う事をやることだって容易にできてしまいます。
短い時間で伝えたいことが伝わるようにするには、資料の事前共有は必要と考えましょう。

事前の細かな準備なしで、出たとこ勝負で商談することに醍醐味を感じた営業パーソンにとっては、オンライン商談に対しては抵抗感を持ってしまうかもしれません。
ただ、段取りが8割から9割といわれるように、事前に準備を抜かりなくできるのも、営業パーソンには必要な姿勢です。
相手のことをよく考えたうえでの行動を心がけるという視点も忘れないようにしましょう。

オンライン商談を阻む7つの壁を乗り越えよう!
オンライン商談を行う上で大きく立ちはだかることの一つに、ITリテラシーの低さが影響していることは十分に考えられます。
パソコンに組み込まれるシステムなどに苦手意識をもっているので、オンラインでの商談をやろうという気持ちは起こらず、避けようとします。
「オンラインだと伝わりにくい、直接会った方がいい」と主張して、できるだけオンライン商談をやらないようにする人もいます。

顧客がオンラインでの商談を望んだ場合には、それに対応する必要も出てきます。
そこで「苦手なのでできません」などとは言えないのではないでしょうか?
もし苦手だと自覚しているのであれば、まず、商談で使用するシステムやツールの最低限の機能を詳しい人に教えてもらいましょう。
周りの同僚やシステム担当者などに確認して、理解するところから始めてください。

また、新たにシステムを導入した場合には、システム担当者などが勉強会などを開催するなどして、組織として対応することも必要です。
ITリテラシーが低い社員がいるのであれば、そういう社員であってもオンライン商談ができるように組織全体でカバーするようにしましょう。

オンライン商談を阻む7つの壁を乗り越えよう!
オンラインの商談では、対面で商談をする場合と比較して、コミュニケーションがとりにくいと感じてしまうことがあります。
対面で商談するときよりも声が聞こえない、あるいは、言葉以外の雰囲気で感じる部分がわかりにくいなどの声を聴きます。
通信環境の改善で解決できることならともかく、そうでないのならば、自身のコミュニケーションのとり方を見直してみるといいでしょう。

そもそも、言葉以外の雰囲気で感じるものとは、どのようなものなのでしょうか?
言葉以外の雰囲気、を言語化できれば、何をどのように改善すればいいかわかります。
ただ、言葉以外の雰囲気、ではよくわかりません。オンライン商談をまだやっていない段階で、このように、先入観で言葉以外の雰囲気という言葉を持ち出す方がいます。
結局は、オンライン商談をやりたくないための言い訳にすぎないのかもしれません。

言い訳をしないで、まずはやってみることです。
そうすると、いろいろと気づくことがあります。
たとえば、相手が理解できそうな言葉を用いていますか?
伝える内容を今一度よく見直してみてください。
相手が理解できそうな言葉で伝えることができていれば、対面ではなくオンラインであっても伝わるはずです。

それから、明確な伝え方を心がけていますか?
もし明確な伝え方をしてこなかったのであれば、オンラインでは同じ空間に相手がいないため、多少明確でなくても伝わっていたものが伝わらなくなります。
はっきりと語尾も含めて伝えることや、ゆっくりと話すなど、伝え方の基本となる内容を見直してみるといいでしょう。
明確に伝えるためにも、伝え方の基本に立ち返ってみてください。
シンプルな線
今回は、オンライン商談を阻んでいる壁として考えられることについてまとめました。
これらの壁をどう超えていくかについても、ヒントとなるようなことをお伝えしたつもりです。
オンライン商談のような新たな取り組みについては、コロナ以前の今までの業務のやり方で成果をあげていた社員にとっては、強く抵抗したくなるかもしれません。

しかし、商談は顧客などの相手があるから成り立つものです。
顧客から要望されればオンラインでもやらざるをえません。新型コロナウイルス感染症から身を守るためにも、オンラインでの商談を進めていくことになります。
やったことがない、できないと、自分一人で抱えて悩む必要はありません。
周りの人たちの協力を仰ぎながら、まずは一回、オンライン商談、やってみましょう!

今回の壁は、挑戦しようと思って一歩行動すれば乗り越えられるものです。
頑丈で跳ね返されてしまうような壁ではありません。まずはオンライン会議ツールを立ち上げて、それから印象を・・・という具合に、一つ一つやってみませんか?

オンライン指導力強化研修

オンライン指導力強化研修
オンラインでの指導場面に必要な知識やスキル、現場でのオンライン指導に活かせるポイントを確認し、実際にオンラインでのOJTやマネジメントにいかすための研修です。

オンライン商談研修(コミュニケーション力強化・営業力強化)

オンライン商談研修(コミュニケーション力強化・営業力強化)
オンライン指導力強化研修(7時間)
オンラインでの指導場面に必要な知識やスキル、現場でのオンライン指導に活かせるポイントを確認し、実際にオンラインでのOJTやマネジメントにいかすための研修です。

オンラインでのプレゼンテーション力で大切な要素となるデリバリースキルやコンテンツについて学び、相手に伝わる伝え方のポイントを簡単なワークを通して身に付けます。

オンラインで営業商談を行う際に必要な顧客とのコミュニケーションのポイントを学びます。商談の実習を通して、自身のスキルアップポイントを確認し、今後の営業商談に活かせるようにします。


オンラインツールを使った商談時の営業の基礎知識を身につけます。商談の実習を通して、自身のスキルアップポイントを確認し、今後の営業商談に活かせるようにします。


コミュニケーションにおいて、特に言葉以外の要素で相手が受ける影響について理解し、安心安全の場をつくる方法を学びます。また、リモートでの話の聴き方について確認し、お互いに心を開いてコミュニケーションを行えるようになるコツをつかみます。

オンラインファシリテーション研修(基本編・応用編)

オンラインファシリテーション研修(基本編・応用編)
オンライン会議の場のつくり方や参加者とのかかわり方について、様々な実習を通して理解し、実践できるようにします。

オンライン会議などの準備や段取りのポイントについて確認し、自部署のオンライン会議の運営に活かします。オンライン会議実習でロールプレイや他者の観察を通してスキルのレベルアップを図り、実践できるようにします。


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ゲストプロフィール

増田 和芳講師
増田 和芳(ますだ かずよし)講師

<経歴>
三菱UFJニコス株式会社,株式会社日本マンパワー,ソフトブレーン・サービス株式会社
合同会社富士みらいクリエイション代表

<資格>
国家資格キャリアコンサルタント
(公財)21世紀職業財団認定ハラスメント防止コンサルタント
(一社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー
(一財)生涯学習開発財団ワークショップデザイナー

1976静岡県富士市生まれ。大学卒業後、大手信販会社で営業及び債権管理業務を経験。28歳の時に大手教育研修サービス会社へ転職し、約10年間法人営業職として勤務。キャリアデザイン研修やヒューマンアセスメント研修等の企画、営業に携わり、トップセールスとして表彰も受けた経験あり。33歳で営業課長に昇格。通算部下6名の育成に携わる。営業現場の業務改善や営業人材育成に取り組み、営業マニュアル作成や全社教育体系作成プロジェクトでは中心的な存在を担った。また、全社員対象ハラスメント防止研修等の社内研修講師としても活躍。一時は自律神経失調症で苦しむ経験をしたが克服し、2015年3月に営業コンサルティング会社へ転職。ソリューション営業スキル向上、マネジメント、組織内コミュニケーション向上等をテーマに、コンサルタントとして活動し約420回研修講師として登壇。オンライン型及び対面型どちらでもワーク主体の研修を中心に実施し、それぞれの特徴を活かして学びや気づきを促進する研修手法は、受講者から「わかりやすい内容で、現場ですぐに使えることが多い」と評判。

2021年2月2日|カテゴリー「さまざまな分野
知っておきたい「お金の知恵」
社会人になり、給料を得るようになると、そのお金の使い道について頭を悩ませることは、少なからずあると思います。
独身者の場合、お金の使い道として真っ先に思い浮かべるのは、「欲しいモノ」の購入費、「チョッピリ贅沢」な飲食費、「気分リフレッシュ」を図るレジャー費、その他だと思います。

やがて仕事にも慣れ勤め先への貢献ができるようになる頃になると、結婚を考え始める方もいると思います。
結婚して子どもが誕生すれば、喜びに満ち溢れた生活になることでしょう。
その一方で、日々の食費や光熱費、居住費などの日常生活をおくるうえで不可欠となる支出で「精いっぱい」という事態に陥ってしまっては、働く意欲も萎えて仕舞いかねません。

お金に苦労する大人には、いくつかの特徴があります。

1.無関心
何事に関してもちょっとでも関心を持てば、「知っていて得」はなくとも、「知らないで損」する事態は避けられます。無関心は、不利益に気が付き難くなります。

2.知ろうとしない
知ろうとしなければ、有用な情報は得られません。知らぬ間に小銭がポケットからこぼれ落ちていても「気が付いていない」だけかもしれません。

3.格好をつける
「みっともない」と格好ばかり気にしていると、いざお金を貯めようとしても「ザルで水を汲む」という事態に陥りかねません。

4.努力が嫌い
「努力をすれば必ず報われる」わけではありませんが、楽な道ばかり選んで進めば、お金に嫌われやすくなります。

5.目の前のことばかり
「明日は明日で何とかなる」という落語に出てくるような江戸っ子気質では、将来の備えが手薄になります。

お金という道具を使いこなすために必要となるのは「お金の知恵」です。
お金には、様々なルールが存在していますので、知恵を身につけ上手にお金という道具を使いこなしましょう。

会社員が生活をおくるうえで、早いうちに知っておきたいお金の知恵の代表例は、

知っておきたい「お金の知恵」
●給料から天引きされている所得税・住民税に対する基礎知識
●健康保険とそれに付随した民間保険
●厚生年金と老後年金を上乗せする確定拠出年金(iDeCo等)
●子どもができれば、すぐにでも準備をはじめたい教育費
●マイホームと住宅ローン

など、どれをとっても学校では教えてくれなかった「知っておきたい知恵」だと思います。
知っておきたい「お金の知恵」
会社が発行する給料明細には、収入欄に基本給と各種手当などの項目と支払金額が記載されています。
同様に控除欄には、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料および所得税・住民税、その他の項目および控除金額が記載されており、支払金額合計から控除金額合計が差し引かれた金額が、いわゆる手取り金額となります。

この控除は、入社時に給料から本人の同意がなくとも、社会保険(=健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)および税金(=所得税・住民税)が差し引かれます。

承諾なしに訳も分からず差し引かれるのは「仕方がない」と諦めてはいけません。
支払っている以上、その理由の一端は理解しましょう。

給与を受け取る会社員は、原則として勤め先がおこなってくれる年末調整で所得税の手続きは終了です。
確定申告をする場合に比べると手間がかかりませんが、一定金額以上の医療費がかかった場合には、わざわざ確定申告をすることで税負担が軽減できる「医療費控除(※1)」という仕組みがあります。

また、ふるさと納税(寄付金控除※2)を利用して本体負担する住民税の一部を任意の自治体に寄付して「税金の一部が特産品等となり、それを受け取れる」という仕組みもあります。

税金は、定められたルール通りに支払うのが原則ですが、そのルールの中には医療費控除や寄付金控除、iDeCo(後述)など多少の手間と時間をかければ税負担軽減のルールも存在します。面倒くさがらずに手続きをする術を知っておいて損はないと思います。

知っておきたい「お金の知恵」
会社員が加入する健康保険には、比較的規模の大きな企業等が組織することが多い「健康保険組合(=組合健保)」あるいは中小企業等に多い「全国健康保険協会(=協会けんぽ)」があり、いずれかの健康保険に加入することになります。

健康保険は、病気やケガで医師の診察・治療・投薬などを受けた場合、原則としてかかった医療費の7割を加入している健康保険が負担し、治療を受けた本人がクリニックなどの医療機関の窓口で3割分の医療費を支払う仕組みです。

これ仕組みは誰しも知るところだと思いますが、すべての健康保険には「高額療養費制度(※3)」という仕組みが設けられており、収入状況によって異なりますが、医療費の自己負担限度額が設けられ、一定金額以上の医療費はかからないという仕組みがあります。

高額療養費制度があるため、医療費は一定の限度額に止められますが、この制度を利用するためには、加入している健康保険に対して一定の手続きをしないと適用されませんので注意しましょう。

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知っておきたい「お金の知恵」
一部の保険会社の熱心な営業マンの中には、医療保険勧誘の際にこの高額療養費の存在についての説明はするものの、「差額ベット代は高額療養費の対象外ですので支払いが大変ですよ」と不安を煽るようなセールストークを駆使するケースもあるようです。確かにその通りですが、差額ベットは任意ですので必ず必要という訳ではありません。

差額ベットは、旅客機の座席に例えれば、ファーストクラス(病院の個室)でありビジネスクラス(少人数部屋)といえるでしょう。
FクラスやCクラスの乗客はそれなりの富裕層や会社等の経費にできる層が利用しており、中には「一生に一度の贅沢」としてFクラスやCクラスを利用する方もいるかもしれませんが、その贅沢をわざわざ民間医療保険に加入して差額ベットに求めるのは考え物だと思います。

ちなみに医師が治療のため必要と指示した個室利用等には差額ベット代は不要ですのでご心配なく。

次にガンなどの特定疾病に対する備えについては、高額療養費の規定には病名等による適用除外は存在しておらず、ガンはもちろん心臓疾患・脳疾患・女性特有の疾病などの区別なく適用されますので「がん保険」に代表される特定疾病に対する上乗せ保障の必要性はそれほど高くないでしょう。

良いことばかりではなく注意点もあります。
高額療養費は、健康保険の適用が条件になります。
そのため、健康保険適用外の抗がん剤治療等や健康保険が限定適用される先進医療(※4)を患者に希望で任意選択すると高額療養費の適用除外に止まらず、医療費全額または一部が自己負担になる場合もあります。

ケガや病気に対する備えは、まずは健康保険の仕組みを理解し上手に利用しましょう。
健康保険を使っても、入院費などの支払が困難になる場合に「民間の医療保険を検討する」という順序が良いと思います。「不安」という病魔は、財布の健康を害する原因となり兼ねませんので注意が必要です。

知っておきたい「お金の知恵」
年金不安が叫ばれる中、「年金ってなに?」と問いかけると「年を取ったらもらうお金」という回答が寄せられます。
間違いではありませんが、この回答は残念ですが100点満点ではありません。

厚生年金を含めた公的年金制度には、一定の年齢に達すると受給できる「老齢年金」に加えて、失明や車いす生活など病気やケガで生活や仕事に支障が出る場合に年齢を問わずに受け取ることができる「障害年金」、厚生年金等の加入者が亡くなってしまった場合にその方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる「遺族年金」の3つの年金に同時加入することは意外と意識されていません。

知っておきたい「お金の知恵」
一定年齢に達すると加入者全員が受け取れる老齢年金に対して、障害年金、遺族年金は、年齢を問わず要件に該当すれば受給できるという違いがあります。

年金不安の大きな要因の一つとして、退職後の生活の支えとなる「老齢年金ではたりない」という不安が挙げられます。
それ以外にも様々な不安要素がありますが、不安がっていても解決策は見つかりませんし、他人任せでは不安解消への道は遠くなるばかりかもしれません。

知っておきたい「お金の知恵」
そこで、自分年金として活用を検討したいのが、個人型確定拠出年金(通称:iDeCo※5)です。

iDeCoは、20歳以上60歳未満の誰でも任意で加入でき、60歳になるまで原則として途中引き出しができないという制約があるものの、税金面において他の金融商品では得られない特典がある制度です。

このiDeCoは、加入者自身が選択する運用商品(預金・投資信託等)を原則60歳になるまでの期間、原則として毎月掛金を積み立てます。
運用商品には、超低金利下ではお金が増えにくい預金商品と収益期待があり損失の可能性もある投資信託などが選択可能で、掛金は指定する割合で預金や投資信託等に分けることもできます。

この制度の注意点は、運用結果の成否にかかわらず一定の手数料が必要なことです。
この手数料は、取り扱いの金融機関により異なりますので注意しましょう。

また、掛金は勤め先の年金制度等によって掛金限度額が異なりますので、事前に確認をしましょう。

さらに、投資信託等を選択して運用する場合には、最低限で十分ですが運用に対する基礎知識の取得をしておきましょう。
もし、運用開始後に意図に反して運用結果が悪化して、後悔するような事態に陥っても手を打つことができず、「あとの祭り」となることは避けたいはずです。

厚生年金等の公的年金は、障害・遺族年金による万が一の備えとともに、老後の生活資金の土台となる老齢年金があります。
しかし、公的年金だけに頼っていては、窮屈な生活になり兼ねません。若いうちから自助努力を交えて老後に備えておけば、安心かもしれません。

知っておきたい「お金の知恵」
お金の準備をする上で、スケジュールが明確なのが教育費です。
子どもの誕生直後から数年後の間は保育園や幼稚園に通い、6歳から12歳(誕生月日により異なる)まで小学校、12歳から15歳は中学校、15歳から18歳までが高等学校、それ以後、大学や専門学校に通学すれば、各々の進路に応じた教育費が必要になります。

教育費は、公立・私立により大きく異なりますが、一般的な進路を進学するとすれば、大学や専門学校の進学前となる高校3年次が教育費負担のピークとなります。
高校3年次は、高卒で就職する場合を除き、高校在学時費用に加えて大学または専門学校の受験費用および大学等へ支払う入学金・前期授業料、その他の学校納付金(※6)がかかってきます。
その金額は、平均で130万円を超える金額となり、さらに進学後も毎年学費と生活費が必要になります。

教育費のピークに対する準備として、例えば大学に関わる教育費が高3時支払の入学金など+大学1~4年次までの在学費用支出を合わせて400万円が必要になると仮定します。
この間の教育費として25万円/年×4年間は毎年の収入で賄うと仮定すれば、

400万円-100万円=300万円

は不足する恐れがありそうです。
この金額を準備するため「5年間で積み立てよう」とした場合、単純計算では

300万円÷5年÷12か月=毎月50,000円

の積み立てが必要です。
毎月となると、5万円はなかなか厳しい金額だと思います。
これを子どもが誕生した直後の0歳から17歳までの17年間では

300万円÷17年÷12か月=14,706円

となり、15,000円を積み立てればおつりができます。

この例題のケースでは、この金額程度であれば政府から支給される児童手当(原則3歳未満15,000円/月、3歳以上15歳まで10,000円/年※7)だけでも約2/3は準備できそうです。

児童手当の積み立てに加えて、子どもの教育費のピークに備えて積み立てを実行する場合の金融商品は、「こども保険」「学資保険」も選択肢の一つですが、保険会社によっては満期の保険金が毎月の保険料合計金額を下回る「元本割れ」も少なからず発生しています。
元本割れか?否か?は、難しい計算式は不要で簡単に計算できます。

<計算方法>毎月の保険料×満期までの年月=総保険料>満期保険金・・・要注意!

元本割れは回避でき、たとえ僅かでも上回っているとしても、こども保険等の保険商品は何らかの理由で途中解約する場合には、払込保険料を大きく下回ってしまうことになります。

途中解約しなくとも、全期間固定金利のため将来金利が上昇した場合には、他の金融商品のほうが有利という事態になる可能性はゼロではないことも知っておきましょう。

そのように考えると子どもの教育費準備のための金融商品は、こども保険等が唯一の選択肢ではなく、積み立て途中で「使い込んでしまう」という懸念がありつつも、超低金利においても元本割れの恐れが少ない子ども用の「積立貯蓄」という選択肢も有効な手段だと思います。

知っておきたい「お金の知恵」
人生の三大資金の一角を占めるほどの大きな支出項目である住宅資金。マイホームを購入する場合、数千万円の買い物となることが多く、購入代金を準備する時間を買う住宅ローンは住宅取得の有効な手段です。

住宅ローンを利用する方のうち圧倒的多数は、毎月の返済額を気にします。
住まいを借りている方にとって、現在の家賃以下あるいは同等の住宅ローンの返済額でマイホームが手に入るのであれば、「思い切って買おう」という動機になります。

加えて、過去約20年以上も超低金利となっているため、住宅ローン金利も低水準に止まり続けています。
そのため、住宅購入に際して住宅ローンの低金利のメリットの恩恵にあずかっています。

さらに税金面でも住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除※8)により、「支払利息に匹敵するほどの減税効果」が追い風となっていることは間違いなさそうです。

住宅ローンの毎月返済額を決める要因は、返済方法と返済期間、適用金利になります。
住宅やマンションの販売業者は、返済額が少しでも少なく見せることで購入意欲が高まることを知っており、元利均等・35年ローン・変動金利で借り入れた場合の返済額シミュレーションを提示しているようです。

万が一にも何らかの理由で、住宅ローンの返済に窮してしまっては仕事も手に付きません。
転ばぬ杖として注意点をいくつか記載しておきたいと思います。

【1】住宅購入の自己資金の平均(国交省:令和元年度住宅市場動向調査~調査委結果の概要~より)は、分譲マンション1,317万円(自己資金割合31.5%)、分譲戸建て住宅801万円(同22.0%)、中古マンション891万円(同34.9%)となっており、ローン残高が多ければ返済負担が増すため、住宅ローンは物件価格の80%程度に止めておいた方が無難

【2】ローンの返済終了年齢(例えば、35歳購入の35年ローンは70歳完済予定)と毎月の返済額を勘案しつつ、住宅購入後に繰り上げ返済などを繰り返して早期のローン返済終了を志向する方が無難

【3】繰り上げ返済は、無理をせず一定金額が貯まったのちに実行しないと急な出費に対応できず、かえって不安が増大しかねない

【4】変動金利は、将来の金利上昇が起きてしまうと一定の猶予期間のあとに毎月の返済額が上昇する懸念がある
知っておきたい「お金の知恵」
【5】変動金利は、金利の変動に応じて返済額も変動することになるため、返済計画が不安定になりやすい

【6】本来イレギュラーであるはずの超低金利が常態化しており、若い世代にとっては金利があることすら意識できなくなりつつあるが、永遠に低金利であるとは限らない

知っておきたい「お金の知恵」
「マイホームと賃貸の比較」や「住宅ローンの商品選択」について、いずれも“損得”で語られることが多いようですが、目先の損得を気にするあまり不測の事態に対する耐性が弱くなってしまう可能性もあります。
家賃の支払いにしても住宅ローンの返済にしても超長期にわたって支払いが続きますので、将来の変化に対しての「安心・安全」という視点も忘れ無いようにしましょう。

これまで、「お金の知恵」については、誰も教えてくれませんでした。
お金との付き合い方は、「親のしつけ」という狭い視野での知識を土台に、自らが社会に出てから紆余曲折しながらの体験が源です。そのため、お金に対しての判断を下す際には、いつも迷いが付きまといます。

個人の経済環境を取り巻く状況は、急激に変化しています。
超低金利の影響で預貯金に頼っていてお金は増えなくなり、企業型確定拠出年金の導入企業に勤務すれば、否が応でも資産運用の入り口に立たされ、キャッシュレス化も想像以上のスピードで進化しています。

お金の知恵とは、「稼ぐ」「使う」「貯める」「増やす」「借りる」「備える」という各項目を理解し適切な判断力を身につけ、それを管理することです。

※1 国税庁:タックスアンサー「医療費控除」

※2 国税庁:タックスアンサー「寄付金控除」

※3 厚労省:高額療養費を利用される皆様へ

※4 厚労省:先進医療の概要について

※5 厚労省:「iDeCoの概要」

※6 文科省:私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

※7 内閣府:児童手当制度のご案内

※8 国税庁:タックスアンサー「住宅借入金等特別控除」

若手・新入社員のライフプラン応援研修 ~集合研修~

<研修のおすすめポイント>
社員一人ひとりが「お金」の問題に真正面から向き合って考えることによって、「自分が描く将来の姿を実現するためにはどう働けばいいのか」、「会社で長く働き続けるメリット」などに気づくことができます。
この研修を受講することによって、社員の就労継続の意欲向上、離職防止や従業員エンゲージメント向上にもつながるため、新入社員・若手社員の研修として導入する企業が増えています。

ライフプラン応援研修
社会経験の浅い若手・新入社員のライフプランの応援を目的とします。結婚・子育て、住宅購入などのマネープラン(得する知識)、キャリアデザインをセットされた研修です。

講義形式を極力避け、ゲーム参加ワークを取り入れた参加型研修となっております。

JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


※お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください
2021年1月18日|カテゴリー「さまざまな分野
初めての資産運用の心得
退職時期が近づくと「退職金」の行方が気になりはじめる頃だと思います。
受け取る退職金を「どのくらい使う?」、そして「どこに貯める?」といった具合に多方面から思案をされると思います。

これを機会に「資産運用にチャレンジしてみたい」という方も少なくないようです。

これまで資産運用を積極的におこなってきたベテラン個人投資家はともかく、資産運用の未経験者あるいは会社の確定拠出年金でチョッピリ投資信託による運用をした経験を持つ等の初心者は、事前に知っておけば、多少なりとも役立つことがあります。

今回は、「資産運用の心得」を後編です。


初めての資産運用の心得
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)基本ポートフォリオより筆者が作成
スタートに当たっての運用対象資産は、分散を基本としつつも、対象資産を広げ過ぎず興味・関心がある資産から始めましょう。
興味・関心が湧いてくれば、次に異なる資産を組み合わせて投資先を分散し、値動きを平均化させることで価格変動の幅を小さくなるように工夫します。この手法は、資産の分散投資と呼ばれています。

資産の分散投資のために用いる「一つの物差し」として、公的年金を運用している世界最大級の機関投資家「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)※2」の資産運用構成(ポートフォリオ)が参考になります。

初めての資産運用の心得
年金積立金管理運用独立行政法人の資産運用構成と自分の資産の分散の割合を比較して、株式および海外投資比率の構成比が高くなっていれば、リスク・リターンは増加する「攻めの運用」といえます。
反対に低いとリスク・リターンが減少する「守りの運用」と考えておくと良いと思います。

初めての資産運用の心得
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)より画像引用

世界最大の機関投資家であっても分散投資は基本です。
価格の上昇・下落に見舞われながら、賛否両論ある中で資産の構成比も随時見直しつつ2001年来の運用成績は年率3%を超える水準を維持しています。

だれしも収益期待は大きくなりがちです。「もっと」という欲をグッと抑えて、自分の目標収益を見失わないように注意しましょう。

前編の退職金キャンペーン部分でも触れましたが、資産運用に関わる手数料にも関心を持ちましょう。
手数料は運用成績の良し・悪しに関わらず徴収されます。手数料が原因で投資収益が圧迫されてしまっては本末転倒です。

初めての資産運用の心得
運用対象資産の値動きに関心を持ち、下落要因に止まらず上昇要因についても関心を持って情報収集を行います。

近年、ニュースの接し方に変化が起きているようです。情報収集のためには、ニュースは貴重な情報源となりますが、新聞・テレビ・ラジオのニュースから情報収集する機会が減少傾向にあり、スマホ等を通じたニュースでの情報収集機会が増加しているようです。

スマホ等ニュースは、出どころ不明の情報も混在していることも皆無ではなく、また、読者自身にとって興味・関心のあるニュースなど自分にとって都合の良い情報のみを検索、あるいは自分の意見と同じ記事を探してしまい判断を見誤る懸念があります。

資産運用に関わる情報収集では、出どころ不明の記事には注意を払い、異なる立場の記事にも目を通して客観性を保てるようにするように心掛けたいものです。

他方、資産運用の世界では、「専門家」と称する識者が登場します。
その識者は、金融商品の「販売サイドか?」、「中立な立場か?」、「購入者サイドか?」それぞれの立ち位置により、提供される情報内容に違いがあります。

どの立場の識者(専門家)であっても運用結果という未来予想を事前に的中させることは不可能です。
あくまで参考意見と位置付けましょう。
初めての資産運用の心得
自分なりに値動きの原因が理解できるようになったら、徐々に対象資産と金額を増加させましょう。
この段階までは、スタートしてから数ヶ月あるいは数年かかるかもしれません。
慌てずじっくりと構え「急いては事を仕損じる」という事態に陥らないようにしましょう。

他方、ここに到達しなくとも、ステップ4にあるように「つみたてNISA」を活用して時間の分散投資を図りつつ、毎月コツコツ積立運用をおこなっておくのも良いと思います。

くどいようですが、「いきなり」は慎みましょう。

初めての資産運用の心得
資産の値動きに一喜一憂せず、「お金を育てる」というイメージで長期の運用が良いと思います。

長期運用の概念は、退職金の安定運用を目指す上で重要なポイントであると考えますが、若年層に該当するような30年も40年も運用期間を見込む訳ではありません。

退職金の運用では、年単位を一つの目安として、自分自身の手仕舞いルールを設けましょう。
例えば、収益面をルール化するのであれば「投資元本から20%値上がりしたら手仕舞いする」、あるいは「年限(例えば3年or 5年 or 10年)を決めて手仕舞いをする」といった具合に各々で出口を決めましょう。

そうしておかないと、思わぬ損失に見舞われた際には「塩漬け」という状況に陥り、反対に収益が出れば出たで「もっと」と欲が邪魔をします。

結果として、いつかは使うための退職金であったはずが「いつまでも使えないお金」となってしまっていては、元も子もなくなってしまいます。

初めての資産運用の心得
退職金の資産運用は、未経験者・初心者とって多少のハードルが存在していますし、成功も約束されていません。
運用以外に安心して退職後の生活を送るために以下の選択肢も効果があると考えますので最後にご紹介します。

●住宅ローン等の借り入れがある場合には、将来収支を考慮しつつ、繰り上げ返済を実行しましょう。運用で安定して3%稼ぐのは困難極まりないですが、借入利率分(例えば1.5%)相当のステルス的な収益が安全・確実に見込めます。

●生命保険などの見直しで保険料負担の削減。不要な保障は保険料の無駄になりかねません。保険においては安心を求めず、万が一の際に備える最低限必要な金額に止めましょう。

●家計支出に関心を持ちましょう。一般的に退職後の日常生活費のうち、交際費や交通費、小遣いなどは減少する傾向があります。新たに出ていくお金を捕捉して管理するだけでも老後の資金不安は和らぎます。
 
ニューヨークダウの史上最高値更新や日経平均株価のバブル崩壊後約30年ぶりの高値。
一時は死語になりつつあった「貯蓄から投資へ」という言葉が復活しているようです。
こんな時こそ注意が必要」と考えますが、5年後・10年後という目線においてはリタイア後の資金に対する自助努力は大切だと思います。

運用には困難な場面が訪れることもあるでしょうが、「手をこまねいてみている人」と「リスクを恐れず負けにくい工夫した人」では結果は異なるでしょう。
せっかく手にする退職金です。老後資金の不安に苛まれ、焦って増やそうとすればするほど深みにはまりやすくなります。

退職後の資産運用は、「お金をじっくり育てる」という心積もりで踏みでしてみてはいかがでしょう。

※1 金融庁:あなたとNISA  
 
※  年金積立金管理運用独立行政法人 基本ポートフォリオの考え方

◆前回の記事

シルバー社員のセカンドライフ応援研修

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シルバー社員のセカンドライフの応援を目的とします。シルバー社員のマネープラン(得する知識)、キャリアデザインがセットされた研修です。
オンライン研修でありながら講義形式だけでなく、ワークを取り入れた参加型研修となっております。



JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


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2021年1月12日|カテゴリー「さまざまな分野
初めての資産運用の心得
退職時期が近づくと「退職金」の行方が気になりはじめる頃だと思います。
受け取る退職金を「どのくらい使う?」、そして「どこに貯める?」といった具合に多方面から思案をされると思います。

これを機会に「資産運用にチャレンジしてみたい」という方も少なくないようです。

これまで資産運用を積極的におこなってきたベテラン個人投資家はともかく、資産運用の未経験者あるいは会社の確定拠出年金でチョッピリ投資信託による運用をした経験を持つ等の初心者は、事前に知っておけば、多少なりとも役立つことがあります。

今回は、前編・後編の2回に分けて「資産運用の心得」を記載していきます。

退職金を受け取ると金融機関より「退職金キャンペーン」の勧誘を受ける機会が訪れます。
代表的なキャンペーンには、満期まで期間の短い定期預金(3か月満期等)に0.1%~0.3%程度相当の金利が上乗せ適用される「金利優遇定期預金」や「退職金キャッシュバック」「ポイント還元」といった金融商品が用意されています。

これらのキャンペーン商品は、メリットはそれほど大きくないものの、相対的に安全志向の商品が中心になっています。

一方、「優遇金利5%」あるいは「それ以上」といった目を疑うような破格なメリットを謳った退職金キャンペーンも存在しています。

よくよく目を凝らしてみると、多くの金融機関では高金利の適用を受けるためには条件が定められており「退職金の50%以上は金融機関が事前に指定している投資信託の購入」というキャンペーンが代表例だと思います。

このキャンペーンでは、定期預金部分は「優遇金利は3か月定期預金に適用」と老眼鏡をかけないと見えにくいほどの小さな文字の注意書きが、欄外に書かれています。

これを見た資産運用の未経験者や初心者の中には、「ちょうどよかった!」退職金の全額を運用に回すのは不安だが、「退職金の半分を運用して半分を安全性の高い定期預金で利息が稼げるなら一石二鳥」と感じても不思議ではなく、このように考えている人にとってはむしろ「渡りに船」で魅力的なキャンペーンに見えてしまうかもしれません。
 
初めての資産運用の心得
冷静に分析してみましょう。仮に退職金のうち1,000万円を5%の金利が付く「3か月定期預金に500万円」、「投資信託に500万円」という配分で振り分けたと仮定します。

預金の利息計算は、3か月定期の適用金利が5%の場合、
500万円×0.05÷12か月×3か月=62,500円(税抜)

これだけ見ると、超低金利に現状では魅力的と感じるかもしれませんが、この優遇金利は高金利適用の3か月経過後に満期を迎えたあとは、優遇の無い通常金利が適用され、何も手続きをしなかった場合には普通預金金利0.001%(令和2年12月金利)が適用され、満期後の1年経過時の受取利息は、50円(税抜)と激減してしまいます。

一方、投資信託に振り分けた資金500万円に対しては、金融機関の「お勧め投資信託」がずらっと並んでおり、未経験者、初心者にとっては、「どれを選んだらよいのか?」見分けがつかない状態に陥るでしょう。
当然のごとく、「どれを選んでよいのか?」金融機関の担当者に説明を求めることになるはずです。

ここで注意したいのが、売りたい人(この場合には金融機関の担当者)の提供する情報は「買ってほしい」という願いがタップリこもった情報の可能性は否定できません。
ということは、この願いがこもった情報には、買い手(=退職金による購入者)にとって必ずしも最適な情報提供とは限らないこともありますので、注意が必要です。

さらに投資信託は、元本保証ではないため運用方針に定めのある株式や債券などの運用先の把握は不可欠であるにもかかわらず、買い手の理解不足があっては後悔のもとになりかねません。

初めての資産運用の心得
よくあるケースですが、説明を受けた時には「何となく理解したつもり」であったはずが、その後、期間が経過しての運用結果が芳しくなく、原因不明状態に陥ってしまうことで「こんなはずではなかった!」と悔やんでも「あとの祭り」となってしまいます。

運用成績次第では、前述の定期預金分の優遇金利は「アッ」という間に消滅、あるいは含み損を抱える事態となりかねません。

また、投資信託には手数料が発生しますので、この手数料もしっかり把握しておかないと手数料による預金で得られる優遇金利利息が消滅してしまっては元も子もないはずです。

一般的に投資信託の手数料は、購入時にかかる「販売手数料」と資産を管理・運用する「信託報酬」で構成されます。
最近は販売手数料ゼロを謳う投資信託も増加傾向であるとはいえ、多くの投資信託の販売手数料は、概ね0.5%~2.5%程度になっています。

一方、信託報酬については、株式や債券などの運用先によって大きく異なり、概ね0.3%~1.5%程度が運用資産の中から徴収されていきます。

例えば、先ほどの例のように優遇金利5%の定期預金に500万円と販売手数料2%で信託報酬1.5%がかかる投資信託を選定してキャンペーンに参加、500万円を投じたとします。

この場合、投資信託の販売手数料は、
500万円×0.02=10万円(税抜)

販売手数料として10万円(税抜)が購入金額から差し引かれ490万円分の投資信託を購入することになります。
すでにこの時点で前述の例題では優遇金利の利息は消滅するどころか赤字に転落してしまいました。
おかしいですね。金利優遇メリットは存在しなかったのでしょうか?
初めての資産運用の心得
答えは「いいえ」でもあり「はい」でもあります。

いいえ」の場合は、2%の販売手数料が、実質0.5%に「軽減できた」と解釈が可能でしょう。

はい」の理由は、それならわざわざ手数料の高いキャンペーン対象の投資信託をセレクトせずに、「もっと販売手数料の低い、あるいはゼロの投資信託を候補にした方が良いのでは?」という選択肢があっても良いかもしれません。

さらに信託報酬については、「価格の上昇・下落」という値動きのある最中に徴収する運用期間中の手数料ですので、本来ここでは算出不能です。
あえて不正確ながら説明のために簡略化して記載すると、上記のキャンペーン利用の場合、定期預金部分の利息は考慮せず、販売手数料を支払った後に購入することになる投信490万円が、首尾よく1年後に信託報酬を控除しなかったと仮定した場合の評価額が505万円相当に上昇していたと仮定します。

このケースにおいて、現実には信託報酬は運用資産の中から支払われ、支払われたあとの資産評価に対する基準価格が表示されるため、基準価格に基づく評価額は505万円とはならず、1.5%の信託報酬を支払った後の495万円相当の基準価格となります。
このように、投資信託の購入者は気が付きにくいと思いますが、大まかな仕組みを知っておけば「徳はなくとも損もない」と思います。

販売手数料は、購入時の一回限りですので、投資信託を保有期間保有し続ければ1年あたりの実質負担は徐々に減少するとしても、信託報酬は保有期間中「ずーっ」と支払いことになります。
したがって、前述の例では最低毎年1.5%以上の投信の資産価値上昇が無いと収益は生み出されませんので、信託報酬は運用のハンディキャップになることは、理解しておきましょう。

売り手が、手数料の高い投資信託を「一所懸命推奨する」という邪推は考え過ぎとしても、手数料が「高い」からといって良好な運用成績が見込めるわけでもなく、「低いから成績期待が劣る」ということもありません。
手数料の高・低は運用結果とは無関係であり、販売会社や運用会社などに対する謝礼であることは、しっかり認識しておきましょう。

ここで誤解の無いように記載しておきますが、筆者は退職金を元手に資産運用を行うことに反対ではありません。
むしろ賛成という考えです。
賛成する前提条件として、未経験者や初心者が、資産運用をする場合には、目先の損得に惑わされることなく「自分の判断で取引できるようになること」だと信じています。

そのためには、以下の10の「ステップを踏む」と良いと思います。

初めての資産運用の心得
まずは、資産運用の「元手となるお金」を作ります。
元手となるお金については、退職金を候補とすることに異論はありませんが、退職まで頑張ってきた証である退職金は、老後のための大切なお金です。

当面10年程度は使う予定の無いお金が候補となるお金になります。
勧められるまま運用」や「流行りに乗っかる運用」、あるいは「理解不能は複雑な仕組みの運用」は慎みましょう。

スタート直後は、思惑や意図とは異なる結果(損失等)に対する耐性がありません。
極端な例ですが、まずは投資元本全額を失っても構わない程度の資金を用意してスタートしましょう。

大きな金額である必要はなく、スタート時は数千円でも十分だと思います。
最初は「運用」というよりも、興味・関心を高めるための「授業料」のつもりという心構えで臨みます。

運用対象となる資産を研究します。

● リスク(=不確定要因)が高い反面、収益期待の高い資産(例えば現物株投資)
● 収益期待は低めであってもリスクが低めの資産(債券)
● 家賃収入期待の不動産
● 資産の対象を国内又は海外
● 広く分散させるタイプの投資信託など

様々な資産が候補となりますので、それぞれの特徴や注意点などを確認しましょう。

ハイリスク・ハイリターンのギャンブル的な金融商品は手を出さないように意識を高めましょう。

初めての資産運用の心得
● 外国通貨為替取引(FX ドル・新興国通貨取引等)」
● 暗号資産取引(仮想通貨 ビットコイン等)
● 信用取引(株式等)
● 先物取引(金利・為替・株式・商品等)

は、特に注意が必要です。

これらに共通しているのは、
● 付加価値は生み出されず勝者と敗者のみに分かれるゼロサムゲーム
● 投資元本の数倍~数十倍のレバレッジ取引が可能
● 値上がりor値下がりという偶然に賭ける

といったハイリスク・ハイリターン商品です。

初めての資産運用の心得
利用できる仕組み・制度のメリット・デメリットをしっかり理解して利用を検討しましょう。

例えば、少額で時間の分散効果があり税にやさしい「つみたてNISA」をはじめるのも一つの手法です。
つみたてNISA(※1)は、時間の分散投資効果でリスクの軽減が期待できます。

また、監督官庁である金融庁の意向もあり、対象となる投資信託はすべて販売手数料が不要で、信託報酬も現在国内で販売されている投資信託の信託報酬平均に比べて大幅に低水準となっています。
反面、積立金額に限度額が設けられており、取扱金融機関に専用証券口座を開設する必要があるなど注意点もありますので確認しましょう。



以上、前編はここまでです。
次回は、【ステップ5】~【ステップ10】までをご紹介いたします。
お楽しみに。

※ 金融庁:あなたとNISA  

シルバー社員のセカンドライフ応援研修

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シルバー社員のセカンドライフの応援を目的とします。シルバー社員のマネープラン(得する知識)、キャリアデザインがセットされた研修です。
オンライン研修でありながら講義形式だけでなく、ワークを取り入れた参加型研修となっております。



JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


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2021年1月8日|カテゴリー「さまざまな分野
オペレータの意識改革
ある会社で、朝9時からプレゼンをしなければならず、少し早めに着いた私は、約束時間まで来客スペースで仕事をさせて頂いていました。

そこの会社の来客スペースは、いつ来ても綺麗な所です。川のせせらぎや鳥の声なども聞こえ、朝からリラックスできます。
一人で黙々と仕事をしていると、そこにその会社の社員さんがいらっしゃいました。そして、何やら、ゴソゴソと掃除をし始めたのです。

ビルの清掃業者も入っているのになぜ?と思いましたが、社員の皆さんが掃除を始めました。
10分後、「あー綺麗になりましたね!お疲れ様でしたー!」と言って、掃除は終了しました。
 
おぉーこれは、すごいぞ!と思いながら、一つのことを思い出したのです。
 
以前、センターのマネージャーをやっていた時に職場環境、特にオペレータさんの机の上にあるマニュアルや資料、ヘッドセットなどが整理されていなかったことがあります。
また、PC周りや机の上の埃が目につく、劣悪とまでは言えませんが、あんまり良い状態ではない職場環境でした。
 
そんな時、私は、職場環境整備の重要性をSVやオペレータさんに根付かせないといけないと思ったのです。
 
もし、あなたが、オペレータさんに綺麗な職場環境が重要だという意識を根付かせようとした場合、どのようにアプローチしていきますか?

・SVがオペレータに朝礼やミーティングで清掃の大切さについて話をする
・面談で一人一人に清掃に関して話をしてみる
 
こんなことをするSVやマネージャーが多いと思います。
しかし、現実は、そんなにうまくいきません。心から浸透させようと思うから失敗するのです。

私は、職場環境の整備は、オペレータさんの定着率に影響すると考えていたので、「クリーンデー」という制度を企画しました。
 
内容としては・・・・
毎週月曜日の朝礼後、コールセンタースタートまでの約5分間にOAクリーナーなどを使って、机の身の回りやヘッドセットなどの清掃をするものです。

どうせやるならということで、机にそれぞれ備え付けていたペンや付箋などの備品のチェックを行い、足りないものは補充したり、壊れかけているものは、交換したりするような施策を企画したのです。
 
オペレータの意識改革
すると・・・
SVやオペレータさんからは、掃除については、特に反対意見が多く、

「寺下さん、ビル清掃も入っているわけだから、わざわざ掃除する必要ありますか?」

「朝から掃除って、他にやることありません?」

「掃除の時間って、時給出ますか?」
 
とか色々な人が言うのです。
 
はい、はい、やりますよ!ま、いいからやってみましょうよと言って、半ば強引にクリーンデーという制度を導入しました。
当然ながら、最初は皆さん、イヤイヤながらやっています。

私になんとなく聞こえるように言ってくる声の一部をご紹介しますと・・・
「面倒だなぁ。」
「やる意味が分らない」
「なんで家の片付けも出来ていないのに、会社で掃除?」
「掃除は業務?」
「昨日、時間かけてネイルしたのに」
「手が汚れるし」
 
ほー、みんな言うねぇと思いましたが、それを3ヶ月ほど毎週のように続けました。
 そして、3ヶ月経過。
 
全体朝礼で、私は、次のように言いました。
「皆さんのご協力もあり、職場も綺麗になってきました。有り難うございました。そろそろ今月末にでもクリーンデーを終了しようと思います。」
 
すると・・・朝礼終了後に
 
オペレータの意識改革
「結構、気持ち良く仕事出来るから続けてもいいんですけどね。」
「こういうのって、大事ですね!」
「止めないでもっと続けましょう!」

と言い出すオペレータさんやSVが多数出てきたのです。

結局、3ヶ月のつもりが、1年近くやりました。


意識改革は、心から変えてやろうと思わず、実際に取り組みを始めてみると意外とうまくいくのかもしれませんね。

コンタクトセンター『運営診断』
コールセンターの「応答率」「生産性」「応対品質」など各種KPI指標は、担当部署から提出されるレポートだけでは必ずしも判断が出来ません。

当社ではコールセンター専門家人材育成のプロである寺下薫の診断により、弱点や課題を「見える化」し、問題を洗い出すと共に改善のきっかけを作ります。


寺下 薫(てらした かおる)講師
寺下 薫(てらした  かおる)

【経歴】
アデコ株式会社
ヤフー株式会社
クリエイトキャリア 代表

【資格】
キャリアコンサルタント(国家資格)
第1種安全衛生管理者
COPC®VMO規格登録コーディネータ
シンプルな線

外資系会社では、コンタクトセンターの立ち上げ、立て直しに数多く従事。200名を超える大型センターの責任者も務める。
ヤフー株式会社では、北九州センターの立ち上げをはじめ、トラブル時に1.5日で200席のレスキューセンターを立ち上げなどを経験。ヤフー人事では、管理職1,500名、新卒530名の育成に従事。2013年から問題解決養成塾「SV研究会」を開催し、70社221名のSVを輩出。現在は、クリエイトキャリア で研修や講演、執筆、コンサルティングなどを行っている。企業からの依頼で、問題解決やSV研修など数多くの研修を実施している。スケジュールは、1年先まで決まっている人気講師である。ワークショップを中心とした受講生に気付きを多く与える研修で、リピーターが多い。また、オンラインでの研修も経験豊富である。IT協会カスタマー表彰制度審査委員。著書は、「世界一速い問題解決」「実は、仕事で困ったことがありまして」


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2020年12月21日|カテゴリー「さまざまな分野
テレワークや在宅勤務時に見直したいマネジメント7つのポイント
新型コロナウイルス感染症拡大の話題が中心となった2020年もあと少しですね。
一時は収まりかけた新型コロナウイルスの拡大が、再び起こり始めています。
テレワークや在宅勤務をいったんはやめた企業も多くあったと思います。
ただ、こうした状況のなかで再びテレワークや在宅勤務を進める企業も出始めており、今後の状況次第では再び続く、あるいはこのまま定着するという可能性も高いでしょう。

テレワークや在宅勤務という働き方に慣れたとはいっても、やはりなにかやり辛いところがある。そう考えている方も多いのではないでしょうか。
特にマネジメントにかかわるマネージャーの方々にとっては、こうした働き方のもとでのマネジメントに苦労しているという状況もあるのではないでしょうか。
マネジメントの都合もあって、マネージャーの社員は出社して、一方で部下たちはテレワークや在宅勤務、というところもあると聞きます。
マネージャーがなすべきことは、このコロナ禍で増えたというだけでなく、業務上の負担が大きくなったといえるかもしれません。
その原因が、コロナ禍での新しい働き方によるマネジメントの難しさにあるといえます。

ただでさえ、プレイングマネージャーとして業務を推進しているマネージャーにしてみれば、マネジメントに不慣れであればそれだけでも負担が大きいのに、コロナ禍によって、さらに負担だと感じてしまうでしょう
また、コロナ禍によって業績が伸びないために、今後さらに売上や利益を伸ばして取り返していかなければならないとなると、より負担が重くのしかかるということも考えられます。
実際にその負担によって、精神的にダメージを受けるマネージャーも多いと聞きます。

コロナ禍によってビジネスパーソンの働き方が変化する今だからこそ、マネジメントのやり方を見直していく必要があります。
今回は、テレワークや在宅勤務時において見直してほしいマネジメント上のポイントを、7つの観点で確認していきます。
これまで既に取り組んできたやり方の検証をする意味でも、確認していきましょう。

テレワークや在宅勤務時に見直したいマネジメント7つのポイント
そもそもマネジメント以前のことかもしれませんが、通信状態が不安定な状況では十分に部下とコミュニケーションをとることができません。
あるテレビのコマーシャルでも出ていたことですが、マネージャーが部下に向けて話している途中で通信が途切れてしまっては業務が円滑に進みません。
接続の場所、通信速度、接続する機器、接続が良好な時間など、通信環境にかかわることは十分に注意を払って確認しておきましょう。

これはマネージャーだけでなく部下も同様です。
各メンバーの通信状況についても確認して、良好な状態かどうか報告してもらうといいでしょう。
その内容によって、部下とのコミュニケーションのとり方や部下との会議の時間などを決めるようにしましょう。

オンラインでつないで直接話すだけでなく、スラックやチャットワーク等のコミュニケーションツールの活用もあわせて検討してみるといいでしょう。

テレワークや在宅勤務時に見直したいマネジメント7つのポイント
目標と実績の進捗や、売上、利益、経費などのいわゆる結果を表すような数字の推移に関しては、オンラインでつないで話して確認することが必須ではありません。
そもそも結果を表す数値データであれば見ればわかるものです。
部下から見方がわからないと言われたら対応は必要ですが、そうでなければ特に直接話すことはないでしょう。

なかには直接部下に数字を毎日伝えようとするマネージャーがいますが、彼らはたいてい感情を爆発させて部下を叱責します。
叱責まではいかなくても、部下に直接話すことでハッパをかけようとするわけです。
ただ、テレワークや在宅勤務のもとでは、それは時間を浪費するだけで非効率なことです。

もし数値を確認するとしたら、結果数字につながる別の指標を確認するといいでしょう。
何かの結果を示す数字は閲覧で十分です。
その数字だけのために時間をつかって部下を叱責するのは、リモートハラスメントを誘発しかねないので避けましょう。

テレワークや在宅勤務時に見直したいマネジメント7つのポイント
そもそも部下がどんな業務を担っているのか。 正確に把握できていないマネージャーも多いですね。 
それは部下が報連相しないからだ、というマネージャーがいますが、それだけが原因ではないでしょう。

 原因の一つとして考えられるのは、上司と部下が報連相できるような関係性があるかどうかです。
ただ、それだけではありません。

そもそもチームとして業務を遂行する以上、誰がどのような業務を担っているのかをマネージャーが把握していなければならないでしょう。
その把握ができていないことが、もう一つの原因ともいえます。

もし、部下の業務を正確に把握できていないのであれば、部下にリストアップしてもらい、マネージャーと部下だけでなく、他のチームメンバーも把握できるようにして、チーム全体で共有できるようにしましょう。

誰がどのような業務を担っているか把握できなければ、マネジメント対象業務がわからない状態になるので、早急にやるべきです。 

また、担当業務の変更があるときも、同じように把握してメンバーに共有しましょう。
これらをおこなったうえで、社内で使用しているコミュニケーションツールやシステムなどに落とし込み、マネジメントに活かしてください。
テレワークや在宅勤務時に見直したいマネジメント7つのポイント
業務のリストアップと同様にマネージャーが部下に指示する必要があるのは、業務内容の優先順位をつけることです。 
いつまでにどのような業務をおこなうのか、その点がわからなければ、適切なマネジメントがおこわれなくなる可能性があります。

部下が自身の業務すべてをリストアップした後に、マトリックス図などを用いて、業務の重要度と緊急度の振り分けをやってもらうようにしましょう。
重要度と緊急度で4つにわけた象限にそれぞれ業務を割り当てて、部下の業務全体を俯瞰できるようにします。

マネージャーはそこまでやってもらって静観するのではなく、その内容を確認しながら、チーム全体の目標や優先順位、時期などに基づいて、4つの象限への割り当てを修正することも検討しましょう。

部下とオンライン会議でそれぞれの業務の内容を確認しつつ、優先順位付けとともに重要度と緊急度の再確認も一緒にやっていくといいでしょう。
特に「緊急度は高くないけど重要度の高い業務」に関しては、いつまでにどのくらいまで業務を進めるかなど、さらに具体的なスケジュールに落とし込んで進捗管理をおこなうようにしましょう。

こうしてチーム全体の業務の状況を見ながらマネジメントをおこなえば、テレワークや在宅勤務の下でもマネジメントにかかる負担が減ってくるのではないでしょうか。
テレワークや在宅勤務時に見直したいマネジメント7つのポイント
結果の数字に関しては、コミュニケーションツールなどの情報共有で十分と述べましたが、その結果にかかわる様々な行動面での指標は設定しておく必要があります。 

たとえば、営業部門でいえば売り上げにつながるための顧客訪問数、また、人事部門でいえば、採用活動に至るための大学リストアップ数などです。

このようにカウントができる指標については、目標を決めたうえでその目標に到達するように取り組んでみましょう。
ただ、そのなかでも数値化できないものもあります。 その場合には、期限を決めたうえで、いつまでにその業務にかかわる行動を終わらせるかなど、期限という数値化できる指標を同じように用いるといいでしょう。

件数のカウントだけでなく、期限など数値化できるものは必ずあります。
パーセンテージなどで示させるものがあればそれでも大丈夫です。

このように、行動に関係する指標についても、数値化できるものは数値化してマネジメントをおこなっていけば、マネージャーと部下がお互いに共通認識をもって業務にあたることができるでしょう。
テレワークや在宅勤務時に見直したいマネジメント7つのポイント
行動指標だけではわからないような、業務内容の確認をおこなう場合には、部下とオンライン会議をおこなって確認する必要があるでしょう。
表面的な指標だけでどうしてもわからないことは、直接部下と話をすることで明確になるでしょう。

たとえば、個別案件の進捗や、優先順位付けした重要度の高い業務の進捗、また、抱えている業務に課題を発見した場合の相談事項などは、直接部下から聴くのが必要です。
そのときに、マネージャーの気分によって会議をいきなりやろうとするのは避けるべきです。
お互いにいつ、どのタイミングでオンライン会議をおこなうのか決めておかなければ、部下も苦痛に感じてしまいます。

マネージャー自身の都合で急に部下と会議を設定したがるというケースも時々見られますが、緊急性のある場合にはともかく、そうでない場合には、マネージャーと部下が、いつどの時間帯で会議をするのか決めておくようにしましょう。
「●曜日の●時から30分」などと、決まった時間でやるからこそメリハリがつくのです。
そして、どのようなことを確認するのかを予め部下に伝えておくことで、会議の時間の短縮を図ることができます。

チームの業務効率化やマネジメント業務の円滑化のためにも、できるだけ時間をかけずに会議は終えるようにしましょう。

テレワークや在宅勤務時に見直したいマネジメント7つのポイント
マネージャーの役割としては、当然チームを一つにまとめていくことが求められますが、その際に、業務上のルールはお互いに守るのは当然です。 

特に服務規程や情報セキュリティ規定などに反するようなことはやってはいけません。
会議の場所にかかわるルールや、勤務時間の申告、個人用パソコンでの業務遂行禁止など、守ってもらわなければならないことは多くあります。
コロナ禍になって慣れていないために、知らず知らずのうちに、企業に情報漏洩などの様々なリスクを顕在化させるような行動は慎むように、部下に指導しなければなりません。 

業務内容の進捗確認とともに、部下が守るべきルールを守っているかも合わせて確認するようにしましょう。
ルールが守られていなければ部下を厳しく指導するのもマネージャーの役割です。

以上、ここまでテレワークや在宅勤務での働き方におけるマネジメントをおこなう際に、改めて見直してもらいたいポイントを挙げてきました。
テレワークや在宅勤務でなくても、マネジメントを進めていくうえで大事なポイントも含まれています。
テレワークや在宅勤務だからこそ気をつけなければならない、独自の視点に該当するものもあれば、改めて見直してみてほしいという視点もあります。
働き方を見直すとともに、チームでのマネジメントのやり方も見直す良い契機です。

また、年末年始にさしかかり、もう一度気持ちをリセットして一年を迎えるという方もいらっしゃるでしょう。
コロナ禍でまだまだ穏やかな気持ちになれないかもしれませんが、今一度、仕事のやり方とともにマネジメントのやり方も見直すことで、穏やかな気持ちで来年がスタートできるようにしてみてはどうでしょうか?

コロナ禍のまま年をまたぐことになりそうですが、業務の見直しから改善につなげ、コロナ禍でも事業を継続、発展できる組織にしていきましょう。
来年も引き続きよろしくお願いいたします!

オンラインでのコミュニケーション力・営業力強化

オンラインで留意すべきコミュニケーションスキル強化を通して、生産性の向上や成果創出につなげるための研修はこちらです。

【テーマ】:プレゼン力強化
【対象者】:若手社員~中堅社員
【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンラインでの言葉の伝え方


【テーマ】:傾聴力強化
【対象者】:若手社員~管理職
【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンライン上の傾聴の方法 


【テーマ】:ファシリテーション
【対象者】:中堅社員~管理職
【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンラインで必要なファシリテーションスキル


【テーマ】:1on1ミーティング
【対象者】:中堅社員~管理職
【主な内容】:コミュニケーション上のポイント、オンラインでの1on1ミーティングのポイント・実習


【テーマ】:営業力強化 ~ヒアリング力強化~
【対象者】:営業担当者
【主な内容】:相手とのコミュニケーション上のポイント、オンライン商談の留意事項・実習

ゲストプロフィール

増田 和芳講師
増田 和芳(ますだ かずよし)講師

<経歴>
三菱UFJニコス株式会社,株式会社日本マンパワー,ソフトブレーン・サービス株式会社
合同会社富士みらいクリエイション代表

<資格>
国家資格キャリアコンサルタント
(公財)21世紀職業財団認定ハラスメント防止コンサルタント
(一社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー
(一財)生涯学習開発財団ワークショップデザイナー

1976静岡県富士市生まれ。大学卒業後、大手信販会社で営業及び債権管理業務を経験。28歳の時に大手教育研修サービス会社へ転職し、約10年間法人営業職として勤務。キャリアデザイン研修やヒューマンアセスメント研修等の企画、営業に携わり、トップセールスとして表彰も受けた経験あり。33歳で営業課長に昇格。通算部下6名の育成に携わる。営業現場の業務改善や営業人材育成に取り組み、営業マニュアル作成や全社教育体系作成プロジェクトでは中心的な存在を担った。また、全社員対象ハラスメント防止研修等の社内研修講師としても活躍。一時は自律神経失調症で苦しむ経験をしたが克服し、2015年3月に営業コンサルティング会社へ転職。ソリューション営業スキル向上、マネジメント、組織内コミュニケーション向上等をテーマに、コンサルタントとして活動し約420回研修講師として登壇。オンライン型及び対面型どちらでもワーク主体の研修を中心に実施し、それぞれの特徴を活かして学びや気づきを促進する研修手法は、受講者から「わかりやすい内容で、現場ですぐに使えることが多い」と評判。

2020年12月11日|カテゴリー「さまざまな分野
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年金制度への不透明感から、退職後の生活に不安を感じる方も多いと思います。
金融審議会における令和元年6月3日付け「高齢社会における資産形成・管理」と題された報告書の内容に記載された「老後資金2,000万円不足問題」は、当時マスコミに大々的に取り上げられ大騒ぎとなったことをご記憶されている方も多いと思います。
まずは、金融審議会の公表資料(※1)に基づいて確認をしてみましょう。

不安に惑わされない!老後資金の考え方
(金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」P10をもとに筆者が作成)

上記の収入・支出はあくまで平均的な数値に基づいています。ということは、「この数値よりも不足する恐れのある方」に止まらず、「これほど不足しない方も存在する」というのが正しい解釈のはずです。

ところが、この騒ぎは決して間違いではないにせよ、センセーショナルに不安を煽って「もっとたくさん金融商品を買ってほしい」という業界やマスコミの思惑が見え隠れしている可能性は「皆無ではない」かもしれません。
その後も老後資金の準備として「定年までに数千万円から1億円は準備が必要」との記事やコメントがネットや雑誌、その他で続々と紹介されて続けています。

果たして一体いくら貯蓄があれば、安心できるでしょうか?
結論から記載すると「万人にあてはまる安心できる老後資金は存在しない」というのが筆者の考えです。

不安に惑わされない!老後資金の考え方
各家庭の毎月の生活費は、20万円の家庭と30万円の家庭ではそもそも生活レベルが異なり、同じ土俵で論じることはできません。

また、家庭によっては、退職時点で「子どもの教育費負担が当面続く」、あるいは退職後も「住宅ローンの返済が続く」といった要因も考えられます。

さらに、退職したからといって上記で挙げた要因が無くとも、それまで享受してきた生活レベルを「望んで引き下げたい」と思う人はおらず、将来の生活レベルの予測はその時点の状況次第で柔軟に再検討する必要があります。成り行き任せの「ほったらかし」は避けましょう。

不安に惑わされない!老後資金の考え方
今後、公的年金だけで老後の生活費は賄えない可能性が高く、そうなれば貯蓄を取り崩さざるをえません。
そのために備える老後貯蓄ですので論理的には矛盾はありませんが、感情的には、貯蓄残高が徐々に減少していくので新たな不安⇒恐怖が芽生えます。

明確な根拠はありませんが、残高が一定金額を下回り始めると、貯蓄を取り崩すことに恐怖を覚えてしまい取り崩せなくなります。

「多く貯めると安心」という考え方は決して間違っていませんが、不安を完全に払しょくするほどの金額自体に基準は存在しておらず、その人の時点時点における価値観・生活感に起因しています。
そのため、「不安解消にはきりがない」という事態が容易に想像されますので、事実上不可能だと思います。

各自可能な範囲で「時には我慢をしつつ」、無理のない範囲で老後資金計画を目指しましょう。

不安に惑わされない!老後資金の考え方
「年金破綻!」というショッキングな話題をネットや雑誌、新聞、テレビ番組とあらゆるメディアが取り上げます。それを見て・聞けば、「本当に大丈夫か?」と不安になるのは当たり前の感情だと思います。

これらの記事は、「何もしないで手をこまねいていると本当に破綻しかねない!」と警鐘を鳴らしているに過ぎません。

年金破綻させないためには、「年金額の引き下げ」「受給開始年齢の引き上げ」「年金保険料の引き上げ」などのうちどれか、あるいは全部を「実施せざるを得ない」という痛みは避けられませんし、それは誰も望んでいません。

年金制度の破綻は、主権者である国民の過半が破綻を望めば破綻します。
国民が年金制度の破綻の「望んでいない」のであれば、受給条件は悪化したとしても持続可能な制度設計を掲げる政党・政治家に選挙で1票を投じるはずです。
一部の無責任な意見にあるような、「破綻を前提」に老後資金を蓄えようとするのは非現実的だと思います。

とはいえ、年金だけでは老後資金が不足することが分かっている以上、不足分を補うために行動≒資産形成をする必要があります。

不安に惑わされない!老後資金の考え方
インフレが起こると現在価値のお金は、徐々に目減りします。
つまり、現時点で老後資金の目標額を定めても、インフレが継続的に起こればその目標額自体の妥当性がなくなってしまいます。
「景気対策!」を合言葉に政府・日銀は物価上昇目標を安定的に2%の達成を目標に掲げています。
幸か不幸か?今のところは、その思惑通りに進んでいないようですが、意図的あるいは意図に反したインフレの可能性は皆無ではありません。

「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる(エリック・バーン)」という名言を聞いたことがあります。
将来の悲観的な予測が存在すれば、その予測を変える工夫が求められます。

【支出の部】
①現在の毎月の生活費×12ヶ月×②老後の生活年数(※2)+③退職後も続く特殊要因+④病気や介護費用に関する備えの費用=⑤老後資金総合計

※特殊要因とは、冠婚葬祭費や住居修繕費など一時的な支出など


【収入の部】
⑥夫婦合計の公的年金受給額(※3・4)×②老後の生活年数(※1)+⑦アルバイト代などその他収入=⑧老後収入総合計


【収支の部】
⑤老後資金総合計⑧老後収入総合計⑨必要貯蓄額


<例題>

【支出の部】
①毎月の生活費25万円、②老後の生活年数20年、③老後の特殊要因なし、④300万円

⇒25万円×12ヶ月×20年+300万円=⑤6,300万円


【収入の部】
⑥夫婦合計の公的年金受給額(※4)285.6万円/年、⑦なし

⇒⑥285.6万円×②20年=⑧5,712万円


【収支の部】
⑤6,300万円⑧5,712万円⑨588万円

この例題では、老後資金は588万円が不足するため、この金額を貯蓄しておくと多少安心が得られるかもしれません。

しかし、この簡易な老後資金の算出目安は、調査可能な過去の数値からの公的年金受給額(※4)の調査結果を抽出して基準にしており、将来公的年金の受給開始年齢引き上げや受給額減少の懸念、その他の不確定要因が山盛り中では、参考程度に過ぎません。

また、上記試算の基礎となっている寿命自体「何歳まで」は、不確定要因以外のなにものでもありません。

その他にもインフレの影響、その他のレジャー費や電化製品買い替え費用など一時的支出や冠婚葬祭などの突発的支出といった毎月の生活費以外の不確定要因は考慮していません。
そのため、条件次第で結果が大きく異なりますのであくまでも目安ですのでご注意ください。

とはいえ、老後資金を不安がるだけでは解決策は見つかりません。
現役で働いている間にできること、さらに退職後のことも視野に入れて、「我が家では」という前提で老後資金に対する蓄えを始めるとともに、年に一度程度は実績を考慮した上で将来の老後資金計画を見直していくと安心感は持続できると思います。


※1 金融庁:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」P10

※2 65歳の平均余命 男性19.83年 女性24.63年
厚生労働省:主な年齢の平均余命(令和元年簡易生命表)より

※3 公的年金の年金見込み額の試算は、下記で目安を調べることができます
日本年金機構:ねんきんネット

※4 厚労省:年金制度基礎調査 表42 夫の現役時代の経歴類型別・妻の現役時代の経歴類型別 本人及び配偶者の平均公的年金年金額(配偶者あり世帯)2017年 ともに65歳以上である配偶者あり世帯(再掲)総数

シルバー社員のセカンドライフ応援研修

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シルバー社員のセカンドライフの応援を目的とします。シルバー社員のマネープラン(得する知識)、キャリアデザインがセットされた研修です。
オンライン研修でありながら講義形式だけでなく、ワークを取り入れた参加型研修となっております。



JBMでは、上記以外の研修も柔軟に対応させていただきます。
ご質問やお見積りにつきまして、お気軽にお問い合わせくださいませ。
石村 衛(いしむら まもる)講師
石村 衛(いしむら まもる)講師

【経歴】
FP事務所 ライフパートナーオフィス 代表
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザー
株式会社JBMコンサルタント 契約講師

【資格】
ファイナンシャルプランニング1級技能士
日本FP協会 CFP(R)

大手食品メーカーにて、全国にまたがる流通卸や大手小売企業の営業を担当。その後、社内管理部門やマーケット開発部門、東京広域支店支店長を務める。
2001年 FP事務所ライフパートナーオフィスを開設、代表就任。相談業務をおこなうと共に若手・ベテラン、退職予定者向け等に向けた「ライフプラン講座」などの官公庁や企業研修講師を多数務め、その他「金融経済教育」をテーマにした小・中・高校・大学・専門学校における出前授業やイベント、保護者向けの教育資金講座やお金と生活のかかわりに関する講座などを幅広く手掛け、年間100件以上(2019年実績)を務める。ちびっ子からシニア層まで幅広く対応しており、「中立・公正」、「わかりやすさ」をモットーにリピートでご依頼いただくケースが多い。
著書に「お金ってなんだろう?~子どもに伝えたい大切なこと~」(PHP研究所)他


≪主な研修実績≫
ライフプラン/金融リテラシー/キャリア育成/確定拠出年金/金融商品販売者・購入者/入社前/新入社員/若手社員/中堅社員/退職予定者
コンクール指導
消費者教育の推進に関する法律 第14条3 対応研修

≪主な実績企業≫
官公庁/地方自治体/大手金融機関/信用金庫/保険代理店/商工会議所/法人会/公益社団法人/一般社団法人/大手製薬会社/部品加工会社/私立大学/公立学校 その他多数


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2020年12月4日|カテゴリー「さまざまな分野
こちらのブログでは、「成果主義人事の限界」をテーマに、「現状の成果主義人事のどこが、なぜ問題なのか、どのように変えていくことが必要か」という問いに対して、全6回の連載で順を追って解説しています。
今回は最終回アジャイルな人事変革の必要性についてお届けします。

★前回の記事を読む
成果主義人事の限界『(その6)アジャイルな人事変革の必要性』
企業におけるこれまでの人事のスタンスは、「アジャイル(機敏、俊敏)とは真逆でした。
例えば、評価制度の刷新を行おうとすると、設計段階で1年を要し、その後の社内調整に1年をかけ、やっと3年目に導入するといったスピード感が普通でした。
評価制度の導入にはそれほど時間と手間がかかるので、いったん導入したら数年間は手直しをせず、10年以上使い続けている企業も少なくないと思われます。

その結果、企業の人事にはスピードを犠牲にしてでも公平性の担保やリスク回避を重視しようとする価値観が根強く残っています。
6~7割程度の完成度で導入して運用しながら改良していくという発想は乏しく、抜け漏れがないことを慎重に確認してから本番導入するという仕事の進め方が固定化しています。
これはまさに、「ウォーターフォール型」そのものです。

しかし、ビジネス自体がアジャイル化していく状況において、従来のスタンスを維持したままでは、人事がビジネスの変化に対するストッパーになってしまう恐れがあります。
従業員の意識や行動が変わらなければ、ビジネスは変わることができないからであり、人事のスタンスが従業員の意識や行動に大きな影響を及ぼすからです。

そのため、これからの時代においては、人事こそアジャイルな仕事の進め方を率先すべき立場にあります。
「人事が具体的に決めてくれないから現場は動けない」といった言い訳が通用する間は、ビジネス自体も変わることができません。
現場の主体性や自律性を高めるために、最初に人事から変わる必要があるのです。

制度の番人からビジネスの支援者へ

成果主義人事の限界『(その6)アジャイルな人事変革の必要性』
成果主義人事は中央集権による業績管理を徹底させるための制度でした。
全社目標の達成を最重要課題として組織を動かすために、個人に目標をブレークダウンして、人事評価の面から外発的に動機付ける制度が成果主義人事であったといえます。
そのため、制度は法律のように精緻でなければならず、その運用は厳格なものでなければなりませんでした。人事はあたかも「制度の番人」のように、管理・統制を行う役割を担っていたのです。

しかし、管理・統制からはイノベーションは生まれません。
ビジネスがVUCAの環境に適応し、イノベーションを起こしていくためには、現場におけるトライアンドエラーが求められます。
そのためには、現場の主体性・自律性が必要とされるため、これからのパフォーマンスマネジメントは、事業部門の裁量の幅を広げるものでなければなりません。

これまでは上から下りてきた目標や評価基準に忠実に従って実行していればよかったものが、これからは自分たちで考えて運営していかなければならなくなります。
目標をどのように設定するか、賞与をどのように配分するか、等級決定をどうするかといったことに、事業部門は責任を持って対応しなければなりません。

また、個々人がチャレンジマインドを持って行動できるようになるために、一人ひとりを内発的に動機付けるマネジメントが必要とされるようになります。
目標管理一辺倒だった従来のマネジメントをピープルマネジメントに変えていくために、それぞれの事業部門は1 on 1の定着化などに対して、積極的に取り組まなければなりません。

これらの取り組みを推進するためのノウハウをビジネス側が持ちあわせていないことが通常であるため、人事によるサポートが必要になります。
あくまでも主体はそれぞれの部門ですが、人事にはビジネス側の変革を可能にするための「支援者」の役割を担うことが求められるのです。

小さく産んで大きく育てる

成果主義人事の限界『(その6)アジャイルな人事変革の必要性』
しかし、問題は人事側においても、これからのパフォーマンスマネジメントを支援するための十分なノウハウを持ちあわせていないところにあります。
そのため、人事部門におけるノウハウの蓄積が急がれますが、時間をかけて勉強すればよいわけではなく、ここでもアジャイルなアプローチが重要になります。
実際に経験しなければ、効果的な学習ができないからです。

今後の人事部門の役割として、HRビジネスパートナー(HRBP)の考え方を導入する企業が増えています。
このモデルにおいては、人事の役割は大きく以下の3つに集約されます。
・HRBP:ビジネス部門を人事の面から戦略的に支援する役割

・COE(センターオブエクセレンス):HRに関連する専門性を提供する役割

・HRシェアドサービス:人事関連の業務処理を効率的に行う役割


HRBPCOEがこれまでには明確に定義されてこなかった機能ですが、これらの役割を定めたからといって、すぐに成果が現れるわけではありません。
具体的な施策を伴っていなければ、役割はできたもののやっていることはこれまでと同じ、といった状況に陥ってしまいます。

しかし大きな企業では、全社的に変革を起こそうとしても変革に対する抵抗が強く、人事側も十分にノウハウを伴っていないため、うまくいかないリスクが少なくありません。
そのような場合は、変革に対して前向きな部門をパイロットに選定して、小さく始めることが効果的です。
パイロット部門での取り組みにおいて具体的なノウハウを蓄積したうえで、全社的にHRビジネスパートナーモデルを導入した方が、スムーズに移行できる可能性が高まります。

パイロット部門において評価制度の見直しなどを行う場合は、「特区」のような取り扱いが必要になります。
人事制度は全社一律でなければならないという考え方が強い会社では抵抗があるかもしれませんが、「人事が変わった」という象徴的なインパクトが示せる効果もあります。
まず、人事が変わった姿を見せることによって、事業部門の変革を促すことができるのです。

人事のキャリア開発機会を自ら広げる

成果主義人事の限界『(その6)アジャイルな人事変革の必要性』
人事の方の中には、自らの役割を変えることへの抵抗がある人がいるかもしれません。
しかし、この変革は人事を抑圧するものではなく、これまでよりもはるかに活躍の幅を広げることを意味しています。

HRBPが機能すれば、「従来の制度の番人」の立ち位置では感じられなかった、ビジネスへの貢献実感を得られることでしょう。
それによって人事の仕事における働きがいは大いに高まるはずです。

また、既存制度の知識だけではなく、人材開発、組織開発、HRテクノロジーなどの新たな専門性を獲得することによって、人事プロフェッショナルとしての成長の幅も広がります。

「成果主義人事の限界」と題した6回の連載も、今回が最終回となります。

「人事が変わらなければ会社は変わらない」というのは言い古された言葉ですが、今ほど、この言葉が当てはまる時代はないと思います。
人事が率先して変革に取り組むことによって、会社が変わるだけでなく、人事に従事する方々のキャリア開発機会も拡大するのです。
人事という仕事をビジネスにおける素晴らしいキャリアにできるかどうかは、自ら行動するかどうかにかかっているといえるでしょう。

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松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

アジャイルHRの関連書籍
2020年11月26日|カテゴリー「さまざまな分野
こちらのブログでは、「成果主義人事の限界」をテーマに、「現状の成果主義人事のどこが、なぜ問題なのか、どのように変えていくことが必要か」という問いに対して、全6回の連載で順を追って解説しています。
今回はその中の5回目『マネジメントの空洞化の解決が急務についてお届けします。

★前回の記事を読む
成果主義人事の限界『(その5)マネジメントの空洞化の解決が急務』
成果主義人事がもたらした最大の問題はマネジメントの空洞化にあるといっても過言ではないでしょう。
その昔、バブル経済が崩壊した1990年代前半以前は、日本企業における経営の特徴は「ミドルアップダウン」にあるといわれていました。
特に大企業では、ミドル層が戦略や重要施策に関する企画を立て、それを上層部に諮って会社の方針として下すといったように、実質的な意思決定はミドルが行っていた企業が少なくありませんでした。
予算も含めてミドルが持つ裁量権は大きく、ミドルがチームを束ねて企画から実行までをリードしていたのです。

しかし、バブル崩壊から成果主義人事導入に至る過程において、ミドルの裁量権は上層部へと吸い上げられていきました。
日本企業もアメリカ企業のようにトップダウンで即断即決の意思決定をすべきである、といった当時の論調もそれを手伝いました。
いずれにせよ、国内の経済成長が止まり、グローバリゼーションが加速するなかで、トップダウンで構造改革を進めなければ立ち行かない状況になっていたのは事実です。
その結果、ミドルは文字通り「中間管理職」として、上から下りてくる目標が達成されるように管理する役割を担わされることになったのです。

成果主義人事の期間が20年ほど続いたことによって、企業のなかには管理は得意だがマネジメントの経験が欠如しているマネジャーが大半を占めるようになっています。
今後、ますますイノベーションが求められる経営の転換期にある今日、現場におけるマネジメント力強化は喫緊の課題です。
ミドルが変わらなければ、メンバーのマインドや行動は変わらないからです。
その際、過去のよき時代のミドルに戻ればよいわけではありません。これからの時代に適した「ピープルマネジメント」の開発が求められているのです。

管理者から支援者へ

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目標管理型のマネジメントの特徴は、動機付けの方法が極めて外発的であるところにあります。
部下に高い目標を設定させて目標の達成度で評価するという方法は、難しい問題を出して点数が高ければよい成績を付けるという試験勉強の動機付けと似ています。
「高い点数を取ったらご褒美をあげるのでがんばれ」と動機付けるわけですが、がんばりの部分は本人に委ねられています。

厳格な目標管理の手綱を緩めると業績が下がってしまうことを恐れるマネジャーも少なくありませんが、もともとマネジャーが行っているのは入口(目標設定)と出口(達成度による評価)を管理しているだけです。
肝心の途中のプロセスでパフォーマンスを高めていく部分は本人任せになっています。

成果主義人事によって、このような「採点官マインド」がまん延しています。
「目標は上から下すものだ」と公言するマネジャーがいますが、試験を教師が出す(=目標を上から下す)ことは採点官マインドからすると当然の発想です。
また、「モチベーションは自分で上げるものだ」と主張するマネジャーもいます。
これも、採点官が試験中に生徒を励ますことがないのと同様です。

もしかすると、マネジャーが途中のプロセスを支援したら本人の実力が分からなくなることを危惧している人がいるかもしれませんし、あるいは、部下の誰かだけを支援したら不公平になることを心配している人もいる可能性があります。
しかし、それらは全く無意味な心配です。
マネジャーの役割は、そもそも部下の実力を採点することではなく、部下のパフォーマンスを高めることによってチーム全体のパフォーマンスを高めることにあるからです。

目標管理型のマネジメントは、管理しているだけでパフォーマンスの向上を支援していません。
しかし、これからのマネジメントはむしろ一人ひとりのパフォーマンスの向上を支援するものでなければなりません。
マネジャーには「管理者」から「支援者」に役割を変えることが求められているのです。
このことはマネジメントの対象が、これまでの目標管理では扱われてこなかった領域に移っていくことを意味しています。

1on1はマネジャーにとっての経験学習の場

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個々人に応じた成長とパフォーマンス向上を支援するためのマネジメントのことを「ピープルマネジメント」と呼びます。
一部のリーダー候補だけを育てるのではなく、すべてのメンバーの成長を対象とするため、「ピープル」という表現が用いられるのです。
「ピープル」と複数形になっていますが、内容は一人ひとりに応じて異なる支援を行うことです。

人が何に対してモチベーションを高めるかという内的動機はもともとすべて異なるため、一人ひとりに応じたパフォーマンス向上を支援するためには、部下を内発的に動機付けることが必要です。
また、部下のポテンシャルを理解して、一人ひとり違った成長の手助けを行うことが必要とされます。
これまでのような外発的で画一的なやり方から、内発的で多様なアプローチへの180度の転換が求められるのです。

そのようなピープルマネジメントスキルを高めるためには、経験学習が不可欠です。
ピープルマネジメントスキルは、部下とのコミュニケーションを実践し、その経験を振り返って気づきを得て、それを踏まえてさらに実践するというサイクルを繰り返しながら学習を重ねることなしに向上しないからです。
そのため、職場においてマネジャーがピープルマネジメントを実践できる場が必要とされます。

成果主義人事の限界『(その5)マネジメントの空洞化の解決が急務』
従来の目標管理制度では、上司と部下の面談機会は期初、中間、期末の年に3回くらいしかありませんでした。
それではアジャイルなマネジメントが難しいことから、上司と部下がもっと頻繁に対話を行う、1 on 1(ワンオンワン)を導入する企業が増えています。
1on1はメンバーの成長とパフォーマンス向上を第1目的として設定されますが、それは同時にマネジャーにとっての学習の場でもあるといえます。

「うちのマネジャーはマネジメントスキルが低いから1on1はまだ導入できない」と話す人事の方もいます。
けれども、そうしてちゅうちょしていると、いつまでたってもピープルマネジメントスキルは高まりません。
マネジメントスキルの向上とメンバーの成長は車の両輪のようなものなので、片方だけでは成り立たず、同時に取り組んでいくことが必要なのです。

マネジャー自身のマインドと行動の変革が課題

1on1を導入してピープルマネジメントスキルを高めようとする際、マネジャーは具体的に何をすればよいかが問題になるでしょう。
コーチングなどの研修を導入して、型を作ろうとする企業も少なくありません。
もちろん、コーチングスキルはピープルマネジメントを行ううえで有益ですが、それは全体の一部であるため、まず、ピープルマネジメントの全体像を描くことが必要です。

1on1におけるピープルマネジメントには以下のような要素が含まれます。
成果主義人事の限界『(その5)マネジメントの空洞化の解決が急務』
一人ひとりに応じたマネジメントを行うためには、部下がどういう人であるかを理解しなければなりません。
それはつまり、その人がどのような内的動機を持ち、何を大切にする価値観を有しているかを知ることです。
内的動機や価値観が、その人ならではの強みの源泉となり、成長のためのポテンシャルになるからです。
その際に求められるコミュニケーションスタイルが「対話」です。

問題解決のための議論とは異なり、「この人はそういう価値観を持っているから、そこにこだわるのか」という相手の内面に気づくことから始めるコミュニケーションが対話です。
ただ傾聴するだけではなく、相手を理解しようとする姿勢が必要です。

目標管理型のマネジメントでは部下の内面を理解する必要がなかったため、マネジャーは部下に対してどのようにコミュニケーションをすればよいか、実感として分からないかもしれません。
そのため、部下理解のスキルを高めるためにマネジャーが最初に行うべきことは、自分自身の内的動機や価値観を理解することです。
それによって、目に見えづらい内面を理解するための感度を磨くことができるのです。
成果主義人事の限界『(その5)マネジメントの空洞化の解決が急務』
部下が自分の経験を振り返り、気づきを得て、次のアクションにつなげる学習のプロセスを上司は支援する必要があります。
本人の気づきを促す際には、部下に対して質問を投げかけながら、自分自身で考えさせるコーチングスキルが有益です。

同時に、上司には部下に対するフィードバックスキルが求められます。
特に、部下の望ましい行動に対するポジティブフィードバックが重要です。
パフォーマンス向上のためには、本人の強みを発揮した行動が強化される必要があるからです。

目標管理型のマネジメントにおいては、目標と実績のギャップがマネジャーの関心事となり、できていない課題に対して一方的に指摘しがちでした。
しかしここでも、マネジャーは自分自身の過去を振り返ってみることが有益です。
自分がモチベーション高く成果を挙げていた体験を振り返ってみると、そこでは自分らしい強みが発揮されていたことが分かるはずです。

成果主義人事の限界『(その5)マネジメントの空洞化の解決が急務』
目標を設定し、それに向けてアクションを行い、その結果を振り返って、さらに次の目標やアクションにつなげるサイクルを、部下が自律的に行うことができるようになるのが目指す姿です。
そのためには、目標を上から与えられるのではなく、自分でゴール設定できる力を養う必要があります。

部下の目標は当然ながらチーム全体の目標の達成に貢献するものでなければなりません。
しかし、同時に自分自身が達成したいという意欲を駆り立てられるものであることも必要です。
目標設定は組織のニーズと個人のニーズをつなぎ合わせる機能を果たします。

目標管理型のマネジメントでは目標は上から与えられたため、自分でゴールを設定する力が組織全体で劣化してしまっています。
上司が部下の目標設定を支援する際に、まず上司自身の目標が戦略的に考えられ、かつ自分の思いがこもった目標になっていなければなりません。
上司自身の目標が上から与えられている状態では、部下の自律的な目標設定を支援することは不可能です。

成果主義人事の限界『(その5)マネジメントの空洞化の解決が急務』
マネジャーは自分のチームのパフォーマンス向上だけでなく、メンバーの成長を支援する役割を担っています。
それはつまり、メンバーのキャリア開発を支援することと同義です。
そのため1on1の場では、目の前の目標やアクションばかりではなく、時には将来的なキャリアビジョンについても語り合うことが必要です。

上司が部下から「マネジャーは将来、どうなりたいのか?」とキャリアビジョンを尋ねられた時、上司が自分の思いを語ることができなければ、部下のキャリア開発を支援することは難しいでしょう。
自分のキャリアビジョンを持たない人から、キャリア開発を支援してもらいたいとは思わないからです。
そのため、上司自身がしっかりと自分の将来イメージを描けていることが不可欠です。

以上に述べてきたように、ピープルマネジメントを行うためには、部下にしてほしいことを上司ができていることが前提となります。
つまり、ピープルマネジメントスキルを高めるためには、マネジャー自身のマインドと行動を変えることが必要とされるのです。
マネジャーに対して、単に部下育成のスキルを身に付けさせようとするのではなく、マネジャー自身のさらなる成長を促すことが求められています。

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◆株式会社アジャイルHR
松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

アジャイルHRの関連書籍
2020年11月20日|カテゴリー「さまざまな分野
こちらのブログでは、「成果主義人事の限界」をテーマに、「現状の成果主義人事のどこが、なぜ問題なのか、どのように変えていくことが必要か」という問いに対して、全6回の連載で順を追って解説しています。
今回はその中の4回目『等級と報酬の決定にレーティングはいらないについてお届けします。

★前回の記事を読む
成果主義人事の限界『(その3)成果主義人事の12の問題点』
大半の日本企業では年次や半期での目標の達成度に基づいて、個人の成績のレーティング(A・B・Cなどといったランク付け)を行っています。
そのレーティングの結果を用いて、等級や報酬額が決定される制度を構築している企業も少なくありません。
各人の処遇がレーティングという共通的な尺度によって決められるため、公平な仕組みのように感じられるかもしれませんが、レーティングと処遇を密接にリンクさせることによる弊害についてはあまり議論されることがないように思います。

レーティング自体の問題点については、前回の「成果主義人事の12の問題点」で述べたとおりです。


個々の問題点に関しては日本企業の人事の方々もかなり認識されていると感じます。
しかし、レーティングに応じて処遇を決める制度を長年にわたって運用してきたためか、その仕組み全体が当然のことのように組織に浸透しています。

多くのアメリカ企業がこの数年間で、年次や半期単位でのレーティングを廃止していますが、その話題になった時に人事の方々からいつも必ず尋ねられることがあります。
それは「レーティングなしに等級や報酬をどうやって決めるのか」という疑問です。

そもそも等級や報酬は何によって決定されるべきかを丁寧に考えていくと、レーティングはあまり必要でないことが分かります。
今回は、等級や報酬の本来の決定方法を再確認しながら、レーティングを軸とした現行の成果主義人事制度の問題点を整理したいと思います。

業績重視の等級決定の問題点

成果主義人事の限界『(その3)成果主義人事の12の問題点』
レーティングは年次や半期単位での短期業績に基づいて行われます。
会社によっては、行動や能力の要素を組み込んでレーティングを決める制度を採用しているところもありますが、過去1年や半年といった期間における業績評価は必ず含まれ、中心的なウェイトを占めています。

一方で等級の決定は本来、短期業績に基づいて行われるべきものではありません。
「その等級に求められる役割や職務を果たすための行動ができるか」といった、能力やリーダーシップによって判断されるべきものです。

どこの会社にも等級制度はあります。最近は役割等級制度を採用している会社が多いと思われますが、その制度では各等級の役割要件が定義されています。
そこでは、等級の決定はその等級に求められる能力や行動面の要件が満たされるかどうかで判断されることになっています。
しかし、等級の決定にレーティングが用いられることによって、短期業績に重きが置かれてしまいます。

短期的に業績を上げたから昇級させるというのは、いわば「ご褒美」のようなものです。実際、過去にご褒美昇格を乱発した結果、今になってたくさんの問題を抱えてしまっている会社もあります。

特にマネジャーへの昇進に関して、マネジャーになってからマネジメントの経験を積ませればよいと考えて業績重視で昇進させる会社もあります。しかし、そのような会社ほどマネジメントの教育機会が提供されないため、マネジメントできないマネジャーが大量に生まれるといった悲劇も生じてしまいがちです。

業績と能力を総合的に評価するというのはもっともらしい考え方のように聞こえますが、異なる尺度をごちゃまぜにしてしまうため、そのレーティングが表している意味が分かりにくくなります。その結果、評価エラーの温床にもなってしまうのです。したがって、能力・行動面での評価と短期業績の評価は明確に分けて考えられるべきです。

タレントレビューのプロセスが重要

成果主義人事の限界『(その3)成果主義人事の12の問題点』
昇格や昇進の決定に当たって、アメリカ企業ではタレントレビューというプロセスを、全従業員を対象として導入する企業が増えています。
これはそれぞれの部門におけるマネジャーたちが集まって、自分のメンバー1人ひとりの強みや課題、今後の開発方針などについて説明し、議論しながら昇格・昇進を判断するプロセスです。

この議論においては、能力や行動面だけではなくエビデンスとしての実績も考慮されますが、それはレーティングである必要はありません。
上の等級に求められる能力があるか、行動ができるかということを判断するために、どのような強みを発揮して何を成し遂げてきたかという内容が議論の対象になります。

タレントレビューで重要なのは、単に昇格・昇進の可否を判断するということだけではなく、上の役割を果たせるようになるために、今後、どのような経験や学習が必要かを検討するという「未来指向」の議論が行われることです。

例えば、マネジャーへの昇進に当たって、業績は上げているが等級要件で求められる能力発揮が十分でないといった場合には、昇進は1年待ってその間にメンバーをスーパーバイズする経験を積ませようといった判断が行われます。
あるいは逆に、能力発揮は十分だが業績を伴っていないといった場合には、役割や環境を変えて成果を出させる方法が検討されます。
過去の査定ではなく、将来の人材開発が重視されるのです。
このように、議論するというプロセス自体に意味があります。等級要件はどうしても抽象度の高い表現でしか記述できません。
逆に非常に細かな要件を定義している会社も見かけますが、あまり細か過ぎると今度は現実的に運用が困難になってしまいます。
そのため、等級要件自体は幅広い解釈ができるようなものであっても、それをもとに議論しながら現場で肉付けしていくプロセスが重要になるのです。
それによって各等級に求められる役割や行動の内容がマネジャーたちの間で次第に共有されるようになっていきます。

かつての人事制度の考え方は、人事部が精緻な制度を作ってそれを現場に下すというものでした。
しかし、人事部が決めてくれないから動けないといった受け身の姿勢では、現場におけるアジャイルなマネジメントはできません。
人事部はコンセプトをしっかりと示すけれども、実際にその内容を具体化していくのは現場で行われる必要があります。
人事部は、現場での運用がうまくできるように、例えばタレントレビューのためのワークショップを開催するなど、学習の機会を提供していく役割が求められるようになってきています。

報酬決定にもレーティングはいらない

成果主義人事の限界『(その3)成果主義人事の12の問題点』
以上のように、等級の決定にレーティングは必要ありません。
むしろ、レーティングを用いない方がよいといえます。
同様に報酬の決定に際しても、レーティングは必要ないことを解説します。

昨今の多くの企業は報酬を基本給と賞与に分けています。
アメリカ企業でもその傾向は同様です。
基本給と賞与はそれぞれの意味合いが異なります。
基本給はその人の役割や職務に応じて支払われるものです。つまり、等級に対応しています。
そのため、(細かな技術的な議論はここでは割愛しますが)基本的には等級が決まれば基本給も決めることができます。
したがって、基本給の決定にレーティングは必要ありません。

そうなると残るは賞与のみですが、賞与を決めるためだけの目的で、わざわざレーティングを行う必要もありません。
賞与の本来の位置付けは会社の利益の還元です。つまり、その期に儲かったから従業員に報いるというのが賞与本来の意味であるため、従業員の短期業績に応じて支払うのが合理的です。

全従業員を母集団としてレーティングを行い、それに基づいて賞与を決めている会社も少なくありません。
すべての従業員に共通の尺度が適用されるため、一見、公平な制度のようですが、この方法にはもともと無理があります。
部門や職種が違えば成果(業績)の内容が異なるため、そもそも相対比較できないものを強引にランク付けしているからです。

レーティングを廃止したアメリカ企業が行っている一般的なやり方は、賞与原資を部門に配分して、それぞれの部門において賞与配分を決定するという方法です。
現場に配分を決めさせるのは乱暴なように感じられるかもしれませんが、実は非常に合理的で効果的な方法といえます。

まず、賞与原資を部門に配分する段階で部門業績を織り込むことが可能です。
それによって、個人業績だけではなく部門全体の業績を向上しようとするインセンティブを高めることができます。
さらに、賞与原資を個人に配分する段階では、部門業績に対する貢献度を判断すればよいため、全社一律で行うよりも具体的な検討ができます。

部門業績に対する貢献度を判断するためには、何が自部門にとって評価されるべき成果かが明確になっていなければなりません。
そのためには、目標設定が重要になります。目標設定段階において、自部門の戦略は何か、何が今期のプライオリティかが十分に話し合われていなければ、賞与決定の段階での尺度が曖昧になってしまうため、しっかりとした目標設定の検討が促されます。

部門の原資を個人に配分する段階でレーティングを用いるという考え方もあるかもしれませんが、相対評価によって正規分布させる方法は望ましくありません。
なぜなら、個人のパフォーマンスはもともと正規分布しないため、無理に正規分布させることは現実を歪めてしまうからです。
それよりも、貢献度の高かった人に多くを配分し、それ以外はあまり細かな差を付けないといったやり方の方が、動機付けとしても効果的でしょう。


以上のように、等級と報酬の決定に当たってレーティングは必要がありません。
皆さんの会社でも従来の方法に縛られず、本来の目的に立ち返って望ましい方法を検討されることをお薦めします。

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◆株式会社アジャイルHR
松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

アジャイルHRの関連書籍
2020年11月16日|カテゴリー「さまざまな分野
こちらのブログでは、「成果主義人事の限界」をテーマに、「現状の成果主義人事のどこが、なぜ問題なのか、どのように変えていくことが必要か」という問いに対して、全6回の連載で順を追って解説しています。
今回はその中の3回目『成果主義人事の12の問題点についてお届けします。

★前回の記事を読む
成果主義人事の限界『成果主義人事の12の問題点』
本連載ではこれまで、成果主義人事はビジネスモデルが確立したレガシービジネスにおいて、目標達成を外発的に動機付けるためのシステムであり、VUCA環境で新しい価値を創造するスタートアップビジネスには適さないことを述べました。
国内人口の減少に伴って市場規模が縮小する状況において成果主義人事を維持し続けることは、企業にとって大きなリスクであるといえます。
組織がますます疲弊するだけでなく、今後の成長領域の芽が育たないからです。

さらに当のレガシービジネス自体にも、今後、デジタル社会の波は押し寄せてきます。
ビジネスモデルが確立しているということは、AIやロボットで置き換えたり、インターネット上にビジネスそのものを移したりできる余地が大きいからです。
そうなると、人を外発的な目標管理で動機付ける必要性そのものがなくなります。
それは、さほど遠い未来の話ではないでしょう。

今回は成果主義人事の問題点をより具体的に述べたいと思います。
繰り返しますが、ここで成果主義人事と呼んでいるのは、期初に目標を立て、期末にその達成度を測定し、その結果によってレーティング(A・B・Cなどの格付け)を行い、レーティングに基づいて昇格や賞与を決めるシステムのことを指しています。

以下に成果主義人事の12の問題点を掲げます。チェックリストとして用いて、皆さんの会社で何項目が該当するかをぜひ確認してみてください。

サイクルの固定化/リードタイムの長さ

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多くの企業において目標は年次や半期で固定化されていますが、実際のビジネスの環境は企業の会計年度で変化するわけでないことはいうまでもありません。
短サイクルの環境変化のなかで成功確率を高めるためには、変化に合わせて機敏に軌道修正を行っていくことが必要です。

ところが、環境が変わろうとも当初立てた目標をやり抜くことが優先されてしまうと、企業活動は市場の変化からかい離してしまいます。
そのかい離が大きくなるほど、組織にひずみが生じます。売り上げの架空計上やデータの改ざんといった不祥事が、目標管理によって誘発された例も少なくありません。

大半の企業では、上司と部下による目標管理の面談を期初、中間、期末のタイミングで実施することをルールにしています(その面談すら形骸化していることも少なくありません)。
目標管理を行うことの目的は個人のパフォーマンスを向上することであるはずですが、個人のパフォーマンスは期初や期末ではなく、期の途中の日常的な仕事を通じて向上するものです。

つまり、現状の目標管理制度では入口と出口の面談だけで、肝心の期中における1対1の面談によるパフォーマンス向上支援が欠けていることになります。
その結果、目標管理が個人のパフォーマンス向上にあまり役立っておらず、そのことが面談の形骸化を招く原因にもなっています。

個人のパフォーマンス向上は成長によって可能になります。
そして、その成長の大部分は仕事の経験を通じてなされます。
いわゆる「経験学習」です。
目標を立て、やってみて、その結果を振り返って何かに気付き、その学びを次の目標設定やアクションに生かすというサイクルを繰り返すことによって、成長が促されます。
環境変化が短サイクル化している今日、経験学習のサイクルもそれに合わせて短い期間で回していくことが必要です。

しかし、目標管理制度上のサイクルは年次や半期に固定されていて、現実の経験学習サイクルと合っていません。
その結果、目標管理制度が人材開発にあまり役立たなくなってしまっているのです。

上意下達の代わり映えしない目標

成果主義人事の前提となっているウォーターフォール型の目標管理では、全社の売り上げや利益目標を達成することが大命題となっています。
そこでは毎年、前期比3パーセント増といった目標を上から下にブレークダウンしていく目標設定が行われていますが、そのことが引き起こしている悪影響は小さくありません。

成果主義人事の限界『成果主義人事の12の問題点』
毎年、代わり映えしない目標が降りてくることによって、全社の目標に対する関心が薄れてしまいます。
たとえ素晴らしい企業ビジョンを掲げていても、従業員には毎年の目標を達成した延長線上にビジョンがあるようには感じられず、どこか白けた雰囲気が強化されてしまいます。

その結果、全社目標の達成にぜひとも貢献したいという意欲がかき立てられず、自分の目標だけを追っていればよいという個人主義的な意識が強化されてしまいます。
その意識は他者とのコラボレーションの妨げにもなります。

目標が常に上から降りてくることによって、従業員は受け身の姿勢となり、仕事は与えられるものという意識が強化されてしまいます。
中間管理職も上位目標の中継役となってしまって、自分のチームの目標を自ら設定する経験が不足するため、ゴール設定力が鍛えられません。
既にビジネスモデルが確立したレガシービジネスならともかく、スタートアップビジネスにおいては自分でゴールを設定しなければ誰も決めてはくれません。

また、組織のゴールを示してかじ取りを行う経営者人材が育たず、将来的な経営力の低下を招いてしまうリスクが高まってしまいます。

達成度による評価

部門や職種が違えば成果の内容も異なるため、人の成果を一律的に比較することができません。
それでは全社的な相対評価が困難であることから、大半の企業においては目標の達成度が成果測定の共通指標として設定されています。
この達成度による評価が重大な問題を引き起こしています。

成果主義人事の限界『成果主義人事の12の問題点』
ウォーターフォール型の目標管理においては、与えられた目標の達成が最優先されます。
目標を達成するためには、大きなリスクは取らずに失敗を回避することが得策と考えられるため、安全志向の判断や行動が強化されることになります。
例えば、期の途中において大きなビジネスチャンスが現れても、やってみなければ成果が分からないようなことはやらないといった判断がなされる恐れがあります。

また、これから成功の方程式を模索するスタートアップビジネスでは、最初からうまくいくことはほとんどあり得ず、実験と検証を繰り返しながら失敗から学ぶことが重要です。
しかし、ここに達成度評価が持ち込まれると、新たな実験自体が回避され、新規事業の可能性が狭められる危険性があります。

ウォーターフォール型の目標管理の大命題は目標を達成することにあるため、そのマネジメントではまず達成度が管理されます。
例えば、売り上げ目標の達成度が管理される場合、売り上げという最終結果だけではきめ細かな管理ができないため、顧客の訪問件数や提案件数などのKPIの進捗状況も把握されます。
これらはすべてプロセスだけを見ていて、そこに携わる人が誰かを問いません。
もちろん、プロセス管理が不要というわけではありませんが、そこに偏重しすぎると一人ひとりを内発的に動機付ける視点が欠落してしまいます。
その結果、厳しく管理しても個人のパフォーマンスが高まらない状況に陥ってしまうのです。

相対評価によるレーティング

目標の達成度に基づいて相対評価でレーティングを行うのが成果主義人事の特徴ですが、個人の成績をランク付けするレーティング自体の問題点が、アメリカでの研究によって、いくつも指摘されています。

成果主義人事の限界『成果主義人事の12の問題点』
人が成長するためには「努力すれば成長できる」というマインドセット(グロースマインドセット)の状態にあることが必要であるという、スタンフォード大学のキャロル・ドウェック教授によるマインドセットの有名な研究があります。
ところが、ここ数年のアメリカでの脳科学研究によると、数値によるレーティングはこのグロースマインドセットを毀損してしまうことが分かってきています。
従業員の大多数を占める中間層に対して、B評価やC評価をフィードバックすることは、大勢の人々の成長可能性を阻害する結果につながっているのです。

同じくアメリカでの研究結果によると、そもそも人のパフォーマンスは正規分布しないことが検証されていますが、それを相対評価によって無理に正規分布させることで様々なひずみが生じます。
特に、正規分布では平均点周辺の人数が最も多くなりますが、そのことは「ほかの人と同じくらいの平均的な成果を出していれば安泰」という中庸意識を強化してしまいます。
ものすごくがんばらなくても中庸でよいという意識を持った人が過半数を占めるような組織では、現状の大きな変革や大幅な生産性の向上が起こりにくくなってしまいます。

チームパフォーマンスを向上するためには、自分の思ったことを気兼ねなく発言できる雰囲気(心理的安全)が不可欠であるという、ハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授の有名な研究結果があります。
ところがレーティングは、従業員間に競争のメカニズムを持ち込むものであるために、組織の心理的安全を阻害してしまいます。
特にスタートアップビジネスにおいては、多様な人材によるコラボレーションが重要になるため、チーム内に心理的安全が存在することが、チームパフォーマンス向上のための不可欠な前提といえます。

短期業績 > 能力・行動

レーティングはその期の業績に応じた短期評価です。期末の評価会議などにおいて、レーティングを決定するために多大な時間が費やされていますが、その労力が有益に用いられているとはいいにくいのが実情です。

成果主義人事の限界『成果主義人事の12の問題点』
昇格の判断は短期業績によって行われるべきものではありません。例えば、マネジャーへの昇格は、本人にマネジメントの能力やチームを率いるリーダーシップがあるかどうかで判断されるべきものです。
しかし、年次評価のレーティングをもとに3年連続A評価以上であれば昇格といったようなルールを定めている企業も少なくありません。

その結果、本来はマネジャーの要件を満たしていないにもかかわらず短期業績がよかったために昇格したり、その逆に昇格すべき人が昇格できなかったりする、「評価エラー」が多発してしまうことになります。
明確なルールに従って昇格を決めているため、一見、公平のように感じられますが、組織にもたらす悪影響は少なくありません。

評価会議における議論は過去を見ています。
その人が今期、何をしてどのような業績を残したかという過ぎたことをもとに採点するのです。
人材開発のためには本来、この先、本人にどのような経験を積ませ、何を学ばせたいかという未来指向の議論が必要です。
しかし、AかBかというレーティングを決めるための過去の議論にばかり終始し、人材開発の議論がほとんどなされていない企業が少なくありません。
その結果、組織のなかに人材開発カルチャーが育まれず、無機的な目標管理・評価制度が延々と維持されることになってしまいます。


さて、読者の皆さんの会社では12の問題点のうち、いくつが該当したでしょうか?
くの問題点が当てはまるのであれば、それをそのまま放置するのではなく、新たな発想でパフォーマンスマネジメント改革の検討を始めることが必要です。


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こちらのブログでは、「成果主義人事の限界」をテーマに、「現状の成果主義人事のどこが、なぜ問題なのか、どのように変えていくことが必要か」という問いに対して、全6回の連載で順を追って解説しています。
今回はその中の2回目『ウォーターフォール型からアジャイル型マネジメントへについてお届けします。

★前回の記事を読む
成果主義人事の限界『ウォーターフォール型からアジャイル型マネジメントへ』
期初に目標を設定して、期末にその達成度に基づいてレーティングを行うという従来の成果主義人事の方法は、レガシービジネスにおけるマネジメントモデルを前提としています。
ここでいうレガシービジネスとは、既にビジネスモデルが確立されたコア事業のことを指しています。
レガシービジネスにおいては顧客市場も、ビジネスの成功の方程式(成功要因、戦い方)も確立されているので、将来がある程度は予見可能であり、従来の目標管理・評価の方法が成り立ちうるのです。

過去における正しいビジネスの進め方とは、まず中長期の経営計画を作成し、それに基づいて年度の事業計画を立て、事業計画に定められた全社の目標を部門、チーム、個人へと滝(=ウォーターフォール)のようにブレークダウンして、各個人に実行させることでした。
その実行を徹底させるために、目標の達成度によって評価するという手法が採用されたのです。
その前提は、経営計画を着実に実行すれば業績が向上するという図式が成り立つことであり、さらに前提として、そもそも将来の経営環境が予見可能という条件がありました。

VUCAの進展とともに、こうしたウォーターフォール型マネジメントは機能しづらくなっているのです。

ウォーターフォール型マネジメントは企業の成長を阻害する

成果主義人事の限界『ウォーターフォール型からアジャイル型マネジメントへ』
しかし、日本の大企業の多くは、現在でも国内市場におけるレガシービジネスに依存しています。
海外売上比率はかなり高まっていますが、まだまだ国内市場からの売り上げ、利益のウエイトが大きく、何よりも日本人従業員の大多数が国内のレガシービジネスに従事している状態にあります。
国内市場は既に飽和しており、人口減少とともに今後、徐々に縮小していくことは周知の事実ですが、その縮小のスピードが緩やかであるため、なかなか変革への危機感が高まりません。

その一方で、新たなイノベーションが必要とされるスタートアップビジネスにおいては、従来の目標管理のやり方でマネジメントを行うことが困難です。
ここでいうスタートアップビジネスとは、ビジネスの成功の方程式自体をこれから作っていくことが求められる事業を指しています。
それらは今後の成長が可能な領域ですが、ビジネスモデルが確立されていないため、将来を予見することは困難です。

VUCAの環境においては、期初に目標を立てて期末にその達成度で評価を行おうとしても、目標の前提条件自体の変動が激しく、不確実性が高いために、従来のような半期や年次で区切った目標管理が意味をなさなくなってしまいます。
そのため、成果主義人事に基づく従来のマネジメント方法を続けていても、スタートアップビジネスはうまく立ち上がらず、いつまでたってもレガシー依存の状態から抜け出せません。
その結果、企業は次第に衰退していく危険性を抱えてしまうことになるのです。

ウォーターフォール型とアジャイル型の違い

成果主義人事の限界『ウォーターフォール型からアジャイル型マネジメントへ』
VUCAの環境において、スタートアップビジネスを伸ばすために求められるのは、アジャイルな(機敏な)マネジメントです。
どうすればうまくいくのかが不明瞭であるため、仮説を立てて、やってみて、その結果を踏まえて、次のアクションを考えるといった、実験と検証を繰り返すマネジメント方法が必要とされます。
上から「こうすればうまくいく」と正解を伝えることはできないので、現場で一人ひとりが考えながら行動しなければならないのです。
ウォーターフォール型とアジャイル型マネジメント方法には、以下のような基本的考え方の違いがあります。

アウトプットの量ではなくアイデアの質を重視する

成果主義人事の限界『ウォーターフォール型からアジャイル型マネジメントへ』
ウォーターフォール型のマネジメントが行われている企業で非常によく目にするのが、「対前年比、売上3%増」といった目標設定です。
市場の規模が拡大していないなかで3~5%増であってもストレッチ目標ですが、3%成長程度の目標では根本的な発想の転換はなかなか起こりません。
多くの場合、3%分インプットを増やしてアウトプットを増やそうとする行動が強化されます。
その証拠に、成果主義人事が導入されてからの過去20年間、日本人の平日1日当たりの労働時間は少しずつ延び続けています。

スタートアップビジネスにおいては、いうまでもなくインプットを増やしたからアウトプットが拡大するという関係は成り立ちません。
量の問題ではなく、アイデアの質が重要だからです。同じ行動をたくさん行うことよりも、「次はこうしてみよう」「別のアプローチもあるのではないか」と、視点や角度を変えながら様々なアイデアを試す姿勢が必要です。
また、その前提として、一人ひとりが自分の意見を自由に発言できる環境が不可欠となります。
「こんなことを言ったら批判されるのではないか」とリスクを感じるような環境では、自分のアイデアを安心して話すことはできません。

ウォーターフォール型マネジメントにおいては、皆が同じように考え、同じように行動することが奨励されるため、異なるアイデアは排除されがちです。
一方、アジャイル型マネジメントにおいては、イノベーションを起こすために、多様な視点や価値観が尊重されるカルチャーが構築される必要があるのです。

失敗を回避するのではなく失敗から学ぶ

成果主義人事の限界『ウォーターフォール型からアジャイル型マネジメントへ』
ウォーターフォール型マネジメントにおいては、所与の目標を確実に達成することが最大の命題となるため、目標達成を妨げる「失敗」を回避する行動が促されます。
そのため、成功確率がよく分からないビジネスチャンスは無視され、リスクを取らない安全志向のカルチャーが強化されます。
ウォーターフォール型マネジメントの浸透した組織で、部下が何かに「チャレンジしたい」と言った時、「責任を取れるのか」と上司に諭されるような場面がよく見られるのはその一例です。

実験と検証を繰り返すスタートアップビジネスにおいては、何かをやってみた際に、うまくいくことよりもうまくいかないことの方が多いのが当たり前です。
「うまくいかないかもしれないから何もやらない」という姿勢からは成果が生まれません。
そのため、失敗を回避するのではなく、いかに素早く効果的に失敗から学ぶかが重要となります。

アジャイル型マネジメントでは、本人がアクションの結果を振り返り、何がよくて何が課題かに気付くための「リフレクション(内省)」を促すことが求められます。
仮説を立てて、実行し、その結果から学ぶプロセスが経験学習です。
変化が短サイクル化している環境において、経験学習のプロセスも短サイクル化しています。
そのため上司には、頻繁なフィードバックを通じて、部下の経験学習を支援する役割が求められるのです。

目標を与えられるのではなく自律的に目標を設定する

成果主義人事の限界『ウォーターフォール型からアジャイル型マネジメントへ』
ウォーターフォール型マネジメントは、外発的な動機付けを基本としています。
目標を達成すれば高い評価を与えるので、それに向けてがんばれと動機付けるのです。
しかし、スタートアップビジネスでは、共通の目標を上から与えることができません。
そこで、現場において一人ひとりが自律的に目標を設定して、行動することを促す必要があります。
そのため、個々人に応じた内発的な動機付けが求められるのです。

ウォーターフォール型マネジメントの大命題は目標を達成することにあるため、マネジメントの基本は達成度を管理することにあります。
売り上げや利益といった結果指標だけでなく、それに至る中間指標をKPIとして設定して進捗状況を管理します。
それらは、結果に至るプロセスを管理するものであり、個々人の内面的な違いには目が向けられません。

一方、アジャイル型マネジメントにおいては、個々人に応じたマネジメントが不可欠となります。
何に対して意欲を高めるかといった内的動機は、それぞれ異なります。また、モチベーション向上とともに発揮される強みも一人ひとり違います。
そのため、個々人のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、個々人ごとの内的動機や強みを十分に発揮させるマネジメント(=ピープルマネジメント)が必要とされるのです。
つまり、個に着目したマネジメントが強く求められるようになります。


以上、ウォーターフォール型マネジメントとアジャイル型マネジメントを対比させて述べてきましたが、ウォーターフォール型マネジメントにアジャイルな要素が全く必要でないという訳ではありません。
レガシービジネスにおいても、変化のサイクルは短縮化し、顧客のニーズは多様化し、技術の進化による影響も小さくありません。
したがって、ウォーターフォール型マネジメントにアジャイル型マネジメントの要素を組み込む工夫が必要とされます。
そのためには、後の回で述べる上司と部下の1on1の対話のデザインが重要となるのです。


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◆株式会社アジャイルHR
松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

アジャイルHRの関連書籍
2020年11月2日|カテゴリー「さまざまな分野
こちらのブログでは、「成果主義人事の限界」をテーマに、「現状の成果主義人事のどこが、なぜ問題なのか、どのように変えていくことが必要か」という問いに対して、全6回の連載で順を追って解説しています。
今回はその中の1回目『VUCAの時代と成果主義人事のミスマッチ』についてお届けします。
成果主義人事の限界『第1回 VUCAの時代と成果主義人事のミスマッチ』
昨年、『人事評価はもういらない』という本を出版して以来、数百社におよぶ企業の人事の方々に対して、このテーマでお話しをしてきました。
多くの企業の実情を伺い、考えれば考えるほど、日本企業の成果主義人事は既に限界に達しているという確信が強まっています。
実際に人事向けセミナーなどで成果主義人事の問題点をチェックしてもらうと、「すべて当社に当てはまります」と発言される参加者は少なくありません。

ところが、それほど問題を抱えているのにもかかわらず、根本的な変革に踏み切る企業はあまり多くありません。
その理由として、成果主義人事があまりにも組織に浸透してしまったため、組織の上から下まで染み込んだ固定観念からなかなか脱却できないことが挙げられます。

一方で、人事部門では問題を認識しながらも、成果主義のなかでこれまで昇進してきた経営層を説得する自信がないという担当者も見られます。
人事制度を企業に指導するコンサルタントの側が、従来の発想から脱却できていないという要因も見過ごすことはできないでしょう。

大前提としてお断りすると、私は成果に基づく評価を否定しているわけではありません。
多くの企業が採用している成果主義人事の方法論を問題視しているのです。

その方法論とは、簡単に述べると、①年度または半期ごとに組織目標を個人目標に落とし込み②その達成度を評価して点数化(レーティング)し、③レーティングの結果をもとに報酬や等級を決める、というやり方を指しています。

本連載では、現状の成果主義人事のどこが、なぜ問題なのか、どのように変えていくことが必要か、という問いに対して、順を追って解説していきたいと思います。

成果主義人事は歴史的使命を終えた

その昔、戦後の高度成長時代の日本企業には、確たる評価制度はありませんでした。
右肩上がりの経済成長のもと、年功序列・終身雇用の制度によって毎年、社員の処遇が上がっていくため、わざわざ評価で差を付ける必要がなかったからです。
経済成長が鈍化した70年代に入ってやっと、社員の能力開発への動機付けを高めるために、多くの企業が職能資格制度による評価を導入しました。
しかし、経験を積めば能力が高まるという年功主義的な考え方がベースにあったため、評価の個人差はそれほどありませんでした。

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現在の成果主義が導入され始めたのは、90年代になってバブル経済が崩壊して以後です。
日本経済は極めて低成長の時代に入りました。
時を同じくして、グローバル経済が進展し始めました。
資本が国境を越えて自由に移動するようになると、年功主義に基づいた日本企業の高固定費構造が大きな足かせとなりました。

そこで導入されたのが成果主義人事です。その目的は以下の2つに集約されます。

(1)年功主義に起因する固定費構造を解消すること
(2)低成長経済のなかでも売り上げを維持・伸長させるために強い動機付けを働かせること

それらの目的を実現するために、目標管理制度と成果主義による評価制度が導入されました。
つまり成果主義人事制度は、企業の業績管理システムを補完する位置づけにあったといえます。

90年代の半ば以降に日本企業の多くが類似の成果主義人事を導入してから、およそ20年が経過しようとしています。
その間に極端な成果主義の弊害を是正するための改良が加えられてきましたが、根本的な思想は大きく変わっていません。
これまでの成果主義人事の成果を総括するなら、(1)の高固定費構造の見直しについては、一定の成果をあげたといえるのではないかと考えられます。
デフレ経済下で所得が伸びない状況を作ってしまったことがよかったかどうかはともかくとして、人件費構造はこの20年で随分と変わりました。

(2)に関して、日本企業の国内売り上げは全体として伸びていません。この間、総人口は減少に転じ、需要自体が拡大していないので当然のことといえますが、このまま同じやり方を続けても一層の成長は期待できないでしょう。

それに加えて、企業を取り巻く環境は急速に、大きく変化してきています。やや大げさな言い方をすると、成果主義人事は20年を経て、一定の歴史的使命を終えたといえるのではないかと考えています。

VUCA時代におけるマネジメントの変化

成果主義人事は、組織マネジメントの方法論と捉えることができます。
ところが、その根本にあるマネジメントのあり方自体が環境変化とともに大きく変化しています。

多くのアメリカ企業が年次評価(レーティング)を廃止して、新しい目標管理のプロセス(英語ではパフォーマンスマネジメントといいます)を導入していますが、その背景には企業を取り巻く大きな環境変化があるのです。
その環境変化はアメリカ固有の問題ではなく、グローバルで共通したものです。
その環境変化を表すキーワードが、いわゆる「VUCA」です。

VUCAの時代において、企業がパフォーマンスを向上させるためには、これまでとは異なるマネジメントスタイルが求められます。以下では、VUCAが求める、4つのマネジメント変革のポイントを解説しましょう。

成果主義人事の限界『第1回 VUCAの時代と成果主義人事のミスマッチ』
V(Volatility:変動の激しさ)は、変化の短サイクル化、スピードの加速を意味します。

AIなどの技術進歩が典型例ですが、技術の進歩がさらなる技術進歩を生む状況が生まれています。
昔から、企業が生き残るためには生物と同様に環境変化に適応することが不可欠であるといわれてきましたが、それがいよいよ待ったなしの状況になってきたといえます。

グローバル人事の専門家に、欧米人のリーダーと日本人のリーダーの最大の違いは何かと尋ねると、意思決定のスピードが真っ先に挙げられます。
日本企業では意思決定までに様々な関係者に配慮したり忖度したりするために、時間がかかってしまうことが少なくありません。

しかし、VUCAの時代においては、環境変化と意思決定の乖離は命取りになりかねないのです。

U(Uncertainty:不確かさ)は、想定できない結果が頻繁に起こることを意味します。

代表例としてしばしば挙げられるのが、昨年のイギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生です。ビジネスの世界においても、想定外の結果が現実のものとなった事例は枚挙にいとまがありません。

想定外の結果が生じるのは、裏を返せば事前の想定が強すぎることを物語っています。
過去の成功体験やこれまでの社内における常識が強固であればあるほど、それ以外の可能性を想定できなくなってしまいます。
従来のビジネス(レガシービジネス)における成功の方程式に安住するのではなく、新たな環境における新たな方程式を常に模索していなければ、想定外の結果は必ず起こってしまうのです。

成果主義人事の限界『第1回 VUCAの時代と成果主義人事のミスマッチ』
C(Complexity:複雑さ)は、文字通り企業経営において勘案すべき変数が、過去よりもはるかに複雑になっていることを意味します。

グローバル化、技術の進歩、政治情勢の変化、新たな競合の出現、顧客ニーズの多様化など、企業経営において考慮すべき要素は多数に上り、それらが相互に関連し合いながら、しかも短サイクルで変化しています。

シンプル・イズ・ベストという言葉がありますが、極めて複雑化した今日の企業を単純な方法論で経営するのは大変危険です。
最適解を見いだすためには、多様な視点や多様な専門性が不可欠であるばかりでなく、それらの多様な人々が自分の意見を臆することなく発言できる環境が必要とされるのです。

A(Ambiguity:曖昧さ)とは、物事の意味合いやトレンドが不明瞭であることを意味します。

つまり、因果関係を明確に説明することが難しくなっているのです。
例えば、SNSツールのLINEは空前のヒットとなり、その要因としてスタンプがうけたとか、グループ機能がよかったとか説明されますが、それらはどれも後付けの理由です。
LINEのずっと前から電子メールは存在したし、リアルタイムのチャットツールもたくさんありました。
論理的に考えると、既に競合サービスがたくさんあるから勝算が少ないと判断されてしまったでしょう。

論理的な分析ばかりではなく、こんなサービスがあったら便利そうだとか、こんなサービスが欲しいとかいった、どちらかというと感覚的な理由からでも、小さく始めてみて、ユーザーの反応を機敏に取り入れながら育てていくことが、逆にビジネスを成功させるための方法論になりつつあります。
また、そのようなアプローチを可能にするためには、現場においてトライアンドエラーが奨励される環境が必要とされるのです。


これまでの成果主義人事をベースとした硬直的なマネジメントのままで、VUCAの時代に立ち向かうのは困難です。
次回からはその理由をより詳細に解説したいと思います。

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松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

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2020年10月27日|カテゴリー「さまざまな分野
ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
新型コロナウイルスの感染の脅威は、これから気温が低くなるにつれて再び高まってくることが想定されます。
こうした脅威があるなかであっても、経済をまわしていかなければならないですね。

ニューノーマルと呼ばれる新たな社会の流れが出てきているなかで、営業の現場においても様々な変化に対応していく必要が出てきています。
コロナ禍において、各企業が未来を見据えて営業戦略を考えていくうえでは、大きな方針転換を迫られる場合もあるでしょう。
その方針転換によって、各営業部門においては、営業パーソンの業務の進め方にも影響が出始めてきております。
その一つが、商談スタイルの変化です。これまで当たり前であった対面での商談ができなくなり、オンラインによる商談をおこなう必要が出てきています。
コロナ禍においてオンライン商談を当然のように求めてくる顧客が出てくると、これまでは対面での商談をおこなっていたとしても、対応できなければ取引自体を失ってしまうリスクも出てきます。
もちろん、すべての商談がオンライン化するわけではありませんが、企業の方針によっては、商談のオンライン化が当然のようにおこなわれているのも事実です。

オンライン商談というのは、慣れるまではとても抵抗を感じると話す営業パーソンが多くいるのは事実です。
ただ、一度その抵抗を払しょくできると、オンライン商談であっても、対面での商談と同じようにスムーズに進められるものです。
インサイドセールスをスタンダードなものとして確立できている企業では、オンラインによる商談であっても十分に対応できています。

ニューノーマルの時代には欠かせなくなってきているオンラインによる商談。
前回のブログでは、主にオンライン商談の準備のポイントについてとりあげました。
今回は、実際にオンライン商談に臨むときに、特にオンラインだからこそおさえておくべき、コミュニケーションにかかわる5つのポイントについて整理します。

<前回の記事>

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
まず、最初に商談相手とオンラインでつながったときがとても重要です。

心理学者のアルバート・メラビアン氏が提唱した「メラビアンの法則」では、感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかについて紹介されております。
それによると、視覚による情報で55%影響を及ぼすといわれています。
他にも聴覚情報や言葉そのものも影響を及ぼすポイントとして挙げられていますが、視覚の情報が最も大きいのです。
つまり、視覚から入ってくる良い印象も悪い印象も同じように人の行動に影響を及ぼすことになります。

オンラインの商談でいえば、画面に映った瞬間に相手が感じる最初の印象がとても重要になってきます。
したがって、服装や身だしなみなど、ビジネスマナーでもよくいわれる注意すべきことは、対面商談でもオンライン商談でも同じです。
相手に対して不快な印象を抱かせないような服装や身だしなみを整えるようにしましょう。

特に注意する必要があるのは、画面に映らない部分の服装です。
以前、テレビのコマーシャルで、画面に映らない部分の服装が私服であるのをアピールする営業部長のことがとりあげられていました。
これと同じことを実際のオンライン商談の場面でやるのはNGです。
画面に映らない部分についても、商談にふさわしい服装で臨むようにしましょう。
座って商談をしていても、ふと立ち上がったときに相手に自分の私服の姿が映ってしまうと、それだけで商談内容が台無しになることも十分にありえます。
見えないからといって油断しないようにしましょう。

また、画面に映る表情にも気をつける必要があります。笑顔でにこやかな表情を保つことはいうまでもありません。
表情で相手に好印象を与えるのを心がけましょう。
自分のパソコン画面に表情が大きく映りますので、商談が始まる前に、カメラの位置や設定を確認するとともに、画面を見ながら自分の表情も確認しておきましょう。

このように、見た目で判断される部分、すなわち相手が受け取る印象については、ぬかりなくチェックしてからオンラインの商談に臨むようにしましょう。
オンライン商談を前進させるための最初の一歩だと思ってくださいね。

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
さて、実際にオンライン商談で相手と話をするときに気をつけることですが、声の大きさやスピードには気を配りましょう。
商談に限らず、オンラインでのやりとりにおいて最もストレスとなるのは、相手の声が聞こえないことです。
マイクできちんと自分の声を拾えているかどうかを確認し、自分の声が届くようにしましょう。

また、対面の商談のときよりも、大きめの声で話をすることをお薦めします。
機械を通して相手に声が伝わるため、対面の商談のときよりも声を大きくして話をしましょう。
特に語尾が小さくなって聞こえなくなってしまわないように、語尾まで気を抜くことなく大きめの声でお話しましょう。

また、オンライン商談では、話すスピードはいつもよりもゆっくりであるように心がけましょう。
機械を通した声となりますと、聴こえづらくなることもありますので、いつもより少しゆっくり話すようにしましょう。
特に大事なポイントは、ゆっくり話すとともに、大きめの声で話すとより相手に伝わります。
声の大きさやスピードについても、相手への配慮を忘れないようにしましょう。
オンライン商談への抵抗感をいかに払しょくするか?そのためにも、相手に配慮している証として、声の大きさやスピードをうまく活用してください。

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
次に、商談相手と話をするときに心がけるのは、はっきりと反応することです。
対面の商談では同じ場所にいるので、あまり強く意識しないポイントかもしれません。
しかし、オンライン商談の場合には、同じ場所に一緒にいないため明確な相手の反応が欲しくなります。そのためにも、営業パーソン自身がはっきりとした反応をすることを心がけましょう。

具体的には、まず、相手から何か質問されたときの反応です。
最近では、オンライン上で資料を共有して、それを一緒に見ながら話をする場面を多く見かけるようになりました。
そのときに、最初に資料を投影した人が、「資料は見えますか?」と尋ねますよね。
尋ねられた側は、手で丸印をつくって合図をする場面をよく見かけます。
このように、商談相手からの問いかけに対しては、身体を使って反応するようにしましょう。
相手が理解できるように反応をはっきりと示すのがポイントです。

そして、話を聴くときのうなずきも、オンライン商談ではとても有効な反応です。
うなずいている様子が画面の向こう側から見えると、相手に話が伝わっていると実感できるのではないでしょうか。
大きくうなずく、ゆっくりうなずく、繰り返しうなずくなど、うなずきを活用しましょう。
話を聴くのが上手な人というのは、よくうなずいて聴いています。
うなずきがあれば、話をする側も安心して話せますね。うなずきは、相手が反応している様子がはっきりわかる最強の技法ですね。

そして、あいづちも同じように効果的に用いるといいでしょう。
オンラインで一方的に話をするときには、相手の声が聞こえない時間が長くなる不安になりがちです。
声に出して「ええ」「はい」「そうですね」など、あいづちをうつことによって、相手の反応を確認できると話がしやすくなります。
オンラインの商談を円滑に進めていくためには欠かせないものですね。
うなずきとセットにしてあいづちをうつようにしましょう。
うなずきもあいづちも、傾聴の基本スキルとしてよく紹介されるものです。
対面商談と同じように話を聴いていることを明確に示すことで、相手が安心してオンライン商談に臨めるようにしましょう。

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
コミュニケーションの基本となることですが、商談相手と双方向でコミュニケーションをとるようにしましょう。
会社の紹介や商品、サービスの紹介が中心の商談となりますと、ついつい営業側が一方的に長く話しがちです。
オンライン商談の場合には、対面の商談と比べて長く時間をかけるのは望ましくありません。
一人でパソコンなどに向かって話をしているため集中力が落ちてくるのです。
ですので、一方的に長く話しすぎないようにしましょう。
目安としては、長くても3分に1回は相手に声を出してもらうような商談の進め方を考えてください。

たとえば、ある程度まで話をしたところで商談相手に質問をしましょう。
「ここまでのところでなにかお感じになったことはありますか?」「ここまでいかがでしょうか?」「なにか気になるところはありますか?」など、質問によって相手に話してもらう時間をつくりましょう。
とにかく相手に何か声を発してもらうようにして、商談の場が間延びしてつまらないものだと相手に思われないようにすることです。

よく一方的に話をし続けている営業パーソンを見かけますが、オンライン商談では、一方的に話をし続けると、対面商談のとき以上に聴いている相手は飽きてしまいます
そのため、相手はオンライン商談を、できるだけ避けるようになってしまうかもしれません。
相手と双方向でコミュニケーションをとる工夫を採り入れながら商談を進めるようにしましょう。

ニューノーマル時代には欠かせない!オンライン商談時のコミュニケーション5つのポイント
オンライン商談を進めるときには、発言を開始するときと終了するときの合図を決めておきましょう。これは1対1での商談でもそうですが、複数人が複数の場所からつないでオンライン商談をおこなう場合には特に気をつける必要があります。

たとえば、発言を開始する前には、名前を名乗ってから発言をすると決めておくのがお薦めです。
「増田ですが、よろしいでしょうか?」のように、まず名前を名乗ります。複数の企業が商談に参加している場合には、企業名を名乗るのも忘れないようにしましょう。
もし決めていないと、複数の人の声が一斉に聞こえてきて、誰が話しているのかわからなくなることもあります。

そして、発言を終了するときには、なにか合図となる言葉を発するといいでしょう。
たとえば、「『以上です』と言う」などのように決めておきましょう。
「以上です」と言われれば、聴いている側は、発言が終わる合図だと認識できるので、次の発言に向けて心の準備ができます。
突然終わってしまって、場全体が黙ってしまわないように気をつけましょう。
発言開始と終了の合図を決めておけば、オンライン商談でも言葉が混線することなく、スムーズに商談が進むでしょう。
合図を決めるというのは、あまり慣れないことかもしれませんが、オンライン商談の回数を重ねて慣れていくといいでしょう。

ここまで5つのポイントを紹介いたしました。
オンライン商談を重ねていくと、商談相手とコミュニケーションをとるときに注意しなければならないことが、他にも出てくるかもしれません。
オンラインの商談を始めた当初は、きちんと商談全体を振り返るようにして、どのようなことに注意すればいいか確認しあうといいでしょう。
振り返ってみて、できていた部分と改善する部分を洗い出して共有しておけば、今後のオンライン商談がやりやすくなるのではないでしょうか。
振り返りをおこなって次のオンライン商談に活かすことができれば、オンラインの商談に対しての抵抗感も徐々に払しょくできそうですね。
オンラインの商談にいち早くなれることで、コロナ禍で生き残っていくきっかけにしていきましょう。
もしオンライン商談に慣れなければ、事前に商談の練習をおこなって慣れていくようにしましょう。
事前に練習をしておけば、二ューノーマルのもとで更なる営業力向上のきっかけとなるかもしれませんね。

最後に、オンライン商談の準備でもコミュニケーションでも、慣れないうちはとにかく丁寧におこなうことを心がけましょう。
丁寧におこなうことが、商談相手を安心させることにもなりますし、相手からコロナ禍で大きな信頼を獲得できるチャンスにもなるのです。
丁寧なコミュニケーションをとれる営業パーソンが、まさに、ニューノーマルの社会で市場から信頼されるビジネスパーソンとして成長できると思って、オンライン商談に前向きに取り組んでいきましょう。

オンライン商談対応営業力強化研修

オンラインで営業商談を行う際に必要なスキルを身につけ、今後に活かせるようにするための研修はこちらです。

【研修の目的】
・オンラインで営業商談を行う際に必要な基本スキルを確認する。
・準備とコミュニケーションの観点から、自身のスキルアップが必要なポイントを確認し、今後のオンライン商談に活かせるようにする。

【対象となる方】
・オンライン商談に苦手意識をもっている営業担当者
・若手営業パーソン


【研修の目的】
・オンラインで営業商談を行う際に必要なスキル(伝わる・聴く・質問する)を確認する。
・オンライン商談実習を通して自身の特徴を確認し、更なるスキルアップにつなげる。また、他の受講者の取り組みを確認し、どのような点を自身の営業に活かすポイントをおさえ、スキルアップにつなげる。

【対象となる方】
オンライン商談に苦手意識をもっている営業担当者、若手営業パーソン、基礎力強化編受講者

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増田 和芳講師
増田 和芳(ますだ かずよし)講師

<経歴>
三菱UFJニコス株式会社,株式会社日本マンパワー,ソフトブレーン・サービス株式会社
合同会社富士みらいクリエイション代表

<資格>
国家資格キャリアコンサルタント
(公財)21世紀職業財団認定ハラスメント防止コンサルタント
(一社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー
(一財)生涯学習開発財団ワークショップデザイナー

1976静岡県富士市生まれ。大学卒業後、大手信販会社で営業及び債権管理業務を経験。28歳の時に大手教育研修サービス会社へ転職し、約10年間法人営業職として勤務。キャリアデザイン研修やヒューマンアセスメント研修等の企画、営業に携わり、トップセールスとして表彰も受けた経験あり。33歳で営業課長に昇格。通算部下6名の育成に携わる。営業現場の業務改善や営業人材育成に取り組み、営業マニュアル作成や全社教育体系作成プロジェクトでは中心的な存在を担った。また、全社員対象ハラスメント防止研修等の社内研修講師としても活躍。一時は自律神経失調症で苦しむ経験をしたが克服し、2015年3月に営業コンサルティング会社へ転職。ソリューション営業スキル向上、マネジメント、組織内コミュニケーション向上等をテーマに、コンサルタントとして活動し約420回研修講師として登壇。オンライン型及び対面型どちらでもワーク主体の研修を中心に実施し、それぞれの特徴を活かして学びや気づきを促進する研修手法は、受講者から「わかりやすい内容で、現場ですぐに使えることが多い」と評判。

2020年10月19日|カテゴリー「さまざまな分野
オンライン商談前準備・5つのポイント
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、まだまだ続きます。
これから冬に向かっていくにつれて更に拡大するのではないかという不安もあります。
そうなりますと、まだまだ近い距離で人と人とがコミュニケーションをとることに関しては、抵抗感を抱いてしまうのではないでしょうか。

また、地域や企業によっては、来訪者自体をまだまだ敬遠していて、仮に商談をするといっても、短い時間でないと受け付けないというところもあるようです。
フィルムカーテンやフェイスシールド、マスクなどで感染予防策を講じていても、まだまだ実際に同じ場所でコミュニケーションをとること自体は避けるということです。

とはいっても、営業活動などを通して経済を動かしていくことも必要になってきます。
企業側も、自社の商材を販売して売上を確保しなければなりません。
コロナ禍で、思うような営業活動ができなくなってしまったことで、売上がなくなってしまうのは非常に厳しいですね。
コロナ禍だからこそできることを考えて、いろいろな方法で自社の商材の営業活動を継続していかなければならないでしょう。今は、まさにニューノーマルでの営業のやり方が検討され始めています。

オンライン商談前準備・5つのポイント
最近では、実際に同じ場所で顧客と会うのではなく、お互いに離れた場所にいながら商談するケースも増えています。

たとえば、顧客に出たばかりの新商品のPRを行う場合や、顧客に様々なニーズをヒアリングする場合などは、まだ正式に契約をする局面ではないと判断し、実際に会わずに、オンラインでの商談を希望されている顧客も多いのではないでしょうか。
なんでもかんでも対面で同じ場所で商談するのは避けて、顧客にとって、まだ契約するかどうかわからない場合には、実際に会わずにオンラインで済ませようという気持ちもあるでしょう。

コロナ禍で社員の安全を守るためにも対面でのコミュニケーションはできるだけ避ける。
そうなると、商談の場合でも、必ずしも相手と目の前で会わなくてもいい、ということになります。

こうした顧客側の事情を踏まえて、営業側も商談の進め方について工夫する必要が出てきます。
そうなると、一つの方法として考えられるのが、インサイドセールスと呼ばれる方法です。
インサイドセールスというのは、お客様と同じ場所で対面しないスタイルでの営業手法です。
新型コロナウイルスの感染拡大前からこの手法をとっていた企業もありましたが、コロナ禍になって広く採り入れられるようになりました。

インサイドセールスといいますと、かつては電話での営業スタイルが中心でしたが、コロナ禍になって、オンライン商談用のシステムなどを使って、顧客の表情を見ておこなう営業スタイルが採り入れられるようになりました。

組織としてこれからインサイドセールスを進めていこうというときには、オンライン商談用のシステムのようなセールス用のシステムの導入が必要になります。

ただ、システムさえ導入すれば今までと同じように営業ができるかというと、必ずしもそう簡単にはいかないですね。
たとえば、自宅からオンラインの商談をおこなう場合には、通信を接続する環境などに注意しなければならないでしょう。
また、どのような通信機器を使用するのか、組織として取り決めをしておく必要があるでしょう。

今回は、インサイドセールスにおいて、実際にオンラインの商談を始める前に、どのような点に注意して商談の準備をする必要があるのか、5つのポイントを紹介いたします。

オンライン商談前準備・5つのポイント
これは、対面の商談でもインサイドセールスでも同じことです。どのように商談を進めるか、そのための準備が疎かにならないようにしましょう。

商談を進めるに当たって、結果として、どこまで商談が進めばOKなのかをイメージし、他のメンバーと共有しておきましょう。

たとえば、次のオンライン商談の約束を取り付けることを目指すのか、あるいは、企画書や商品サンプルなどを用いてのプレゼンテーションの許可をえることを目指すのか、などです。
どのように商談を進めるか、商談を始める前にシミュレーションしておくと、たとえば、同席する上司や部下、他の部署の関係者、協力会社の方たちにどのような役割を担ってもらうのかも変わってきます。

オンラインの商談では、商談をスムーズに進めるためにも事前の段取りは入念におこないましょう。

誰がどのような役割を担うのかを決めて、商談を円滑に進められるようにしておくくらいに、入念におこなうのがお薦めです。
1人の営業パーソンが話をしすぎてしまい、営業側で一緒に商談に臨んでいる人たちだけでなく、顧客側の方々を不快に思わせることのないようにしましょう。

オンライン商談前準備・5つのポイント
これも対面の商談では当然のことですが、特にオンライン商談では、相手の名前や肩書などを間違えて発言してしまうと、同じ場所にいない分、とても気まずい感じになります。
同じ場所にいないからこそ、こうした基本的なことで間違いを犯してしまうと、そのときの相手の表情をパソコンの画面上ではっきりと見えてしまうため、その場の雰囲気が非常に悪くなります。
ですので、商談の相手は誰なのか、相手の名前や部署、肩書、どのような役割を担っているのかなど確認しておきましょう。

また、商談時間にも十分に注意しましょう。
同じ場所にいないために、どうしてもお互いに集中力が落ちてしまいますし、しかもその様子が画面上にはっきりと見えてしまいます。
お互いに不慣れな環境で商談を進めていると考えて、商談時間も事前に確認しておくようにしましょう。
商談にかける時間を踏まえて、オンライン商談用のシステムに接続する時間帯を、スケジューラーに登録しておくといいですね。

特にふだんはオンラインに対応していない業種、企業が商談の相手方の場合には、十分にその点は配慮しましょう。
ただでさえ、オンラインであることがストレスになっている顧客もいます。
相手の様子もよく理解したうえで、商談時間を設定したうえで、事前に確認しましょう。

オンライン商談前準備・5つのポイント
オンラインの商談では、事前に商談相手と資料を共有し、目を通してもらうといいでしょう。
同じ場所で資料を見ながら商談を進める場合には、初めて資料を見てもらったとしても、その場ですぐに質問もしやすいですね。

ただ、オンラインの商談の場合には、画面越しに初めて見る資料のため、商談相手が自分でもう一度見たいところを見返して確認することができません。
ですので、予め資料を見て確認してもらい、実際のオンラインの商談のときに質問を受け付ければいいのです。
資料を見て確認してもらったうえで質問を受けるようにすれば、オンラインの商談の時間を有効に使うことができます。
商談相手の状況を見ながら、商談相手と事前に共有しても問題ない資料については、予め送付しておくようにしましょう。

また、五感のなかでも、嗅覚、触覚、味覚に訴える商材については、オンラインの商談では、自社の商材の魅力を適切に伝えることができないですね。
この3つの感覚に訴える必要がある商材を扱う場合には、事前に対応可能な範囲で構わないので、予め商談相手に送付しておきましょう。
オンラインの商談のときには、香り、手触り、味を楽しんでもらうようなものについては、相手のところに予め送付したものが届いている状態にして、実際に試してもらったうえで、相手方の反応をその場で確認しましょう。そして、その場で感想を伺える状態にしておきましょう。

このように円滑に商談を進めるためにも、オンラインでの商談の場合には、事前に送付できるものは送付しておきましょう。

オンライン商談前準備・5つのポイント
実際にオンラインで商談を開始する前には、商談開始時間よりも早めに接続して準備しておきましょう。

よく、商談開始時間ギリギリに接続する方がいますが、それは相手にも失礼ですし精神的にも良くないですね。
遅くても10分前には接続して待機しておくようにしましょう。

たとえば、一緒に画面を見てもらいながら商談を進めるときには、早めに接続して必要な資料を準備しておくなど、実際に商談のときに慌てることのないようにしましょう。

また、上司や部下、他の部署の方や関係会社の方などと一緒に商談をすすめる場合には、早めに接続してもらい、商談相手が接続する前に、どのように商談を進めるのか、簡単にすり合わせをしておきましょう。

このように、当日も気を抜かずに準備する時間を確保しておけば、商談中にも焦らずに済みますね。
自分自身の精神状態を平常に保てるようにするためにも、早めにシステムに接続して待機していましょう。

オンライン商談前準備・5つのポイント
そして、忘れてはいけないのがセキリュティに関する理解です。
接続先によっては、共有しようとした資料が取り出せないなどの問題が起こる可能性があります。
私用のWi-Fiを用いて接続するのではなく、会社で支給されているWi-Fiで接続するのが基本です。
商談をおこなう場所によっては、セキュリティ上、その場所が十分に守られているかも確認しなければならないでしょう。
社内の情報セキュリティにかかわる規程等を事前に確認し、どの通信機器を用いてどこに接続して商談を進めればいいのか、十分に注意しましょう。

また、商談をおこなう場合には、その場所にも注意です。
たとえば、オープンに接続できるアクセスポイントを利用するのは情報漏洩の危険があります
また、機密に係る事項を事務所の外で話すのは、情報漏洩の危険が高まります。
よく大きな声で、公共のカフェスペースなどで商談をおこなっている営業パーソンを見かけますが、こういった行為は、自社の服務規程や情報セキュリティにかかわる規程などに反する行為となる可能性が高いです
十分に注意しましょう。

そのためにも、情報セキュリティにかかわる規程のなかに、社員が遵守するべきことを盛り込んだうえで、事前に社内研修などを通して、周知徹底をおこなうことも重要です。


今回は、オンラインで商談を進める準備について5つのポイントを紹介いたしました。

オンラインに限ったことではありませんが、何事においても準備が肝心です。
特にセールスにおいては、準備で商談の結果の8割~9割が決まる、というくらいに大切なことが多く、最初はある程度準備に時間をかける必要があるでしょう。
商談相手が、オンラインの商談に抵抗感をもっている、あるいは、不慣れだから時間をかけたくないということであれば、営業側がしっかりとした準備をしておかなければ、二度と商談の機会をいただけないかもしれません。

準備については、人によってどのようなことをすればいいのか、いろいろと意見の分かれるところです。
オンラインでの商談を進めるための準備についてはどのようなことをすればいいのか?今回のようなポイントを踏まえてオンラインの商談準備の「台本」を用意するというと大げさかもしれませんが、事前に準備内容をチーム内で決めておくといいでしょう。
「台本」に基づいて、お互いにチーム内で声を掛け合い、あるいは、チャットなどを使ってお互いに確認しながら準備を進めましょう。

私は、オンラインでのセールスやコミュニケーションの研修やセミナーなどでよく伝えているのは、何事も、今までのセールスやコミュニケーションよりも丁寧に取り組むことを心がける必要がある、ということです。
ちょっと細かいと思うくらいに丁寧に準備しましょう。
丁寧な準備によって商談相手の不安感を取り除き、しっかりと商談相手の信頼をつかむくらいの気持ちで臨みましょう。

とにかく丁寧に!準備を丁寧におこなって、商談でのぞましい成果を出せるようにしましょう。

オンラインでのコミュニケーション力・営業力強化

オンラインで留意すべきコミュニケーションスキル強化を通して、生産性の向上や成果創出につなげるための研修はこちらです。

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【対象者】:若手社員~中堅社員
【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンラインでの言葉の伝え方


【テーマ】:傾聴力強化
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【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンライン上の傾聴の方法 


【テーマ】:ファシリテーション
【対象者】:中堅社員~管理職
【主な内容】:非言語コミュニケーションのポイント、オンラインで必要なファシリテーションスキル


【テーマ】:1on1ミーティング
【対象者】:中堅社員~管理職
【主な内容】:コミュニケーション上のポイント、オンラインでの1on1ミーティングのポイント・実習


【テーマ】:営業力強化 ~ヒアリング力強化~
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増田 和芳講師
増田 和芳(ますだ かずよし)講師

<経歴>
三菱UFJニコス株式会社,株式会社日本マンパワー,ソフトブレーン・サービス株式会社
合同会社富士みらいクリエイション代表

<資格>
国家資格キャリアコンサルタント
(公財)21世紀職業財団認定ハラスメント防止コンサルタント
(一社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー
(一財)生涯学習開発財団ワークショップデザイナー

1976静岡県富士市生まれ。大学卒業後、大手信販会社で営業及び債権管理業務を経験。28歳の時に大手教育研修サービス会社へ転職し、約10年間法人営業職として勤務。キャリアデザイン研修やヒューマンアセスメント研修等の企画、営業に携わり、トップセールスとして表彰も受けた経験あり。33歳で営業課長に昇格。通算部下6名の育成に携わる。営業現場の業務改善や営業人材育成に取り組み、営業マニュアル作成や全社教育体系作成プロジェクトでは中心的な存在を担った。また、全社員対象ハラスメント防止研修等の社内研修講師としても活躍。一時は自律神経失調症で苦しむ経験をしたが克服し、2015年3月に営業コンサルティング会社へ転職。ソリューション営業スキル向上、マネジメント、組織内コミュニケーション向上等をテーマに、コンサルタントとして活動し約420回研修講師として登壇。オンライン型及び対面型どちらでもワーク主体の研修を中心に実施し、それぞれの特徴を活かして学びや気づきを促進する研修手法は、受講者から「わかりやすい内容で、現場ですぐに使えることが多い」と評判。

2020年10月12日|カテゴリー「さまざまな分野
こちらのコラムは「これからのパフォーマンスマネジメント」をテーマに全6回の連載でお届けいたします。今回は最終回の6回目です。
※パフォーマンスマネジメント…目標管理制度や評価制度に基づいて、個人と組織のパフォーマンス向上を促進するマネジメントのこと

1on1の導入を目的にしてはならない
1on1を導入しようとすると、現場のマネジャーから次のような声が上げられることがよくあります。
1on1なんてやる意味があるのか?
自分は部下と十分にコミュニケーションを取っているので1on1の必要はない

推進側の人事担当者が1on1の必要性を説明しても、なかなか理解してもらえません。
もちろん、現場のマネジャーのすべてがそうではないので、1on1に消極的な人は後回しにして、積極的なマネジャーに手を挙げてもらって始める方法が取られることもよくあります。
そのようなアプローチが間違っているわけではありませんが、そもそもマネジャーに理解してもらうべきことを取り違えているのです。

1on1の必要性を理解させようとするから、理解されないのです。

1on1は手段であって目的ではない

1on1の導入を目的にしてはならない
別の例をご紹介しましょう。先日、マネジャー向けのワークショップであげられた質問に対する私とのやり取りです。

相手:「部下に目標を考えさせるよりも、上から命じた方が早いのではないか?」
:「確かに短期的にはそうでしょうね。でも、それを続けていると、部下の方々はますます受け身になりますよね。もし、あなたがけがで入院でもしたら、部下の方々は何をしたらよいか途方に暮れるのではないですか?」

相手:「そうかもしれないが……」
:「理想的には、あなたが何も命じなくても、部下が自分で考えて成果をあげられるようになるのが、いちばん早いのではないでしょうか?」

相手:「それは理想だが、すぐには無理だ」
:「もちろん、すぐにはできません。けれども、やり始めないとあなたの部下はますます待ちの姿勢を強めてしまいます。一度にすべて変えることはできなくても、この仕事はあなたに判断を任せますと、少しずつ自分で考えさせる範囲を広げていく必要があるのではないですか?」

相手:(うなずく)
:「私たちは、部下が自律的に成果をあげる状態を目指すという、壮大なチャレンジをしているのです」

このケースにおける目指す姿は、「部下が自律的に行動する状態」を実現することです。
それによって、これまで以上に「成果をあげる=パフォーマンスを向上する」ことが目的です。
1on1はあくまでもそれに至る手段なのです。
非常に重要な手段ではありますが、目的ではありません。

多くの企業において、「上司と部下のコミュニケーション不足」が問題になっています。
しかし、コミュニケーション不足を解消するために1on1を導入しようとすると、「コミュニケーションを増やすこと=1on1の実施」が目的になってしまいがちです。
1on1の導入を目的にしてしまうと、推進担当者の視点は「どうすれば1on1をうまく実施できるか」に向きがちです。
そうなると、次のような目先のハウツーが関心事となってしまいます。

・1on1の実施をルール化すべきか?
・1on1で何を話題にしたらよいか?
・どのような研修を準備したらよいか?

もちろん、これらのことを検討することも必要ですが、それ以前に上司と部下のコミュニケーションを増やすことによって何を実現したいのかが明確にされていることが必要です。
さもなければ、現場のマネジャーには「何のために1on1を導入するのか」が理解できません。

先ほどの例を用いると、「部下が自律的に行動する状態を実現すること」が目的です。
多くのマネジャーにとっては、このような大目的の方が賛同しやすいことでしょう。
そのうえで、そこに至る個別具体論として1on1を導入することを示すシナリオが必要なのです。

個人と組織の目指す状態を描く

1on1の導入を目的にしてはならない
最終的な目的は組織のパフォーマンスを向上することにありますが、それは最終結果なので、どのような状態を実現すれば組織のパフォーマンスが向上するかという実現イメージを示すことが重要です。

組織のパフォーマンス向上というと大上段すぎる。
従業員の離職を減らすために1on1を導入したいのだという企業もあるでしょう。
そのような場合でも、どのような状態を実現すれば従業員が喜んで働き続けるのかを考えることが必要です。

そうした状態は、「個人の状態」と「組織の状態」の2つの視点で表現することができます。
目指す状態は企業によって異なりますが、そのシナリオを考える視点を以下に例示します。

1on1の導入を目的にしてはならない
働く人の動機と組織のパフォーマンスの関係性に基づくトータルモチベーション(ToMo)の研究結果によると、成果をあげる動機には以下の3つがあげられています。

・仕事を通じた実験や学習に「楽しさ」が感じられること
・その仕事の結果が自分の価値観に一致した「意義」を感じられること
・その仕事に携わることが自分の将来の「可能性」につながると感じられること

つまり、個々人が仕事を通じた「楽しさ」「意義」「可能性」を感じられれば、組織のパフォーマンスは向上するのです。

したがって、従業員がそうした動機を満たしながら働けることを目指して1on1を実施するといったシナリオを描くことができます。

あるいは、コミュニケーションの課題でしばしば用いられるダニエル・キム氏の成功循環モデル(関係の質⇒思考の質⇒行動の質⇒結果の質)に基づいて、個々人が最終的に結果の質を高められるように1on1で支援するといった人材開発重視のシナリオを描くこともできるでしょう。

ただし、この場合、「関係の質」を高めれば自動的に「結果の質」が高められる訳ではないということに注意が必要です。
結果の質」をどのように変えるために、思考や行動をどう変えることが必要で、その方向を目指して1on1で何を支援するか、という順番でのシナリオが必要です。

いずれのフレームワークを用いるにせよ、個々人にどうなってほしいのかというゴールを明示することが重要です。

1on1の導入を目的にしてはならない
1on1を通じて個人の働く動機や思考・行動の質の変化を促そうとしても、個々人を取り巻く組織のカルチャーがそれを阻むケースも少なくありません。

そのため、1on1を単に上司と部下の関係にとどめず、組織カルチャーの変革を目指すための取り組みと位置付けることも重要です。

たとえば、一人ひとりが思ったことを気兼ねなく言い合える「心理的安全性」の高い組織を創ることを目的とすることもできます。
あるいは、多様な個人の違いを尊重するカルチャーを創ることや、失敗を非難せずにトライアンドエラーを重んじる学習するカルチャーを創ることが目的とされる場合もあるでしょう。

これらの組織カルチャーは企業として何を重視するかといった価値観(バリュー)に依存するため、経営者がそのバリューの浸透にコミットしていることが不可欠です。
逆に言うと、経営者のコミットメントなしに1on1だけ導入して成果をあげることは難しいのです。


「1on1navi」は、上述したようなOKRと1on1の運用に特化した支援システムです。
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◆1on1navi

株式会社アジャイルHRは日本企業のパフォーマンスマネジメントの変革をミッションに活動しています。クラウドサービス「1on1navi」を中心に、1on1やOKRの研修とコンサルティングサービスを併せてご提供しています。


◆株式会社アジャイルHR
松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

アジャイルHRの関連書籍
2020年10月6日|カテゴリー「さまざまな分野
こちらのコラムは「これからのパフォーマンスマネジメント」をテーマに全6回の連載でお届けいたします。今回は5回目です。
※パフォーマンスマネジメント…目標管理制度や評価制度に基づいて、個人と組織のパフォーマンス向上を促進するマネジメントのこと

<前回の記事>第31回 『OKRと1on1 は車の両輪~ちぐはぐなマネジメントを解消せよ(その4)』
1on1で上司に求められるもっとも大切なこと
社会人の学習の70%は仕事の経験を通じてなされると言われています。
そのため、1on1の目的が部下の成長を支援することにあるならば、1on1とは部下の経験学習がより効果的なものになるように上司が支援する場であるとも言い換えることができます。  

では、部下の経験学習を効果的に支援するために上司に求められることは何でしょうか? 
その問いに答えるためには、経験学習とはどのようなものかを理解する必要があります。

心のセンサーの感度を上げる

1on1で上司に求められるもっとも大切なこと
経験からの学びを豊かなものにするには、2つの重要なポイントを意識する必要があります。

1つ目は、そもそも学びの可能性が豊富な「良質な経験」をすることです。

ただし、どれだけ良質な経験をしても、そのままにしていては学びが得られません。
そのため、個々の経験からいかに「効果的な学習」を行うかが、2つ目のポイントになります。  

有名な「コルブの経験学習モデル」に従って、もう少し具体的に見ていきましょう。
経験学習モデルでは次の4つのステップが定義されています。
  
1. 具体的な経験
2. 内省的な観察
3. 抽象的な概念化
4. 積極的な実験
  
経験学習ですから、「1. 具体的な経験」が学習 のスタートです。
経験からの学びとは、何かの理論や知識を誰かに教えてもらうことでなく、自分自身で「気づく」ことです。
気づく」というのは、その経験にどのような意味や価値があるかを認識することです。
それが「3. 抽象的な概念化」に当たります。
  
そのため、「1. 具体的な経験」と「3. 抽象的な概念化」の間にある「2. 内省的な観察」のステップが重要です。
内省」は英語では「リフレクション」、日本語では「振り返り」と呼ばれます。  
振り返り」はただ単に、何が起こったのか、なぜ起こったのかを思い出すだけではありません。
より重要なことは、その出来事が自分の内面にどのようなインパクトを与えたかを思い起こすことです。
内面へ のインパクトは「感情」として現れます。
したがって、自分の感情に向き合うことが「気づき」の出発点になるのです。 

その感情には「楽しかった」「うれしかった」といったポジティブなものもあれば、「悲しかった」「腹が立った」といったネガティブなものや、「何となくモヤモヤする」といったどっちつかずのものもあるでしょう。

自分の心をセンサーとして、なぜそのセンサーが反応したのだろうかと、自分にとっての意味を考えるのが「3. 抽象的な概念化」といえます。  

この 1~3 のステップをしっかりと行うことが、「効果的な学習」につながるのです。

1on1で上司に求められるもっとも大切なこと
ではもう 1つのポイントである「良質な経験」をするためには何が必要でしょうか? そのためのステ ップが「4. 積極的な実験」なのです。
経験からの学びを次の経験に生かすには、積極的に実験しようとする行動が重要です。

これまでと 同じような行動をただ繰り返していてもそこからの学びは少ないでしょう。
見知らぬ景色を見るために旅に出るような行動が求められるのです。それは「チャレンジ」と言い換えられます。  
しかし、ただチャレンジするのではなく、何らかの仮説を持って実験的にチャレンジすることが重要です。
それによって、行動した後に仮説の検証が可能になるからです。  

チャレンジする課題を設定する際に、そもそも何 にチャレンジをすればよいのかが分からないこともあるでしょう。
その原因は多くの場合、経験を振り返って学んでいないことにあります。
経験からの「効果的な学習」ができていれば、「次は~にチャレンジしてみよう」という道筋が見えるはずです。

チャレンジに関するもう1つの重大なテーマは、チャレンジを阻害する心理的な抵抗の存在です。
「うまくできるかどうか自信がない」「現状を変えることが怖い」「周囲にどう思われるか不安だ」といったネガティブな心理が、チャレンジの阻害要因になります。  
チャレンジができない理由としては、心理的な抵抗の方が大きいことが通常です。
そのため、「4. 積極的な実験」を行うためには自分のネガティブな感情を乗り越えることが求められるのです。

上司の「姿勢」と「実践」にかかっている

1on1で上司に求められるもっとも大切なこと
以上でお分かりのように、経験学習では「感情」 がきわめて重要な要素になります。
そのため、1on1においては部下が自分の感情に向き合い、自己開示して話せる場を作れるかどうかがその効果を大きく左右すると言っても過言ではありません。
  
では、そのために上司に求められることは何でしょうか? 
それはコーチングやフィードバックのスキル以前に、上司の「姿勢」と上司自身の「実践」に かかっています。
反対に、上司の姿勢と実践が欠けていたなら、どれだけスキルを学んでも効果がな いばかりか逆効果にもなりかねません。  
「上司が受け止めてくれる」「自分のことを応援してくれている」と安心できるからこそ、部下は身構えることなく自分の内面に向き合い、言葉にすることができるのです。
「部下のことを支援したい」「応援したい」という上司の姿勢は部下に必ず伝わります。 

言い方を換えれば、上司が「部下に関心」を持っているのか、「自分自身に関心」を持っているのかという、関心の焦点のありかの問題ともいえます。
上司が上司自身に関心を持った状態で1on1に臨んでも、部下はけっして自分の気持ちを率直に語ることがないでしょう。  

上司に求められるもう1つのことは、上司自身が経験学習を「実践」しているかどうかです。
葛藤を乗り越えてチャレンジをしたり、経験を深く見つめて学んだりすることのない上司から、部下は支援を受けたいと思えるはずがありません。  
1on1は部下にとっての経験学習の場ですが、その前提として上司自身が日々、経験学習を実践していることが不可欠なのです。

第27回 『上から目標を与えてはいけない理由~OKRのコンセプト(その1)』 Author:松丘 啓司

第28回 『個人目標を公開することによる効果~OKRコンセプト(その2)』 Author:松丘 啓司

第29回 『組織が先か、目標が先か~OKRのコンセプト(その3)』 Author:松丘 啓司

第31回 『OKRと1on1 は車の両輪~ちぐはぐなマネジメントを解消せよ(その4)』 Author:松丘 啓司

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◆1on1navi

株式会社アジャイルHRは日本企業のパフォーマンスマネジメントの変革をミッションに活動しています。クラウドサービス「1on1navi」を中心に、1on1やOKRの研修とコンサルティングサービスを併せてご提供しています。


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松丘啓司
松丘啓司(まつおか・けいじ)
株式会社アジャイルHR 代表取締役社長

1986年 東京大学法学部卒業。アクセンチュア入社

1992年 人と組織の変革を支援するチェンジマネジメントサービスの立ち上げに参画。以後、一貫して人材・組織変革のコンサルティングに従事

1997年 同社パートナー昇進。以後、ヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任

2005年 企業の人材・組織変革を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立し、代表取締役に就任(現任)

2018年 パフォーマンスマネジメントを支援するスマートフォンアプリ「1on1navi」をリリース後、株式会社アジャイルHRを設立し代表取締役に就任し、日本企業のパフォーマンスマネジメント変革の支援をミッションとして活動中

著書は多数に上るが、「1on1マネジメント」(2018年)はピープルマネジメントの教科書として多くの企業で活用されている。「人事評価はもういらない」(2016年)は人事だけでなく一般の読者にも広く読まれるベストセラーとなった。

アジャイルHRの関連書籍
2020年10月5日|カテゴリー「さまざまな分野
ブログ_Yuki Nose
みなさん、こんにちは。日系アメリカ人・元外交官のYuki Noseです。

このブログでは、経営者・管理職・人事の立場からみたテレワーク・マネージメントについて、お伝えしています。
今回は、シリーズの4回目、前回に引き続き「ジョブ型雇用」についてお伝えいたします。

テレワークの問題解決のために、急遽、脚光を浴びてきた、「ジョブ型雇用」。
ジョブ型雇用」って何でしょう?

-前回の記事を読む-
テレワーク・マネージメントとジョブ型雇用~ジョブ型雇用って何?~part1
「1.日本の雇用制度」~「7.昇進・異動」

8.到達点

メンバーシップ型雇用では、いろいろな職種を広く浅く経験するので、いろいろなことが学べますが、少しずつしか学べません。
しかも、異動がいつになるかがわからないので、夜間MBAに通う、など、長期的な「学びの計画」が立てにくくなります。

それに対して、ジョブ型雇用は、専門家となるので、到達点が高くなり、多くのアイデアが社員から生まれます。
GAFAの躍進は、このようなジョブ型雇用による専門家によるものです。

ジョブ型雇用とは


ジョブ型雇用とは

9.モチベーション

メンバーシップ型雇用では、職務が明確にされていないため、仕事内容が不明瞭で、従って、時間で管理されることになります。
効率が悪くても給料が同じなので、効率を上げようというインセンティブは低下します。
また、仕事内容が明確にされないので、モチベーションが下がり、労働生産性は低くなります(日本の労働生産性は先進国の中で最低です)。

それに対してジョブ型雇用では、職務が明確なので、モチベーションが高くなります。
効率良い仕事をした方が有利なので、労働生産性は高くなります。モチベーションと労働生産性が高くなると、充実感・達成感・やりがいが大きくなります。

ジョブ型雇用とは

10.ビジョン

メンバーシップ型雇用では、いつどこに異動になるかわからないので、1年以上の計画が立てにくくなります。

それに対して、ジョブ型の場合は、異動時期が自分で決められるので、長期的視野に立ち、数年にわたる計画を立てることができます。

大きな事業は1年で行うことが難しいため、大事業を成し遂げようとすると、数年の視野が持てる職員が必要となります。
アマゾンの成功は、ジョブ型雇用による長期的視野によります。1年では採算が合わなくても数年で黒字になる計画により、アマゾンは大成功をおさめました。

ジョブ型雇用とは
ジョブ型雇用とは

11.人生の質

メンバーシップ型雇用では、異動のタイミングと異動先が自分で決められないので、配偶者や子供の学校などの関係で単身赴任が増えます。当然のことながら、単身赴任は少子化と大きく関係しています。日本は他の先進国と比べて、単身赴任者の割合が非常に多いです。

ジョブ型雇用は、異動のタイミング、異動先を自分で決められるので、ワークライフバランスが保ちやすいです。例えば、子供の卒業に合わせて異動をすることが可能です。

ジョブ型雇用とは

12.まとめ

メンバーシップ型雇用では、職務が不明瞭なので時間で管理することとなり、テレワークでは弊害が起こります。また、モチベーションや労働生産性が低くなりがちで、ワークライフバランスが保ちにくいです。

ジョブ型雇用では、職務・成果で管理するため、テレワークに向き、モチベーション・労働生産性が高くなります。また、ワークライフバランスも容易に保てます。
それだけでなく、アイデアが多く出、長期プランを要する大事業にも効果的です。ジョブ型は国際競争に有利に働きます。

ジョブ型雇用とは
テレワークの解決法がジョブ型雇用ということに気づいている人は多く、そのため、ジョブ型が新聞に毎日載っています。
けれども、日本は労働基準法のため、欧米式のジョブ型をそのまま取り入れることができません。「日本式ジョブ型雇用」を作る必要があります。

では、もし、ジョブ型雇用を導入したければ、具体的にはどうすれば良いでしょうか?

そこから先の質問は、研修でお答えします。
何かご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。


 

※ お電話の場合は「06-6356-8522」までお問い合わせください

欧米でのテレワーク・マネージメントの実際

テレワーク・マネージメントとジョブ型雇用~テレワークの長所と短所~

テレワーク・マネージメントとジョブ型雇用~ジョブ型雇用って何?~part1

おすすめセミナー

コロナ第2波を乗り切る!
テレワーク・マネージメント&ジョブ型雇用 徹底解説講座

テレワーク
◆こんなご質問にお答えします

・ジョブ型雇用についてもっと知りたい
・テレワークの人事評価、どうすればいいの?
・労働基本法との関係は?
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1.テレワーク導入時のマネージメントの問題を理解し、その解決法を学ぶ
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ブログ_Yuki Nose
Yuki Nose 
国際ビジネス 代表、大阪市立大学非常勤講師 兼務
日系アメリカ人、元外交官
海外勤務25年(世界50カ国)

大阪生まれ。ハーバード大学修士卒(国際政策専攻)
ハーバード大学のマネージメント教授のアシスタントを務め、ハーバード式講義術を学ぶ。
国際連合で10年勤務し、企画顧問、最高技術顧問、事務所長などを歴任し、この間「ハーバード式講義+欧米式参加型ワークショップ」により、各国でリーダーシップ・マネージメント研修を行う。
その後、アメリカ国籍となり、ホワイトハウスやアメリカ外務省の委託事業経営を10年行い、アメリカ連邦政府評議会理事も務める。
現在、大学講師を務めながら、リーダーシップ・マネージメント研修を行う。
大胆な「ハーバード式+欧米式参加型ワークショップ」が好評。


※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
2020年9月29日|カテゴリー「さまざまな分野
こちらのコラムは「これからのパフォーマンスマネジメント」をテーマに全6回の連載でお届けいたします。今回は4回目です。
※パフォーマンスマネジメント…目標管理制度や評価制度に基づいて、個人と組織のパフォーマンス向上を促進するマネジメントのこと

<前回の記事>第29回 『組織が先か、目標が先か~OKRのコンセプト(その3)』
OKRのコンセプト_12
OKRは簡単には到達できない野心的な目標です。
そのため、部下に実行を丸投げしても、うまくいくはずがありません。

目標が高いからこそ、上司は部下とともに、ゴールに向けて階段を上って行く過程を1on1で支援し続ける必要があります。

目標設定とマネジメントのタイプ分類

1on1
昨今、上司と部下の頻繁な対話(1on1:ワン オン ワン)を導入する会社が増えています。

期初と中間と期末の3回だけの面談では部下の成長とパフォーマンス向上につながらないことから、より頻繁に1on1の面談を行って、部下を継続的に支援していく必要があるからです。

しかし、従来の目標管理制度(MBO)をそのままにして1on1を導入しても、思ったような効果を出すのが容易ではありません。
そもそも、MBOのベースとなる思想と1on1の思想が大きく異なるからです。

目標によるマネジメントのパターンは、目標設定のタイプとマネジメントのタイプによって以下のように分類されます。
【目標設定のタイプ】

(1)主体的目標
本人が主体的に「目指したい」と願うゴール。OKRはこのタイプです。

(2)受動的目標
本人の意志よりも、「やるべき」と上から下りてくるゴール。
従来の目標管理制度における目標設定はほとんどがこのタイプです。


【マネジメントのタイプ】

(1)内発的動機付け
仕事を通じた働きがいや成長実感が継続的に得られるように、個々人に応じて直接的に働きかけるマネジメントです。
1on1はこのタイプであるべきです。

(2)外発的動機付け
会社が決めた評価基準に基づいて成績を付けたり、金銭的報酬や昇進などの外形的なインセンティブによって動機付けるマネジメントです。
これまでの目標管理制度は、大部分がこの考え方に基づいています。
上記の組み合わせは理論上では2×2の4パターンがありますが、ちぐはぐな組み合わせだと十分な効果が得られません。

効果を生み出すシナリオを描く

仕事
目標設定OKRのように「(1)主体的目標」(しかも高い目標)で、マネジメントが「(2)外発的動機付け」の場合をイメージしてみてください。

外発的動機付け重視のマネジメントでは、個々人に対する上司からの個別支援が少なく、働きがいや成長実感は自分で見いだしていかなければならないため孤独です。

その結果、高い目標を追い続けることへの意欲を持続できず、力尽きてしまう人が数多く現れるでしょう。

結局